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10月23日発売 竹内まりやニュー・アルバム『PRECIOUS DAYS』特集(ゲスト:竹内まりや)

サンデーソングブック竹内まりや
サンデーソングブック

長崎市内は、秋空がひろがる良い天気でした。
長崎スタジアムシティのこけら落としライブ(福山雅治さん)で、たくさんの人が訪れていました。

今日のサンソン、レコーディング秘話に聞き入ってしまいました。

ということで、このブログでは毎週日曜日 午後2時からTokyo FMをキーステーションにオンエアされている山下達郎さんのサンデーソングブックの一部を文字お越ししています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

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冒頭

達郎氏:

10月2週でございます。
相変わらず超前倒しでお届けしております。
現在のところ札幌hitaruが終わった段階です。
名古屋国際会議場、名古屋センチュリー、札幌hitaru
お出で頂きましたお客様ありがとうございました。

岡山倉敷市民会館 先週の金曜日 うまくいってるはずでございます。
本日は島根に参ります。
島根県民会館、私、島根県民会館、最多出場の一人だと思います。
お出での方、お待ち申し上げております。

今週は木、金と神奈川 神奈川県民ホール。
神奈川県民ホール改築で、そろそろできなくなります。
次はいつできるのか分かりません。
お待ち申し上げております。

どうもですね、ここんとこ、ずっと激しい前倒しなので
何が何だか分からなくなってきましたが。
おかげさまでだけど、ライブの方は順調にいっております。
のでお待ち申し上げます(笑)

さて本日は13日。
10月入りましたが、
10月23日竹内まりやさんニューアルバム『Precious Days』
いよいよ発売が迫ってまいりました。
あと10日。
発売迫ってまいりましたので、ニューアルバムのご紹介をですね、
今までずっとグーッとこらえてですね、オンエアしないように、しないように、
そういう感じで、こう圧縮して一気に爆発させる、何を言ってるのか分かりませんが(笑)

そういう感じでやっておりましたけれども、ようやくご紹介の機会が訪れました。
今週、来週2週間使いまして、竹内まりやニューアルバム『Precious Days』
全18曲 駆け足ですけれどもご紹介させていただきたいと思います。

本人がいないと説明できませんので。
私、一人じゃ今回はですね、半分近く他の方のアレンジとかもありますので
本人が来ないとだめなので
本人がいらっしゃっております。

まりやさん:

こんにちは、竹内まりやです。

達郎氏:

日本語になってませんけれども(笑)

まりやさん:

いよいよリリースも近くなりましたので。

達郎氏:

10年ぶり!

まりやさん:

参上いたしました。

10年ぶりなんで、本当に18曲たっぷりあるので。
あのねちょっと駆け足になりますが、いろんな意味で思い出話をしたり、
スタジオのエピソードトークができればなと思ってやってきてます。

達郎氏:

ゆっくりお聞きいただきたいと思いますが。

まりやさん:

でもそれにしても達郎のツアー本当にすごいね!
声の出方が半端ないね!
それをちょっとメンションしたいなと思って。

達郎氏:

お酒やめたのが全てです(笑)

まりやさん:

めちゃくちゃ声が出てて、この前私どこで見たかな・・・
大阪で見たんだけど。
一回風邪をひいた後、よみがえったよね。

達郎氏:

そうですね。

まりやさん:

自分でも、なんでこんなに出るのか信じられない。30代くらいの声が出てて。

達郎氏:

15年くらい戻った感じがしますね。

まりやさん:

すごいよね。
ちょっとそのことだけは言おうかなと思って(笑)

達郎氏:

っはははは(笑)

下手すると80年代の酒浸り、で寝ないでライブやった時代よりも・・・

まりやさん:

後半なんて全然衰えてないから。

達郎氏:

なんだか不思議ですよ。

まりやさん:

これで71歳か!っていう。

達郎氏:

おかげさまで。
日々節制の賜物ですって、っははは(笑)

まりやさん:

それ一言付け加えながら、
ちょっとアルバム特集させていただきたいと思います。

達郎氏:

本日の島根県民お待ちしております(笑)

まりやさん:

そうだよね、今日は島根ですよね(笑)。

達郎氏:

というわけで今週、来週2週間使いまして、竹内まりやニューアルバム『Precious Days』、
ご紹介させていただきたいと思います。
ですので、いつもはCM前はシングルとかそういうのありましたけど、
今日はなしです。お知らせ挟みまして始めてみたいと思います。

