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山下達郎さん サンデーソングブック2025年9月21日『『僕の中の少年』アナログ盤・カセットテープ再発記念』(#1719)

サンデーソングブック未分類
『僕の中の少年』アナログ盤・カセットテープ再発記念

福岡市内は、気温が少しづつ下がってきました。
夕暮れは秋の空になってます。

番組では言及されませんでしたが、この時代、達郎さんにお嬢さんが誕生したこともアルバム制作に影響を与えたというインタビュー記事を読んだ記憶があります。

ということで、このブログでは毎週日曜日 午後2時からTokyo FMをキーステーションにオンエアされている山下達郎さんのサンデーソングブックの一部を文字お越ししています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

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冒頭

達郎氏:

皆さんこんにちは。ご機嫌いかがでしょうか。山下達郎です。
毎週日曜日午後2時からの55分間、私、山下達郎がお送りいたします、楽天カードサンデーソングブックの時間であります。
東京FMをキーステーションといたしまして、JFNの全国38局ネットでお届けしております。

今日は滑舌がいいですね。湿気があるからですね、少しね。ええ。
9月の第3日曜日に入ってまいりまして、あさって火曜日は秋分の日。
何が秋分の日だと・・
週間予報を見ますとまだ近畿、中国あたりはまだ30度超えの予報であります。
北の方はだいぶ涼しくはなってきております。
東京も少し雨降ってるので少し涼しいですけども。
どこが秋分の日だって・・そういうブツブツ言ってはいけませんけど。

私、リハーサルが佳境に入ってまいりました。
コーラスのメンバーも加わりまして賑やかにやっておりますが。

ま、とにかく、私デビュー50周年なので。
発売してきた曲の数がやっぱ300超えますのでですね。
そうすると何の曲をやるかということ、何の曲を削るかという。
でもリハーサルだとやっぱ数十曲練習しますので、そっからどこを削るかっていうこと、それの悩みの種であります。

特に今年はシュガー・ベイブの50周年とかそういうものもありますので、さあ、どうしたものかとですね、うぅってやっておりますが。
頑張ってやりたいと思います。

先週はベタ・リク、山のようにいただきまして。
ご好評もいただいております。
ここを先途っていただきました。また来週もお届けしたいと思いますが。

そんな中、今日はですね、今年、私、ムーンレコード、ムーンレーベルのですね、カタログ、80年代のカタログですが、それをアナログ盤とカセットで再発を続けてまいりました。

5月にメロディーズ、
6月にビッグウェイブ、
7月にポケット・ミュージック、
8月お休みで、9月の、今週の水曜日24日にですね、
1988年に私が出しました『僕の中の少年』、このアルバムのが、アナログとカセットで再発をいたしますので、今週は1つその、今から37年前のですね作品で、私35歳の時の作品ですが『僕の中の少年』
これのアルバムの思い出なんかを語らせていただきつつ、ご紹介してまいりたいと
思います。

商売商売(笑)
そういう感じであります。

皆様から頂いたお便り紹介しつつ、本日もですね、日曜の午後のひととき、本日は私の1988年の作品『僕の中の少年』
色々な意味でちょっとターニングポイントとなる作品でもありました。
『僕の中の少年』の解説をお聞きをいただければと思います。

本日も山下達郎サンデーソングブック、最高の選曲と最高の音質でお届けをいたします。
アルバムの紹介なので前枠はなしでCM挟みまして始めてみたいと思います。

~ CM ~

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戦前文化へのオマージュソング/新・東京ラプソディー

達郎氏:

山下達郎がお送りいたしておりますサンデーソングブック。
というわけで本日は、私の1988年のアルバム『僕の中の少年』。
人生でアルバムタイトル日本語なのはこれ1枚だけですが。
今から37年前、私35歳の時の作品ですが。

今週24日にアナログ盤とカセットで再発されますので、今日はこの『僕の中の少年』のアルバムのお話を色々させいただきたいと思います。

1980年代のこの時期はですね、音楽業界がものすごく、色々とハードもソフトも変わった時期でありまして、そういうものをこう色々反映した形で、作られたアルバムで。
私の全作品の中でも一番内省的なですね、心のことを歌った、アルバムだということができます。

で、アナログLPからCDへ変わっていく。
アナログレコーディングからデジタルレコーディング変わっていくんですけど。
まだそういうのが並存しておりましたので、あくまでそのアナログLPの仕様で、CDも作られてるっていう。

