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民放ラジオ101局 特別番組 WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談

民放ラジオ101局 特別番組 WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談

2017年3月20日にオンエアされました首題の特別番組。
このブログでは放送のほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

◎ 冒頭

マンボウやしろ

車の中、オフィス、自分の部屋
家族、同僚、または一人で。

今、ラジオはあなたに、どんなふうに寄り添っていますか?

ラジコを通して、パソコンやスマートフォンでラジオが聴けるようになり、さらにタイムフリーやエリアフリーの拡大で、ラジオはもっと身近に、さらに新しい拡がりを見せています。

そんな中、今夜、この番組で日本全国がつながります!

お迎えするのは、「山下達郎のサンデーソングブック」から山下達郎さん。
そして「星野源のオールナイトニッポン」から星野源さん。

日本を代表する音楽家であり、そしてラジオパーソナリティーの顔を持つお二人が、これから、とっておきの「ラジオ愛」を語ります。

今宵、お二人は初対面。

ラジオ局の垣根を超えた「民放ラジオ101局 特別番組 WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談」
いよいよ、幕開けです。

◎ 親子の世代 

マンボウやしろ

2017年3月20日、春分の日
今夜は全国民放ラジオ101局で放送の特別番組 「WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談」をお送りします。

こんばんは。
本日この番組の進行を努めます、マンボウやしろと申します。

そして、本日のスペシャルゲスト・・
今、私の目の前にですね、山下達郎さん、星野源さん、お二人にお越し頂いております。

まずはですね、お一人づつ、お声頂いても宜しいでしょうか。

達郎氏:

山下達郎です、こんばんは。
よろしくお願いします。

星野源:

星野源です。
こんばんは。宜しくお願いします。

マンボウやしろ

宜しくお願いします。
まさに夢の組み合わせが実現ということなんですけども。

山下達郎さんと星野源さんは、まさに今日が「はじめまして」

星野源:

よろしくお願いします。もう、緊張しております。
でも、これが始まる前にたくさんお話をさせていただきまして。

達郎氏:

割りと出自が近いものが。
年齢的には親子ですけど。

マンボウやしろ

そうですね、親子ぐらいの差があるということですけども。

星野源:

僕の父親と同じ世代だったということが判明しまして。

マンボウやしろ

この放送の前に写真撮影があったじゃないですか。
あの時にお二人、まさにはじめましての状態で話してて。あれが、こう、ちょっと・・・実は悔しかったですよね。あれ、流したかったですよね。

達郎氏:
星野源:
(笑)

マンボウやしろ

裏でみんなで言っていたんですけど、達郎さんが源さんに対してですね「あなたは学生の頃は部活は何?」とか(笑)。

星野源:

そう。質問してくださって。

マンボウやしろ

ゼロから聞いてくださっていて。

達郎氏:

面接試験かよって(笑)。

星野源:
(笑)

マンボウやしろ

本当です。なんか娘の婿が来たみたいな。そういう雰囲気の・・・

達郎氏:

そうか。それはあるかもしれないな。

星野源:

そんな雰囲気を感じました。

マンボウやしろ

その時、星野さんはだいぶ緊張してましたよね? あの時間は。

星野源:

そうですね。僕は昔から大好きな方なので。
やっぱり初めて会うということで緊張していたんですけど。

たくさん話しかけてくださって。質問をしていただけるとすごく、気持ちがどんどん楽になっていって。

「部活は何もしていませんでした」とか。そういうことを答えていく段階で、なんかすごく距離がちょっと縮まったなんじゃないかなと、思ってます。

達郎氏:

彼も一人っ子で、僕も一人っ子なんですよ。

星野源:

そうですね。

達郎氏:

埼玉で、僕は東京なので。で、彼は八百屋さんがご実家で、僕はいわゆる町のパン屋が実家なので。割りと似ているんですよ。感じが。空気が。

マンボウやしろ

じゃ今日はもう、その感じで。

達郎氏:

うちの養子に来ますか?

星野源:

えっ、いいんですか?(笑)。

マンボウやしろ

すごいことが決まりましたよ(笑)。

星野源:

僕、音楽のお父さんが細野さんだと普段、言っているんですけども。
第二のお父さん、お願いします(笑)。

マンボウやしろ

もう本当のお父さんさんですよ。第二っていうか。

達郎氏:

僕の方が近いですからね。年齢的にも(笑)。

マンボウやしろ

さあ、ということで今夜は『山下達郎・星野源のラジオ放談』という番組タイトルです。ぜひ、お二人と時間が許す限りラジオの話をたっぷり語り合っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

星野源:

よろしくお願いします。

◎ 山下達郎さんのラジオ体験

マンボウやしろ

山下達郎さん、星野源さんをお迎えしてお送りしています民放ラジオ101局特別番組『WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談』。

さっそくですがお二人のラジオ体験のお話から、伺いたいんですけども。達郎さんはいくつぐらいからラジオを?

達郎氏:

あの、ジジイの話ですいませんけども、生まれた時はテレビが無かったんですよ。

マンボウやしろ

マジですか?

達郎氏:

ええ、そうです。
小学校入るか入らないかぐらいの時に、ようやくテレビっていうのが生まれましてね。
でも、すごく高いものなので、テレビが家に来たのは小学校3年か4年か・・・
それまでは僕、アパート暮らしだったんで、大家さんの家にみんな近所の子供が集まって見たような、そういう記憶が・・・

だから、ほとんどラジオが自分の生活でしたから。

マンボウやしろ

いちばん古い記憶だと、どういったラジオの放送を聞いていたんですか?