~ CM ~

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曲順をすごく考えました

達郎氏:

山下達郎がお送り致しておりますサンデーソングブック
というわけで、今週と来週の2週間を使いまして、竹内まりや10年ぶりのニューアルバム、オリジナルアルバム『Precious Days』のご紹介をさせていただきます。

全18曲、今週9曲、来週9曲というスケジュールで行ってみたいと思いますが。
10年ぶりと申しましても、間に2019年に『Turntable』という企画アルバムを出しております。企画ものです。
他人に書いた曲とか、そういうようなものの・・・
5年前だから・・・

まりやさん:

オリジナルアルバムとしては『TRAD』以来。

達郎氏:

早速行ってみたいと思いますが。
とにかく、シングルもその間ですね、たくさん出ておりまして。
タイアップものが、シングルじゃなくても、たくさんあります。
前半はそれで占めております。

中盤は、このアルバム用の曲とか、セルフカバー、他人の曲をやったとか。
そういうのがありまして。
後半はしっとりといくという、そういう風な流れになっております。

まりやさん:

すごく曲順考えました。

達郎氏:

そうですか!(笑)
そういう、曲順も熟考された曲順をお楽しみいたただければと思います。
まずは、昨年シングルのカップリングとして発売された、テレビ朝日の昼のワイド

まりやさん:

大下容子さんのワイド!スクランブルのテーマソングでした

♪ Brighten up your day! / 竹内まりや

エンジニア橋本茂昭氏の技術で一変した音像

達郎氏:

10月23日発売の竹内まりやニューアルバム『Precious Days』のトップを飾ります「Brighten up your day!」

まりやさん:

♪~Brighten Up Your Day、ジングルみたいに「おはようございま~す」という感じでスタートしたかったんですよね。これは全面的にたっつぁんの編曲というか、一人プレイですよねこれは。

達郎氏:

これは締め切りがキツイんですよ。こういうタイアップはね。
昔は4日で作ったもんですけどね。

まりやさん:

これ、どれくらいだった?

達郎氏:

今回は2週間くらいかかりました。

まりやさん:

編曲を一人でやる場合の大変な時期というのは、ドラムのビート感とかさ、そういうのを決める時?

達郎氏:

音色の、オーディオ的な・・
全体の音色を・・

だいたい、プランはあるんですよ。
楽器の構成とか、プランって、アウトラインあるので、それを実際にのっけた時にどう聴こえるかっていうのが、ここの10年近く、ずーっと、なかなか試行錯誤したんですよ。

僕が30年近く一緒にやっている橋本君(橋本茂昭氏)っていう・・・

まりやさん:

マニピュレーターだね。

達郎氏:

この人は、元々シンセオペレーターですが、もともとエンジニア志望なので。
エンジニアに対する知識が昔からあるんでね。

彼に全面的に僕の『Softly』任せることにして、そしたら、音の見え方がね、ものすごくに改善されたので。

まりやさん:

これレコーディングした時に、アコギを1本いれたじゃん。そのビートの中にさ。
そしたらアコギの音が、すっごいバーンって。
今まで、4本くらい入れても抜けなかったのが、1本でこんなに出るんだ!って、そういう風に思ったのを覚えてる。

達郎氏:

音数が、楽器の数が少なくてスリムになってね。

まりやさん:

粒立ちが、すごいしっかり聞こえるようになっているよね。

達郎氏:

『BigWave』のね、40年くらい前のアナログレコーディングでは、楽器が少なくてもだいじょうぶだった。
それが、デジタルになったとたんに、それが埋まらなくて。

まりやさん:

ずーっと悩んでたんだよね。

達郎氏:

それが『Softly』から改善されたので。

まりやさん:

答えが早くでるのでサクサク進んでる感じが、私はスタジオでしてたんだけど。

達郎氏:

昔の経験があるから、ひと月くらいかかるっての知ってるから。
だいじょうぶかな!だいじょうぶかな!
ほんっとに、だいじょうぶかな!って(笑)

だいじょうぶだって!言ってんだろうって(笑)

小さな願い

達郎氏:

お次は2018年のシングル『小さな願い』

まりやさん:

これは『あいあい傘』という映画のテーマソングとして書いたんですけど。
立川談春さんと倉科カナさんが親子として生き別れた親子が再び出会うみたいな、それをテーマにして歌詞は書いた上で、ちょっとやっぱバンドサウンドの往年の感じで、リズム隊とコーラスだけのレコーディングをしたいなと思ってて。

