山下達郎さん サンデーソングブック 2014年06月22日『リクエスト特集』
長崎は雨が”しとしと”と降り続きました。
梅雨の天気です。
今日のサンソン、リスナのお便りが盛りだくさん。
クリックのお話、”なるほど”と聞いておりました。
YMOは「キコカコ・クリック」って言うんですね。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
6月もあと、10日足らずでございます。
あっという間に6月も終わってしまいます。
いよいよ私、竹内まりやのニューアルバム「TRAD」9月3日発売、これの今週は、いよいよファイナル!
リマスタリング、ミックスダウン残り・・・
いよいよ完成でございます。
さすがにちょっと、くたびれました(笑)
来週からはツアーのリハーサルが始まります。
息つく暇もないという感じでございますが、頑張っております!
番組の方も頑張っております。
おかげ様で皆様のリクエストをたくさん頂きまして、本日もリクエスト特集で・・。
ほんとに、たくさん頂きましてですね。
ほんとに、かけてもかけてもリクエストが減らない、なかなか減らないのでですね。
全ての方にリクエストにお応えできなくて、ほんとに心苦しいんですけども。
でも、それだけほんとに、たくさん頂きまして、ありがとうございます。
お陰で番組が、このスタジオのですね・・にも関わらず滞り無く6月も乗り切れるところであります。
本日も日曜の午後のひととき、素敵なオールディーズソングでお楽しみを頂きます山下達郎サンデーソングブック。
皆様のリクエスト、1曲でも多く、リクエストカード1枚でも多く紹介したいと思います。
リクエスト特集で今週はお届けをします。
今日も、最高の選曲と、そして最高の音質でお届けいたします。
ここんとこ、ずーっとご紹介しております、6月14日から始まりました映画「わたしのハワイの歩きかた」、東映配信の作品でございますが。
これの主題歌、竹内まりやさんの『アロハ式恋愛指南』
ここんとこ、しばらく、ずーっとお聴きを頂いております。
今日も引き続きお聴きを頂きたいと思います。
7月になりますと、7月発売の「静かなレジェンド」の方に、また切り替わって参ります。
この『アロハ式恋愛指南』は、もちろん9月3日発売のニューアルバム「TRAD」に収録されます。
今日もたくさん頂いておりますが。
福岡市のH.Hさん。
『以前、「夏だ、海だ、達郎だ」と言われた達郎さんはハワイに行かれたことはもちろんあると思いますが、いかがですか』
3回ほど行ったことがありますが、結構最初に行った時は、ひどい目に遭いました。
番組の中程でまた(笑)・・・
超常連の方がたくさんリクエストくださいました。
♪ アロハ式恋愛指南/竹内まりや
~ CM ~
♪ You’re No Good/The Swinging Blue Jeans
♪ This Time/Troy Shondell
◎リスナーのお便り(福岡市のH.Hさん)
達郎氏:
先ほどの福岡市のH.Hさんのハガキ「ハワイへ行かれたことあると思いますが、いかがですか?」という。
私3回ハワイへ行ったことがありますがですね。
生まれて初めて行ったのが1980年、ライドオンタイムの年でありまして。
ロスアンゼルス行って、ハワイへ行くというですねスケジュールなんですが。
日本から行ってロスアンゼルス着いたら、トランクが出てこなかった。
ですのでですね、ま、当時はアメリカでジーンズを買おうと思いましてもですね、全くサイズがもうどうしようもない。
太さが、もうブカブカというか、きちっとした、日本人のサイズに合うようなジーンズがアメリカにはありませんので。
もう完全に、3日、4日着たきりでですね、もうズルズルの格好でハワイへ着きました。
トランクがですね何故かカナダの方に行って来まして。
それがハワイへ戻って来るのに2日かかりまして。
その2日間は、とにかくもう大変でございました。
着のみ着のまま。
夏のさなかでございます。
もう忌まわしい想い出。
それで戻ってきたトランクが、面白いことにですね・・・ま、ラジカセ当然盗まれてましたけど、スーツとか入ってる。
Tシャツとかですね、そういうのが全部ない(笑)
えぇ・・不思議なものでございますけども。
外国は怖いなと。
1980年の想い出でございます。
ハワイというと、そのズルズルの2日間を思い出します。
最近、なかなかハワイへ行くチャンスがありませんがですね。
1回、冬のノースショアというですね、是非あの、ビルの何階建てのビルの波を見てみたいなと思う、今日このごろでございます。