達郎氏:

浪曲と落語ですね。

マンボウやしろ

浪曲と落語?・・・

星野源:

それは小学生の時から、楽しみにしていたんですか?

達郎氏:

そうですね。あとは映画音楽。

星野源:

映画音楽を流す時間みたいなものですか?

達郎氏:

だから、音楽もコンスタントに流れてますでしょう。
ニュースもなにも基本的にはラジオなんですよ。
新聞とラジオしかないわけ。
情報源がね。

マンボウやしろ

そこから、じゃあいろいろと情報を得ていったということですね。

達郎氏:

まあ、音楽が好きになったんで、中学ぐらいになりますと、そうやって自分の好きな番組っていうのを、ねえ。

で、深夜放送が始まったのが、僕が中学1年の時だったんで。
で、オールナイトニッポンが始まったのが中学2年の頭ぐらいですから。

星野源:

へー!

達郎氏:

開闢(かいびゃく)ですよ(笑)。

マンボウやしろ

すごいですね。

達郎氏:

オリンピックの後の高度成長期からオールナイトっていうのが始まったんで。
それで、子供たちが受験勉強をするっていうものなので、そういう中学・高校生を相手に始まったのがオールナイトニッポンとか、パック・イン・ミュージックとか、セイ!ヤングとか、ああいう一連の流れですね。

星野源:

はー!

マンボウやしろ

また後で聞きますけど、源さん、今まさにね、オールナイトをやっているわけじゃないですか。受験生を意識してやっているんですか? やっぱり。

星野源:

いや、全くやってないです(笑)。

マンボウやしろ

やってくださいよ!

達郎氏:

くくく(笑)

星野源:

でも、やっぱりメールでは「いま勉強しています」とか「受験なんで勉強しなきゃいけないんですけど、楽しくて聞いちゃっています」みたいな。

達郎氏:

ちょうど期末の勉強とか、そういうやつでしょ?

星野源:

なるべく、邪魔をしたいというか(笑)。
まあ、楽しく聞いてほしいというか。勉強はやっぱり辛いものだと、僕もそういう記憶があるので。その時間を楽しく過ごしてもらいたいなとは思っています。

達郎氏:

もう星野さんの物心ついた時にはFMもAMもあったわけでしょう?

星野源:

ありました。
親父がJ-WAVEをずーっとエアチェックしていて。
そのテープがいっぱいガーッとあって。

いろんな国のよくわからない音楽を車の中で、そのカセットを流して聞くみたいな。
だからいまだにタイトルがわかってないけど覚えている曲みたいなのもあったりして。
で、家でもずっとラジオが流れていました。

マンボウやしろ

そして達郎さんはですね、ラジオを聞きにアメリカに?

達郎氏:

はい。
いや・・・別にラジオを聞きに行ったわけじゃないですけども(笑)。

アメリカに行った時にはもうFMを1日中かけていますんで。
で、アメリカの場合には、ほら音楽が、たとえばリズム・アンド・ブルースだったらリズム・アンド・ブルースに特化して。
ハードロックだったらハードロックに特化して全部放送局はやっているんで。

で120分のテープを山のように買ってね、朝から晩までそれを録音しているんですよ。
で、2、30本たまるでしょう? 4泊5日ぐらいでね。それを東京に持って帰って、一生懸命聞く。

星野源:

すごいですね。やっぱりそこで初めて知る曲っていうのも多かったですか?

達郎氏:

もう全然知らない曲ばっかりです。

星野源:

楽しいなぁ・・・

達郎氏:

深夜のR&Bのステーションとか、本当に何の曲だかわかりませんから、それを必死になって探すんですね。
今はだから、FMを聞いても全部ネットでプレイリストがあるから、本当に楽ですよ。

マンボウやしろ

便利になったじゃないですか。
それはでも、どうですか? 達郎さん的には、その当時の感じも知っていて、自分で探していくっていう過程も。

達郎氏:

うーん・・・一長一短だと思いますよ。

今みたいに便利だったら、その・・情報が逆にあふれかえるから。
好きなものが特定できないっていうのかな? 目移りしちゃうっていうの? 

僕らの時にはもう情報自体が本当に少ないから。
たとえば、レコードも高かったですしね。
それを、つまらない曲でも買ってきても、好きになろうと思って必死に聞くみたいな。

そういう態度が生むものと、今みたいにとにかく欲しいものはいくらでもあるやつをどうチョイスするかっていうことと、精神的にやっぱりかなりの差がありますけども。
それがいいことか、悪いことか、僕にはわかりませんね。

◎ 星野源さんのラジオ体験

マンボウやしろ

星野さんは、あれですよね、結構AMを?

星野源:

はい。
僕、小学校の時に文化放送のアニメ枠みたいな、声優さんがやっているラジオとかから聞き始めて、その後TBSラジオの岸谷五朗さんの『東京RADIO CLUB』っていうのがありまして。
それが帯でやっていたんですけど、10時ぐらいからかな? 

それを中学校の1、2年で聞いて、その後にいちばん深く聞いたのは小堺一機さんと関根勤さんの『コサキンDEワァオ!』というTBSラジオの。

達郎氏:

有名なやつですね。

星野源:

もう本当に大好きで。
で、だいたい2時間番組だったりすると、夜中なので120分テープに予約で録音しておいて、僕、家から学校までがちょうど2時間だったんですよ、電車通学で。

その間に、電車の中でプレイヤーで聞きながら、笑いを我慢しながら聞くっていうのがすごく楽しくて。
2、3回自分のハガキが読まれたことがあって。それは通学の途中の駅のホームで崩れ落ちるって・・・ホームで嬉しすぎて。

で、そのラジオを聞いているクラスメートとかいないんですよね。
誰にもこう・・・もちろんいまで言うTwitterとかもないし。
何も発散する術がないんで。

達郎氏:

共有できる人がいないんだ。

星野源:

それがすっごく、いま思うと自分の中でどんどん培養していくというか。

達郎氏:

独占できるからね。

星野源:

「好き」をどんどん重なっていくというんですかね。

マンボウやしろ

そして、ライムスターの宇多丸さんの『ウィークエンド・シャッフル』。
これ、TBSラジオですけども、匿名でジングル製作をしたと?

