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坂本龍一 NHK-FMサウンドストリート ゲスト 山下達郎 1982年6月1日

山下達郎

坂本龍一 FMサウンドストリート ゲスト 山下達郎 1982年6月1日 

坂本龍一さんのNHK-FMのサウンド・ストリートでゲストに山下達郎さんを迎えた放送がありました。
1982年6月。達郎氏は29歳。坂本氏は30歳。
当時の録音テープをもとに、文字お越しをしています。

二人が出会ったきっかけ、バンドのこと、RCAレーベルのこと、世の中のこと・・・いろんな話が出てきましたが、今も昔も信念は変わってないですね。お二人とも。

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二人が出会ったきっかけ

坂本:山下達郎君です。

山下:こんばんは。

坂本:どうも。

坂本:え~、おめでとうございます。

山下:そちらも・・・

坂本:彼は、私がDJをやっていることに非常に心配してくれていましてですね、かれこれ心配して1年以上になるんですけどね(笑)。

山下:結構、最初の方から聴いてるけどね。

坂本:あのぉ、夫婦で聴いているんですか?

山下:一応、そういう事にしときます。

坂本:一応、同棲してたんですか、前は?

山下:そんな!、何を言ってんだね!(笑)

坂本:すいません、彼はね、なかなかね、保守的な方でしてね。

山下:イヤ、僕はね、あのぉ、君もね、私生活をさらけ出すのを極端に嫌うって、どっかの取材で書いてありましたよ。

坂本:いえ、いえ・・

山下:かっこいいなぁ

坂本:山下達郎と言えば、皆さんご存知ですけどもね、

山下:どこが、どういうことなんだ(笑)

坂本:なんで、坂本と関係あるんだっていうのは、判りにくいかもしれませんけど。

山下:一番最初に坂本君がですね、なんか、いろいろやってたわけですよ。

坂本:何をですか?

山下:フォークシンガーのバックとかね

坂本:エッ? 某フォークシンガーのバックね。

山下:えぇ、その頃、誰かが連れてきたわけですよ。僕がまだバンドやってた頃でね。

坂本:シュガーベイブ?

山下:えぇ。その時にマネージャーがいましてね、

坂本:長門君?

山下:そう、長門君。東京のパイド・パイパー・ハウスっていうね

坂本:あの、有名な、”なんとなくクリスタル”で有名な。

山下:そうそう、あそこのマスターやってますが。それで、突然連れてきてね、その時はもう、あなた・・・

坂本:突然? そうだっけ?

山下:欠食児童みたいな顔してきたんだから。

坂本:僕? 福生に?

山下:そうそう、福生に。あの時はね、何の時だったのかなぁ。75年なんだよ、それは確かなんだよね。

坂本:大瀧さんのとこにいたんだっけ?

山下:そう

坂本:なんか、長いコート着て。おじいさんかなんかの。

山下:そうそう、よく覚えてるね。

坂本:覚えてますよ。

山下:君は三ヶ月くらい洗ってないという、そのジャケットを・・・

坂本:えぇと、伊藤銀次って最近ね、売れたりしてるでしょ

山下:そうなの?

坂本:彼がココナツバンクっていう、最初は”ごまのはえ”やってて、ココナツバンクになって。今、沢田研二のバックやってるドラマーと会ったんだけど、矢野誠っていうアレンジャーが、キーボードやってたのよ、ココナツバンクの。

山下:そうだっけ?

坂本:そう。それで、彼ができないから代わりにやってくれって言われたの。

山下:荻窪ロフトかなんかで、やったんだよね?

坂本:そう、”みのや”さんていう人がいたじゃない? で、大瀧さんと”みのや”さんで3日間くらいやったのね。

山下:そうだね、そいでココナツバンクだけのステージがあって、それで何故か君が後ろ向きでエレピ弾いていたんだだよね。

坂本:後ろ向きだったっけ?

