山下達郎さん サンデーソングブック 2013年11月10日『私家版 岩谷時子追悼 Part1』
長崎市内は日曜日の夜明け前に大雨警報が出るほどの激しい雨が降りました。
昨日の土曜日は晴れ。
毎週土曜日にJR九州のクルーズトレイン『ななつ星in 九州』が長崎駅に来ます。
上り方向へ出発した際、撮影しました。
隣に特急列車が並んでますが、特急列車は停車中で、その横を「ななつ星」が滑り抜けた瞬間を撮影しました。「ななつ星」の車体がキラキラしています。
今日のサンソン、「男の子女の子」が高音質で聴けるとは・・・感激。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
あ、そうだ。このブログ、来週は11/18(月)頃に更新します。
◎ 冒頭
達郎氏:
11月も中旬に入って参りました。
ここんとこ、ず~っと前倒しでやっておりましたがですね、久しぶりに直近でございます。
前に収録しましたのが、大宮の後、サンプラザの前ですね。
だから、台風が来るとか来ないとか大騒ぎした時ですが。
その後、中野サンプラザ、名古屋、神奈川横浜と6公演終わりまして、だいぶ調子が出て参りましたがですね。
ちょっと一昨日、酒のんじゃって(笑)
寝不足で声がちょっと、今日おかしい!
お聞き苦しいところあると思いますが、今日は何卒ご勘弁下さい。
それでも、だいぶ全体的に調子が出てきました。
声も、ライブでは調子が良くなってきまして。
そろそろライブレコーディングとかスタートして参ります。
今週は、本日ですね、まつもと市民芸術館。
いつも長野のライブは長野でやっておりますが、生まれて初めて松本でライブをします。
ここは、なかなかいいホールだと聞いております。
私は、だいたい先祖が信州なので。
楽しみでございます。
松本の方、お待ち申し上げております。
長野からいらっしゃる方もいらっしゃると思いますが。
今週は博多に参ります。
福岡サンパレス、木金ですね。
14,15と木金、サンパレス。
福岡の、博多の方、お待ち申し上げております。
長野から、博多へとツアーは進行致します。
頑張っていきたいと思います。
もう、20本を切りましてですね。
20本を切ると、あっという間でございます。
30本消化しております。
19本、残りでございます。
この後は、東京へ行って、北海道、北陸と・・
11月、だんだん寒くなって・・
頑張っていきたいと思いますが。
さて、番組のほうは、ずっとライブでございますのでですね、棚からひとつかみでやっておりますが。
今日も、棚つかで行こうと思ったんですが、作詞家の岩谷時子さんがお亡くなりになりました。
私は、日本の職業作詞家の中で一番好きなのは、岩谷時子さんでございます。
今日は予定を変更しまして、岩谷時子の特集をしたいと思います。
日本の職業作詞家を特集するのは初めてだと思いますがですね。
それほど僕は岩谷さんが好きなんで・・・
今日は、いつもでしたら論評めいたことで、いろいろ解説とか多めにやるんですが、そういうことは、なるべく止めにしてですね、一ファンとして岩谷時子を楽しみつつ、偉業を偲びたいと思います。
昭和歌謡の真髄を今日はお届けしたいと思います。
完全に個人的な特集でございますので、今日は頭にエクスキューズを付けまして、『私家版、岩谷時子追悼』と致しまして、今週来週と2週間お届けます。
Part1、Part2。
今日はそのPart1でございます。
岩谷時子さん、素晴らしい詩の世界をお楽しみ頂きたいと思います。
結構ベタな歌謡作品が出てきますが、そこはサンデーソングブックでざいます。
音質は最高でございます!
こんなにいい音で歌謡曲が聴ける番組は、私の番組しかございません!
