山下達郎さん サンデーソングブック 2018年6月3日『フェンダーギターで棚からひとつかみ Part.2』
関東の梅雨入りは、もうそろそろでしょうか。
横浜市内は青空がひろがり、気温も上昇。夏の感じです。
今日のサンソン、達郎さんがセレクトしたフェンダー使いの名曲、心地よかったです。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
ちょとスタジオが寒い・・ので、声が夏っぽくないです・・
6月になりました。
あっという間に6月です(笑)
ツアーのリハーサルに勤しんでおりますが。
ので、今日は前倒しでございます。
天候のお話しが言えません。
えぇ・・・頑張ります(笑)
順調にいってるはずでございます。
で、番組の方は、先週に引き続きまして「フェンダーギターで棚からひとつかみ」でございますが。
なかなかですね、選曲に苦しむ(笑) Part.2でざいますが。
多すぎてですね、かけてもかけても、あれなんです。
軽い気持ちでいこうと思いつつですね、あの・・・なんて言いましょうか・・
凝り性の悪いところが出てしまったかもしれません。
先週よりも、もっと幅を広げまして、先週のギブソン特集とおんなじで、邦楽も後半はお届けしたいと思います。
その間に、一生懸命リハーサルをやっております。
日曜日の午後のひと時、本日も素敵なオールディーズソングでお楽しみをいただきます山下達郎サンデーソングブック「フェンダーギターで棚からひとつかみPart.2」
フェンダーのギターを愛用しているミュージシャンの特集でございます。
本日も最高の選曲と最高の音質でお届けをいたします。
で、また、フェンダー使いで私の曲から始めさせていただきます。
スイマセン。
1998年のアルバム「COZY」
ここに入っております加山雄三さんのカバー。
この曲はエレキギターは全部テレキャスターで弾いてる曲でございます。
アコギも入っておりますけれども。
山下達郎「BOOMERANG BABY」
♪ BOOMERANG BABY/山下達郎
~ CM ~
♪ 夢のオレンジ号/ザ・スプートニクス
◎リスナーからのお便り(新潟県阿賀野市のW.Sさん)
達郎氏:
同じフェンダー使いでも、いろんな音、いろんなスタイルがございますが。
なるべく幅広く。
先週も申し上げましたけど、あくまでも私のリスニング・ライフの中で記憶に刻まれておりますフェンダー使いのミュージシャンたちの作品でございます。
他の方がなされば、違う選曲になるのは、当たり前でございますが。
まずは、エレキ・インスト、スプートニクス。
スウェーデンが生んだエレキ・インストの名門でございますが。
リードギタリスト、 ボー・ウインバーグ。
この人はストラトキャスター使いでございます。
しかも高サウンドが非常にきれいな音を作っております。
日本でも大変人気があります。
「霧のカレリア」他、たくさんヒットがありますが。
彼らの代表作の一曲、カントリーのいわゆる速弾きの曲でございますが。
フィドルとかバンジョーで速弾きする曲でございます。
これをギターサウンドで見事に作り上げました。
「オレンジ ブロッサム スペシャル」
1962年のヒットソングでございます。
イギリス、ヨーロッパで大ヒットいたしました。
◎Look-Ka Py Py/The Meters
達郎氏:
続きまして、今度はテレキャスター。
ニューオリンズのグループ、The Meters
のちにネヴィル・ブラザーズへ発展していきますけれども。
ミーターズの最初期のギタリストがレオ・ノセンテリという。
この人、テレキャスターの音で、非常に特徴のある音でございます。
ブッカーTとMG’sの影響を受けたと、そういう感じのサウンドでございますが。
1969年、シングルカットされまして。
全米R&Bチャート11位、全米58位
彼らの初期の代表作「Look-Ka Py Py」
♪ Look-Ka Py Py/The Meters
大瀧さんがミーターズ好きでですね・・
『福生ストラット』の途中なんか、この「Look-Ka Py Py」の、こういう感じで作りたいという感じで作ってますね。
◎オーキー・ドゥーキー・ストンプ/コーネル・デュプリー
達郎氏:
この人も私にとっては、テレキャス使いというと出てくる人でございますコーネル・デュプリー。
スタッフのメンバーとしても有名ですけど、非常に優れたスタジオミュージシャンでもあります。
ブルック・ベントンとの”Rainy Night in Georgia”・・歌の後ろでずっとコーネル・デュプリーのギターが鳴っているのが、ものすごく・・
