山下達郎さん サンデーソングブック 2015年03月08日『ジミー・ウェッブ特集 Part 2』
ポカポカ陽気の長崎。
気持ちのよい一日でした。
今週のサンソン、名曲ぞろい!
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
早いもので、3月でございますけれども。
東京は、なかなかちゃんと暖かくなりません。
夜は、またかなり冷えます。
雨が断続的に降っておりましたが、明日月曜日もなんか全国的に雨の予想でございますけれども。
三寒四温で、少しづつ暖ったかくなってくるはずなんですが、なかなか3月の上旬にしては、まだまだ寒い、そういう感じでございます。
で、昼間になんか妙に暖かい日がありますので、まわりがまた風邪ひき気味で、ゴホゴホ言ってる人がたくさんおります。
全国の皆さん、天候不順でございますので、お体くれぐれもお大事になさって下さい。
私、曲書きしております。
ずっと、お籠もりでございます。
あんまり話題がありません。
ひたすら曲を書いておりますので(笑)
なんか声出したりするのが、なんか声が枯れ気味だったりしますが。
すいません。
先週から始まりましたジミー・ウェッブのソングライターの特集。
今ではジミー・ウェッブは、ソングライターというかシンガーソングライターとしての方がステイタスがありますが。
ジミー・ウェッブの始まった、ソングライターとしてデビューした時代の60年代終わりから70年代あたまぐらいの主要作品を主に、特集をしようと思いまして。
始めたはいいんですが、これはなかなか、手強い相手でございましてですね。
作品が多いのと、今でもバリバリ現役ですのでですね。
なかなか、こう追い付いていけないところがありますが、一生懸命、今週もやってみたいと思います。
先週に引き続きましてジミー・ウェッブ特集Part2。
今週も代表的な作品がメジロ押しでございます。
70年代から80年代にかけての、彼の作りましたヒットソングの数々を、今日はお聴きを頂きたいと思います。
日曜日の午後のひととき、今日も素敵なオールディーズソング、ソングライター、ジミー・ウェッブの素晴らしい作品でお楽しみを頂きたいと思います。
山下達郎サンデーソングブック、今日も最高の選曲と最高の音質で、ジミー・ウェッブお届けします。
さて、来る3月11日で、東日本大震災、4年を迎えることになりました。
えぇ・・・なかなか、東京なんかは、もう何事も無かったかのようにですね、毎日が過ぎておりますけれども。
今だに23万人近くの方々がですね、避難生活を送ってらっしゃいます。
長引く、そうした不自由な暮らしの中でですね、色々と心の問題が出てきているようでございます。
心より、お見舞い申し上げます。
一刻も早くですね、安定した日常の生活に戻れることをですね、陰ながらお祈り申し上げております。
私、ミュージシャンですので、具体的に何を出来るという事でもありませんけれども。
一生懸命、働いて、世の中をまわしてですね、それで少しでもお役に立てれば、というようなことを日々考えつつ、音作りをやっております。
今年のツアーは、出かけますので、是非ともお出かけ頂きたいと思います。
希望と言う名の光
♪ 希望という名の光/山下達郎
~ CM ~
◎Richard Harris
達郎氏:
Richard Harrisの1968年のアルバム「トランプ・シャイニング」、「マッカーサーパーク」が収められたアルバムですが。
このアルバムは非常に、当時センセーショナルな受け止められ方をしましてですね。
この中から、たくさん、他の歌手がカバーをするバージョンっていうのが、星の数ほど生まれてまいりました。
特に、この「トランプ・シャイニング」のシングル「マッカーサーパークのB面としてリリースされまして。リチャード・ハリスの作品としても69年にシングルカットされまして、全米63位まで上がりました「Didn’t We」という曲があります。
この曲は、ほんとに色んな人がカバーしておりましてですね。
ジム・ウェッブの作品の中でも代表的な隠れた名曲としうて知られている曲ですが。
今日は、先週の続きですので、まずはこのリチャード・ハリスの「Didn’t We」、68年のアルバム「トランプ・シャイニング」からの作品です。
♪ Didn’t We/Richard Harris
◎ペシミスティックな歌
達郎氏:
この60年代、ジミー・ウェッブがソングライターとして華々しく脚光を浴びた頃の彼の作品は、ほとんどがブロークンラブソング、いわゆるペシミスティックな歌ばっかりです。
女の子と別れたという。
この「Didn’t We」という曲もですね、今度こそはうまくいくと思ったんだけど、結局愛は手の中から、砂のようにこぼれてしまったという、そういう歌でございますね。
美しいペシミズムなんて、僕は呼んでおりますけども。
そうした歌ばっかりでございますが。
この歌も代表作でありますが。
綺麗なメロディーの曲ですのでですね、ミドルオブ・ザ・ロードのシンガーに、ほんとに沢山採り上げられました。
