山下達郎さん サンデーソングブック 2014年10月12日『ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ』
長崎は10月7日、8日、9日に長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭「長崎くんち」が好天に恵まれて開催されました。
そして日曜日夜から台風で大荒の天気になりそうです。
今日のサンソン、映画館の座席位置は一番後ろという話、納得しました。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
10月の中旬でございますが、また体育の日のハッピーマンデーでございます。
また3連休でございます。
月に1回は3連休があって、いいですね、ほんとに。
大丈夫なのかなって気がしますけど。
まだ休日を増やそうなんて、計画やってるそうですが、大丈夫ですかね・・・
どんどん、それで何かこう・・・増えてくと、何か休日の方が多くなったりして。
どうするんでしょうね。
そんな事、ブツブツここで言ってもしょうがないんですが。
でも、お天気の伺いは、まだ全然できません。
圧倒的に今回、前倒しでやっておりましてですね。
おかげ様で、今年のツアー、マニアックツアー、無事に終了してるはずなんですが(笑)
それすら申し上げる事ができないという。
実を言いますと、島根から始まって大阪のフェスティバルホール、そして名古屋のボトムラインで終了するまでですね、東京に帰れません!
10泊11日でございます。
今回のツアーで一番長いんですけども。
ま、10泊くらいだったら、いつもやってるので、あれなんですが。
今まで人生で一番長かったのは15泊16日ってのが・・・
すごいなと思ってましたけども、ハウンドドックなんて36泊37日ってのがあるそうでですね。
そういう人たちに比べれば、まあ全然まだ可愛い。
ようやくこれで旅が一段落しまして、ちょっと曲書きの仕事が入ってきて、これから曲書きになる・・・
あんまり、休めません。
それが終わると、今度はまりやのライブのリハーサルが始まりますので。
今年いっぱいは、もう全然、どこにも行けません。
今年1年は、外国にも一度も出られませんでした。
おかげ様で忙しいことは良いことなんですが。
ちょっとなんか、こう・・・
番組の方が、特集をやりたいと、ウズウズしてるんですが。
なかなかレコードを聴くのも、ままならない(笑)
で、そんな事をブツブツ申し上げておりましたらですね、ボブ・クルーが9月11日に亡くなりまして、享年83歳。
なので、じゃあ今日はボブ・クルー追悼、いってみようかと。
でも特集を、というまで緻密にできませんので。
『ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ』
なんですが、ボブ・クルーっていうのは、とにかく作品が目茶苦茶多い人なので。
とても、撫でるどころじゃありません!
指先でちょっと、こするくらい・・アレしかできません。
でも、ボブ・クルーはほんとに、60年代から80年代まで、ヒットを出し続けた大プロデューサーでございますのでですね。
ボブ・クルー、追悼してみようか、と。
今日は『ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ』
皆さんご存知の曲がたくさん出てまいります。
山下達郎サンデーソングブック、今日も日曜日の午後のひととき、三連休の真ん中でございますが、素敵なオールディーズソングでお楽しみを頂きます。
今日はボブ・クルーの手がけた作品、名曲の数々が登場致します。
今日も最高の選曲と最高の音質でお届けを致します山下達郎サンデーソングブック。
秋、深くなってきた、はずでございます。
・・そこにいないヤツが言うので(笑)
もっとらしく申し上げますが(笑)
秋になってるはずでございます(笑)
なので、そろそろこの曲かな、と。
私の1985年のシングル「風の回廊」
♪ 風の回廊/山下達郎
~ CM ~
♪ Silhouettes/The Rays
◎まず今日の前半は
達郎氏:
今日は、基本的にはボブ・クルーがプロデュースして、曲にも関わってる、作品にも関わってる、そういうものの縛りでお聴き頂きます。
まず今日の前半はボブ・クルーが作曲にも関わってプロデュースもしてる作品をお聴きを頂きましょう。
ボブ・クルー、1930年生まれですから昭和5年の生まれでございますが。
初めは歌手で、いろいろとやろうと思ったんですが、なかなか鳴かず飛ばずで。
裏方に、プロデューサー、ソングライターの道を歩み始めますが、一番最初に組んだ相手がフランク・スレイという人でありまして。
この人と組んで最初に出ました大ヒットが、今お聴きを頂きましたThe Rays、1957年全米3位のミリオンヒットとなりました「Silhouettes」という。
いわゆるドゥー・ワップソングでございますね。
これが1965年、ハーマンズ・ハーミッツで全米5位になりまして、リバイバルヒットしますが。