したがってA面、B面、そういうようなあの、曲順っていうのが厳密に決まっております。

今回は、アナログのLPとかですので、そういうものに順じております。
CDになった時にボーナストラックとか入れましたけど、今回はオリジナル仕様のアナログLPです。

A面の1曲目に入っております。まずは「ネオ・東京ラプソディー」
「新・東京ラプソディー」と書いて「ネオ・東京ラプソディー」。

♪ 新・東京ラプソディー / 山下達郎

アルバム『僕の中の少年』、A面の1曲目、「ネオ・東京ラプソディー」。

この時代、私、1980年代の中期からですね、戦前の日本映画に没入しまして、
毎日毎日そういうのをビデオでですね、ちょうどレンタルビデオが始まった時代ですので、毎日毎日そういう戦前の日本映画のビデオ見てるうちに、
戦前の日本の文化というものがですね、要するに我々が受けてきた教育とちょっと違うんじゃないかという、そういうようなことを思ってたりしておりました中でですね、
藤山一郎さんがヒットさせました昭和11年、1936年のヒットソング「東京ラプソディ」
古賀政男さんの作曲ですが。

その歌をですね、なんかちょっとオマージュしてみようと思って作ったのが、この「ネオ・東京ラプソディ」。
コーダに東京ラプソディーの、そのオリジナルのものがちょっと入ってきます。
メロディがですね。

そういうような、戦前の文化へのですね、オマージュソングという形ですが。
銀座の街並を想定して、そういうようなイズム感で作った曲であります。

リクエストくださいました。静岡県榛原郡 O.K.さん。

『2018年の静岡市民文化会館思い出します。』

2018年、やりましたね。演奏しました。ライブで。

で、この曲の歌い出しがですね「緑色の自転車」っていうのができまして、先週もそういうようなお便り紹介しました。

今週も仙台市のY.N.さん、超常連の方ですが。

『『僕の中の少年』特集ということで間に合わないかもしれませんが、一筆申し上げます。
9月7日の回にあったように、我が家にも緑色の自転車を買った子がいます。
胎教から始まった筋金入りの達郎さんファンです。
思い出すのは、彼が多感な中学生の時、私が新しい曲を多めに聞いていたのに対し、ポツリと「蒼氓」っていいなと呟いたこと。
少しずつ私から離れていくんだなと成長を感じると同時に、
この曲を作ってくださった達郎さんに感謝しました。
彼はこのアルバムのジャケットが一番好きとも言っていました。
仙台サンブラザで2人でお待ち申し上げます。』

こちらこそ。
ありがとうございます。

私にとって転換点のアルバム

達郎氏:

この『僕の中の少年』というアルバムは私にとってもすごく転換点っていうんでしょうかね。
80年代のため、ここのとこずっと、あのアルバムの紹介で申し上げましたけど。

リゾート・ミュージックの代名詞みたいに言われた
「夏だ、海だ、達郎だ」
というそういうような時代から脱却しようという「もがき」がですね、前作「ポケットミュージック」から始まりまして。
当然それまでの「For You」とかそういうようなもののファンの方にからはですね、結構拒否反応があったりしたんですけど。

この『僕の中の少年』の頃からですね、新しいリスナーの層っていうのが入ってきてくれまして、非常にこのアルバムに関してシンパシーを、その時からですね、いただきましたですね。
すごく力づけられて、その後の活動にものすごく力を与えてくれました。
そんな自分の思い出のアルバムでございますが。

主題歌がTVドラマのストーリー内容に影響を与えた

達郎氏:

A面の2曲目に入っておりますのが、いわゆるタイアップソングで、シングルカットされました。88年の4月にシングルを出しました。
「ゲット・バック・イン・ラブ」という。
テレビドラマの海岸物語という、そういう物語の主題歌でありました。

で、あの頃はもうバブルの全盛期でありましてですね。
ドラマもものすごくこう色々作られまして。
こうした主題歌のタイアップですと、普通脚本とか来るんですけど、
1話分の脚本しか来なかった。
結末は?って言ったら、まだ決まってませんって言う(笑)。
そういう大らかな時代だったですね。

結末ないのにどうやって主題歌作るんですか?つって、
いや、そって、で、結局このゲット・バック・イン・ラブ作りましたら、
ストーリーがだんだんこれに沿っていくと。そういうような世界でありました(笑)。
それをすごくよく覚えております。