星野源:

そうなんですよ。
僕、いまニッポン放送で番組をやっているんですけど。
TBSラジオの話ばっかりしてすいませんって感じなんですけども(笑)。

(山下〉
マンボウやしろ

(笑)

星野源:

まだオールナイトニッポンをやる前に、ジングルを宇多丸さんが『ウィークエンド・シャッフル』という番組で募集・・・ラップジングルだったんですけど。

でも僕、ラップができないので、「送れないな」って思っていたんです。
そしたら、「歌でもいいですよ」って宇多丸さんが言った回があって。
「あ、じゃあ歌でもいいんだったら送ってみよう」と思って。

で、自分の家で、普通のリスナーと同じ環境で作りたくてパソコンでロジックを立ち上げて、自分で録音して。
ギターとリズムを組んで。で、歌だけ録って。で、自分の歌っていうのももしかしたらバレてしまうかもしれないので加工して、わかりにくくして。
で、匿名で・・・。

マンボウやしろ

「バレてしまう」っていつぐらいの話なんですか?

星野源:

ええと、2010年ぐらいだったと思います。

マンボウやしろ

もう活動して、名前は通っていますよね?

星野源:

『ばかのうた』っていうファーストアルバムは出ていたと思います。

マンボウやしろ

どういう意味で送ったんすか?(笑)。

星野源:

楽しくないですか? 仕事じゃない音楽制作ってちょっと原点に・・・
昔から宅録も好きだったので帰るというか。で、別に落ちるだろうなと思っていたし。
ま、楽しみでやってみようと思いまして。

本名のところも偽名にして、全部変えて送ったら、優勝しちゃったんです。
「ゆ、優勝した!?」と思って、すっごい嬉くて(笑)。

マンボウやしろ

うれしいですよね(笑)。名前出てなくて優勝ですもんね。

星野源:

でも、それも言えないんですよ。言うと、いわゆるレコード会社の人にも「お前、なにやってんだ!」って言われちゃうんで。

マンボウやしろ

なりますし。他の人からしたら、「プロ参加してんのか!」にもなりますしね。

星野源:

そうなんですよ。なんで、ほとぼりが冷めるまで、それこそ自分の中で喜びを培養して。

達郎氏:

カミングアウトをしたのはいつなんですか?

星野源:

2年後ぐらいです。で、その番組に呼んでいただくちょっと前ぐらいの時に、たまたま宇多丸さんと対談する機会がありまして。
その時に「あ、今ならもう時効かな」と思って言ったら、ものすごい驚かれて。

達郎氏:

向こうもびっくりしたでしょうね。

星野源:

その後の番組の中でずっと使われていたジングルだったんで。優勝したので。

マンボウやしろ

よく2年、黙ってられましたね。

星野源:

なんか、楽しいですよね(笑)。ワクワクしますよね、そういうの。

達郎氏:(笑)

◎ 『オマリーの六甲おろし』

マンボウやしろ

さあ、ではラジオから流れてきた音楽で心をグッと掴まれた曲。
いまでも印象に残っているマイ・ファースト・ラジオ・キラーチューンをお一人ずつ挙げていただきたいんですが・・・
じゃあ、源さんから。

星野源:

ああ、じゃあ僕から。
僕、これはその『コサキンDEワァオ!』という番組でCD大作戦っていうコーナーがありまして。
CDの音源の歌の歌詞を全部抜き出して、本当にコラージュみたいにして、コントみたいにするっていう。

もともとは萩本欽一さんがやっていた、たぶんレコード大作戦っていうコーナーがあったんです。それをCD大作戦っていうコーナーに変わって。

で、その中でよく使われる面白い曲っていうのがいっぱい・・・本人たちはすごく真面目にやっているのに、面白く聞こえてしまう珍盤みたいなものが。

マンボウやしろ

はい。

星野源:

で、その曲たちを「コサキンソング」っていう風に番組の中では呼んでいたんです。で、その曲の中で僕が初めて聞いてお腹痛くなるぐらい笑ってしまった曲がありまして。それが、当時阪神タイガースの選手だったオマリー選手の『六甲おろし』。

マンボウやしろ

阪神の応援歌というか、タイガースの・・

星野源:

そうですね『オマリーのダイナミック・イングリッシュ』っていうタイトルのCDの中に入っている『オマリーの六甲おろし』っていう曲があって(笑)。

すごくこの曲、大好きで。
AMリスナー的には割りと鉄板的な曲でもあると思うんですけども。

達郎氏:

僕もCD、持っていますよ。

星野源:

あ、そうですか、やっぱり。

マンボウやしろ

「CD持っている」ってどういうことですか、このオマリーのやつを?(笑)。

星野源:

僕も持っているんですけど。
最初、日本語で歌うんです『六甲おろし』を。
で、まあちょっと下手なんですよね。
で、2番で英語になるんですね。
やっぱり日本語だから難しかったのかな?って思って英語の歌詞になった時に、またちょっと衝撃がおとずれるので、そこも含めてぜひ。

達郎氏:

ふふふ(笑)

マンボウやしろ

いまの感じでいくと、すごく上手いみたいなイメージでしたけども。

星野源:

それをぜひ聞いて、判断していただければと。

マンボウやしろ

星野さん、星野さん。

星野源:はい?

