山下達郎さん サンデーソングブック 2019年2月17日『ロイ・オービソン特集 Part .1』(#1375)

山下達郎さん サンデーソングブック 2019年2月17日『ロイ・オービソン特集 Part
.1』(#1375)

横浜市内は、日曜日はうす曇りの天気でした。
風は冷たいですが、春めいてきた感じがします。
あっという間の1年です。

さて、今日のサンソンで紹介されたロイ・オービソンの楽曲は、春めいた季節にぴったりの曲ばかりでした。

ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

◎ 冒頭

達郎氏:

えぇ、先週は、とっても東京は寒い一週間でございましたけども。

今週あたりから少し春の気配がするというような天気予報でございますがですね・・・

なんか雪が降るって言ってて(笑)
ちょっとだけ降ったりして。

お便りうかがってますと、北陸の方は、なんかすごいあったかい・・
例年よりもですね。
北海道は、とんでもなく寒い。

東京は、なんか寒いんだけど・・
雪降る、雪降るっていって・・
雪降り少年・・
おすいう感じでございます(笑)

インフルエンザようやく山越したという報道もありましたけれども。

依然としてですね、寒い日が続いておりますので。
夜は特に冷え込みますので、みなさんくれぐれも健康にお気を付けください!

えぇ・・私、そろそろ仕事が・・・始まりますというか(笑)
レコーディングが始まりますが。

今週は大阪のクラブクアトロへ参ります。
20日、21日でございます。

アコースティックライブでございますけれども。

3月ももう一回やります。
北海道の小樽でやります。
番組のなかほどで詳しいこと申し上げます。

というわけで。
昨年、ロイ・オービソンの特集をいつかやってみようかなぁと、いうようなことを申し上げましたらですね。

たくさん、ご要望をいただきまして。

じゃ、ロイ・オービソンを特集してみようと。

始めましたところがですね・・
とても、とてもたいへんなんです(笑)

えぇ、なんか軽々しく言わなきゃよかった。
非常に力不足といいましょうかですね。
荷が重い、あれでございますが。

でも、ま、ロイ・オービソンの曲を・・
ラジオでかかるということは、ほとんど最近ないので。

こうやって、まとまってかかるということが、ほとんどないので。

偉大なシンガーであることには変わりありません。
没後、30年を迎えました。

今週、来週、2週間、ロイ・オービソンの特集。
ちょっと30年経った特集なんで、それでまた難しいという。
言い訳をしながらですね(笑)

でも、いい音です!

ロイ・オービソンのヒット曲をお聴きいただきますので。
それだけが、取り柄です。

本日は、ロイ・オービソンの特集でお届けします。
日曜日の午後のひと時、素晴らしい歌声に酔いしれていただきたいと思います。

サンデーソングブックがお届けいたしますロイ・オービソン特集。
今週、来週の2週間かけて、お届けします。

ロイ・オービソンの素晴らしい作品と、それを最高の音質でお届けをいたします山下達郎サンデーソングブック。

でですね。
明日、2月18日、午後11時からですね6週間にわたりましてAbemaTVで配信されます、橋本環奈さんの主演ドラマ「1ページの恋」、これの主題歌に竹内まりやさんの「ミラクル・ラブ」を使用されております。

もともと91年の牧瀬里穂さんに提供した曲のセルフカバー。
シングルのカップリングで発売されました。
アルバムとしては正式に、ボーナスディスクとか、そういうのは入っておりませんけども。

この曲が使われることになりました。
ので、今日は「ミラクル・ラブ」
最初にお聴きをいただきます。

♪ ミラクル・ラブ/竹内まりや

~ CM ~

◎ ロイ・オービソン 

達郎氏:

ロイ・オービソンは1988年の12月に亡くなりましたので、没後30年を過ぎました。
ですので、30年経っておりますので、なかなか特集が難しい。

ロイ・オービソンというのは、たいへんにドラマチックな人生を送ったシンガーでございまして。

他の誰とも違うシンガーであります。
いわゆる今でも人気が高いんですけど。

ワン&オンリーの人でありますが。

でも60年代が全盛期ですので、その時代と音楽も今は違っておりますのでですね。
死後30年経って、再評価というのがたくさんなされておりますので、資料もたくさん出ておりまして。

そういうのを、なぞってもですね、もう時間かかっちゃって。
なんたって代表ヒット曲が多いので、それかけるだけで2週間はすぐ、いっちゃいますので。

特集組んで、後悔しまして。
やめればよかったなぁと(笑)

力不足が否めない。
荷が重いというですね・・・

ですので、言い訳しますけれども。
私的な特集です。
今までの一般的な評価、それからプレイリスト、そういうものとは、ちょっと違う選曲・・

特に後期のものはですね、私の私的な経験の中から選んだ、自分の好きな・・
ロイ・オービソンで棚からひとつかみをすれば、よかったんですよね・・

えぇ・・
というわけで、ぶつぶつ言ってないで(笑)

