山下達郎さん サンデーソングブック 2018年4月15日『ノーキー・エドワーズ追悼特集』
横浜市内は、昨日4/14の夕方から今朝4/15にかけて、激しい雨と風が吹き荒れました。
先週に引き続き、今週も春の嵐でした。
今日のサンソン、ノーキー・エドワーズさんのギタリストとしての凄さをを感じました。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
えぇ、4月の真ん中でございます。
本日は1331回目のサンデーソングブックでございます。
シンメトリーでございます・・
よくこういう、あの・・ナンバープレートとかですね・・車の
へへへ(笑)
自分のレコーディングが一段落しましたら、今度は、まりやのレコーディングが始まる・・アレンジでございますね。
今月はもう、けっこうパッツン、パッツンでございます。
頑張って、仕事しております。
本日は、前倒しの録音でございます。
お天気の話しが申し上げられないのが、残念でございます。
生でやると、なんか楽しそうですが、生でやると、ヤバイこと言いそうになるので。
録音ですと訂正が効きますので。
暴走してしまう、質がありますので、時々止められたりします。
先日、3月12日にですね、ベンチャーズのリードギタリストでありましたノーキー・エドワーズさんが亡くなりました。
享年82歳。
日本にエレキギターが、これだけ普及したのは、ベンチャーズ、とりわけノーキー・エドワーズのギタリストとしてのテクニック、圧倒的なテクニックがですね、若者の心を捉えたという。
60年代、一世を風靡しましたベンチャーズ・サウンドでございますが。
そのサウンドを担っていたギタリスト、ノーキー・エドワーズ。
私もベンチャーズがルーツでございますので。
ベンチャーズがいなかったら、ロックンロールには目覚めておりませんので。
でも、私、あのぉ・・ドラムだったのでですね、メル・テイラーに没頭して育ちまして。
実はリードギターとか、ベンチャーズの曲のコードとか、ほとんど知らないんです。
ドラムは空で全部言えますけども。
何の曲が何のキーで、とかほとんど知らないんですね(笑)
でも、やっぱりノーキーさんのギター聴いて育ちましたので。
好きな曲、たくさんありますので。
今日は追悼特集で。
おたより、たくさん頂いているんですけど、自分の好きな曲をですね。
自分のルーツでございますので。
自分の好きな曲をかけさせていただこうと。
偲ぼう・・という感じでございます。
日曜日の午後のひととき、本日はエレキ・ベンチャーズ、久し振りです。
それからノーキーさん、ソロ作品もいろいろとですね、揃えまして。
あくまで、極私的でございます(笑)
私の好きなノーキー・エドワーズ、ベンチャーズ・サウンドをお楽しみ頂きたいと思います。
本日も最高の選曲と最高の音質でお届けを致します。
さて、あの・・・皆さんメディアで報道ご承知と思いますけど。
加山雄三さんのですね、光進丸が火災で沈没いたしまして・・
もう言葉が・・ありませんでですね・・
えぇ・・私、光進丸に2回乗せていただきました。
ほんとに、素晴らしい船なんですけど。
録音で前倒しなので、情報が、そんなに詳しいこと申し上げられないんですけども。
加山さんにも、お見舞いを申し上げましたけども。
「まだ夢は捨ててない」と、そういうお応え頂きまして。
ほんとに、お見舞い申し上げますとともにですね、また更に負けずに、海の男としてですね前進して頂きたいと思います。
ちょうど、旭川のF.Kさん、ベンチャーズの「Blue Sunset」夕陽は赤く、これのリクエストを頂きましたので、お見舞い兼ねて。
加山雄三さんの1965年のヒットソングでございますが。
もともとはシングルオンリーで発売されましたが、今ではポップスインジャパンのCDに収録されて、手軽に聴くことができるように、なっております。
♪ 夕陽は赤く(Blue Sunset)/The Ventures
~ CM ~
♪ Night Run/The Marksmen
◎ノーキー・エドワーズ
達郎氏:
ノーキー・エドワーズ、本名ノエル・フロイド・エドワーズ
オクラホマ生まれのノエルなのでノーキーという芸名になったという説がありますが。
1935年ですから、昭和10年生まれということになります。
加山雄三さんが、ふたつ下。
服部克久さんが、ひとつ下、というそのへんの世代の人達ですね。
昭和10年・・・
オクラホマのチェロキー族の血を引く大家族の一員で。
家族ほとんどがですね、楽器をいろいろ嗜んでいるので、ちっちゃい時から楽器に馴染む
というですね。
そういう生活の中からギタリストの道を選んでいたそうでございますが。
今お聴き頂いた曲は、一時代離れまして、ベンチャーズを。
マークスメンというグループ、ユニット作りまして、それで出しましたシングル、1961年
のシングルでございますが。
「ナイトラン」いうタイトルのシングルでございますが。
ノーキーさんの追悼特集なので、始めはレアなもんからいこうと思いましてですね(笑)
◎出来るからしない・・・
達郎氏:
年代的にですね、ロックンロールの初期でございますので。
非常にカントリーの影響が大きい人です。
ノーキー・エドワーズさんは、基本的にはカントリー・ギタリストとして認知していいと思います。
なんですけど、ベンチャーズの時にですね、あまりそういう超絶的なテクニックを見せなかった。
彼のアイドルであります、例えばレスポールでありますとかですね、チェット・アトキンス、マール・トラヴィス、そういうような人のコピーをしてですね、相応のテクニック持ってるんですけど、そういう速弾きをしない、というですね。
出来るからしない・・これがかっこよかった!