マンボウやしろ

今日、山下さんと初めてですよね? で、こういう番組で(ラジオ局)101社で。
なんでこれを?

星野源:(笑)

マンボウやしろ

いや、俺、どういう・・・?

達郎氏:

いや、気持ちはよーくわかります。

マンボウやしろ

わかっちゃうんですか!?

達郎氏:

聞けばわかります。

星野源:

いや、これ聞いたことないですか? 
やしろさんは聞いたこと、ないですか?

マンボウやしろ

俺、聞いてないから「どうした、星野源」って思ってますけど、聞けばわかるんですか?

達郎氏:

すごく僕、だからその星野源っていう人の出自というか、音楽的なものとか、役者的なものとかの、そのラジオのライフっていうのから透けて見えるね。

マンボウやしろ

この選曲で?

達郎氏:

いや、だから聞いている番組とか。
で、すごくよく理解できる。
それがすごくやっぱり一本筋が通っているというか。

星野源:(笑)

マンボウやしろ

僕たちに見えない筋が通っているわけですね。

達郎氏:

「なるほどな」と思って聞いてます。

星野源:

聞いていた当時、誰とも共有できない苦しさと楽しさ(笑)。
これ、勧めたくなるんですけどね。

マンボウやしろ

じゃあ、曲紹介をいいですか?

星野源:

はい。それではみんなで一緒に聞きましょう。オマリーで『六甲おろし』。

♪ オマリーの六甲おろし (阪神タイガースの歌) (「オマリーの/トーマス・オマリー

マンボウやしろ

えー、お聞きいただいたのが・・・(笑)。

(山下・星野)

くくく(笑)

マンボウやしろ

大変ですけど、かしこまって言うのも。
これは『六甲おろし』のオマリーバージョンというか。

星野源:

はい。オマリーの。
すごくないですか? 
2番の英語になった途端にその・・(笑)。

達郎氏:

だから絶対にメロディーをろくすっぽ覚えてないんだよ(笑)。

星野源:

あの、歌の中で迷子になっていって、帰って来れない感じ(笑)。

達郎氏:

どこがどこだかわからない(笑)。

星野源:

どこがどこだかわからない感じ(笑)。

達郎氏:

通信カラオケで・・・やっぱり通信カラオケのオケじゃないですか。
これの通りに歌おうとする人間がいまでもいるっていいますからね。

星野源:

そうですか(笑)。
これをコピーしたくなる?

達郎氏:

これをコピーして歌いたくなるっていう。

星野源:

「ブルースカーイ♪」みたいな(笑)。
「タイグァース♪」って、なぜ「タイガース」がそんなに歌えてないんだ?っていうのが・・・。

マンボウやしろ

ねえ。そこは上手く歌えよ!っていうことですよね。
タイガースの部分は、英語なんだしということで(笑)。

星野源:

ぜひ、みなさんもぜひ、購入してください。これ。

◎ Good Lovin’

マンボウやしろ

購入・・・もうできないかもしれないですけども。
ラジオを聞いてグッと心をつかまれた曲で1曲目、星野源さんでいま来ましたけども。

達郎氏:

もう、いいですよ、僕は(笑)。

星野源:

いやいや・・・・。

マンボウやしろ

そうですよ。
行きづらいですよ、達郎さん。
でも、行っていただかないといけないので。
段取り上(笑)。

達郎氏:

僕ね、音楽しか能がないので。
完全に曲なんですけど、中学2年の時に・・・
当時はだから音楽番組、ラジオはたくさんありまして。
『P盤アワー』っていうのがりましたね。ポリドール系のレコードをかける。

星野源:

P盤って呼んでいたんですね。

達郎氏:

ええ。
『S盤アワー』とか『P盤アワー』とか、そういうのが。
『9500万人のポピュラーリクエスト』とか、そういうヒットパレード番組ですね。

それでかかって。
ポリドールで出ていたんですよ。
アトランティック・レーベル当時ポリドールだったんで。

僕の、それが一生のアイドルになるヤング・ラスカルズっていうニューヨークのグループなんですけども。
これの全米ナンバーワンの『Good Lovin』っていう曲がありまして。
これが僕にとってのロックンロールの原初なんですよね。

星野源:

はー!

達郎氏:

これがラジオでモノラルで出てきた時の衝撃度ったら、もうね・・・
それでシングルを買いに行って。それはすごくいまでも・・・「これだ!」と思ってね。

マンボウやしろ

まさに、じゃあ本当にもしかしたら人生が変わっている1曲ですか?