で、まあ「ライド・オン・タイム」がヒットしまして、ツアーも始まって順調なんですけれど、
どうしてもこうしたアップテンポがですね、ヒットソングというかそういうものを求められるんですけど。

私としてはなんかもうちょっとバラードが、もう35ですからですね、もうちょっとしっとりした曲でシングルカットしたいということを言いましたら、このちょうどドラマの主題歌とこのオファーが来まして、書いたこの「ゲット・バック・イン・ラブ」が8年ぶりにベスト10ヒットとなりました。
思い出の1曲であります。
今でもステージでしょうっちゅやっております「ゲット・バック・イン・ラブ」。

♪ GET BACK IN LOVE / 山下達郎

アルバムのA面の2曲目に入っております。
シングルカットされましたおなじみ「ゲット・バック・イン・ラブ」。

新潟県村上市の F.Y.さんからいただきましたが。
『主人の希望でリクエスト曲「ゲット・バック・イン・ラブ」。
このアルバムが発売された当時、よく車に乗せてくれた方は達郎さんの大ファンでした。
時は流れ、10月27日で結婚35年となります。早いですね。今も変わらず大ファンです。』

世田谷区の I.M.さん。
旭川市の F.K.さんも「ゲット・バック・イン・ラブ」いただきました。
ありがとうございます。

実は難易度が高い「ゲット・バック・イン・ラブ」のイントロ・ピアノ

達郎氏;

余談ですけれども、この「ゲット・バック・イン・ラブ」という曲は、キーがGフラットなんです。イントロの、あの、難波君の弾いてるこのピアノはですね、
簡単そうでめちゃくちゃ難しいんです。実は(笑)。
私、人生で難波君とか坂本龍一 君とか、そういう人たちとばっかりやってるんで、みんなペラペラ普通に弾くのでですね、そんなもんだと思ってるんですけども。

実はすごく難しくて弾けない人がいたという、そういうのを、ちょっと思い出しました。ただ思い出しただけ。

コーダで用いた「東京ラプソディー」に高額印税

達郎氏:

あ、ついでに思い出したと言うと、

1曲目の「ネオ・東京ラプソディ」はですね、途中コーダで東京ラプソディ入れるんですけども、これ古賀財団というところがですね、権利を持っておりまして、戦前ですので著作権がない時代の権利なので。
目玉飛び出るようなですね、印税要求されるんです。
それを、あの、なだめてですね(笑)。

だから今はもうそういうのがどんどんエスカレートして、本当あの洋楽のですね、有名なカタログは本当に文字通り目玉飛び出るような使用料が要求されるので、オリジナルソースがだんだん使えなくなってきて、コマーシャルなんかはオリジナルバージョンじゃなくて誰かがカバーしたバージョンでやるという、そういう
世知辛い利権の世の中、余談でございます(笑)

The Girl In White

達郎氏:

アルバム3曲目、
アメリカニュージャージーのですね、アカペラのグループで14カラットソウルという大変に上手なですね、アカペラのグループがいるんですけど。

この人たちにコマーシャルの仕事が来まして。
それの曲を書いてほしいと、私のところにオファーが来まして。

私のパートナー、アラン・オデイと共作で書きましたのが「ガール・イン・ホワイト」。
14カラットソウルのバージョンはアカペラですけれども、私のこのセルフカバーはいわゆるコンピューターミュージックであります。

古いドゥーアップのスタイルですけども、こいつをコンピューターミュージックでやるとどうなのかと、そういうような感じであります。

♪ The Girl In White / 山下達郎

アルバム『僕の中の少年』
3曲目「ザ・ガール・イン・ホワイト」。

兵庫県高砂市の O.N.さん、超常連です。

『私にとって『僕の中の少年』は1988年、学生最後の年でした。
卒業研究に明け暮れる日々、夜中に何度も聴いて元気をいただきました。
もう37年も経つんですね。アナログ盤楽しみにしています。』

皆さん昔からのお客さんです。
埼玉市の超常連 T.Y.さんからもいただきました。

心情を音楽に刻むにはどうしたらよいか・・

達郎氏:

このアルバムとか、ポケットミュージックの時にいつも申し上げおりますが。
コンピューターで、演奏するっていう、そういうようなものが80年代がですね、どっと、人力から機械へっていう、そういう時代でもあります。
あとは、録音方式自体がアナログからデジタルに変わっておりまして。