島村英二さんと伊藤広規さん、難波弘之さんと達郎のギターということで、これを聴いていただきたいと思います。
これも多分シングルでカップリングに入れたはずですよね。

達郎氏:

2024ニューリミックスです。『小さな願い』

♪ 小さな願い(2024 New Remix) / 竹内まりや

トラック作る時に何を考えたか

達郎氏:

2018年のシングル『小さな願い』でございましたが。
あの、最初にお伝えするの忘れましたが。
なにしろ曲数が多いので全部完奏できません。
エピソードとか申し上げるとですね、乗っかっていくしかないので。すいません。
残りはお買い上げの上、ご視聴いただきたいと思います(笑)

まりやさん:

この『小さな願い』は、本当に60歳代の後半の人たちが集まって、せーのでやってるリズム隊なんで。
やっぱなんか懐かしい響きというかね。

達郎氏:

フォークロックのあれですから。
みんなフォークロックよく知ってるので。

まりやさん:

そうね、島ちゃんのおかずがやっぱり往年だなっていう感じで、すごくこの曲に合ってるなと思ってレコーディングしてました。

達郎氏:

島村君は一世代を築いた人ですからね。
まだまだ現役でバリバリです。

まりやさん:

でもね、達郎のパーカッションが入ると、その、なんていうのかな、曲にすごくアクセントがつくっていつも思ってて。

達郎氏:

だからパーカッションって本当使わないんですよ、最近。

まりやさん:

みんな使うとしても、なんかシンセパーカスになっちゃってて。
でも達郎は生のパーカスを入れるから、そうするとなんかタンバリンを一つ入れても表情が出てくるんだよね。

達郎氏:

トラック作る時に何を考えたかって、ラテンの何を使うかって・・

まりやさん:

すごい好きだもんね。ラテンがね。

達郎氏:

だって、銀箱3つですからね。

まりやさん:

でもあれがね、本当にね、1個入れるだけで違うのよ。

達郎氏:

45年かかってあれだ溜めたんですから。

まりやさん:

パーカス大事(笑)

達郎氏:

ドラマーですからね。

まりやさん:

あとね、この曲は、ハルナちゃんと達郎がハモってるんだけど、コーラスのハモリが私も好きで。女性の声が入ってて、達郎の声が入るとちょっとニュアンスがまた違って柔らかくなって。

達郎氏:

彼女のソプラノ柔らかいからよくハモるんですよ。

まりやさん:

よく混じっててすごい好きです。

ベイビー・マイン~娘が小さい頃、毎日見てましたよね

達郎氏:

お次は2019年の作品で『ベイビー・マイン』。

まりやさん:

これはダンボの映画の、ティムバートンがリメイクした映画の日本版のテーマソングとして『ベイビー・マイン』を歌わせていただいて。
日本語歌詞に訳してやったんですけど。

やっぱりね、難しいんですよ。
英語を日本語に訳すとすごい間延びしちゃうから。だけどこのニュアンスは入れなきゃいけないから。

歌はすごい好きな歌だったんで、歌えてよかったなと思ったんですけど。
スウェーデン人のアンデイス・ダンビーク(Anders Dannvik)さんという方にアレンジしていただいたものです。
このアレンジどう思いました?

達郎氏:

素晴らしいと思いますよ。

まりやさん:

なんか一発で「これいいじゃん」って達郎言ってたね。

達郎氏:

スウェーデンはね、ABBAの国ですからね。
音楽の国なんですよ、スプートニクスとかね、昔からありますから。

まりやさん:

私の知り合いが、このアンデイスさんを紹介してくださったんですけど。
これ、一発でなんかやりとりリモートでやりとりして、一発でなんかね、こんな感じですって、よく分かってくださって。

♪ ベイビー・マイン(日本語Ver) / 竹内まりや

まりやさん:

ダンボのオリジナル版のアニメは、本当に娘が小さい頃、毎日見てましたよね。
私、この『ベイビー。マイン』がかかるたび、すごい涙してて。親子の愛が(笑)

そんな曲だったから、歌えてよかったです。

~ CM ~

山下達郎ならではのアレンジ「君の居場所(Have a Good Time Here)」

達郎氏:

お次ですが、2023年のシングルですが。
ポケモンコンシェルズ・・

まりやさん:

NETFLIXのアニメです。

達郎氏:

これのテーマソングです。『君の居場所(Have a Good Time Here)』、とりあえず聴いていただきましょうかね。

♪ 君の居場所(Have a Good Time Here) / 竹内まりや

達郎氏:

2023年昨年のシングル『君の居場所』
リズムは私ですが、ストリングスとブラスは牧戸太郎さんっていう
ここ10年ぐらいずっとお願いしている、大変に優れた・・・

まりやさん:

若い方ですよね。

達郎氏

今、若い方、アレンジャー、それからストリングス・プレイヤーとか、新しい人材がどんどん出てきて。
特にストリングスは優秀な人が。
今の曲のコンサートマスターやってる今野さん、今野均さん、

まりやさん:

室屋さんとかね、皆さん若いけど優秀だと思います。

これは、牧戸さんを頼もうってことになったのは、確か私の『トラッド』に入っている『アロハ式恋愛指南』のストリングスが良くて、確かその後嵐の『復活 Love』のストリングもやっていただいて。

達郎のも何か1曲・・・CHEER UP! THE SUMMER!やってもらって、それで彼に頼むようになったんですけども。
オーケストレーションとかも書ける方なので、よかったと思うし、最初この『君の居場所』を書いた時に、こういうサンバ的なラテンのビートにするか、シティポップライクなビートにするかすごい迷ってて。

ポケモンサイドのNETFLIXさんの方も、どっちがいいかなって、すごく迷ってらしたんですけど。
最終的にはこういうね、サンバ調のに落ち着いたけど。
これはちょっと新しい感じのアレンジだったかなと思ったんですけど。

達郎氏:

トラディショナルなね。
パーカッションは、ほとんど手人力です。

まりやさん:

なんかね、私は新しく感じたの。
自分がこういうビートで歌ったことはなかったからっていうのもあるけどね。

達郎氏:

私も昔こんなのばっかりやってましたからね(笑)
「高気圧ガール」とかの時代は(笑)

まりやさん:

だからちょっとリゾート感のある・・・

達郎氏:

一応、50年くらい前はカリプソとかね、そういうの一通りやっぱりやってたことがありますからね。

まりやさん:

お手の物ですね。
パーカッショニストとしてはね。

達郎氏:

メレンゲの倍音だの、ね。

まりやさん:

そうね、でも楽しいレコーディングでした。
ピカチュウさんとコダックさんのお声もね。声の出演もあったので。
あとやっぱりポケモンっていうインターナショナルなキャラクターの世界が、どれだけ世界に広がっているかが、よくわかりました。

達郎氏:

しかしよくポケモンのオファーが来たよね。

まりやさん:

本当だよね。

達郎氏:

普通もうちょっと若い人に頼むだろ(笑)

まりやさん:

何故に私?って思ったんですけどね(笑)。
それもね。後で聞いたら、そういうシティ・ポップっていうことでインターナショナルに名前が広がったことも要因としてあったらしいので。

それは「プラスチック・ラブ」のおかげだったの?って言いまさらながら。

達郎氏:

だからこういうアレンジがいいんですよ。

まりやさん:

なるほど。

達郎氏:

グローバルなんですよ。こういうの。
あんまりヒップホップとかオールドタイムに寄らないとか。これだったらスペイン語圏とかね、ポルトガル語圏でも受け入れてもらえるから。

まりやさん:

なにしろ、絵に合ってたしね、この音像がね。

達郎氏:

絵に合うことが第一です。

まりやさん:

これは山下達郎ならではのアレンジだなと思いました。

コンピュータミュージックだからできること

達郎氏:

で、この次もそうです。
2015年の一番古い音源です。

まりやさん:

これが一番古い音源だったよね。
2015年とか、もう約9年前で。

一番笑ったのは、これを私立ち上げてリミックスしようと思って立ち上げて、エンジニアと一緒に聴いて、達郎がやってきて。
「これ今立ち上げたんだけどこんな感じでどう?」
って聞いたら、
「俺こんな曲やったっけ・・・」
忘れてんのよね。

達郎氏:

まったく覚えてない。

まりやさん:

本当に記憶にないって言ったから、びっくりしちゃって。
いや、これやったじゃん(笑)

達郎氏:

結構よくできてんじゃんって(笑)

まりやさん:

結構いいことやってるよなって(笑)
結構私このアレンジ好きだったから、忘れてるはずがないと思って。

達郎氏:

典型的なイーストコースの・・・

まりやさん:

2024年ニューリミックスによって、またあの音の粒立ちがクリアになりました。

達郎氏:

こういうものはね、そういうシンセサイザーの音源があることで、ものすごく要するに、楽器法のユニークさが作れるんですよ。

これ既成の楽器だとね、やっぱり既成のものに固まるけど、これシンセの音色がそういうものを古くさせない。

まりやさん:

でもその音色でさえ、ブラッシュアップしてるから、よりね、なんか覇気があったんですよ。

達郎氏:

そこに一番時間がかかったんですよ、昔はね。
それが今すごく、要するに抜けが良くなったんで、割と早く決断できる。
早くディシジョンできる。

まりやさん:

それでさ、最後のエンディングのところにさ、もう一回しあったじゃん。構想みたいな。それを、はしょったじゃん。あれがすごい良かったんだよね。

達郎氏:

それはね、1週間で上げるとかそういう世界はね、やっぱりね、後で・・
だから昔ね、70年代にね、まだ売れなかった時に、ここもう一回やりたかったとか・・・

まりやさん:

そういう後悔がね・・

達郎氏:

リテイクしたいって。
それは売れなかったらできませんよって。
だから悔しかったら売ってやってくださいって言われたのね。
だったらしょうがないなって。レコード売ろう!って。

まりやさん:

こうやってさ、一回寝かせておいたものを引っ張り出してリミックスするために、もう一回その構成を変えたりできるって贅沢なことよね。

達郎氏:

コンピュータミュージックだからできるの。
データが全部あるからね。
同じ音でデータ作れるんで。
それを切り張りするのは自由なんで。
それはね、やっぱりものすごく要するにマシン・ミュージックのいいところ。

まりやさん:

でもこれ、マシン・ミュージックでありながら、すごく人の温かさのあるアレンジだと。ペタ褒めしちゃう!

達郎氏:

苦労したんですよ。
昔のね、40年くらい前の苦労がね、今ね・・・

まりやさん:

その苦労の後、ちょっ聴いててもらおうか。

達郎氏:

あ、そっか(笑)かかってねぇんだな(笑) ひでぇな(笑)

♪ Smiling Days(2024 New Remix) / 竹内まりや

デジタル録音の限界

達郎氏:

2015年の「Smiling Days」
例えばチェレスタとかね、そういうような楽器は、昔、要するにアコースティックの本当の楽器でしょ? リースなんでチューニングが悪いんですよ。
例えばグロッケンなんかにしてもね、あの、バランスが悪い。

まりやさん:

鳴る音と、鳴らない音がでてくるよね、あれ。

達郎氏:

強弱とかね。
そういうのだと、シンセだと完璧に作れる。
サンプリングレートが上がってきて音色がものすごくよくなったんで。
生の本物よりもいい音する(笑)

まりやさん:

でもこれ、陽太くんのそのソプラノ・サックスが・・・

達郎氏:

これはプラスのソリオなぞってるの。

まりやさん:

それをなぞっていることで、ちょっとやっぱりさ、人のぬくもりみたいのがあるし。

達郎氏:

これ常識的に考えると、トランペット連れてきてやるんだけど、これソプラノ・サックスでやるのがミソがある。
すると、やわらかくなる。イーストコースっぽくなる。

まりやさん:

私さぁ、これの歌詞あるじゃない、あのうまく焼き上がったパンケーキ。
パンケーキって言ってんのに、どう聞いてもパンティーに聞こえるのよ。

達郎氏:

っはははは(笑)

まりやさん:

すごい悔やまれるんだけど(笑)

達郎氏:

それは仕方がないね。

まりやさん:

パンケーキって言ってんだけど。

達郎氏:

デジタルのそれはね、弱点なんだよ。

まりやさん:

一回さ、歌だけ出して聴いてみたじゃん。
それ、ちゃんとパンケーキって言ってたんだけど。

達郎氏:

マスキングがね、デジタルとアナログは全く違うんで。
子音と母音の強弱がデジタルだと全然よくない。
こうした空間構成で全く変わるんでね。
それ仕方がない。

まりやさん:

これ、達郎もなぞって歌ってる自版も。だから、達郎の声もパンティに聞こえてた(笑)

達郎氏:

仕方がないな、諦めるしかない。

まりやさん:

それはそれで、うん。

今日の最後 「Watching Over You」

達郎氏:

次は今日の最後に結局なりますが、2021年の作品。

まりやさん:

『Watching Over You』
これは杏里さんとのデュエットなんですけれども、珍しく林哲司さんの作曲・編曲ですよね。

達郎氏:

何十年ぶりのコラボですね!