達郎氏:

まあ、結局自分が音楽をやるということになって、どこを目標にするか?っていうその精神的なもの。

ブルー・アイド・ソウルっていって白人の歌うリズム・アンド・ブルースなんですよね。で、「青い目のソウル」って、黒人に青い目がいないんでブルー・アイド・ソウルっていうんですけど。

要するに、黒人音楽が好きなんだけど、白人でしょう? イタリア系のアメリカ人なの。そういうフィルターの通し方っていうのは僕、日本人でロックンロールをやる時に、やっぱり向こうの輸入音楽をどうするか?っていうところと精神的にちょっとシンクするところがあるんですね。

星野源:

はい。

達郎氏:

そういうところがすごく、思想的な意味ですけど。
それが、原点に戻るとラスカルズの『Good Lovin』に戻ってきますね。

星野源:

源さんので、「達郎さんなくていいんじゃないか?」みたいなの、さっきありましたけど・・・。

星野源:

逆ですね。

マンボウやしろ

逆でしたね(笑)。

達郎氏:

違う違う違う(笑)。

星野源:

オマリーはかけない方がよかったですね。

達郎氏:

いやいや。

星野源:

リスナーの方が怒っているかもしれない(笑)。

達郎氏:

自分の番組で珍盤奇盤っていう企画があるんですけど、その時にまだこれ(オマリーの六甲おろし)、かけてないんですよね。
そのうちにかけてみたいなって思っていて。

マンボウやしろ

それでは、曲紹介をお願いします。

達郎氏:

じゃあ、ヤング・ラスカルズの1965年の全米ナンバーワン『Good Lovin』。

♪  Good Lovin’/The Young Rascals

マンボウやしろ

山下達郎さんのグッと心に来た1曲ということで『Good Lovin』。

星野源:

かっこいい。
これはモノラルとステレオがどっちもあるんですか?

達郎氏:

やっぱりモノラルじゃないとダメですね。
オリジナルシングルの。

星野源:

やっぱりモノラルじゃないとダメなんですね。

達郎氏:

モノラルじゃないとダメです。はい(笑)。

星野源:

僕もモノラルの曲ってすごい大好きで。
自分の曲でも、だいたいこう、真ん中に寄らせようとどうしてもしてしまうっていう。
せっかくステレオなのにっていう。

達郎氏:

スピーカーが1個しかない方がね、音圧がね、ガッツがあるんですよ。

星野源:

うんうんうん。

◎星野源さん『恋』

マンボウやしろ

今夜はお二人から音楽のプレゼントがございます。
お一人ずつ、この番組のためだけに、ここでしか聞けないスペシャルライブを披露していただけることになっております。まずは星野源さん。

星野源:

はい。

マンボウやしろ

『恋』。ありがとうございます。

星野源:

ありがとうございます。

マンボウやしろ

言うまでもありませんが、この曲は昨年、日本全国津々浦々、老若男女を踊らせた2016年を代表する1曲。
そして昨日開幕したセンバツ甲子園入場行進曲でもありました。

星野源:

ねえ。どうなっているんでしょうね? これ、録っている時はまだ全然、開幕してませんからね。
僕、そういうのバラして言うのがすごい好きなんですよ(笑)。
「録音です」っていうのをちゃんと言っていった方が・・・。

マンボウやしろ
言っていった方が。僕もどっちかわからずに、言わずにここまで来ています(笑)。

星野源:

この後に僕が演奏する『恋』も、このトークが収録が終わった後に収録がするんで、僕たちは聞かないまま、このトークは終えるということで。

マンボウやしろ

それなんで、たぶん曲を終わって感想はなく?

星野源:

そうなんです。だから感想がないからって、盛り下がっているわけじゃないよっていうのをちょっと・・・なんかライブ終わったのにすごいスッと次に行くな、みたいな。

マンボウやしろ

それはでも、たぶんライブがバーン! と終わって、CMかなんかがあって。とてつもなく気持ちよく入っていくはずなんで。

星野源:

ああ、それはよかったです。
そこがちょっと危惧だったんで。

マンボウやしろ

「盛り上がった」ということで行くと思います。

星野源:

CMの裏で「うわーっ!(拍手)」って。

達郎氏:

徹底的にネタバレしますね(笑)。

星野源:

ちなみに、弾き語りでやらせていただきます今日は『恋』を。

最初、120ぐらいのBPMで作ったんですけど。そのぐらいがいちばん腰が動くというか。
本当は115ぐらいが動く感じがあるんですけども。

なんか、ワクワクしなくてですね。「なんでワクワクしないんだろう?」って思って、いろいろと試していく中で、BPMをものすごく上げてみたんですね。
160ちょいぐらいまでやってみたんです。そしたら急にワクワクしだして。

で、レコードの33回転のレコードを間違って45回転でかけちゃった時の、「あれ? なんかかっこよくない?」みたいな。
特にモータウンのディスコティックな「ドゥッ、タン! ドゥッ、タン!」みたいな曲をちょっと早くかけた時、「あれ? これでもいけるんじゃないの?」みたいな。
それだ! と思って。で、
すごく速くして曲を作ったんですよ。そしたら、ものすごく歌いづらくなって(笑)。

星野源:

すごく早口になっちゃったんで、弾き語りではかなりゆっくりにグッと戻して、今日はやろうと。バラードぐらいの気持ちで。

マンボウやしろ

今日は弾き語りですもんね。いまからお聞きいただくのは。

星野源:そうなんですよ。

達郎氏:

あのアレンジをどうやって弾き語りでやるのかな?って伺おうと思ったんだけど。

星野源:

そうなんです。だから、今日はゆっくりとやらせていただきます。

マンボウやしろ

いま、いろんな、源さんに『恋』の話を聞いている時に達郎さんが本当に、息子の話を聞くように・・・嫁の旦那の話を聞くように、ずっとニヤニヤ笑ってらして・・・どいういうあれなんですか(笑)
ニコニコなさっていましたけど、それは「わかる、わかる」っていうことなんですか?

達郎氏:

いやー、面白いなと思って。とっても。
だから33回転を45回転にするっていうのもあるけど、逆もまた真なりでね。
45回転を33回転にすると、すごく渋くなるんですよ。

星野源:

そうそう(笑)。
しかもブレイクビーツみたいな音になったりしますよねドラムとかも。

達郎氏:

編曲もご自分でなさっているの?