♪ Try Me/Jimmy Hughes
◎リスナーのお便り(札幌市のK.Nさん)
『中2から疑問に思ってたことなのですが、レコードって同じ回転で回っているので、外側の方が、内側より1周が長いので、やっぱりいい音なのでしょうか。
それとも1本のロープを巻いただけなので、同じ音なのでしょうか。
疑問です。
こんな事、達郎さんにしか聞けません。
どうか納得いく答えを一つお願いします。
少し酔ってます。すいません。』
達郎氏:
へへ(笑)
外周の方が、いい音してます。
ですから、まぁ、あのぉ・・いい音で聴かせたいヤツは、アルバムの1曲目。
で、バラードの静かなヤツを内周に置く、とかそういう工夫をしております。
だいたい17,8分過ぎますと、1分ごとに、どんどんどんどんレベルが悪くなって、歪っぽくなってきます。
LPは、それ、宿命です。
CDになりましてから、そういうことは、ありませんのでですね。
そういう意味では、昔のLPの内周の曲をですね、CD化されると、いい音なので、嬉しかったりします。
最近、オーディオの、そういうお便り、結構いただきますが。
◎リスナーのお便り(千葉市のW.Yさん)
『先日の放送で、達郎さんが愛用してらっしゃるヘッドホンについて話ていたので、私も前からお聞きしたいと思ってたことを書くことにしました。
iPodのイコライザーの設定についてです。
最近iPodで放送を聴いているのですが、自分でCDから入れた達郎さんの曲よりも、番組で流される曲の方が、いい音のように感じるのです。
ご自分の曲も放送用になにかしてらっしゃるのでしょうか。』
達郎氏:
ラジオ用に加工してます(笑)
ので、CDの方はですね、あくまでハイエンドと言いましょうかですね、いわゆるハイブリッドな音ですけども、ラジオはもっと帯域が狭いので、根性のロケンロールな音でオンエアしよういうですね、そういう意図でございます。
必ずしもラジオの方がいい音に聞こえますが、実際に」オーディオ的に、あまりいい音というわけではありません。
ガッツのある音で!
♪ Watching You/Marian Love
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
来週も、もう1周間・・・
いよいよ竹内まりやさんのニューアルバム「TRAD」のラストスパートでございます。
来週からは、私、ツアーのリハーサルに入りますので。
それの準備がありますので、来週も皆様のリクエストカードに助けられたいと思いますので、リクエスト、お便り、たくさんお待ち申し上げております。
〒102-8080
東京FM 山下達郎サンデー・ソングブックの係
◎Big Wave(30th Anniversary Edition)
達郎氏:
7月23日に発売されます私の「Big Wave、30th Anniversary Edition」
30周年記念盤でございますが。
ボーナストラック、決定いたしましてですね。
全7トラック。
オリジナルのビッグウェーブが収録曲が12曲でございます。
それに7曲ボーナストラック付け加えまして、合計19曲のアイテムとなります。
主なところをご紹介しますと・・・
ビッグウェーブは映画のサウンドトラックなんですが、映画にしか入ってないトラックってのがありまして。
「BREAKDANCE」というブレークダンスのシーンがありまして。
そこ用に作った曲があります。
これ、ま、いわゆる当時のマシンミュージックなので、ほかのビッグウェーブの収録した作品とぜんぜん傾向が違うので、入れませんでした。
ま、時間の関係もあるんですけども。
それを今回は収録します。
Unreleased Trackです。
本邦初公開です。
それから「I LOVE YOU」というですね、お馴染みの、あのドゥ・ワップの作品がありますが。
当時のCMで使われてた作品ですのでですね、パターンがたくさんあります。
なかでもですね、アカペラのパターンが綺麗なので、アカペラのパターンを120秒とそれから30秒と、二つ入れました。
それからこのサンソンのテーマであります「ONLY WITH YOU」
このビッグウェーブに歌のバージョンが入ってますが、これのギター・インストバージョンを、私はこのサンデーソングブックのテーマソングとして、ずっと長いこと使っております。
このギター・インストロメンタルバージョンも、やっぱり必然性がありますので、ここに入れました。
そのほか、カラオケ、別バージョン、色々と入れましてボーナストラック7曲入りでございます。
全19曲、7月23日。
ライナー、楽曲解説も全面的に加筆しまして入っております。