このレイズ、ハル・ミラーというボーカルの人ですが、この「Silhouettes」の大ヒットでボブ・クルーは、そうしたプロデューサー、ソングライターの道を歩み始めます。
50年代は、フランク・スレイとのコンビがずっと続きますが。
一番当てたのはフレディ・キャノン、ロックンロールシンガーでございますが。
この人の1959年の、今日は、私の一番好きなフレディ・キャノンの、この曲をお聴きを頂きましょう。
♪ Tallahassee Lassie/Freddy Cannon
◎60年代
達郎氏:
このクルー、スレイコンビが50年代まで続きまして、60年代に入りますと、いよいよフォーシーズンズに関わって参ります。
ボブ・ゴーディオ、ボブ・クルー
クルー、ゴーディオのゴールデンコンビでフォーシーズンズが大当たりをしましてですね。
一世を風靡することになります。
何しろ、とにかく『ボブ・クルーで追悼で棚からひとつかみ』って言ったって、10曲かかりませんのでですね。
ボブ・クルーは作曲に関わってる作品が900曲を超えますので。
正直申し上げて、その大ヒットもありますけども、全然箸にも棒にもかからない曲もあります。
いわゆる、玉石混淆の・・それだけ作れば、そうですよね。
なので、そうした大ヒット曲ばっかりを今日はお聴きを頂くことになります。
フランキー・バリとフォーシーズンズ、シェリーから始めてもいいんですけど。
もう、こんな1時間じゃ、どうしようもありませんので。
私の一番好きな時代のフォーシーズンズの作品。
♪ Rag Doll/Frankie Valli & The 4 Seasons
♪ Save It For Me/Frankie Valli & The 4 Seasons
◎ジャージー・ボーイズ
達郎氏:
ザ・フォーシーズンズ、1964年のベストテンヒット「Save It For Me」
映画『ジャージー・ボーイズ』も日本で封切られました。
まだ僕『ジャージー・ボーイズ』観てないんですよね。
観に行く暇がない(笑)
スクリーンで、あれ・・してるらしい。
観なきゃ!
封切館が少ないんですよね、東京は。
ほんとに、ああいう映画は人が入らないんでしょうかね。
お便り頂きまして、おじさんばっかりだって、いうアレが書いてありましたが。
当然でしょうね。
◎ボブ・クルーの作品
達郎氏:
ボブ・クルーの作品は、ほんとに、あの・・・
CD化がすごく少ないんですよね。
フォーシーズンズも長いこと権利が複雑でですね、出なかったんですが。
ようやく最近、廉価版で出るようになりましたが、それもオリジナル・アルバムの内容が違うとか、そういう指摘もありますが。
結構やっぱり、きちっとしていない、というか。
そういものなので。
情報が足りないので、若い人のところに届かない、そういうようなアレですけども。
♪ Watch Out Sally/Diane Renay
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
とても1周間じゃ無理ですね、これ(笑)
もう1週やりましょうかね。
今日はボブ・クルーの、ほんとのプロデュース作業、それからソングライター作業を中心にやっておりますが、来週はもうちょっと拡げて、レア・アイテム。
それから他人がカバーしたボブ・クルー作品。
結構、それでも大ヒット作品がたくさんありますのでですね。
そういうようなものも、入れつつ。
もう1週やってみたいと思います。
◎後半
達郎氏:
後半はボブ・クルーが曲を書いてないものですが、プロデューサーとして出したヒット・ソング、これを何曲か、お時間まで。
♪ California Nights/Lesley Gore
◎ダイノボイス、ニューボイス
達郎氏:
ボブ・クルーはフォーシーズンズの相次ぐヒットに気を良くしましてですね、自分のレーベルを作ります。
ダイノボイス、ニューボイス
こういうところで制作されたレコードからも、やはり大ヒットがたくさん生まれます。
トイーズの「ラバーズ・コンチェルト」とかですね。
ダイアン・リネイの「ネイビー・ブルー」も、もちろんそうですが。
このレーベル、だいたい総じてですね、曲作りとかプロデュースも、ある時は人任せにしまして、自分はもうフォーシーズンズに専念しますが。
そんな中でですね、自分がプロデュースで全面的にやっていたグループが、Mitch Ryder & The Detroit Wheels。
ロックンロール好きなんですね、要するにね。
デトロイトのいわゆるクラブバンドでありますが。
ブルー・アイド・ソウル・グループでございますけれども。
たいへんに演奏力もあるグループで。
ボブ・クルーが全面的にプロデュースしまして、いくつかヒットソングが生まれましたが。
その中でも一番有名な、日本でもたいへんヒットしました、1966年全米4位まで上がりました。
♪ (Medley)Devil With A Blue Dress On~Good Golly Miss Molly/Mitch Ryder & The Detroit Wheels
◎ エンディング
達郎氏:
この続きは、また来週。
引き続き『ボブ・クルー追悼で棚からひとつかみ』
私の好きなボブ・クルー!
