山下達郎さん サンデーソングブック 2010年09月26日「ジャック・ケラー特集 Part.3」
放送された内容を、ちょいと纏めてテキスト化しました。
暑い夏も終わり朝夕めっきり涼しくなりました、ここ長崎。
皆さんの街は、いかがですか?
長崎は10月7日~9日の3日間に「くんち」というお祭りがあり、それが終わると秋一色になります。
さて、オンエアされたAmberの一曲「All The Love I Had In Me 」は聴いていて、心地よい曲です。
70年代、80年代の曲でジャックケラーの曲は殆ど知らなかったのですが、いろんな曲があるんですね。
◎ 冒頭
達郎氏:
早いものでもので9月最後の日曜日でございます。
8月から続けてまいりました、私のコンサートツアーもだいぶ消化してまいりました。
なんですが、番組の方は先週に引き続き前倒しでFM広島からおとどけしております。
今週も広島から前倒しで収録でございますが。
え~、先週、琵琶湖ホールから大分へ行きましたが、明日27日が倉敷市民会館ですね。
新装になった倉敷市民会館、どうなってるのでしょうね!
で、いよいよ東京に入ってまいります。
水曜日はNHKホールでやります。
今週の土日、来週の日曜日、今週の土曜日、中野のサンプラザホールでございます。
NHKと中野のサンプラザ、いよいよ東京公演が今週からございます。
今回は、この3日間しか東京公演、ございませんでしたので、チケットもたいへんパニクっておりまして、いろいろとおしかりを頂きましたので、追加公演が決まりました。
10月23日に中野サンプラザホール、土曜日でございますが。
11月の4,5とNHKホール。3日間追加が決まりました。
番組の中ほどで、詳し事を申し上げます。
先週から、ようやく始まっているはずでございます。
番組中ほどで、また、追加公演のインフォメーションを差し上げますが。
番組の方は、ジャック・ケラー、ソングライター特集 Part3に入ってまいります。
63年くらいまで来ましたので、今週は、それ以降、70年代、80年代あたりまで、フォローできればなと思っております。
だんだん、時代の変遷に連れてですね、作品が変わってまいります。
また、テレビプログラムの音楽を担当いたしますが、いわゆるそういうヒットシングル路線からは、だんだん遠のいていきますが、作品は良いものが多いのでですね、私が選んだ個人的な曲を、なるべく多くおかけしようと思っております。
えぇ、いよいよ9月乗りきって10月のライブスケジュールに入ってまいります。
頑張ってやりたいと思います。
番組の方も、頑張ってやりたいと思います。
今日は、ソングライター、作曲家ジャック・ケラー特集のパート3でございます。
◎ 1963年―1966年
達郎氏:
山下達郎がお送りしております、ジャックスカード サンデーソングブック。
ソングライター、ジャック・ケラーの特集パート3になりました。
今まで、キャロル・キング、バリーマンの特集は、ものすごく数が多いので、メドレー形式で途中で切ってアレしましたが、今回は全曲完奏で、とっても嬉しいです。
今週3週目でごじあますが、先週に引き続き63年の一曲から始めてみたいと思います。
僕、大好きな一曲でございます。
1963年、リトル・エバ。
ロコモーションでお馴染のリトル・エバのシングルでございます。
ジェリー・ゴフィンとの共作。
A面はキャロルキング、ジェリー・ゴフィンの「What I Gotta Do」という共作でございますが。
イギリスではルルのカバーもありますが、やっぱり、このディメンションのシングルが最高の音質でございます。
リトル・エバの「The Trouble With Boys」。
そして、先週も申し上げましたが、ウェストコーストに居を移しましたので、ウェストコーストの制作が増えます。この曲は、もともと1964年、ウィルスシスターズというボーカルグループのために書き下ろしましたが、2年後の66年にアネットが歌っておりまして、これがとってもいい出来でございます。
シングル・オンリーなので、ちょっと音質悪いんですけども、言い曲なので、その辺はご容赦ください。
1963年のリトル・エバ「The Trouble With Boys」
そして、アネットの1966年のシングル「Crystal Ball」
The Trouble With Boys / Little Eva(1963)
Crystal Ball / Annette(1966)
リトル・エバ、1963年のシングル「The Trouble With Boys」。
プロデュース by ジェリーゴフィン。
そしてアネットの1966年のビスタレコードからのシングル「Crystal Ball 」。
”魔法の水晶の玉を持ったら、彼の気持ちを知りたい”という、そういうような歌でございますが。
いかにも。ガール・ポップ然とした作品でございます。
どちらも、ジェリーゴフィンの作品による一作でございます。