山下:顔を見せたくないっていったんだよ。

坂本:あぁ そう? 僕もいろんなこだわりがあったからね。あの頃は。
そうですか・・・曲いきますか。

山下:今日は番組が番組なので、番組に合わせて・・

坂本:よくないなぁ・・・ 山下達郎選曲の・・・・

山下:あのスライ・ストーンと、Pファンクのジョージ・クリントン が何故か一緒にやったってレコードがありまして、スライ・ストーン&ジョージ・クリントンというクレジットでプロデューサークレジットはスライ・クリントンとジョージ・ストーンでございまして、,ハイドロウリック・バンプ。

♪ Hydraulic Pump

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最近の仕事

坂本:ええと、何の話してましたっけ、そう、75年ね。6年、7年前に会ったという話。いろんな名前が出てきて判んないから・・・。

山下:だいたい大瀧さんのバックをさ、なんかバンドやらなきゃならないっていう、一応シュガーベイブがやってたんだけど、ター坊がキーボードやってたから、そんな色んなことできないから

坂本:ちょうどよかったって、キーボードが

山下:うん、そいで坂本君やってよっつって

坂本:やったね何かね、ABC会館とかね

山下:そうだよ。ツアーだって行ったよ、神戸とか

坂本:ツアーも行ったよ、仙台とか

山下:神戸でライブスポットで4回やったじゃないですか、2日で。

坂本:そんなことやったっけ?

山下:アンダーハウスってとこで

坂本:あぁ、あの地下のね、そんなこと言っても聴いてる人には何なんだろうって、勝手にしゃべるなってね。

山下:クックックックッ・・・(笑)

坂本:でも、そういうね、大瀧詠一といえばね、たいへんなもんでしょ

山下:うん

坂本:飛ぶ鳥を落とすっていうね、松田聖子もやったり

山下:すでに落ちたって?

坂本:いやいや、まあいいじゃないか、甘く危険な香り・・・

山下:(笑)バカにしてる

坂本:あれは、あったりするんですか?

山下:ぜんぜん

坂本:当たり前ですよね、僕もよく知ってるんで

山下:(笑)

坂本:最近は、どういう仕事をしてるんですか

山下:最近は、近藤真彦のシングルを、次の

坂本:マッチ

山下:うん

坂本:ああ、ディレクターが同じなんだ

山下:そうなんですよ、それのアレで

坂本:アルファー・ムーンっていう会社できたの?

山下:僕のディレクターが、RCA辞めてね。

坂本:で、山下君はそっち行くわけ?

山下:まだ、契約がずっと残ってんだけどね、まぁ、これがね(笑)

坂本:いやね、久しぶりにね、古い友達に会ったので、ちょっと

山下:何か緊張するんでしょ? 僕があなたの隣にいると

坂本:家に何かね、ふらっと来たりして昔は。

山下:ふらっとどころの騒ぎじゃなくて

坂本:三日間くらい居たりして

山下:デンスケでアレンジしたりしてるところで飯食ったりして

坂本:勝手に寝たりしてね

山下:うん

坂本:3人でマージャンやったりしたりしてね、三日くらいね

山下:そうだね、誰と?

坂本:ヤバいじゃない・・・・

山下:ヤバいね(笑)今日は

坂本:そういう番組なんでしたっけ、これ

山下:知りませんよ

坂本:こないだ会いましたよ、おたくの奥さんに

山下:何でですか?

坂本:どっかのスタジオで

山下:あぁ、何かター坊がター坊があってたときに君が来たんでしょ

坂本:そうです。 お綺麗になりましたね。

山下:何を言ってんだ!!君は!!(笑) その顔なんだい、その顔

坂本:曲行きますか?

山下:ほんとに白髪増えたね・・・ ええと次はバーケーズっていうファンクで最近人気が凄いありますけど、この道十何年のグループで、バーケーズの中でもベスト・トラックだと言われるホリー・ゴーストっていう曲

♪ The Bar-Kays ”Holy Ghost”

音楽業界の経営

坂本:今、流行のSのファンクですね、これは

山下:でも、これはずいぶん昔のヤツ

坂本:何年ごろなんですか?

山下:76年くらいですかね

坂本:ああ、なるほどね、ホリー・ゴースト。ところで、ビジネスの話の続きなんですけど、その道は詳しいんでしょ?

山下:よく言うよ(笑)

坂本:山下君といえばさ、レーベルつくったでしょ?RCAでね。それで、その頃あったらさ、明日から地方に行ってね、地方のレコード店で営業するとかね、廻ってくるんだって、説教してくるんだってね(笑)、言ってましたけどね、2、3年前かな

山下:そうだね、79年くらいですかね

坂本:ちょうど、こっちもねイエローやってる頃で、まだやってるんですけどね

山下:(笑)

坂本:やっていたんですね、どうですか?もう何回も地方なんかに行ったりしてるわけ?