もう一つ大きな流れはですね、あのMTVの登場であります。

音楽に映像がくっついていくというですね、その結果だんだん音楽が映像に従属していくという、そういう事態にもなりました。
まあ、今でもそれは続いておりますけれども。

音楽を聴きに来てんのかビジョンを見に来てんのかよくわからないとか、そういうようなことにもなっております。
ま、その話は長くなりますので申し上げませんけれども。

そういうような時代ですので、自分がどういうことやるかということをやっぱりみんな、私に限らずですね、色々考えて、特に音楽をやっぱりメインにするだとすると、どうするのかというそういうようなことをやっぱり突きつけられるってそういう時代の、ものであります。

ですので、私の場合はより内省的なですね音楽で、ま、思想、心情というと大げさですけども、そうした物事を考えっていうもの、みたいなものをやっぱり音楽に刻むにはどうしたらいいかとそういうようなことで、もがいておりました。

今の「ガールインホワイト」なんかも全部1人でコンピューターの打ち込みからですね、シンセの音作りから1人っきりでやっていた時代であります。
ですので本当に個人的な音であります。

で、もそういうしたコンピューターで、色々打ち込んで曲を作るというものなのがですね、それまでにない発想を生んでくれるという、ま、『ポケット・ミュージック』から、ここの『僕の中の少年』、それからこの次の『アルチザン』というアルバムもそうなんですけども、そういうこう新しい発想を生んでくれる、そういうようなものですと、
作曲のパターンが少し広がるという、そういうメリットもありました。

実験的な時代の匂いがするアレンジ/寒い夏

達郎氏:

そんな中から生まれましたのが、この4曲目にあります「寒い夏」という。
ジミー・ウェブみたいな曲作りたくて作った曲で、今はこういう曲書きませんね。本当に、
な、60年代から70年代にかけての非常に実験的な時代の匂いがするアレンジです。

これは1人で全部多重録音でドラムから何から自分で演奏して、それに服部克久さんのストリングスを入れていただいたという。
作詞が竹内まりやさんが作ってもらいました。
A面4曲目の寒い夏。

♪ 寒い夏 / 山下達郎

A面4曲目「寒い夏」でございましたが。
札幌市の Y.H.さんからリクエストいただきましたが「寒い夏」。

『ネオ・東京ラプソディをリクエストしたかったのですが、先々週かかったので、
自営業の私は仕事をやめたら、毎日カミさんとサブスク動画で映画三昧と決め込み、
BOSEのサウンドバーや最高の重点音を体感できるという、バスモジュールまで買い込んで準備万端なんですが、先日カミさんがドラマを見ていて
「ボンボンと変な低音が出るので直して」と言うので、ベースの音量を下げるともっと下げてと、ミニマムまで下げると、今度はサウンドバーの音も変だと言い出し、挙句の果てにテレビ本来のスピーカーの方が良いそうで、私は将来1人で見る事になるようです。
女性は低音が苦手?クエスチョンマーク。』

よくある話です。はい(笑)
うちでも近いことがありました。はい。

踊ろよ、フィッシュ

達郎氏:

で、お知らせの前に、A面最後、5曲目の、これもシングルカットされました。
87年に、シングルカットされました「踊ろよ、フィッシュ」。
これアルバムバージョンとなっておりまして、シングルバージョンとミックス違って、歌詞も少し変えております。

で、「踊ろよ、フィッシュ」はテイクがいくつもありまして、オリジナルのシングルと、この『僕の中の少年』アルバムバージョンと、それからベストアルバム『トレジャーズ』を作った時にやったバージョンと、いくつもバージョンがあります。

どれもミックスが違うのでお楽しみいただけます。
オタッキーな話でございました。

♪ 踊ろよ、フィッシュ / 山下達郎

アルバム『僕の中の少年』アナログA面、5曲目に入っております「踊ろよ、フィッシュ」。アルバムバージョン。

千葉県船橋市の T.E.さんからリクエストいただきました。

『少し前に釣り好きの長女が海釣りでタコを釣ってきてくれたので、たこ焼きを作りました。』

タコ焼きの写真が・・

『今週は9月24日にアナログ盤で発売される『僕の中の少年』の特集でしたね。
タコは魚類ではありませんが、同じ海の生き物というこじつけで「踊ろよ、フィッシュ」を聴けたら嬉しいです。
嬉しくてタコ踊りしちゃいます。
ライブのリハーサル頑張ってください。』