フランク・シナトラ、メル・トーメ、ジョニー・マティス、ビッグ・ダナー・・・
数限りない人が採り上げてるジム・ウェッブの初期の代表作です「Didn’t We」。
◎Glen Campbell
達郎氏:
この時代、ジミー・ウェッブとパートナー組んで、最もヒットが大きかったのがグレン・キャンベルであります。
先週、お聴きを頂きました「By The Time I Get To Phoenix」に続きまして1968年、全米3位のミリオンセラー「Wichita Lineman」
翌年69年に全米4位、やはりミリオンセラーになりましたグレン・キャンベルの「Galveston」
この一連のヒット曲でグレン・キャンベルは一挙にスターダムにのし上がり、それから作曲・作詞しておりますジミー・ウェッブは時代の寵児としての、ソングライターとしてですね、脚光を浴びると。
皆様よくご存知のグレン・キャンベル、68年「Wichita Lineman」、69年の「Galveston」
2曲続けてお聴き下さい。
♪ Wichita Lineman/Glen Campbell
♪ Galveston/Glen Campbell
LAでスタジオミュージシャンやっていたグレン・キャンベルがシンガーとしての夢がようやく叶って大スターの道を歩み始めるのはジミー・ウェッブとのコラボレーションのお陰でありますが。
◎Evie/Bill Medley
達郎氏:
さてこの時代、68年、わあし高校生でしたけども。
この時期、ほんとにジム・ウェッブに入れ込んでおりまして(笑)
日本盤、片っ端から・・ジム・ウェッブって見たら、もう一生懸命お小遣い貯めて買った時代がありますが。
その次代に手に入れたシングル、ビル・メドレー。
ライチャス・ブラザーズから独立しましてソロシンガーになりました。
1969年にブラジルの音楽祭に出品して賞をとった曲でございます。
アメリカではヒットしませんでしたけども。
ブラジルでは結構知られた曲でございますが。
何故か日本盤がポリドールから発売になりまして。
これを一生懸命聴いたものでございます。
♪ Evie/Bill Medley
アルバムに入っていないので、まだCDにもなっていないというですね。
なかなかジム・ウェッブの作品、CD化されてないの、結構多いんですが。
でも出来は素晴らしい。
◎友に捧げる讃歌/アート・ガーファンクル
達郎氏:
今のは69年ですが、なにしろジミー・ウェッブ、68,9年に出した作品の数たるやですね、すさまじい量でありましたが。
70年代に入りまして、そうした職業作家に対して、なんか疑問が生じて。
そうした道を捨てましてですね、シンガーソングライターの道を歩み始めます。
従いまして、どっとヒット曲の数が減りますが。
でも、その彼が発表した、シンガーソングライターとして発表した作品というのがですね、非常に評価が高くて。
特にシンガーとかミュージシャンの評価が高いので、そういう彼のアルバムの中から、曲を採り上げて積極的に歌うシンガーってのが沢山出てきました。
さきほど申し上げましたみたいに、ミドルオブ・ザロードのフィールドの人が大半ですけれども。
そんな中で、アート・ガーファンクルが1973年に、サイモン&ガーファンクルから別れましてですね、ソロアルバムを出しました。
「エンジェルクレア」という名盤でございますけれども。
これに入っておりますジム・ウェッブの作品「All I Know」という1973年に全米9位のベストテンヒットになりました。
このあと、アート・ガーファンクルがジム・ウェッブと何回もコラボしまして「ウォーターマーク」というアルバムは全曲ジム・ウェッブ作品、そういうコラボレーションが続いていきますが。
その、取っ掛かりになりました1曲。
やはりこれも、非常にペシミスティックな歌なんですが、アート・ガーファンクルの素晴らしい声でですね、非常に静謐な作品に仕上がっております。
♪ 友に捧げる讃歌/アート・ガーファンクル
アート・ガーファンクル、1973年のソロ第1作「エンジェルクレア」からのシングルカット、シングルヒット「All I Know」
”君を傷つけてしまった
君も僕を傷つけるし
ぼくたち 簡単に傷つけ過ぎるんだ
あんまり 簡単に怒りを見せてしまうんだよね
愛してるんだ
ぼくに 判るのはそれだけさ
終わりは いつかやってくるもの
時の経つのも早すぎて
未来が来るのも早すぎて
過去は なかなか終わらない
愛してる それだけ”
辛い歌なんですけど・・
なかなか 思わせる・・
僕、これ日本盤持ってるんですけど。
これ、今見ましたら、日本題は「友に捧げる讃歌」って、全然違うんですよ(笑)
内容がね(笑)
作曲ポール・ウィリアムス、作詞ロジャー・ニコルズになってますね、これ。
1曲目の「 Traveling Boy」と間違えてますね、これ(笑)
日本盤ならではの間違いでございます。
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