これ、あの先週のオーティスレディングのスティーヴ・クロッパーではありませんが。
歌のバックに存在感という・・
1974年に出しましたソロアルバム、ファーストソロアルバム「Teasin’」
ここからいってみましょう。
♪ オーキー・ドゥーキー・ストンプ/コーネル・デュプリー
◎風の中のメアリー/ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
達郎氏:
フェンダー使いといいますと、ジミ・ヘンドリックスがあります。
ジミヘン、なんでもいいんですけど。
私、ジミ・ヘンドリックスのですね割ってないプレーン・トーンのギターの音がとっても好きなので。
今日は、ちょっとへそ曲がりな選曲。
1967年の作品「風の中のメアリー」
♪ 風の中のメアリー/ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
◎Further On Up The Road (Live)/The Band with Eric Clapton
達郎氏:
やはりフェンダー使いといいますとですね、私の仲間ではロビー・ロバートソン。
ザ・バンドのロビー・ロバートソンが出てきます。
彼のストラトキャスターはですね改造してありましてですね。
マイクが変なところに付いてるやつなんで。
なにかけようかと思いましたらですね、ついでなのでエリック・クラプトンもついてにいってみようという。
ラストワルツのライブ盤、1978年に出ましたが。
1976年11月25日のサンフランシスコのウィンターランドというところでの、いわゆる解散ライブでございますが。
ここでのバンドとエリック・クラプトンが一緒に演奏しているブルースナンバー。
演奏ははじめにエリック・クラプトンがソロをしまして、歌いだそうとしたときにストラトが外れまして。
とっさにロビー・ロバートソンが代わって弾き始めるという。
そこが格好いいんです(笑)
それだけ(笑)
♪ Further On Up The Road (Live)/The Band with Eric Clapton
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
リハーサルの真っ最中でございますので、来週は何にしようかなと思いましたが。
ジャズ特集って口滑らしたら、すごくご要望がきましたので。
私がやるジャズ特集なのでですね。
前にやった、20年くらい前にやった、いわゆるジャズ・ロックに近いものがありますので。
それのアーカイブみたいな感じで、やってみようかな。
来週は「ジャズで棚からひとつかみ」
やってみようかなと思っております。
◎スノー・エキスプレス/鈴木茂
達郎氏:
日本人のフェンダー使いで、まず頭に浮かびますのは鈴木茂さんです。
はっぴいえんどからソロになっても、ずっとフェンダー。
テレキャスだったりストラトキャスターだったり。
でもソロになったころにはですね、スタジオやってると、なんて言いましょうかね、何色っていうんですか、あれ。
ピンクのちょっと濃いやつ。
そのストラトキャスターが彼のトレードマークでありました。
1975年に単身ウエストコーストに行きまして、制作しましたアルバム「バンドワゴン」
これもストラトでレコーディングしているアルバムであります。
この中からインスツルメンツ・ナンバー、たいへん有名な一曲。
♪ スノー・エキスプレス/鈴木茂
◎MUSTANG/Char
達郎氏:
もう一人、フェンダー使いといいますと、まず出てくるのがチャーさんであります。
でもチャーさんは非常に異色な人で。
フェンダーのムスタング、これをずっと愛用しておりまして。
それで全部やる人、ほとんどいないんですが。
それのおかげでフェンダーのムスタングはですね、日本が一番売れたという。
そういう・・・
値段も安いし、コンパクトで弾きやすいんですけども。
チャーさんは、これでひたすらいくと・・
1994年に、その名も「MUSTANG」というアルバムを発表しておりまして。
全曲ムスタングで弾ききったという・・(笑)
そういうエピソードとともにあるアルバムでございますが。
アルバムの冒頭に入っております、タイトルソングでございます。
♪ MUSTANG/Char
シュガーベイブの最初期はムスタングのベースを使っておりました。
理由はやっぱり、安いから(笑)
ふふ(笑)
ムスタング買う人は、やっぱり安いから買う(笑)
そんな中でチャーさんは、もうムスタングで弾ききってる!