星野源:

はい。

達郎氏:

ギターの、たとえばイントロのリフとかも、自分で考えているの?

星野源:

そうです。

達郎氏:

不思議なリフだよね。あれね

星野源:

ありがとうございます。歌でリフをやったり。ずっとインストバンドをやっていたので。

達郎氏:

ああ、なるほどね。

星野源:

それもあったりもしますし。

マンボウやしろ

いやー、よかったです。なんか山下家にいい婿が来たって感じの雰囲気で。

星野源:

ふふふ(笑)

マンボウやしろ

それでは、曲紹介をお願いします。

星野源:

はい。星野源の『恋』。弾き語りバージョンでございます。
星野源『恋』弾き語り

♪ 恋(弾き語りVersion)/星野源

◎サンデーソングブック

マンボウやしろ

山下達郎さん、星野源さんをお迎えしてお送りしております「民放ラジオ101局 特別番組 WE LOVE RADIO 山下達郎・星野源のラジオ放談」

ラジオの現役パーソナリティーであるお二人のラジオへの思いに迫ってみたいと思います。山下達郎さんのTOKYOFM『サンデー・ソングブック』。
1992年にスタートしたということで、もう25年?

達郎氏:

今年の10月で25周年です。

マンボウやしろ

そして達郎さんは作家さんもなく、自ら全部やられていると。選曲も・・・・。

達郎氏:

台本ないです。選曲も全部1人です。
かけるCDもうちの自宅のコレクションなんで100%。

マンボウやしろ

TOKYOFMのCDを使っているわけじゃないと?

達郎氏:
じゃないですね。家から持っていきます。家から持ってくるというか、正確に言うと家でリマスタリングして。

星野源:

うわーっ! すごい!

達郎氏:

いやー、オールディーズなので。さっきみたいな1965年とかそういう音楽なので。そうすると、いまの放送のあれだとちょっと音圧が足りないので、家でリマスタリングして、いまの、それこそそういうEXILEとかああいうような音圧でも負けないようなアレンジに上げてやらないと。ショボいんで古い音は。

マンボウやしろ

はー! すごい。これ、ラジオを好きなリスナーの人たちも聞いていれば、おそらくラジオで働いている人も、そしてこれから働きたい人も聞いていると思うんですけど。

達郎氏:

いや、でもオタクな番組ですよ。本当に(笑)。

マンボウやしろ

たとえば選曲ひとつ取ったとしても、どういう基準だったり、どういう風に思いながら?

達郎氏:

本当に古い曲をかける番組なので。
現代的な視点から鑑賞にたえるやつですね。
だから、昔の大ヒット曲っつっても、いま聞くと全く古臭いものにしか聞こえませんけど。全く無名の曲でも、いま聞いても全く鑑賞にたえるっていうね。基本的にそっちが基準。

マンボウやしろ

そして年に2回、竹内まりやさんとの夫婦放談がありますけども。
どうですか? いつも1人でやられている時と、竹内まりやさんとやる時は?

達郎氏:

いわゆるトーク番組で育った人間じゃないんですよね。僕ね。
だから、ラジオっつったら音楽番組なんですよ。

だからオールナイトでも、高崎一郎さんとか糸居五郎さんとか音楽主体の番組、パック・インでも福田一郎さんとか八木誠さんとか、音楽主体の番組オンリーなんですよ。

だから、逆に星野さんの話を聞いていると、そういうトーク番組に対するセンスって僕、全くないんで。
だからそういうところの弱さっていうかね、逆に言うと。
だからそれをどうやってリカバーするか?っていうのは自分でずーっと考えてやってきましたけど。

マンボウやしろ

でも、たとえば僕も一応しゃべるお仕事をさせてもらっていますけども。
しゃべるってじゃあ、たとえばトークのリズムだとか、面白い内容がどうこうじゃなくて、僕、達郎さんのラジオを聞かせてもらっていて思うのは、その僕らが知らないところ・・・

たとえば「この曲はこのアーティストが・・・でも、もともとこのアーティストはこのアーティストが・・・」っていう、ダーッて掘っていって。「あれ、どこから始まったっけかな?」って1回思うんですよ(笑)。それでまた同じスピードでガーッて戻ってきて曲に行く時の、その他ではあまり聞いたことがない曲の入り方というか。

達郎氏:

それはやっぱり、星野さんが自分で聞いていた番組のそういうトーンっていうのを自分のオールナイトにフィードバックしているでしょう? 

それと同じで、僕もやっぱり八木誠さんとか福田一郎さんとか中村とうようさんとか。
ああいう方々がそうやって新譜を紹介してくれる、そういうようなものを僕の中にインプットされていて。それがフィードバックしているんです。同じなんです。

◎オールナイトニッポン

マンボウやしろ

そして、星野源さんのニッポン放送『オールナイトニッポン』。
AMラジオの真骨頂ともいえる深夜枠の・・・。

星野源:

そうですね。深夜ラジオっていう感じの内容になっています。

マンボウやしろ

開放感は強いですか? 深夜って。

星野源:

そうですね。自分が深夜の時間帯が好きっていうのもあって。
で、よく夜中にラジオを聞いていたのもあって。

あと、リスナーからのメールがすごく面白いですね。
なんて言うんですかね? みんな文才があるというか。
だから僕、あんまり自分で面白いことを言おうっていう気じゃなくて、ただみんなで笑っているだけっていう印象が自分ではあるんですけども。

あと、自分がやりたいなと常々思っているのは、ちゃんと・・すごくオールナイトの中でむちゃくちゃ曲をかけている方だと思うんですけど、ちゃんとフルで流したいなというのは思っています。

で、僕がちっちゃい頃にAMを聞いて唯一不満だったのは、ワンコーラスで曲が終わっちゃうことで「もっと聞きたいのに、なぜ?なぜ?」っていつも思いながらだったので(笑)。

自分が番組をやる時は、なるべく事情が・・・本当に番組が終わっちゃうとかじゃない限り、なるべくフルコーラスでかけて。

なぜ今これをかけたいのかっていう話は、なるべくするようにはしています。
あと、今の若い人も自分が同じように、いろんな人が教えてくれた面白い音楽っていうものを、なるべくわかりやすく伝えたいなっていう。

マンボウやしろ

「面白い」っていうのは別にオマリー的なことじゃないですよね?