ですが、いわゆるそうしたカントリー・フレーバーというのが、いろいろなとこに出てきます。
1990年に出ましたソロアルバム「グレイテスト・ヒット・オブ・ベンチャーズ」というアルバムがありますが、この中にですねスティール・ギター・ラグ、カントリーの有名な曲ですけども。
これが入っておりまして。
バックメンバーの演奏はチープなんですけども、ノーキーさんのギターだけずば抜けて、いいというですね。
日本で製作されたので、そういう感じですけれども。
ノーキー・エドワーズのテクニックを聴くには十二分でございます。
♪ Steel Guitar Rag/Nokie Edwards
♪ Sugarfoot Ra/The Ventures
◎時代
達郎氏:
時代がロックンロールに向かって、ひた走ってた時代なので、ノーキーさんは、ロックンロールにあこがれてですね、ロックンロールなギターに、だんだんと触手を動かしていくという・・。
ローカルなところでギターを弾いてたときにカントリーシンガーのバックオーエンスに見出されましてですね。
バックオーエンスのバックバンドを経て、ウエスト・コーストへやって参りまして。
ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグルに会いまして、最初はベンチャーズのベーシスト
として加入しますけれども、やっぱる腕がいいのでですね、リードギターに頭角いたします。
そこから、いわゆるノーキー・エドワーズ、ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル
、そしてメル・テイラーという黄金の4人が出来上がりまして。
日本に来ましてライブをやってからですね、日本で爆発的に人気が出まして。
私が言うのは、釈迦に説法でございますけれども。
私の世代では、もう周知の事実でございますが。
みんな、これでエレキを覚えたという。
とりわけノーキーさんのテクニックというのは、すごいものがあるんですけど。
さきほど申し上げましたように、なかなか弾かない。
正確なフィンガリングといいいましょうか、そういうものに心がけて。
でも、そうした中でも代表的なプレイというのは、いくつかありまして。
なんといってもキャラバンでございまして。
キャラバンをライブで聴きますとですね、なんでレコード通りに弾かないのかな、と。
長年疑問に思ってたんですけど、加山雄三さんがノーキーさんにインタビューしたところによると、あのレコーディングは、あそこはレスポールみたいに多重録音なんですね。
なので、あれをひとりで全部やることは出来ないので、変形してやってるんだと、そういうようなインタビューが載っておりましたけれども。
いずれにしましてもベンチャーズの代表的な一作と、日本では認知されております。
♪ Caravan/The Ventures
◎来週
達郎氏:
ベンチャーズはご存知のようにですね、長い歴史を誇りまして。
いわゆるインストゥルメンタル・グループでありまして。
1950年代の終わりに結成されまして。
それまではインストゥルメンタル・グループといいますとですね、キーボードと、それからサックスが入っているのが、割と一般的だったんですけども。
ギターだけのコンボで作られまして、ドラムにベースにギター2本というですね。
これが非常に新しかったですね。
目新しい。
60年代の、特にUKのビートグループはほとんどギターバンドで、ありましたけれども。
そのさきがけと、いう評価であります。
で、いわゆる、その・・歌のない歌謡曲と言いましょうかですね、その時のヒットソング、ヒットソングをインストに仕立てて、アルバムを出すという。
年に4枚くらいのアルバムのリリースでありまして。
いわゆる、その・・我々の感覚でいうシングルヒットのアーティストではありませんでですね。
アルバム・アーティスト。
いわゆる、その・・歌のない歌謡曲ですね。
そういうキャラクターなんです。
それが日本では、非常に、あまりに人気が出てしまったので。
ちょっと評価が変わってしまったんですけども。
で、そうしたインストゥルメンタル・ミュージックという伝統が、ずっと続いておりまして。
そういうもののプロデューサーは有名な人がたくさんいまして。
ベンチャーズも場合もですね、 Bob Reisdorffとか、 Joe Saracenoとか・・
でも、ベンチャーズのプロデューサーとして最も優れた仕事をしたのは、 Dick Glasserです。