今日は『私家版 岩谷時子追悼』
最高の音質でお届けを致します。
日曜日の午後のひととき、昭和歌謡をお楽しみ下さい。
先週、竹内まりやさんのYour Eyes、TBS系ドラマ日曜劇場『安堂ロイド』の主題歌で、出ておりますがですね。
これを先週、TVサイズかけましたら、地震情報がのってしまして。
なんで僕の番組って、いつもそうなんでしょうかね。
地震情報が載るんですよね。
そこで載ってしまいましたのでですね、今日もかけたいと思います(笑)
本日11月10日から、TBS系ドラマ日曜劇場『安堂ロイド』でオンエアされております、Your Eyes、着うたフルとフルサイズのPCシングルの配信をスタートしております。
♪ Your Eyes (TV Size)/竹内まりや
~ CM ~
♪ 愛の讃歌 /越路吹雪
◎『私家版 岩谷時子追悼』
達郎氏:
今日は、先日お亡くなりになりました岩谷時子さん、昭和歌謡を代表する作詞家でございますが。
岩谷さんの作品を偲びつつ、追悼特集でございます。
私、日本のそうした職業作詞家で、一人好きな人を挙げろと言いましたら、岩谷時子さん。
昔からそうですが。
ですので今日は、もうほんとに、あのぉ・・・
岩谷さんの作品をずっと聴きながらですね。
いつものような解説は、あんまりしないで、偲びたいと思います。
ですので今日は、全く個人的な特集でございますので『私家版 岩谷時子追悼』と題してお送りを致します。
大正5年のお生まれだそうで、97歳の天寿を全うされました。
岩谷時子さんと言いましたら、越路吹雪さん、そして加山雄三さん、この二代柱でございますが。
加山さん、来週、いってみたいと思います。
◎『愛の讃歌』
達郎氏:
まずは越路吹雪さんの『愛の讃歌』、エディット・ピアの。
これに岩谷さんが訳詩をつけたのが岩谷時子さんの作詞家としてのスタートであります。
1953年のファースト・レコーディング。
『愛の讃歌』越路吹雪版は5回レコーディングされたそうですが、それの一番最初です。
折よく昨年、越路吹雪さんのコロンビア時代のレコーディングが復刻されまして。
SPでございます。
ザーッという音ですが、これがファースト・レコーディングでございます。
後の、割と粘って歌う歌い方よりは、ちょっとサラッとしたですね、ファースト・レコーディングなんで、そういう感じが致します。
日本コロンビア版の『愛の讃歌』でした。
◎訳詞家として
達郎氏:
こうした、53年のレコーディングですが、まだロックンロールというものが出て来ませんのでですね。
日本のそうした特に歌唱音楽は、シャンソン、カンツォーネといったヨーロッパ音楽が中心でございました。
そうしたものの、カバーバージョンの訳詩をつけるというところから、岩谷さんの作詞家としてのキャリアがスタートしました。
そうした訳詞家、ほかにも漣健児(さざなみ けんじ)さん、いろんな方がいらっしゃいますが。
そうしたものでのヒットがたくさんございます。
そんなものから何曲か代表的なものを。
まずは、1960年 森山加代子さんのデビュー曲で、イタリアのMinaのカンツォーネでございますが、『月影のナポリ』という、大変有名な曲ですが。
続きまして、1964年、アダモの作品に訳詩を付けまして、日本で大変有名な曲です。
『サン・トワ・マミー 』
2曲続けてお聴きを頂きましょう。
♪ 月影のナポリ /森山加代子
♪ サン・トワ・マミー /越路吹雪
いずれも、洋楽のカバーでありますが。
この時代の岩谷時子さんの訳詞というのは、かなり大胆な意訳でございます。
原詩とぜんぜん違う内容で歌われて・・・
『愛の讃歌』なんかもそうなんですが。
そういう時代でありました。
洋楽を日本流に消化するという、そういう試みでございますが。
◎同世代を生きた人たち
達郎氏:
越路吹雪さんの歌を今聴きますとですね、これ今回の特集でですね、良く聴きますと、森光子さんに、すごく発音が似てるんですね。
すごくびっくりしましたが、3つくらい越路さんの方が歳下でありますけれどもね。
岩谷時子さんは森さんよりも4つくらい上でございますね。
みんな同世代を生きた人たちなので。
空気が似ています。
◎いよいよ日本の歌謡曲へ
達郎氏:
こうした訳詞の世界から、いよいよ日本の歌謡曲の作詞へ進んでいくわけであります。
初期の代表作を何曲かお聴きを頂きましょう。
1960年代初期、一番組んでいた人の一人が、作曲家の宮川泰さんです。
傑作がたくさんございますが、その中でも一番有名なものの一つ。
1963年、ザ・ピーナッツ『恋のバカンス』
♪ 恋のバカンス /ザ・ピーナッツ
◎宮川泰さん
達郎氏:
宮川泰さん、2006年に亡くなった時に特集したかったんですが、なんかバタバタして忙しくて全然できませんでしたので。
宮川泰さんは、もう最高の作曲家で。
編曲家としても素晴らしく優れてますが。
ライド・オン・タイムが出た時に宮川泰さんの新聞記事で褒めて頂いてですね、それがすごく力になりました。
こうした諸先輩方のですね・・・の上に成り立っているということを痛感させられますが。
このピーナツの歌のうまさ(笑)!
一発ですよ、これ!