素晴らしい!
◎リトル・クライムズ/佐橋佳幸 feat.John Hall
達郎氏:
私とずっと一緒にやっております佐橋佳幸さん。
彼はストラトが中心でございます。
ゴールドのストラト。
彼の愛器でございます。
いい音が出る・・
1994年に出しましたソロアルバム「TRUST ME」
私が一応、エグゼクティブ・プロデューサーをやっておりますが。
ここん中のインスツルメンタル「リトル・クライムズ」
これはジョン・ホールがゲストで来ておりまして。
さきほどのバンドと同じで、一粒で二度おいしいと言いましょうかですね。
二人、かたずいてしまうという(笑)
二人の同じ、ストラト同士ですけれども、キャラクターの違いがよく出ております。
♪ リトル・クライムズ/佐橋佳幸 feat.John Hall
同じストラトでも、ずいぶんテイストが違う・・
◎エンディング
達郎氏:
これで時間が来てしまいました。
なんだ、ロイ・ブキャナンはないのかとかですね、ロリー・ギャラがーはどうした、とかですね・・
いろんなことが、ありますがですね。
ま、しょうがないですね。
これでも、パッツン・パッツンでございます(笑)
足立区のK.Mさん。
『去年のライブで「僕らの夏の夢」から「風の回廊」へ曲が続く中で、同じギブソンのエレアコを持ち替えるシーンがあったと思います。
それを見て、なぜ持ち替えるのか、ずっと気になってたんです。
でも先週のギブソンで棚つかを聴いて、もしかしたら張られていた弦がスティール弦とかガット弦になっていたのかなと思いました。
ほんとのところは、どうなのでしょうか。
教えてください。』
そんなこと聞いて、どうする(笑)
あの・・チューニングが違うんです。
「僕らの夏の夢」、Fシャープなので、半音下げてGで・・
で、「風の回廊」は普通のレギュラーチューニングに戻すのでですね。
それでエレアコを持ち替えております。
持ち替えは、だいたいチューニングの影響が大きいです。
よろしいでしょうか!
てなわけで2週間、フェンダーギターで棚からひとつかみでございますが。
最後は、私、1982年にプロデュース・アレンジをしました村田和人さんのデビューシングル。
これは、私が全部ギターを弾いております。
ドラム青山純
ベース伊藤広規
キーボード、自分でやってるんだ!
一人多重に近いものでございますが。
思い出の村田君のデビューシングル「電話しても」
『フェンダーギターで棚からひとつかみ』
ご清聴ありがとうございました。
♪ 電話しても/村田和人
今週のオンエア曲
14:02 BOOMERANG BABY/山下達郎
14:06 夢のオレンジ号/ザ・スプートニクス
14:10 Look-Ka Py Py/The Meters
14:14 オーキー・ドゥーキー・ストンプ/コーネル・デュプリー
14:17 風の中のメアリー/ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
14:22 Further On Up The Road (Live)/The Band with Eric Clapton
14:32 スノー・エキスプレス/鈴木茂
14:37 MUSTANG/Char
14:42 リトル・クライムズ/佐橋佳幸 feat.John Hall
14:47 電話しても/村田和人
コメント