オリジナル・ビッグウェーブの解説は、いわゆる音楽ライターの方にお願いしましたが、今回は全部自分で書いております。
◎夏フェス
達郎氏:
このツアーの合間をぬりまして、今年は夏フェス、2本出ます。
「RISING SUN ROCK FESTIVAL」、北海道のライジングサン。
それから「SWEET LOVE SHOWER」
こっちは山梨のイベントでございます。
ライジングサンは4年ぶり。
SWEET LOVE SHOWERは2年ぶりになります。
今年の夏は2本、夏フェスあります。
何をやろうか、全然考えていません(笑)
頑張っていきたいと思いますが、ライブに関しましては私のオフィシャルサイト、山下達郎オフィシャルサイトを御覧ください。
◎リスナーのお便り(豊島区のK.Jさん)
『今年はマニアックツアーですね。
達郎さんのチケットは競争が激しく、ファンクラブは落選した友達もいます。
ライブハウス、我慢して頂いてありがとうございます。
還暦になった頃には、当日券で気楽に行けるかと期待していたのですが、人気が衰えることもなく、ファンとしては嬉しくもあり、悲しくもあり。
仕事も大変、日本の未来も希望薄。
でもコンサート思えば頑張れます。
これからも元気でご活躍下さい』
達郎氏:
私もですね、還暦ぐらいになったらですね、ほんとに、あのぉ・・
気楽にライブを全国でですね、のんびりとやる時代になってると思ったのですが(笑)
大変ありがたいことに、まだお客さんが、たくさんいらっしゃって下さいます。
今年はマニアックツアーという、ほんとに、あのぉ・・結構自己満の独善的なツアーなので本数少なくやっております。
29本ですが。
でも「たった29本?」って言われましてですね、このあいだですね。
29本やってる我々の世代の人って何人いるかと(笑)
「たった29本?」はねぇだろうと。
そういうアレです。
来年は、私40周年なので、来年はもっとドーンと多くいきますが。
今年は、とにかくちょっと、何回も申し上げますがマニアックなツアーなので。
選曲等、どなたにもお楽しみ頂けるという内容では、たぶんないので。
本数少なめに今年は、やっております。
宜しくお願いします。
◎クリック
達郎氏:
先日頂きましたですね、お便りですね。
姫路市のM.Sさん。
『番組内で二度ほど出てきた「クリック」という言葉を教えて下さい。
一度目は青山純さんの追悼特集の時、「もちろんクリックなんてありません。全員手作業であります」
二度目は矢野顕子さんの「ひとつだけ」がかかった後、「驚くべき演奏で、しかもこれクリックでやってるんですから。クリックでこれほどのグルーブ。全然重さが違う。」
などという風に、音楽用語なのでパソコンのマウスをカチッとやるのとは違いますよね、当然。
すいません、素人丸出しの質問で』
達郎氏:
クリック・・・
昔のドンカマと言いましてリズムボックス。
人間のビートを一定にさせるのはですね、非常に訓練と学習が要ります。
特に演奏難易度が高い曲ですとですね、だんだんテンポ上がったり、遅くなったりします。
そうすると、特にダンスミュージックの場合はですね、ビートが遅くなったり速くなったりすると、ダンスのノリが変わるので、ビートを一定に保つためにクリックとよばれるですね、いわゆるリズムボックスを聴きながら演奏するという、ことをやります。
ま、70年代の中期頃からですね、それが一般的になってきました。
一番一般的なのは、カウベルの音を使って、やります。
ま、これはほんとにカウベルの音を聴きながら、ドラマーが、それをキープしつつですね、他のベース、キーボード、そういう人たちも、それを聴きながらですね一緒にやるという。
だから、リーダーはカウベルということになりますが。
一番一般的なクリックというのを今日は持ってきましたので。
お聴きを頂きましょう。
♪ カウベルのクリック
ま、これを聴きながら、そうですね・・・
♪ Acoustic guitar (by Tatsuro in studio)
こういう風に合わせてやるわけですね。
最近ですと、もうちょっと柔らかくデジタルになってきましたので。
このカウベルだと漏れるっていうか・・
ですので、もうちょっと柔らかくリム・ショットというですね、ドラムのリムですけど。
この音を使ってやる。
僕は、今はこの音を使ってやっております。
♪ リムショットのクリック with
Acoustic guitar (by Tatsuro in studio)
というヤツですね。
まぁ話の種でですね、このクリックというのは一番重要視してやったのはYMOでありまして。
あのテクノポップの時代ですね。