えぇ ジャック・ケラー、ロックン・ロール以前のですね、そうした50年代の作品をお聴きいただければ、お分りですが、スタンダードっぽい作風も、すーっと書けますので、ロックン・ロール・シンガーとかガール・シンガーよりも一世代前の、いわゆるジャズボーカル系のアダルトなシンガーにも、たくさん曲を提供しております。
そんな中から、選んで3つほどお聴きを頂きます。
まずは、ナット・キング・コール。
1963年のアルバム「Dear Lonely Hearts」に収められております、ジャックケラー アーティ・カプラン(Artie Kaplan), ポール・カウフマン(Paul Kaufman)というトリオによる作曲でございますが。
これ、はっきり言って、凄くミスマッチです(笑)
、ナット・キング・コール、こんな歌、歌わなくていいんじゃないかと(笑)いうアレですが。
まあ、話のタネでございます。
「My First And Only Lover 」という、いわゆる、そういうアイドル・ポップのカラオケにナット・キング・コールがのったような、面白い作品でございますが。
それから1964年に発売されました、Julie Londonの、これもシングルオンリーのリバティー・レーベルからの曲ですが、これは素晴らしい作品なので、これはお聴きを頂きたいのですが、ちょっと音悪いんですが、このシングルしか持ってないので、えぇ ご容赦ください。
Julie Londonの1964年のラリー・コルバーが作詞をしております「We Proved Them Wrong」という曲でございます。
続きまして1966年にルイ・アームストロング。
サッチモのマーキュリーからのアルバム「ルイ」というアルバムに曲を提供しております「I Like This Kind Of Party」。
これは、もうサッチモらしいデキシーランド・ジャズ然たるジャック・ケラーの作風の多様さが伺い知れます。
という訳で3曲続けて。
My First And Only Lover / Nat”King”Cole(1963)
We Proved Them Wrong / Julie London(1964)
I Like This Kind Of Party / Louis Armstrong(1966)
◎ 1971年―1978年
達郎氏:
お知らせの前に2曲続けて。
Steve LawrenceとEdyie Gomeの1971年の作品「Lead Me On 」という、この曲は結構よく知られた曲でありますが、ヒットはしてませんが。
Steve Lawrenceはジャック・ケラーが手がけたテレビ番組”Bewitched” のテーマソングていうのがあって、知られているんですが、あんまり僕好きじゃないので(笑)こっちの方にしました。
そして、1970年代に入りましてですね1978年、Johnny Mathis&Deniece Williamsのアルバム「THAT’S WHAT FRIENDS ARE FOR 」に入っております「Ready Or Not」という一曲。
(Let The Lovelight In Your Eyes) Lead Me On / Steve Lawrence&Edyie Gome(1971)
Ready Or Not / Johnny Mathis&Deniece Williams(1978)
◎ ”Performance 2010”追加公演のお知らせ
達郎氏:
だいぶ、かかりました。
残り、あと何曲という感じでございますが。
さて、私、目下”Performance 2010”というツアーの真っ最中でございますが、後半さしかかって参りまして、今週から東京公演、いよいよ始まりますが、追加公演が決定いたしました。
10月23日(土曜日)が中野のサンプラザホール。そして、
11月の4,5と木・金ですが、東京のNHKホール。
そして、
11月8日に八戸市の公会堂という、この4本追加しまして、35年目の35本が39本になりました(笑)。
えぇ ピアのプレリザーブの先行予約が10月1日から始まります。
インターネットのみだそうです。
だそうです。
一般発売が10月9日の土曜日の10時からでございます。
お問い合わせ、ソーゴー東京
03-3405-9999
八戸は青森公演ですのでキョードー東北
022-217-7788
えぇお問い合わせください。
私のホームページでも告知しておりますので、そちらの方もご参照ください。
◎ 1980年代
達郎氏:
ええ、広島FMまで来て、資料を全部持ってきてやりました2週間、ジャックケラー特集、2、3とお届けしてきましたが、いよいよ80年代に入って参ります。
先ほどお聴きを頂きましたJohnny Mathis&Deniece Williamsの「Ready Or Not 」という曲の詞を書いているのが、Vicki Amber Di Linaというオランダ出身の女性シンガーでございます。
1980年に、この女性シンガー、アンバーというクレジットでですねアルバムを出します。