勢いで書いてるってそういう感じです。
ありがとうございます。

というわけで、山下達郎がお送りいたしておりますサンデーソングブック、
今週24日に、再発になります、私の1988年に発売しましたアルバム『僕の中の少年』のアナログ盤、カセット、ご紹介をしております。

~ CM ~

来週

達郎氏:

山下達郎がお送りいたしておりますサンデーソングブック。
今週24日水曜日に、再発されます。私の1988年に発表しました。
これオリジナルアルバムとしては通算9枚目になります『僕の中の少年』。

前半はA面の5曲ご紹介しました。
後半はB面の4曲ご紹介したいと思いますが。

来週は、また先週の続きでベタ・リクに戻ります。
また山のようにいただくと思いますが。

ベタリクと申しましても、やっぱり今の鑑賞に耐えるかどうかというのはすごく重要でですね。やっぱり古色蒼然たる音だと、なんかあんまり面白くないので、やっぱり歴史の試練に耐える音っていうください。それがまベタリクでも発揮されるという・・ご託。

最近多い奥様からのクレーム

達郎氏:

先ほどのテレビの奥さんのクレーム、ああいうお便りが最近はすごく多いです。
千葉県船橋市 S.Y.さん。

『家内に「何か手伝おうか?」と聞いたら、
「じゃあ私の機嫌落とさないように運んで」とエコバッグを渡されました。
一番重い荷物でした。汗。
達郎さん、万事に気をつけてください』ってどういう意味だ?

横浜市の Y.T.さん。

『先日、私の忍耐で結婚生活が続けられていられると書いたものです。』

そうでしたね。

『そのオンエアをラジコで女房に聴いてもらいました。』

恐ろしいね。

『いきなりの左フックを警戒しましたが、反応は予想外の「読んでもらえてよかったね」でした。
結婚生活は女房の寛容さで成り立っているのかもしれません。
謹んで訂正とお詫びいたします。』

これ、これ僕に書いてきてどうするんですかね(笑)。
結構ですね。円満で。
はい。引き続き。

『僕の中の少年』の思い出

達郎氏:

色々な方からですね、その『僕の中の少年』の思い出を、あの、送ってくださっておりましたけれども、
久留米市の超常連 H.S.さん。

『達郎さんの音楽に初めて出会えたのは上京した二十歳の頃ですが、87年から91年、音楽を聴くこともままならない時期の『僕の中の少年』は今でも私の宝物です。』

ありがたいお便りいただいております。

一番実験的な曲/ルミネッセンス

達郎氏:

というわけでB面に参ります。
今これクレジットをずっと見てますと、このアルバムは本当に人力と同機がですね、こう、きれいに半々に泣き別れしてるというそんな感じですが。

コンピューターミュージックが全く一人でやっておりますし、人力の方はこの当時のメンバー青山純、伊藤広規、難波弘之、4人レコーディングでやっておりますね。

B面の1曲目のこの曲が一番そういう意味で実験的な1曲であります。

朝の4時にですね、犬の散歩しておりましたら、真夏なのにオリオン座が見えまして、当たり前ですけど、それで驚いて思いついた歌であります。

小学生の頃、星を見るのも好きで、プラネタリウムに会員なんかやっておりましたので、そういうようなことを思い出しつつ「オリオンは西に沈んだ」と、そういうような歌であります。

♪ ルミネッセンス / 山下達郎

アルバム『僕の中の少年』、B面の1曲目「ルミネッセンス」。
今聴くとこれ結構ミニマルっていうか、くどい。
しつこい(笑)
これ、ベースだけ伊藤広規 I.K.さんがやってるんですけどね。
久しぶりに聴きました。

これミックスする時に、おもちゃのプラネタリウムをスタジオに持ち込んで、わぁと星回しながらやってるんですけど。
そういうようなことを思い出したりしました。

ライブでの演奏が難しい1曲/マーマレイド・グッドバイ

達郎氏:

どんどん参ります。
アルバムB面の2曲目はですね、このサンソンでもよくかけておりますが「マーマレイド・グッドバイ」っていうですね。
昔から、私のお客さんには人気の高い1曲でございます。
ですのでたくさんリクエストがいただいております。