お便り、お時間まで。
横浜市のS.Hさん
『先日、竹内まりやさんの「TRAD」を購入し、ライナーノーツを見ていましたところ、ベースの担当が記載されていない曲があります。
ベースパートはコンピューター・プログラミングに含まれているのでしょうか。
ドラムは別にドラム・プログラミングと記載されています。
教えてください』
その通りです。
コンピューター・プログラムの中です、ベースは。
江戸川区のT.Kさん
『達郎さんは曲をかけた後、時々「このひとは、歌うまい」とおっしゃいますが、達郎さんが言うところの「うまさ」とはどのようなところにあるのでしょうか。
ピッチコントロールは当然として、喜怒哀楽の感情表現の豊かさや、訴えかけてくるガッツの強さでしょうか。
女性では歌がうまいと思える人が多いように思いますが、特に男性ボーカリストで達郎さんが上手いと思われる人を、2,3例をあげて教えて頂けると嬉しいです。』
これ、随分前に頂いたハガキ、お便りですね。
歌が上手いと思うか、下手だと思うか、ひとそれぞれでありましてですね。
私が上手いと思う人と、あなたが上手いと思う人は違うかもしれませんし。
堪能するということでしょうね。
ピッチの良し悪しとか、そういうの、あんまり実は関係ないんですね。
フランスのシンガーなんかは、そんなにピッチ、よくなくてもですね、やっぱり情感がすごくある人は、ジャック・ブレルとかですね、ピエール・バルーとか、ああいう人は素晴らしい歌だと思いますし。
なんかこう、逆にピッチが完璧だからといって、なんかこう・・うるさいなとか、そういう人もいますしね。
私、世界で一番上手い男性ボーカリストと思うのは、ジェームス・ブラウンです。
昔からそうです。
今も変わりません。
またください。
札幌市のT.Hさん
『達郎さんは劇場で映画を観る時に座席はどの位置に座っていますか。
私は一番後ろの、やや右よりに座ります。
ちょうど目の高さにスクリーンの一番上が来るので、全体を見下ろる感じになります。
首が疲れないで長時間の鑑賞には楽です。』
すごいですね・・
私も同じです。
一番後ろですね。
首、疲れないですね(笑)ほんとに。
で、あのぉ・・後ろを気にしなくて済むという。
結構ツーですね、それってね。
というわけで今日はここまで。
この続きはまた来週。
ボブ・クルーといえば、この曲でしょうね、日本では。
♪ Can’t Take My Eyes Off You/Frankie Valli
今週のオンエア曲
14:04 風の回廊/山下達郎
14:09 Silhouettes/The Rays
14:13 Tallahassee Lassie/Freddy Cannon
14:17 Rag Doll/Frankie Valli & The 4 Seasons
14:20 Save It For Me/Frankie Valli & The 4 Seasons
14:24 Watch Out Sally/Diane Renay
14:33 California Nights/Lesley Gore
14:37 (Medley)Devil With A Blue Dress On~Good Golly Miss Molly/Mitch Ryder & The Detroit Wheels
14:43 Can’t Take My Eyes Off You/Frankie Valli
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