まりやさん:

40何年ぶりかな。「PORTRAIT」の『僕の街へ』依頼なので、81年だから、本当よね。
林さんの曲でしたけど、とても新鮮でした。とりあえず聴いていただきましょうか。

♪ Watching Over You / 竹内まりや

達郎氏:

2021年の『Watching Over You』、デュエット ウィズ杏里さん。

まりやさん:

これは配信のみのリリースだったので、CDは初めてなんですけど。
2021年のコロナ禍の頃に、杏里と時々電話で「何してる?」みたいな話してた時に、「いつか一緒に何か歌えたらいいね」みたいな話してたら、たまたまこのドラマ『和田家の男たち』っていうドラマの主題歌のお話をいただいて。

私が一人で歌う予定ではあったんですけど、杏里と何かやったらいいかなってことで提案したんですよね。
そしたら達郎がとにかくツアーとか、自分のプロジェクトで動けなくて。

達郎氏:

アルバムがほら。

まりやさん:

アルバムやってたんだよね。
で、これは達郎でアレンジ無理だなって思って、じゃあどうしようかって考えた時、杏里と私だったら共通の作家として林哲司さんがいるじゃないってことを閃いて、それで哲司さんに打診したら、ぜひっていうことで書いていただいたのがこの曲だったんですよね。

達郎氏:

なぜか私がギター弾いてるんですよ。
私は林哲司さんと仕事したことないんですよ。

まりやさん:

そうよね、だから接点はないんだけど、だから私が橋渡しじゃないけど、繋ぐ役になって。でも、すごい哲司さんは自分の曲に達っつぁんのカッティングが入ったことを喜んでいらしたし。
あと陽太さんのソロとかね、サックスソロ。
それからハルナちゃん、ENA☆ちゃん、みたりんというその3人のコーラスも、すごいマッチングしたなと思って。

今の時代のシティポップみたいなことを目指してやったんですけど。
でも杏里とのデュエットの念願が叶ってよかったし、声が割とこの曲に合ってるでしょ?2人のね。
そんな感じで楽しくデュエットした曲でした。

あ、そうだ、今回はアレンジャーが達郎以外の8人いるわけですけど。
プラス、エンジニアも5人いるんですよね。
だからこれも、いつもやってくださっている人とは違う中澤さんとかがね。みんなその曲によってミックスも違うんですよ。

達郎氏:

今時ですよ。

まりやさん:

そうですかね。

達郎氏:

R&Bなんていうのは、一曲一曲全部違うんですよ。

まりやさん:

それを、こんなに幅広くやったのは今回初めてだったので、それはそれで学びが多かったです、
っていうことを言っていたら・・・

達郎氏:

もうそういうことになりますので、今日はここまでです。
頭6曲です。
来週は20日はですね。7、8、9、10、11、12までいきます。

10月27日は残りの6曲です。
で、来週はですね、ほとんど私の担当じゃないんです。

まりやさん:

アレンジがね。じゃぁいろいろ、私のエピソード、聞いてください。

達郎氏:

私は聞くだけです。
なわけで、来週も竹内まりやニューアルバム『Precious Days』10月23日発売直前の放送になりますが、中盤戦で行ってみたいと思います。
来週もよろしくお願いします。

クロージング

達郎氏:

お送りいたしてまいりました、山下達郎サンデーソングブック。
竹内まりやさんニューアルバム『Precious Days』10月23日発売。
今日はパート1、全18曲中、頭の6曲でございました。

来週は真ん中の6曲、再来週はさらに最後の6曲。
小出しにしてすいません。その分、いろいろと曲の裏話をご紹介したいと思います。
来週もよろしくお願いします。

前倒しなので、陽気のことが申し上げられないのは残念でございますが。
季節の変わり目、皆様くれぐれもお体を大事に。
山下達郎サンデーソングブック、

来週もセイム・タイム、セイム・チャンネルで皆さんごきげんよう。さようなら。

今週のオンエア曲

14:07 Brighten up your day! / 竹内まりや
14:14 小さな願い(2024 New Remix) / 竹内まりや
14:19 ベイビー・マイン(日本語Ver) / 竹内まりや
14:29 君の居場所(Have a Good Time Here) / 竹内まりや
14:36 Smiling Days(2024 New Remix) / 竹内まりや
14:42 Watching Over You / 竹内まりや

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