ジム・ウェッブ、ソングライターとしてのジム・ウェッブの特集でパート2になりましたが。
初めは3週間の予定で、来週までというアレでしたが。
とても、オーバーフローでダメです。
もう2週間の予定で、いってみます。
来週も引き続き。
来週あたりから、だんだん濃くなります。
どうせやるので、ジム・ウェッブ、あのぉ・・音もYOUTUBEとかに結構出てますので、YOUTUBEに出てないようなヤツもフォローしていこうかなと、思います。
来週から、ちょっと濃い目に。
カルトなヤツで、いってみたいと思いますが。
最終的にはジム・ウェッブのソロ作品をフォローしつつ。
3月いっぱいに、なっちゃうかな・・
ま、行けるだけ、行ってみましょう。
二度と出来ませんので、こういうの(笑)
ジム・ウェッブの特集なんて(笑)
◎リスナーからのお便り(茨城県筑西市のN.Sさん)
『質問です。
サンソンのプレイングリストにアナログレコードのレーベルが掲載されることがありますが、そこに「PROMOTIONAL COPY」とか「NOT FOR A SALE」の文字が書かれているのを、よく見かけますが、これは通常の市販品よりも非売品の方が中古市場に出回って、状態も良いという事なのでしょうか。
以前から聞いてみたいと思っていたので、書かせて頂きました。』
達郎氏:
全然そういうわけではありません。
プロモ盤を売る人がいて、それがセコハン屋へまわる事ですけども。
プロモシングルだからといって、コンディションがいいかというのは、必ずしもそうではありません。
ただ単に、来たものがプロモ盤だったと。
売ってるのがプロモ盤で、それを買ってきたと。
全然、プロモ盤でもボロボロのもありますし、ちゃんと売ってる正規盤でも綺麗なヤツもあります。
◎Highwayman/Highwaymen(W.Nelson, W.Jennings, J.cash, K.Kristofferson)
達郎氏:
70年代に入りますと、ジム・ウェッブは職業作曲家からシンガーソングライターへの転身します。
自分の作品を中心にしますが。
正直言って、歌がそれほど上手いひとではないので。
アルバムチャートのトップ100に1枚も入ったことがありません。
そういうアレなんですけれども、作品は逆に益々内省的になります。
特にそうしたミドルオブ・ザロード系の歌の上手いシンガーに、ものすごく採り上げられるようになりましてですね。
作詞作曲なので、詩が非常にこの人は深いものがありますので。
そういう色々な人に採り上げられて、その中からカバーという形なんですが、ヒットが生まれます。
そうした代表例を今日は後半に何曲かお聴きを頂いて、来週に持って行こうと思いますが。
まず1977にジム・ウェッブがアトランティックから発売しました「エルミラージュ」というアルバムがあります。
この1曲目に収められております「Highwayman」という曲があります。
不思議な曲なんですが・・・
これを1985年にですね、ウィリー・ネルソンとウェイロン・ジェニングスとジョニー・キャッシュとクリストファーソンと、いわゆるスーパーグループという形で「Highwaymen」というグループがメインでですね、シングルカットされまして。
これが全米カントリーチャートNo.1
その年のカントリーソングのグラミー賞をとりました。
♪ Highwayman/Highwaymen(W.Nelson, W.Jennings, J.cash, K.Kristofferson)
ジム・ウェッブは非常に、コードのチェンジが激しい曲の反面、こうしたカントリーフレーバーの曲もたくさん作っております。
◎エンディング
達郎氏:
来週もこの続きで。
来週はヒット曲、ほとんどありません。
ジム・ウェッブの名作を・・私が選んだジム・ウェッブの名作を色々とお聴きを頂きたいと思います。
ジム・ウェッブの作品を好んで歌いましたのがリンダ・ロンシュタットであります。
「アディオス」というジム・ウェッブの曲ございます。
これはソングライター、ジム・ウェッブの好きな人にはよく知られた1曲でございます。
ソングライター、ジム・ウェッブ特集パート2でございました。
この続きは来週のパート3。
♪ アディオス/リンダ・ロンシュタット
今週のオンエア曲
14:04 希望という名の光/山下達郎
14:11 Didn’t We/Richard Harris
14:16 Wichita Lineman/Glen Campbell
14:19 Galveston/Glen Campbell
14:23 Evie/Bill Medley
14:28 友に捧げる讃歌/アート・ガーファンクル
14:38 Highwayman/Highwaymen(W.Nelson, W.Jennings, J.cash, K.Kristofferson)
14:44 アディオス/リンダ・ロンシュタット
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