これをジャック・ケラーがプロデュースしております。
「Ready Or Not 」を始めジャック・ケラーの曲が何曲か入っております。
そのかなからシングル・カットされた「All The Love I Had In Me」、アンバー。
All The Love I Had In Me / Amber
◎ 1985年~1986年
All The Love I Had In Me / Amberでございました。
50年代のジャズスタンダード然とした作風から80年代のそうした16ビートミュージックまで作家としてのクオリティが落ちることなく続いているという、素晴らしい事ですが。
60年代後半からテレビ音楽にかなり集中して作っております。
モンキーズのプロデュースとか、そういう事もしましたが、1984年にですね、ナッシュビルに居を移します。
ナッシュビルは、ほとんどジャック・ケラーという人の知名度が無かったそうで、そこであえて自分の業績をひけらかす事なくですね、一から出直しという感じで、カントリーそのほかで沢山作品を残しております。
でも、時間が無くなってしまいました(笑)ので、ほんの舐めるだけ。
80年代のジャックケラーの作品から、ほんの舐めるだけ。
Bill Medleyの1985年のアルバム「STILL HUNG UP ON YOU」というアルバムに収められているクリスタル・ゲイルも取り上げている曲、素敵なバラードです「Love Won’t Let Me Quit」。
Love Won’t Let Me Quit / Bill Medley(1985)
3週間にわたってお送りして参りましたジャック・ケラー特集。
50年代から80年代まで、様々な作品を残して2005年に白血病で亡くなりました。
亨年68歳でございます。
アルドン スクリーン・ジェムスの中堅ライターとしてですね数多くの名曲を残しまして、晩年はナッシュビルでカントリー系の作品を随分作りましたが。
プロの作家でございますので、作風がほんとに多岐にわたっております。
こういう作家に支えられてヒットソングが出来ているという感じでございます。
今後、同じように作家特集続けてまいりますが、次はジミー・ウェッブかランバタのポッターか、もしくはジョージ・フィショフ、トニー・パワーズ、やはりアルドン スクリーン・ジェムス系のライターですが、
この辺を予定致しております。
まだ、もう何年かは持つネタは持っておりますが、なかなかジミー・ウェッブとかですね曲数が多いので、集めるのが大変ですが(笑)、頑張ってやりたいと思います。
ジャック・ケラー3週間にわたってお届けしました。
いかがでしたでしょうか。
ご清聴ありがとうございます。
来週は東京に帰って収録ができますので、久しぶりに珍盤・奇盤なんて、やってみようかなと思っております。
もうすぐ、ほんとに10月、11月。
今年もあっという間に終わってしまいますが、色々とまた、皆さんに喜んで頂ける特集を考えて参りたいと思います。
宜しくお願いします。
ジャックケラー特集、最後にお届けするのは1986年のRay Charlesのアルバム「 From the Pages of My Mind 」に収められております一曲でございますが、後にダイアン・シュアーとかBBキングとグローバー・ワシントンのコラボとか、色々な人が取り上げております。
如何にも80年代らしい一曲でございます。
Ray Charlesの1986年のアルバム「 From the Pages of My Mind 」からジャック・ケラーの作品で「Caught A Touch Of Your Love」。
Caught A Touch Of Your Love / Ray Charles(1986)
今週のオンエア曲
14:04 スプリンクラー / 山下達郎
14:11 The Trouble With Boys / Little Eva
14:14 Crystal Ball / Annette
14:18 My First And Only Lover / Nat”King”Cole
14:20 We Proved Them Wrong / Julie London
14:22 I Like This Kind Of Party / Louis Armstrong
14:26 (Let The Lovelight In Your Eyes) Lead Me On / Steve Lawrence&Edyie Gome
14:29 Ready Or Not / Johnny Mathis&Deniece Williams
14:36 All The Love I Had In Me / Amber
14:40 Love Won’t Let Me Quit / Bill Medley
14:46 Caught A Touch Of Your Love / Ray Charles
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