星野源:

オマリー的な方向もありますし、あとはたとえばマーティン・デニーの『Firecracker』とYMOの『Firecracker』と細野さんが中華街のライブだけでやった生演奏の『Firecracker』を全部聞き比べるとか。

そういうのをやるとすごい……でも、自分がやっぱりいいと思っているものしかかけたくないっていうのは、それは信条としてはあるんですけども。

マンボウやしろ

オールナイトニッポンっぽくはないですよね、そうなってくると。

星野源:

いや、でもいわゆるオールナイトニッポンって実は・・・。

達郎氏:

いいとこ取りだと思う。
だから昔はそんなに全部できなかったから。

やっぱりトークの人はトーク。
要するに、そういった冗談の人は冗談だし、音楽に特化する人は音楽特化だし。
分業的なところがあった。

マンボウやしろ

分かれていたイメージがありました。

達郎氏:

それを統合した感じがする。すごく。
それでフルコーラスかけるっていうのは、すごく新鮮な響きだもん。

◎ラジオの魅力

マンボウやしろ

そして、お二人にお聞きしたいのですけども。
ラジオの魅力、面白さ・・・なかなか一言では言えないところもあると思いますけども。いかがでしょうか?

星野源:

んん・・・やっぱり距離感の近さかなとは思います。
テレビと圧倒的に違うのは、自分の近い場所でMCの方なりパーソナリティーの方がしゃべっているという感覚にすごくなるんですよね。

特に声だけだったり、音楽だけだったり。
その方のパーソナリティーっていうものをすごく身近に感じられるメディアだと思うので。1対1っていう感じがすごく。

ラジオ局から全国に流れていたりするものなんですけど、自分のためだけにやっているんじゃないかな?って勘違いできるというか。

だからこそ、すごく気を抜いてしゃべれるといいますか、嘘をつかないでしゃべれるっていうんでしょうか。

マンボウやしろ

嘘もバレるメディアですしね。

星野源:

ああ、そうですね(笑)。
たしかに。

マンボウやしろ

達郎さんはラジオの魅力は?

達郎氏:

なにも付け加えることはありません。

星野源:

(笑)

マンボウやしろ

嘘ですよ。本当ですか?

達郎氏:

全く同じ。
1対1のメディアっていうか、だからライブハウスと東京ドームの差みたいなね。
テレビとラジオって。

マスじゃないんですけど、ラジオはそれでもマスなんですよ。
だからラジオってマスであり、パーソナルであるという非常に特殊なメディアだと思うんですね。

そういうところがすごく・・・だから、全くそのままで。
なにも付け加えることはないです(笑)。

マンボウやしろ

わかりました(笑)。
初対面とは思えないです。このシンクロ率が、今のところ。
ありがとうございます。

◎『希望という名の光』

マンボウやしろ

では、ここで山下達郎さんからもこの特別番組のために、スペシャルライブをご披露していただきます。そのライブで演奏していただく楽曲ですが、僭越ながら私、マンボウやしろからですね、事前に達郎さんに1曲、リクエストさせていただきました。

星野源:いいっすね!

マンボウやしろ

贅沢な話なんですよ。ありがとうございます。すいません。
『希望という名の光』なんですけど。

2011年にはじめてラジオの番組で達郎さんとご一緒させていただきまして。
で、ありがたいことにライブを、その2011年のクリスマスの日に行かせていただけることになって僕、1人で行ったんですけど。

ちょっと自分自身がお笑いでカリカというコンビを組んでいたんですけど、解散することになったりとか・・・あとは、地震があったりとかいろんな感情の高ぶりがあって。

この『希望という名の光』という光を達郎さんが歌った時に、僕ははじめての経験だったんですけど、声が入ってきたんですよ体に。

星野源:

うんうんうん。

マンボウやしろ

僕、勝手に思っているんですけど、達郎さんは絶対にそこを歌い方、変えているはずなんですけど(笑)。さっきまでと明らかに違ったんです。

星野源:

それはやしろさんのためにっていうことですか?・

マンボウやしろ

いや、来ている全員の方に。
1人1人に達郎さんが入ったんですよ。
僕はもう「入れられた!」って思って涙が・・・達郎さんが入った分の体積分の涙が(笑)、押し出されるようにガラガラガラッて出てきて。

達郎氏:

なんか、「泣かせの山下」みたいになっていますね(笑)。

マンボウやしろ

いや、でも僕はそれ本当にはじめての経験で。人の歌声がこうやって、なんかグッと体に入る・・・聞くんじゃなくて、「あっ、入った!」っていう感覚を味わったんですね。

達郎氏:

自分にはわかりません(笑)。

マンボウやしろ

(笑)。それで、僭越ながらリクエストさせていただきました。
達郎さん、今日は『希望という名の光』どんなアレンジ、編成で聞かせていただけるんでしょうか?