山下:そうだね、そういうディスカッションの場には出たね

坂本:なに、そこでやっぱり普段は歌謡曲ばっかり聴いてるようなレコード店のオヤジさんとか

山下:そういうんじゃなくてね、むしろレコード店の若い人っていうか、数少ないけど、支持してるっていうかね、

坂本:現場で売る人

山下:そう、現場の売る人に直接、商品知識をね

坂本:オルグするわけですね

山下:そうそう、そういうと聞こえはいいんだけどね

坂本:なるほどね

山下:流通っていうのは、すごくプリミティブだよ。そういうところは。

坂本:あ、そうか、君んちはさ、お家がほら、あれでしょ?

山下:お菓子屋なんだよ

坂本:ね、だから商店の息子さんでしょ?

山下:そう

坂本:だから、割とそういうことは知ってるんだ。

山下:あのね、オレ中学校の頃からやってるでしょ

坂本:ああそうなの

山下:そうすると、ガムとかさ当時はさ、今は問屋へ行ってねトラックでさ、問屋へ行って、勝手に品物持ってきてさ、問屋もスーパーマーケットになってるからね。
昔は問屋が来たの。それで、ガムとかさチョコレートとかちっちゃいのあるでしょ、ああいうのさ、業界用語で”ポケットもの”って言うんだけどさ

坂本:なるほど、いい言葉だね、”ポケットもの”レコードの・・

山下:ああいうのさ、ガムの有名な会社あるでしょ、NHKだから言えないけど、ああいううセールスマンが来るのよ。注文取りに来るわけ。今度出たガムは天然チクルでね、これからどういう時代で、いちいちこういう・・

坂本:それって、やっぱり一人来ると来ないじゃ大違いなわけでしょ、商品としてはね。

山下:えらい違う。そうすると、やっぱりガムの会社を信用できるから、あれしょうと。

坂本:信用をね・・・

山下:清涼飲料あるでしょ、コーラといわれるね。

あれ2大メーカーあるでしょ。一つのメーカーがどんどん発展してさ、もうひとつが全然だめだったの。

あれはもう、営業の差なんだよね。営業所の数がさ・・・

坂本:細かく地方に入り込むという、現場に入り込む

山下:そう、これはすごいね。

坂本:企業も・・・

山下:アルファとかさ、ジャパンとかたくさん、ちっちゃいレコード会社あるでしょ。ああいうのは、どうしてもね、そういう末端のね動きでね、難しいところがあるみたいよ。

坂本:兵隊さんの数が違う・・戦争ですよね、企業戦争。
そうすると、歌を歌ったり、曲を書いたり、プロデュースしたりという、アーティスト活動って言われてるね、そういうのとさ、そういうレーベルのオーナーというかね、それはもう一種企業的なっていうかさ、商売でしょ?
そういう部分と、分けてやってるんですか?

山下:そうですね。最終的には、もっと・・・僕は事故で入ってきたようなもんですからね、君は必然性で入ってきたからね、ちゃんとね。

坂本:イヤ、僕は事故ですよ

山下:そうですか?

坂本:僕はバイトの延長だもの

山下:(笑)そうは言わせないよ。

坂本:そうかな

山下:君に一番最初に会った時に、何を最近聴いてるのって聞いたら、ケニー・ランキンって言ったね

坂本:何それ?(笑)

山下:覚えてないでしょ

坂本:覚えてるよ、いたね、そういうのがね、まいったね。次、いってください。

山下:これ、僕のアイドルのジェームス・ブラウンで・・・

坂本:清志郎も好きなんだよ。

山下:ああ そう。僕はねこの人のシングルコレクターでね、日本で一番シングルを持っているんだ。200枚くらい出てるんですよ、140枚くらいにはなりましたけど。ゼア・ワズ・ア・タイム

♪ James Brown ”There was a time”

山下:これ、あれなんですよ、ジャガーなんですよフェンダーの

坂本:ジャガー、何ですか?