1936年といいましたら、昭和11年生まれ。
服部克久さんと同じというですね。

88年没なので52歳。

52歳というと割と、早世な方が多くて、美空ひばりさんとか石原裕次郎さん・・

ロック・ヒストリーの中で出てきて、いわゆるロカビリー・シーンから出てきたテキサス生まれの人なんですが。

声がですね、あまり、いわゆるそういう・・
何て言いましょうかね・・
野蛮な声をしてない、優しい、きれいな声をしてるので。

最初は、ロカビリーのばんどを組んでですね、カントリー系それからロカビリー系の音楽をやってたんですけども。

そこでは、あまりヒットが出なくて、自分の本来の声のトーンである、高温のきれいなですね曲をバラードで乗せることによってですね、ヒット曲が出ましてですね。

全盛期を迎えるという・・・

それでも、まぁ、10代のころにバンドを作りまして。
その時代のロックンロールの洗礼をあびまして、アマチュアバンドに毛が生えたようなのを作りまして。

メンフィスのサン・レーベル・・
たいへん有名なエルビス・プレスリー・・
そうそうたる人たちが出た登竜門ですけども。

サンレーベルから56年に出しました、この1曲がヒットをいたしまして。
20万枚くらいのヒットになりまして。
これでロイ・オービソンの歌手としてのスタートが切られます。

♪ ウービー・ドゥービー/ロイ・オービソン

◎ Claudette/The Everly Brothers 

達郎氏:

サン・レコードでロカビリー路線で始まりますけれども。
その後、ヒットが続きませんで。

RCAに移籍したりしますけれども。
ぜんぜんダメで鳴かず飛ばずで・・

もうこれやめようかなと・・
そういう世界になりかけときにですね。

エバリーブラザースのツアーで会いまして。
結婚したばかりの愛妻Claudette、この人のことを歌った「Claudette」という曲をエバリーブラザースが気に入ってレコーディングをしてくれました。

それがエバリーブラザースの58年、ウルトラ大ヒット「ALL I HAVE TO DO IS DREAM」
これのカップリングで発売されまして、全米30位という。

B面ですけどもヒットしたという。

ここが運命の分かれ道になりまして。
ここから運命開けて参ります。

♪ Claudette/The Everly Brothers

◎ このあと・・ 

達郎氏:

このあと、後・・・・
ずっと・・・
3年、4年、下積み続きますけども。

モニュメント・レーベルという南部の・・フレッド・フォスターという人がオーナでございますけども。

このレーベルに移籍してくらいから、だんだん、だんだんですね、ロイ・オービソン運が開けてまいります。

同時期に出会いましたジョー・メルソンという人と共作をしまして。
、いい作品が出ましてですね。

それをフレッド・フォスターの、非常に寛容なレコーディング・システムの中でじっくりと時間をかけて作るシステムが確立されまして。

少しづつ、作品が知られて参ります。

そのジョー・メルソンと最初に組んでチャートに出ましたのが、1960年全米72位になりました。
「アップタウン」という曲ですが。

これがヒットしまして。
ちょうどそのときにですね、一緒に作っておりました、この1曲。
これが大ヒットとなりまして。

ロイ・オービソンの華々しいキャリアが花開いていくわけでございます。

同じ1960年、全米2位。
ミリオンセラー・・・
最初のミリオンセラー「オンリー・ザ・ロンリー」

2曲続けて、どうぞ。

♪ アップタウン/ロイ・オービソン

♪ オンリー・ザ・ロンリー/ロイ・オービソン

「アップタウン」っていうのは、いわゆる高級住宅街という感じですけども。
そこのペントハウスに住む女性に恋をしたベルボーイがですね、そのうちお金作って彼女を手に入れるという・・・

でっかい車と上等な服を手に入れて
彼女に愛を誓いに行くんだと・・

テキサス生まれのいわゆる・・・
高度成長期のアメリカでございますね。

そうしたサクセスストーリーを・・
そういう歌でございます。

で、いよいよロイ・オービソンのスタイルが確立されました「オンリー・ザ・ロンリー」
60年の1曲でございますが。

それから先のですね、いわゆる「失恋路線」という・・

「孤独なひとたちだけが
今の今夜の僕の気持ちをわかってくれる
彼女が行ってしまって
永遠に去ってしまった

孤独なひとたちだけが
それをわかってくれる

明日になったら
新しいロマンスに出会えるかも

でもそれは
ただチャンスでしかない」

そういう悲しい歌なんですけど・・
それがですね、ナッシュビルのすばらしいスタジオミュージシャンのですね、演奏に乗っかってロイ・オービソンの独特な、悲しいトーンと言いましょうかですね・・

今聴きますとですね、なんか簡単そうな演奏なんだけど、とんでもない、これが!!!