Dick Glasserの担当してた時代の64年、5年、6年くらいのですね一連の作品がベンチャーズの一番ピークだと考えられます。
そんな中から「Fugitive」
♪ Fugitive/The Ventures
♪ ロンリー・ガール/ベンチャーズ
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
さて、来週なんですが、また得意のふた月にいっぺんの聴取率週間ってのが出てきましてですね。
なんかやれというですね。
いつも聴取率週間だとライブ特集か、珍盤・奇盤とか、そんなのばっかりなので。
ちょっと、ちゃんとしたのやろうと思います。
前からやってみたかったんですけど、90年代の私のサンデーソングブックのゾーン、日曜のこのゾーンですね、よくやりましたが、「ラブソング」というですね。
「ラブソング」ってあありに抽象的なんですけど(笑)
でも「ラブソング」なかなか自分でこの曲が好きだとか選ぶとですね、なかなかいいプログラム出来るんです。
ですので、来週はですね「ラブソングで棚からひとつかみ」
サンソンならではのですね、60年代、70年代、80年代、オールディーズソングでございますが。
あまたのラブソングの中から山下達郎が厳選しました、ベッタベタで横行で、大げさで、でもとってもいい曲。
そうしたラブソングで棚からひとつかみ、これで攻めてみたいと思います。
♪ ゴーン・ゴーン・ゴーン/ベンチャーズ
♪ Fuzzy And Wild/The Ventures
◎エンディング
達郎氏:
というわけでノーキー・エドワーズ追悼特集、完全に自分の趣味でやってしまいましたが(笑)
十分にロックンロールのですね我々の世代にとって、かけがえのないノーキー・エドワーズさんのギターでございます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私、先ほど申し上げましたように、ドラムでしたのでメル・テイラーさんが逝去された時も追悼特集やらせていただきました。
どんどん、どんどん、自分の青春の思い出が少しづつ減っていくという・・
なんか感慨無量なものがありますが。
心の中に音楽はいつまでも残ります。
というわけでノーキー・エドワーズ追悼特集でございました。
最後は、やはり「ベンチャーズ・インジャパン」
ライブアルバムで締めたいと思います。
これ、もうほんとにですね、観客の熱狂が演奏者をですね、煽るんですよね。
それが、もう本人たちの実力以上の何かが、取り憑いて、ものすごい演奏になっていくというですね。
そういうものが、すごくよく分かります。
この中から、今日は最後の方に入っております「Bumble Bee Twist」これのライブバージョン。
このときはですね、モズライトギターのピックアップが強すぎて、アンプが割れるんですね。
非常にパンキッシュな音をしてるんですけど、それが逆にものすごくパワーになって伝わっていくという。
だかから今から考えると、こんな偽ライブみたいなですね、観客の拍手とか、偽拍手とか入れないでいいのに・・
素直にやってるだけで十分説得力あるとおもいますが、まぁ時代ですね(笑)
それに続きましてラストに演奏されます「Wipe Out 」
メル・テイラー、フィーチャーしてるんですけど、ノーキーさんの、ココん時のギターソロが素晴らしいんですが。
この2曲を続けてお聴きを頂きまして、ノーキー・エドワーズ追悼特集、ご清聴ありがとうございました。
♪ Bumble Bee Twist (Live)/The Ventures
♪ Wipe Out (Live)/The Ventures
♪
今週のオンエア曲
14:04 夕陽は赤く(Blue Sunset)/The Ventures
14:08 Night Run/The Marksmen
14:13 Steel Guitar Rag/Nokie Edwards
14:16 Sugarfoot Ra/The Ventures
14:20 Caravan/The Ventures
14:25 Fugitive/The Ventures
14:28 ロンリー・ガール/ベンチャーズ
14:36 ゴーン・ゴーン・ゴーン/ベンチャーズ
14:40 Fuzzy And Wild/The Ventures
14:44 Bumble Bee Twist (Live)/The Ventures
14:47 Wipe Out (Live)/The Ventures
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