信じられませんね。
◎夜明けのうた /岸洋子
達郎氏:
宮川泰さんと岩谷時子さんのコンビはたくさんヒット曲がありますが、同様にガッチリコンビを組んで、たくさんヒット曲が生まれましたが、”いずみたく”さんです。
“いずみたく”さんと岩谷時子さんの代表作、1964年、坂本九さんもヒットしましたが、私はこの岸洋子さんのバージョンが大好きでございます。
♪ 夜明けのうた /岸洋子
最近、2011年に椎名林檎さんが東京事変でカバーして、若い方はそれでご存知かもしれません。
そういえば、サン・トワ・マミーもですね、忌野清志郎さんが好んで歌ってらっしゃっいましたがですね。
我々の世代には、岩谷さんの詩というのは、非常に言葉が歌いやすい、それでいて耳にとっても残る言葉というかですね・・・
シンプルこの上ないんですけどね。
極端に言うと、ほとんど主張しない詩なんですが、それが曲と歌に乗っかることでですね、思いもかけない意味が生まれてくるという、そういう不思議な魅力を持った方です。
~ CM ~
◎園まりさん、ピンキーとキラーズ
達郎氏:
さて、60年代の高度成長期のですね、岩谷時子作品、また何曲かお聴きを頂きます。
また宮川泰さんの登場で、園まりさんのデビューヒット、1965年、大ヒットソングでございます。
園まりさんも歌が旨い人なので魅力たっぷりと・・
「逢いたくて 逢いたくて 」
そして”いずみたく”さんと岩谷さんが組んだ1968年の、これは200万売れた大ヒットでございますが、ピンキーとキラーズの、もう日本の歌謡界のスタンダードでございます「恋の季節」
2曲続けてどうぞ。
♪ 逢いたくて 逢いたくて /園まり
♪ 恋の季節 /ピンキーとキラーズ
園まりさん、1965年の「逢いたくて 逢いたくて」
これしかし宮川さん、いい曲だな、これ!
この、サビ
♪好きなのよ、好きなのよ(TATSURO Vo.& Guitar)
ここが・・・
♪~(TATSURO on Gui.)
今度、こんなコード進行しよう・・・
「恋の季節」今陽子さんの名曲でございます。
この時、16だか17ですかね、まだ高校生ですからね。
これ、ドラム、スタジオミュージシャンですね!
石川晶さんですかねこれ、たぶん。
結構ロケンロールな演奏・・・
ピンキーとキラーズ「恋の季節」でございました。
◎男の子女の子 /郷ひろみ
達郎氏:
70年代に入りましょう。
筒美京平さんとのコンビ、あまりにも有名な郷ひろみさんのデビュー曲「男の子女の子」
♪ 男の子女の子 /郷ひろみ
郷ひろみさん、1972年のデビューヒット「男の子女の子」
新御三家の時代でございますね。
女の人も、麻丘めぐみさん、この時のレコード大賞新人賞「芽ばえ」
アイドル全盛期・・・
◎ エンディング
達郎氏:
駆け足で来ましたが、今日はこのへんで。
『私家版 岩谷時子追悼』来週はPart2をお届けします。
けっこう珍しい、ベタなんですが。
私、岩谷時子さん、ハッと気がつくと、”あっ、この曲も、この曲も・・・」”
耳に引っかかったのが、全部岩谷時子さんだという、ある瞬間がありまして、20代で。
そっから岩谷時子、妙に追いかけて(笑)
とても2週間やそこらでは出来ないので、ベタなところでいくしかありません。
来週Part2は、岩谷時子さんにとって越路吹雪さんと並ぶもう一人の最重要パートナーであります弾厚作、加山雄三さんの作品を中心にお届けしたいと思います。
今日の最後なんですが、私はもちろん岩谷時子さんの作品をですね、歌った・・レコーディングしたことはありません。
接点、全くないんですが。
2回だけ、かすったことがあります。
1980年に東京FMの企画でですね、私のドラム、世良公則さんのベース、桑田佳祐さんのギター、それから竹内まりやのピアノ。
それでダディ竹千代、当時おとぼけキャッツというグループのリーダーでございましたが、ダディ竹千代こと、加治木剛のギター。
これによる”竹野屋セントラルヒーティング”というですね、でっち上げグループがありまして、ここで「恋のバカンス」やってます。
一人づつ、一節づつ歌っておりましてですね。
これ、時々かけますが。
これ、岩谷時子作詞、宮川泰作曲でございます。
これを今日は最後にお聴きを頂きましょう。
♪ 恋のバカンス/竹野屋セントラルヒーティング
今週のオンエア曲
14:05 Your Eyes (TV Size)/竹内まりや
14:07 愛の讃歌 /越路吹雪
14:12 月影のナポリ /森山加代子
14:15 サン・トワ・マミー /越路吹雪
14:20 恋のバカンス /ザ・ピーナッツ
14:23 夜明けのうた /岸洋子
14:32 逢いたくて 逢いたくて /園まり
14:36 恋の季節 /ピンキーとキラーズ
14:39 男の子女の子 /郷ひろみ
14:44 恋のバカンス/竹野屋セントラルヒーティング
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