YMOの時代に使われていた有名なクリック、”キコカコ・キコカコ”というですね。
キコカコ・クリックと我々は言っておりますが。
キコカコ・クリック、どうぞ。
♪ キコカコ・クリック with
Acoustic guitar (by Tatsuro in studio)
これを聴きながら矢野顕子さんの「ひとつだけ」とかですね、このクリックを聴きながら高杯ユキヒロさんと細野さんは演奏しているんです。
これでグルーブ出すんですから、凄いです。
というわけで、これがクリックです。
お判り頂けましたでしょうか。
今、スピーカーから出たクリック聴きながらギター弾いたので、よく聞こえないんですね。
だからちょっとズレてますけど。
それ、ご勘弁下さい。
ヘッドホンでやってるわけではないので。
あいつリズム悪いとか言われると、イヤなので。
宜しくお願いします。
♪ You’re My Desire/The Four Mints
◎ エンディング
達郎氏:
今日はちょっと話が長くなってしまいました。
今日もたくさんお便りが残ってしまいました。
この続きはまた来週。
今日一番おもしろかったヤツ
長野県千曲市のY.Kさん。
『この番組を長く聴かせて頂いておりますが、レアな音楽、レアなレコード、レアが常套句になっております。
そこで我が家でも
私:「この曲がレアなレコードからなんだってさ」
同居人 : 「焼けたレコード会社の倉庫にでも残っていたの? 」
まさか火事場の生焼けレコードとは思っていないでしょうが、色気より食い気が生きてるようです』
なかなか洒落があって面白いですね。
沖縄県浦添市のO.Jさん。
『さっそくですが、僕はアイドルに興味を持つのをやめて、別の道を歩もうと思っています。
皆さん、僕がアイドルにハマるの、そろそろやめてもいいのでしょうか、教えて下さい』
勝手にしろ!って。
最近は10代から20代のお嬢さんをお持ちの親御さんからお便りを頂くのが凄く多いです。私よりちょっと下の年代の方々ですが。
これは内容が内容なので匿名でご紹介しますが。
『6月1日は娘の17歳の誕生日です。
娘は今年の冬休み明けより高校に行かなくなりました。
なんとか新年度からでも行けるようになってもらえたらと思いながら、受験合格、卒業、就職などのお便りを羨ましく聞いておりました。
そんな折、4月初めに父が87歳で他界しました。
それで少し私の人生観が変わったのかもしれません。
娘が父の年まで生きるとすると、あと70年、20年たってもあと50年あります。
1,2年どころか10年、20年なんて、どうってことないと思うようになりました。
そして娘に「行きたくなければ行かなくていい。30歳過ぎて高校行きたくなったら行けばいい、二十歳になったら家を出て行けなんて言わないから、ずーっと好きなだけ居ればいい」と言うことができました。
娘の気持が楽になったかどうかは判りませんが、私の気持はとても楽になりました。
一度だけの自分の人生、好きに生きてもらいたいと思います。』
いいお便りです。
そんな5年や10年で人生、失敗や成功もありません。
10代から20代、いくらでもやり直しがききますからですね。
のんびり、お嬢さん見つめてあげて下さい。
というわけで今日の最後は横浜市のK.Mさん。
『毎週楽しみに聴いています。
達郎さんのコンサート、いつもチケットがとれなくて大変です。
今回のコンサートのチケットの抽選が当たるか、今からそわそわしています。
さてリクエスト。
大事な大事な娘が結婚をしました。
嫁ぐ日の朝、このCDを持たせました。
竹内まりやさんの「うれしくてさみしい日」
ほんとに、この歌詞どおりの気持でした。
宜しくお願いします。』
ちょうど、そういう季節でございますね。
お嬢さん、どうぞお幸せに。
今日の最後は、竹内まりや「うれしくてさみしい日」
♪ うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)/竹内まりや
今週のオンエア曲
14:03 アロハ式恋愛指南/竹内まりや
14:08 You’re No Good/The Swinging Blue Jeans
14:12 This Time/Troy Shondell
14:17 Try Me/Jimmy Hughes
14:22 Watching You/Marian Love
14:36 You’re My Desire/The Four Mints
14:43 うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)/竹内まりや
コメント