山下:ジャガー、ジャズ・マスターっていうたぐいのね。テレキャス、ストラスの前のヤツってわけじゃないけど、今はテレキャスかストラトって感じですけど、ジャガーとかね、ジャズ・マスターっていう

坂本:全然知らない。ギター少年だったの

山下:そうでもないけど

ユキヒロのドラムはいいね

坂本:バンドってのはさ、シュガーベイブが初めてだったの?

山下:アマチュアバンドやってた。

坂本:ああ、そうか

山下:そん時、ドラムだったの。オレ言ったことなかったっけ?

坂本:いえ、知ってましたよ(笑)、驚いて見せたの(笑)

山下:(笑)

坂本:サービス精神ですよ、これ。

山下:君、最近ドラムたたいてるね、「ルージュマジック」君がドラムたたいてるでしょ?

坂本:判ってくれてる?

山下:あれ、いいねぇ

坂本:そう言ってくれる?、ほんと?

山下:ドラムってのはさ、ドラムって絶対ね、あれはね、あれなんですよ。あの・・・

坂本:なに?

山下:パラディドルができるとかね、そういう尺度じゃないんだよね。あれね。

坂本:できるよ、でも(笑)

山下:昔、やってたもんね。

坂本:練習はね・・・

山下:どうやって、やってるの? 練習台でやってるの?

坂本:なんにもない、もうぶっつけ本番。

山下:ああ そう

坂本:だからね、ある日突然フィルとかができるようになるわけ。

山下:(笑) 何でドラムやろうって思ったの?

坂本:・・・・そうだな・・・ユキヒロを見ててさ、カッコ良すぎんジャン

山下:ユキヒロのドラムセットってのは、結構イタズラしたんでしょ?

坂本:うん、してたよ、いつも

山下:ユキヒロのドラムセットってのが、一番たたきやすいんだよね。ペダルとかね。

坂本:同じペダル買いましたよ。あの、ペダルは最高。

山下:ん。あれは某社のものです。

坂本:某社のもの

山下:ブラックシャフトのヤツでしょ?

坂本:そうそう

山下:オレモあれ使ってる(笑)

坂本:え、持ってんの?

山下:持ってるよ

坂本:家でたたいたりするわけ?

山下:家では叩けないけどね、ただ、腕の練習、左はどんどん弱くなるからさ

坂本:僕ね、左ぎっちょでしょ

山下:ああ そうなんだね、それ得だね。

坂本:得なのかね?

山下:うちの青山も左なんだよね

坂本:”うちの青山”だって(笑)、青山君ね、純ちゃん。あ、そう?

山下:そう、だから、左から始めるフレーズっていうのがすごく楽にできる

坂本:その代わりさ、”ダカ・ダカ・ダカ・ダカ”っていかないんだよ。シンバルがさ、どうしてもさオン・ビートでさ、左いきたくなるわけ。だけど、普通のセットだと右じゃない、オン・ビートがさ。
そこでフィルでさ、こんがらがって、一発食って、食っていったりね

山下:あれはね、左を二つたたくの

坂本:・・・・・そうね、それは判ってますよ

山下:(笑)すいません

坂本:だけどさ、タムでさ、タムがあるでしょ。タタ、タタでしょ。それをさ、ッタッタタとかさ、難しいわけよ。スティック絡まっちゃう。

山下:そうだね

坂本:カチンなんて音がしたりして

山下:いっそのことさ、ファットぎみにすれば

坂本:それはかっこいいんだけどね

山下:そういう人、よくいるよ

坂本:誰かいたな・・・

山下:ビーチボーイズなんかそうだね、あれは左利きだから。

坂本:よく聴いとかなくちゃ

山下:(笑)あんまりうまくないけどね

坂本:だけど、今話してたんだけど、ユキヒロのドラムはいいね

山下:いいね。

その極致はローリン・ストーンズだね

坂本:山下君といえばね、こないだ、去年だっけ、矢野顕子のさ、シングルで「あしたこそ、あなた」

ってシングルでリズム・ギターをね、弾いていただいた。

山下:全然、明らかじゃないんですけど。

坂本:聴こえるでしょ?