岡山市の超常連 K.I.さん。

『先日酔っ払いすぎて終電で寝過ごして、誰もいない終着駅から2時間歩きました。
「僕の中の少年」を2周聞いて元気に歩けました。
星空の下での「ルミネッセンス」からの「マーマレイド・グッドバイ」はしびれます。』

恐ろしい。

『リクエスト「マーマレイド・グッドバイ」お願いします。』

滋賀県大津市の S.N.さん。

『僕が19歳の時に発売されたアルバムで、当時免許を取って初めて車を購入して、カーステレオで何回も聞いていました。
聞きやすい曲が多い中で『マーマレイド・グッドバイ』や『僕の中の少年』が特に大好きで、もちろんレコード購入する予定です。
リクエストは『マーマレイド・グッドバイ』お願いします。』

福岡市の超常連に U.H.さん。

『なぜ達郎さんは夕焼け空を見てマーマレイドを想像されたのでしょうか。
今からマーケット行ってマーマレイド買ってきます。』

って、よくわかりませんね

大阪府は高石市の U.Y.さん。この方も昔からいただいております。

『昭和63年、私が17歳の時にリリースしたCDを買って本当に、とにかく聞きました。
当時緑色の自転車は探しても売ってなく、ゲット・バック・イン・ラブのような恋もなくでしたが、54歳になった今でも、きつい日があった時や夜眠る前にかけて寝ます。』

ありがたいお便りです。

『リクエスト秋の空も切なく感じる「マーマレイド・グッドバイ」お願いします。』

♪ マーマレイド・グッドバイ / 山下達郎

マーマレイド・グッドバイ。
というわけでアルバムB面2曲目のマーマレイド・グッドバイ。

これもあのサンソンでかけるたびに申し上げおりますけれども、ライブでの演奏を何回かトライしたんですけど、これすっごい難しくてですね、未だに、できておりません。
そういう曲が何曲かありますが

市井の人々の心情を歌にしたかった/蒼氓

達郎氏:

で、3曲目はおなじみの「蒼氓」でありますが。
もうこれも語り尽くしておりますので、詳しくはですね、ライナーノーツご覧いただければと思いますが。

福岡県久留米市の超常連のM.H.さん。

『いつもサンソンへのハガキネタを探しています。
これはいけると思った時にはスマホにメモするようにしています。
しかし仕事中や就寝中に思いついた場合など、後になって思い出そうとしてもすっかり忘れていて、さっぱり思い出せず悔しい思いをすることが度々あります。
達郎さん、これはという楽曲を思いつかれた時にはどのように記憶されますか?
記憶力のオニの達郎さんに、後になってどうして思い出せないことあるのでしょうか?』

山ほどあります。何も。
パッと道で思いついたら、メモったりします。
それでもうっかりすると忘れてもうそのまま一生出てきません。

『リクエストは私の人生の道しるべ「蒼氓」お願いします。』

和歌山県のN.Y.さん。

『リクエスト「蒼氓」です。この曲の歌詞の通り、私は地方の町に生まれ、ずっとそこで生活しています。この曲のようにずっと生きていきたいと思います。』

素敵なおたよりです。

群馬県高崎市の超常連 T.Y.さん。

『「僕の中の少年」、自分が一番悩み苦しかった若い日々、それこそすり切れるほどレコード、テープとも聞いた思い出があります。
「蒼芒」、生きることの意味と勇気をいただいた曲、今も涙腺がやばいです。
生涯宝の1曲、間違いなく「蒼芒」です。ぜひリクエストさせてください。』

ありがたいお便り。
今こういうお便りをいただくとですね、作ってよかったとそういう風に思いますです。
おなじみ「蒼芒」。

♪ 蒼氓 / 山下達郎

おなじみ「蒼氓」でありましたが。

これも度々申し上げきましたけれども、
この頃になりますとだんだんこうレコーディングの体制とかも整ってきましてですね、ツアーもコンスタントにできておりますと、まあ9枚目のアルバムでありますので、
どういうような曲を作るかという中でですね、まあ自分のこう思想心情といいましょうか、やっぱり歌にそういう思いを込めてみたいという、そういうようなことをが欲求が出てきます。