達郎氏:

ちょうどいま、ツアーのリハーサルやっていますんでね。
ツアーのリハーサルスタジオでやるので、アコースティックライブです。
ベースと、生ギター2本とアコースティックピアノで録ってきました。

マンボウやしろ

ありがとうございます。うちの番組のスタッフがグッと強引に行ったという話も聞いておりますので(笑)。
それでは達郎さん、改めて曲紹介をよろしくお願いします。

達郎氏:

よろしくお願いします。もともとは地震前に作った曲なんですけど、地震が起きてから、なんかこの曲が妙に人助けになったかな、みたいな。

そういう、歌って世の中に出ると自分の思惑と全然違う歩き方をするんですよね。
そういうような、僕にとっても典型の一曲です。
『希望という名の光』。

♪ 希望という名の光(Studio Live Version)/山下達郎

マンボウやしろありがとうございました。

達郎氏:

お粗末さまでした。

星野源:

素晴らしい!

マンボウやしろ

あの、素直に感想を言うならば、好きな人に会いたくなりました(笑)。

星野源:

(笑)。僕も楽しかったです。ありがとうございました。

◎ エンディング

マンボウやしろ

民放ラジオ101局特別番組『WE LOVE RADIO!~山下達郎・星野源のラジオ放談』。いよいよ終わりが近づいておりますが、対談をしてみての感想は、星野さん。いかがだったでしょうか?

星野源:

なんと言いますか、心が晴れ晴れしているというか。なんか、ものすごく楽しかったという思い出になりました。実は、結構緊張して。「これ、大丈夫かな?」と(笑)。

マンボウやしろ

緊張ですよね(笑)。

星野源:

1週間ぐらい前からカウントダウンを1日1日していたんですけども。
ちょっと気合をいれなきゃと思っていたんですけど、全然普段通りおしゃべりできたような感じがして。
そして、達郎さんのいろんなお話を聞けて、とってもうれしかったです。

マンボウやしろ

達郎さん、いかがだったでしょうか?

達郎氏:

僕、ひとつ今日感じたのは、僕なんかがハタチぐらいから始めた音楽のムーブメントっていうのが1回、世情がすごく変わってね。

僕自身はもう60を過ぎてますから、もうそういう時代は二度と戻って来ないっていうような感じはすごくそういう強い諦観を持っているんですけど。

今日、星野さんといろいろお話をしていると、あんまり変わらないんですよね。
その空気っていうか、あれが。だから僕が感じている、日本の音楽の要するにムーブメントに対する価値観みたいなものが継承されているっていう、すごく実感が僕にはあって。そういうのを僕、久しぶりに感じたので。

星野源:

嬉しいです。

達郎氏:

でも、やっぱりそういう人がちゃんと評価されていくんだなっていうね。
まあ、J-POPとかあんまり、そういう用語は好きじゃないんだけど。

そういう日本の音楽ジャンルっていうのがまだちゃんとキチッとベースメントがあるし。キチッと可能性を秘めているなって、そういう意味ですごい安心しましたね(笑)。

星野源:

あぁー。

マンボウやしろ

なんか、この番組よかったですね(笑)。

星野源:

はい。本当に・・・。

達郎氏:

なんで我々が選ばれたのかな?っていうね。
どうして星野さんと僕なのかな?っていうのがね、選んだ人はなかなかね、卓見がありますね(笑)。

マンボウやしろ

さあ、そしてラジオの前で、101局で聞いているリスナーのみなさんへメッセージをいただきたいです。それでは、星野源さんからお願いします。

星野源:

今日、はじめてラジオを聞いたよっていう人がいたら、ぜひこれを機に聞いて頂けると、本当にいろんな世界が広がると思います。

僕はラジオによって人生が変わりましたし、ラジオによって命が救われたような気もしております。まあ、思春期だったっていうのもあって。

で、ラジオっていうのは本当に人の命を救えるメディアだと思っています。
あと、人の人生を面白くできるメディアだと思っているので。
それだけ責任感もあるとは思うんですけども。

これからも面白い・・・自分が面白いなと思える音楽とか、面白いことをやっていけたらと思うので。ぜひ、自分、星野源の番組だけではなく、本当にいろんな番組があるので。ぜひこれからも聞いていただけたらと思っております。

マンボウやしろ

それでは最後に山下達郎さんからメッセージをお願いします。

達郎氏:

はい。ラジオはもう滅びるんじゃないか?っていう時代がずいぶん長かったんですが。

最近はやっぱりネットとかそういうものの発展で、ラジオが昔みたいにより軽く、手軽にどこでも聞けるっていうね。

そういうのがまた復活しつつあるんですよね。それが本来のラジオの利点だったんで。特に音楽を僕はやっている人間なんで、音楽っていうのはラジオと不可分なんですよね。

で、ラジオの方が本当は音楽を発信する能力が高くなきゃいけないんだけど。
実際のアメリカとかヨーロッパではまだそういった形がもっているんだけど。
日本はそれがすごく衰退した時代があって。

れがまた、こういう機会で回復できればなっていう、そういう期待がすごく大きいです。ラジオをよろしくお願いします(笑)。

マンボウやしろ

山下達郎さん、星野源さん、本日はありがとうございました。

達郎氏:

どうも、ありがとうございました。

星野源:

ありがとうございました。

今週のオンエア曲

19:18 オマリーの六甲おろし (阪神タイガースの歌) (「オマリーの/トーマス・オマリー
19:23 Good Lovin’/The Young Rascals
19:30 恋(弾き語りVersion)/星野源
19:46 希望という名の光(Studio Live Version)/山下達郎

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