山下:弾かしていただいてるのは、明らかじゃないんですけどね、あんまりね。

坂本:もっと宣伝しよう。”明日こそあなた”を聴くと山下達郎のリズム・ギターが聴ける! すごくいいんで
すよね、あれね。あれは、どういうものだったっけね?

山下:ズッ・チャーカ・チャっていううやつでしょ? 難しいだよ、あれ。

坂本:難しいですね。いやね、ギタリストがさ、いないんですよ。いいなぁっていうギタリストが。それで、そういえば山下がいるって、僕がアドバイスしたんですよ

山下:宜しくお願いします!! ついに、でもね、あれでね、あの後、結構仕事来たんですよ。

坂本:そうかな?

山下:ほんとに。それで、スタジオミュージシャン斡旋業者のさリストに載ったんだよ

坂本:なに? じゃ僕もドラムに載ってるかな?

山下:そろそろ載るんじゃない

坂本:シングルで一位になったんだからね

山下:(笑)でも、ルージュマジックよりター坊のさ”黒のクレール”ってあったじゃない。あの方がいいと思っ
たね。(大貫妙子 黒のクレール)

坂本:ドラムやりはじめて、まともなのは、あれくらいでしょ。

山下:あれはいいよ。

坂本:リムやってたんだけどね、カッってね、あの、やったことないのよ全くね。あの時初めてやったのね。

山下:(笑)

坂本:細野さんがさ、皆ブーッてふきだしてさ、一回ごとに音がかわっちゃったりするわけね。一所懸命、動かしちゃいけないんだなって、固定してねカッ・カッってやったんだけど

山下:でも、そういう一定さが無いから、いいんだよね。

坂本:そうだね、やっぱりね。でね、ユキヒロがやるとね、うまくなりすぎちゃうのね。

山下:ふーん

坂本:判る?うますぎるじゃない。あいつが。

山下:(笑)

坂本:一頃、流行ったヘタウマって言葉がね、下手でよいっていう気持。トムトムクラブもそうだしさ、トーキング・ヘッズもそうだしさ

山下:昔のさ、リバプール・サウンドとかさ、あの時期の人達って、みんな下手なんだよね。

坂本:下手だよ~ん。その極致はローリン・ストーンズだね。

山下:そうだね

坂本:すごいよ!

山下:ストーンズのビデオって、家たくさんあるんだよね、初期のさ。もう、ほんとに下手だよ。チューニングメチャクチャだしさ

坂本:はぁ でもいいんだよね

山下:いいんだよね

坂本:スタジオミュージシャンのうまい人がやったらさ、面白くないジャン。ぜんぜん。曲が死んじゃう。

山下:うん

坂本:だからね、結局さ、自分が好きなさ、”下手さ”っていうか、”良さ”ね。口で説明してもなかなか、ないじゃない。自分でこれだって思う人がさ居ればさ、その人に頼んでやればいいんだけど、面倒くさいじゃない。
人にだいたいね、自分のイメージを伝えるっていうのは難しいでしょ?

山下:ん、伝えきれないでしょ

坂本:不満でね

山下:坂本君の中にはあってもね、生きてきたアレの中から、一こまがね、みんなそれぞれ違うからさ。

坂本:いやぁ 違うんですね。

山下:(笑)

坂本:えぇ 

山下:今度はビーチボーイズで、これはあの人たちが一番実験的なことをやってるやつなんですが、スマイリー・
スマイルっていう67年のLPで、コーラスが一番変わった極致なんですが、英雄と悪漢という曲です。

♪ The Beach Boys ”Heroes And Villains”

週刊誌はひどいね

坂本:なんたって、イメージね。こうやってね、これを聴いてくれてる人もさ、全然顔みてないしね、僕もそんなに、こういう場所だからさ、自分のつまんない悩みとかね、ああだこうだとか、愚痴とかさ、あんまり言わない訳でしょ。

山下:言う必要もないしね

坂本:せまい時間帯でさ。でも、聴いている人はさ、ここだけの情報でさ、坂本はこういうヤツか、と思うでしょ。それが一番ひどいのはね、あの、女性週刊誌ね。あれはひどいね(怒)。

山下:まーったく(笑)

坂本:3年くらい前に、なんかあったらしんだけどさ、もう、ほんとあれは酷いね。取材なんか一個も受けてないんだよ、あれ。

山下:酷いなんてもんじゃないよ。

坂本:だけどさ、いかにもさ坂本が喋ったかのように、括弧つきでね”なんとかしたい”とかさ、手作りっぽく・・・

山下:(笑)