ちょうど30代の半ばでありますので、いろいろ物の考え方とも変わっていきまして、
まあ、いわゆる若者が中年に変わっていく、そういうような端境期でありますので。

元々私は、交通事故でミュージシャンになった人間なので。
別に音楽家になりたいとかそういうような熱烈な欲求でなったわけでもないので。
あまりそうしたこう名声とかそういうものにはですね、あんまり興味がありません。

今でもそうですけれど(笑)。
そういう意味では、なんて言うんでしょうか、こう匿名性とか無名性とか、世の中で真面目に働いて生きている人たちの、そうしたような心情っていうものに共感があります。

そういうような心情を歌にしてみたいと思って作ったのはこの「蒼氓」という曲でありまして。
ですの、まあ、こう音楽的な基礎ではこうゴスペルソングみたいなことを、ものを、
作りたいと思って作ったんですけども。

私の父親にこれを聴かせましたら「なんかお経みたいな歌だな」って言われましたですね。
それはよく覚えておりますけれども(笑)

それでコーダのユニゾンのコーラスは、桑田佳祐さんと原由子さんと、竹内まりやさんと私と4人でやっております。

そうしたユニゾンのコーラスでも桑田君の声は抜けるんです(笑)。
すぐわかる。聴いて。
そういうようなやっぱり華があるというか、そういうものであります。

お陰様で今でもこの「蒼氓」もライブで、コンスタントに演奏させてもらってます。

僕の中の少年

達郎氏:

というわけで、1988年の作品でございますが、『僕の中の少年』全9曲ですが、いよいよ最後の、B面の最後、タイトルソングの『僕の中の少年』という。

30歳の半ばになりますと、我々の世代で有名な言葉ですがモラトリアムって、ま、今回の『オノマトペISLAND」にも出てきますけれども、大人になれないっていうそういうような心象っていうのがモラトリアム世代なんて言われておりましたけれども。

でもさすがに年を取ってくるとそうも言われなくなってきて、特に子供ができますとみんなそういうところで意識の変化っていうのも否応なしに出てきます。

そうしたところで自分のティーンエイジャーから20代、そして30代に入ってきて、どんどん自分のの中の少年性というものが失われていくという、そういうような、ものをこうネガティブに捉えるか、もうちょっと前向きに捉えるかとかそういうようなことも、やはり私に限らずみんな考えるわけであります。

ま、そういうような一貫とした多分「さよなら夏の日」なんて多分同じようなテーマですけれど。
そういうようなことを考えて、非常に抽象的な、超現実的な形で歌にしたのがこの『僕の中の少年』というラストソングであります。

これをアルバムタイトルにもしました。
今に至ります。

演奏もコンピューターも音作りも全部一人っきりでやっているという
ま、異色中の異色という、
個人的な内省的な曲であります。

たくさんリクエストいただきました。
杉並区の超常連 T.M.さん、

『名古屋の新入社員時代の会社の5階の駐車場で眺めていた夕焼けを今も思い出します。リクエスト「僕の中の少年」』

宮城県気仙沼市の超常連 I.M.さん。
北九州市の超常連 O.S.さんは愛犬の手術、再私術、お大事に。

というわけで、ご清聴ありがとうございました。
24日、再発されます。
アルバム『僕の中の少年』、全9曲、お聴きをいただきました。

この続きはまた来月の「アルチザン」のアナログカセットの再発の際に、また申し上げたいと思います。

♪ 僕の中の少年 / 山下達郎

クロージング

達郎氏:

お送りしてまいりました山下達郎サンデーソングブック。
『僕の中の少年』アナログ、カセット再発でございます。
24日、よろしくお願いします。

来週は打って変わって、またベタリクの続きです。
その間に一生懸命リハーサルやって、来週はもう10月に入って、初日が開きます。
がんばってやりたいと思います。

天候不順でございます。
皆様、お体くれぐれも、お大事に。

山下達郎サンデーソングブック、来週もセイム・タイム、セイム・チャンネルで
みなさんごきげんよう。さようなら。

今週のオンエア曲

14:05 新・東京ラプソディー / 山下達郎
14:10 GET BACK IN LOVE / 山下達郎
14:16 The Girl In White / 山下達郎
14:21 寒い夏 / 山下達郎
14:24 踊ろよ、フィッシュ / 山下達郎
14:30 ルミネッセンス / 山下達郎
14:34 マーマレイド・グッドバイ / 山下達郎
14:39 蒼氓 / 山下達郎
14:46 僕の中の少年 / 山下達郎

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