このグルーブ出すの難しいんですから(笑)

南部の音楽の奥深さと言いましょうか・・・

◎ ここから、いよいよ 

達郎氏:

ここから、いよいよ1960年
ロイ・オービソンの快進撃が始まります。

メルソン、オービソン、コンビ
ナッシュビルのスタジオミュージシャン
プロデューサーのフレッド・フォスターのですね・・
採算度外視のレコーディングのスケジュール・・

そういうような、いろんなものがありまして。

あとから、あとからヒット曲が出てくることになります。

代表曲、1960年
全米9位
「ブルー・エンジェル/ロイ・オービソン」

♪ ブルー・エンジェル/ロイ・オービソン

当時のいわゆるロカビリー・シーンとは、非常に特異な存在でありましたロイ・オービソン。

「オンリー・ザ・ロンリー」が成功しましたので、イントロで、いわゆるスキャットですね。

♪ ダン・ダンダン・・(by 達郎さん)

このブルー・エンジェルは、

♪ シャ~ ララ(by 達郎さん)

こういうのがですね、ま、二番煎じと言われれば、それまでですけども。
ヒットしましたので、その路線といいましょうか。

そういうものを、しばらく続けることになります。

◎ アイム・ハーティン/ロイ・オービソン 

達郎氏:

この曲はアップテンポですけど、イントロはですね・・
そうしたもので始まります。

バックをやっておるのではアニタ・カー・シンガーズでございます。
私の大好きな1曲

♪ アイム・ハーティン/ロイ・オービソン

1961年のロイ・オービソン「アイム・ハーティン」

~ CM ~

◎ランニング・スケアード/ロイ・オービソン 

達郎氏:

60年に大ヒットがでまして、それに続いて・・ヒットが続くんですけども。

だんだん、いわゆる形式が似てくるという。
マンネリ化を防ぐために、新しい曲調を開発しようと。

ロイ・オービソンとジョー・メルソンのコンビが出してきましたのが
1961年、これがロイ・オービソンにとっての初めて全米No.1になります。

代表作中の代表作「ランニング・スケアード」

♪ ランニング・スケアード/ロイ・オービソン

私も長いこと、いろいろなポップソングを聴いてきましたけども、こんなストリングスの曲はですね、なかなかない。

たった2分12秒なんですけどね。

スローに始めてクライマックスにいくんですけど。
終わり方が、とっても不思議なんですよね・・

突然終わるという・・

不思議な作曲技法であります。

♪ クライング/ロイ・オービソン

♪ ドリーム・ベイビー/ロイ・オービソン

♪ イン・ドリームス/ロイ・オービソン

◎エンディング 

達郎氏:

というわけでサンデーソングブック
ロイ・オービソン特集Part.1でございましたが。

この続きは、またPart.2
63年以後のヒット曲をまたお聴きをいただきますが。

イギリスで人気が高まっていくという・・・
そういうようなことも、お話ししたいと思いますが。

実はですね、ロイ・オービソン、今では日本ではかなり名前知られておりますけれども。

60年代の全盛期はですね、それほど日本では有名ではありませんでした。

人気がアメリカほど大きくないということを危惧した、ニッポン放送の亀渕昭信さんが、アルバムに入っております1960年のファースト・アルバム「ロンリー&ブルー」に入っております、この1曲を1963年にレコード会社を説得しましてですね、発売しましたところ・・

これが日本で大ヒットしまして。

これは日本でしかヒットしない曲となって認知されました。
ここからロイ・オービソンの知名度がドンと上がっていくというですね・・

で、この曲は「オンリー・ザ・ロンリー」の前にレコーディングされまして。

「オンリー・ザ・ロンリー」の

♪ ダン・ダンダン(by 達郎さん)

のスキャットのパターンっていうのは、この曲から始まった曲でございます。

こちらの方は・・・

♪ ダン・ダン・・・・(by 達郎さん)

こういう感じで始まるんですけども。

これを発展させて「オンリー・ザ・ロンリー」のイントロにしたということは、今では知られております。

当時はですね、こっちの「カム・バック・トゥ・ミー」が「オンリー・ザ・ロンリー」の後だとか、いろんなありますけども・・

歴史的な順序っていうのは、今でははっきりしております。
これを今日は、最後にお聴きをいただきまして。

1960年のアルバム「ロンリー&ブルー」から、63年に日本でシングルカットされました。
我々の世代にはお馴染みの曲です(笑)

♪ カム・バック・トゥ・ミー/ロイ・オービソン

今週のオンエア曲

14:04 ミラクル・ラブ/竹内まりや
14:11 ウービー・ドゥービー/ロイ・オービソン
14:14 Claudette/The Everly Brothers
14:17 アップタウン/ロイ・オービソン
14:19 オンリー・ザ・ロンリー/ロイ・オービソン
14:23 ブルー・エンジェル/ロイ・オービソン
14:27 アイム・ハーティン/ロイ・オービソン
14:33 ランニング・スケアード/ロイ・オービソン
14:37 クライング/ロイ・オービソン
14:40 ドリーム・ベイビー/ロイ・オービソン
14:44 イン・ドリームス/ロイ・オービソン
14:48 カム・バック・トゥ・ミー/ロイ・オービソン

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