坂本:んなこと言ったか、俺が? あったまくるな~。でもねたくさん手紙来ましたよ。怒りの手紙とかね、おめでとうとかね、いっぱい来てどうもありがとう、みんな。なんだけどさ、殆ど皆疑ってないみたいね。

山下:もともと言ってない事で評価されても困るね

坂本:勝手に書いてるんだよね、創作よ、あれ。全く(怒)。

山下:俺だって、何百回あるか、そんなこと。僕の顔が認知できないわけ。

坂本:知らない?

山下:そう、だってイベントでね、週刊誌にドッと騒がれたときにさ、イベントやっててさ、カメラがドッ来たんだけどさ、誰が誰だか判んなかったんだ。

坂本:あ プール? プールの時?

山下:所沢球場

坂本:球場でね、発表した時。

山下:そう。発表も何にもしてないんだよ。婚約もしてないし、結婚もしてないんだね。

坂本:同棲してた・・・・

山下:そういう・・・

坂本:あっ、いゃ・・・冗談で言っちゃった・・・。なるほどね。

山下:すごいよ。だから皆にさ、”おめでとうございました、婚約おめでとうございます”だんだん面倒くさくなってくるからさ、イヤ別に婚約もしてないしさ

坂本:あのね、いいなって思った事があったのね。布施明さんっていたでしょ。加賀まり子さんとさ、噂された事があってさ、テレビ引っ張り出されるし週刊誌に全部書かれるわさ、全然一言もさ、そこでもって核心に触れるような事はね言わないで、ほとんど黙ってたのね。
で、結局、ほら人の噂も何とかってさ、あのぉ興味無くなればさ過ぎていくじゃない。
結局判んないわけね、真相はね。あの態度は良かったね。

山下:あれも、やっぱ慣れてんだよね。

坂本:慣れかね?(笑)

山下:と思うよ。

坂本:やっぱ芸能界か

山下:政治家と同じですよ。

坂本:政治家ね・・・・。いやさ、フォークランドといえばさ、ペンギンとかね猫ちゃんとかね綺麗な花も咲いてる、見た? 写楽のフォークランドの。こないだ写楽の城本君に、ここ来てもらったんだけど、すっごく綺麗なとこなのね。あのペンギンたちはさ死んでるかと思えばよ、人間の勝手でね、動物を殺しやがってさ。
僕は腹立つね、そういうの。

山下:やっぱり、ヒステリー精神多いからね政治家はね。特に十何年、ずーっとそうですよ。

坂本:戦争するなって

山下:ん そうだね

坂本:

山下:そういう事言うとね、またね、いろいろね

坂本:そう

山下:あれって言われるんだよ。

坂本:そう、公共の電波なんだから・・・・

山下:当たりさわりなくね

坂本:あなたも、そういえばDJやってたんですね、昔。

山下:ん。今もやってるけどね。今もいっぱい持ってるよ。

坂本:ああ、そうなんですか

山下:

坂本:どうですか?

山下:いやぁ~ なんつってもサウンド・ストリートが一番凄いよこれ。こないだ渋谷さんの番組にご一緒してね(笑)

坂本:よいしょしてるよ、この人(笑)

山下:いや、ほんと。僕だってやりたいもん、この番組だったら。

坂本:やりたい?

山下:ん~ん

坂本:そう

山下:こんな、メチャクチャな番組ないよ

坂本:一所懸命まともにやってるんだけどな、これでも

山下:僕 比較的NHKってさ、たくさん見るやつがあってさ、こないだトフラーのさ特集やったでしょ。

坂本:興味あるの?そんなの?

山下:全体的にはさメチャクチャそんなに面白くなかったけどさ、だけど・・

坂本:企画としては面白かった?

山下:うん。あと歴史への招待とかさ

坂本:あれは見たね、僕も

山下:学説がだんだん違ってきている話とかね、面白かったね。

坂本:江上さんとか、知ってる? ”日本人はどこから来たか”とかさ

山下:読んだことはないけど

坂本:そういう人もやると、面白いんだけどね。

山下:今度、ゲストに呼べよ

坂本:今度、呼びたいな。

対人恐怖症なとこがあってさ・・・

山下:ん 何の話

坂本:何の話?

山下:週刊誌の話

坂本:週刊誌の話ね、

山下:でもね、それをね一々、そんな事にね怒ってたらダメなんだって。言われたんだよね。

坂本:そうなの? 怒ってないもん、あんまり。たださ、しょうがないじゃない。弁解してもしょうがないしさ。

山下:君の方が、僕よりもセルフコントロールがうまいね。

坂本:そうかね

山下:うん

坂本:どこで比較してんのかな? 見ててそう思う?

山下:僕は、一種凄く対人恐怖なとこがあってさ。

坂本:あったね

山下:一頃

坂本:今、治った?

山下:ずいぶん良くなった。

坂本:僕は酷かったよ

山下:ああ そうなの

坂本:なんか漫才みたいな・・・いや、ひどかったよ

山下:(笑)

坂本:家出られなくてね

山下:あぁ そうなの?

坂本:君もそうだった?

山下:そうだった

坂本:ようするに、皆なるんだって。村上龍もそうだった。

山下:ああ そうなんだ。

坂本:それで、なんていうのかな、落ち込んでね、また平常に戻ってくるね、っていうか何ていうのかな、自己治療というかさ、それの過程、プロセスで割と、こないだほらコインロッカー・・・・

山下:ベイビーズ?

坂本:あれを書いたんではなかろうかと、僕は思っているんだけどね。

山下:あれは面白かったね、なかなかね。

坂本:共感して読んだんだけどね。共感っていうか、物語に共感したんではなくて、ああいうものを書くっていう行為にね、私は非常に共感したことがあります。

山下:だいたいさ、坂本君はさ

坂本:

山下:あのぉ 本は書こうと思ったことはないんですか?

坂本:いや、とてもとても、駄目ですね。やっぱし。

山下:結構、本読んでるもんね。

坂本:・・・そうですね。

山下:・・・そうですねなんて、

坂本:あの、いきますか?

山下:何だい(笑)

坂本:いきたい、聴きたい?

山下:聴きたい。

坂本:山下達郎君の”甘く危険な香り”

♪ 甘く危険な香り

坂本:根津甚八ね、

山下:(笑) 好き? 根津甚八

坂本:ん~ 昔好きだった。あのね状況劇場で観た時はね、いいなって思った時もあったね。ま、目が綺麗だよね。

山下:なるほどね、また、自分も役者やってるから、そんな事言ったりして。

なるべくそういう事を我々が言わないような時代になれるといいんだよ

坂本:いえ(笑)。
   だけど、あの、イメージの話ね。雑誌とかテレビを信用するなって言いたいね、私は。

山下:本質的にね。

坂本:だから、娯楽としてね、どうせね、嘘かまことか判んないけど、そういう人様のスキャンダルはね、面白いと思って娯楽でみるならばさ、僕は健全だと思うんだけどさ。

山下:あんまり、過度な思い入れをするとね

坂本:信用してね、本当かどうかも判んないことを信用して、頭から信じ込んじゃってさ、それに自分も反応して僕んとこに手紙書いてきたりとかさ

山下:(笑)

坂本:そういうの、資源の無駄だから、やめなさいっつうの。

山下:ま、ピュアっていえばピュアだけどね。

坂本:純朴といえば純朴ですね。

山下:例えばさ、君がレコード作っててさ、モノが取り巻いててさ、いろんなバイオとかさ、そういうものをさ、
レコードに入っている音楽と価値とさ、同一視しちゃうんだよね。

坂本:その話、前、ゲストで陽水来た時もね、話をしたんだけどね。それはなかなか深い問題をねはらんでいましてですね、今度、吉本隆明とその話をしようかと思ってるんだけどね。

山下:なるほどね(笑)

坂本:イヤ~

山下:なるべくそういう事を我々がね言わないような時代になれるといいんだよ。

坂本:言うと、つまんないね。ん、今日は・・・

山下:番組になってんのかね、これ。やりたいね、サウンド・ストリート。

坂本:やりたいって言ってますよ。

山下:売り込んだりして

坂本:はい。今日はゲスト、山下達郎さんでした。

山下:ありがとうございました。

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