山下達郎さん サンデーソングブック 2017年9月24日『グレン・キャンベル追悼特集』

山下達郎さん サンデーソングブック 2017年9月24日『グレン・キャンベル追悼特集』

長崎もじわじわと秋の気配が深くなりつつあります。

今日のサンソン、グレン・キャンベルの追悼特集。
70年代の歌しか知りませんが、哀愁のある歌声です。
番組最後にかかった遺作の「アディオス」
達郎さんの訳詞をみながら聴くと、胸がいっぱいになります。

ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

◎ 冒頭

達郎氏:

9月最後の日曜日でございます。

9月は4週間。
今週が終わりますと来週は10月1日でございます。
もうあっという間に(笑)

ジワジワと秋でございまして。
東京は、なんか雨が降ったかと思うと、また暑くなりまして。
寒暖の差が、あいかわらず激しいのですが。

でも、9月の終わりなのに、まだ暑さがですね、残っております。
なかなか・・・
金曜日あたり、雨降りまして、なんか強い雨で・・

変な陽気でございますが。
もうちょっと、なんかこう・・カキっとなって欲しい、私の好きな秋。

先週の日曜日は、千葉の袖ヶ浦海浜公園で「氣志團万博」出て参りました。
おかげさまで、雨すごかったんですけど、私が出る時に、運良く雨が小ぶりになりまして。

38分の演奏時間でしたけれども、飛ばして(笑)
飛ばして行きまして(笑)
お出で頂きましたお客様、ありがとうございます。

たくさん、お便り頂きましたが。
来週あたりご紹介しようかなと、思っております。

来週は、いよいよ新シーズンでございまして。
新年度でございます。

ここんとこ、ずーっと申し上げておりますけども。
このサンデーソングブック、来週の10月1日で、めでたく満25周年を迎えます。

これから、1年間、25周年・・なんか企画をしようかなと計画しておりますが。

とりあえず今年度最後の、24周年最後の(笑)、サンデーソングブック、1302回目でございます。

ここんとこ、申し上げておりますけれども、グレン・キャンベルが亡くなりました。
8月4日でございますが、享年81才。

アメリカを代表する、60年代、70年代はですね、いわゆるポップカントリーというジャンルで一世を風靡いたしました。
たいへんに歌も上手いですし、ギターもたいへんなテクニシャンでございます。

日本はカントリーがあんまり盛んではないので・・
どなたでもご存知というわけではありませんけども。

60年代から70年代の洋楽を聞いてる、、TOP40を聞いてる者でしたら知らない者はいない・・・
ポップカントリーの大物でございます。
すばらしい歌声とすばらしいギターのテクニックで、我々楽しませてくれました。

享年81才

今日は『グレン・キャンベルの追悼特集』でございます。
と申しましてもキャリアが長いですし、何十枚もアルバム出しておりますし、ヒット曲も星の数ほどございますのでですね(笑)

もうほんと舐めるだけです(笑)

でも、日本でグレン・キャンベルの特集する番組、今の日本では、ほとんどございません。
「気は心」という感じでございます。

日曜日の午後のひととき、今日はグレン・キャンベルのすばらしい楽曲、すばらしい歌声でお楽しみをいただきたいと思います。

本日も最高の選曲と最高の音質でお届けを致します山下達郎サンデーソングブック。

昨日、9月23日に映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』封切りとなりました。
映画の方も是非よろしくお願いいたします。

私のこれのシングル、主題歌「REBORN」でございますが。
先行で9月13日に発売になっております。
おかげさまでご高評を頂いております。

この番組では、ずっと申し上げておりますけれども。
映画の中で門脇麦さん、セリというシンガーの役で歌うバージョン。
それから林遣都さんがストリート・ミュージシャンで・・
ストリート・ミュージシャンが作ったという想定でございますけれども。

この林遣都さんが、ハーモニカで演奏するハーモニカ・バージョン。
これが収録した、私のシングル、サウンド・トラック・シングルでございますが。

それにプラスして山下達郎仕様の方で、今年のライブから「ターナーの汽罐車」そして「DRIP DROP」、昨年の10月の新宿ロフトのライブ音源を収録しましてですね。

多岐なシングルになっております。

おかげさまでご高評頂いております。
今週もお聴きを頂きます。

♪ REBORN/山下達郎

~ CM ~

◎Turn Around, Look At Me/Glen Campbell 

♪ Turn Around, Look At Me/Glen Campbell

達郎氏:

グレン・キャンベル、1936年生まれ。
アーカンソーですから南部の人ですね。

36年といいますから、エルビスの1個下ですから。
ロカビリー世代でございますが。
でも南部ですのでカントリー・ミュージックを中心に習得したといいましょうか。

で、60年代のあたまにですねロサンゼルスに出て参りましてスタジオミュージシャンの仕事をします。

かなりの腕利きのギタリストでありまして。
歌も歌えるという。
ですので、バックグラウンドボーカルなんかも出来ますし、重宝されるというですね。

当時のLAのスタジオミュージシャンの5本の指に入るくらいの上手いギタリストでございました。
たくさん仕事をしておりますが。

でもまあ、そんな中で歌手になりたいなという。
キャリアがありましたので歌手になりたいなと・・

いろんなところでレコーディングしまして。
そんな中からですね1961年、最初のヒット曲が生まれます。

全米62位まで上がりましたのが、今お聴きをいただきました「Turn Around, Look At Me」

君の後ろを歩いてる
僕に 振り返っておくれ

そういう歌でございます。

◎Gentle On My Mind/Glen Campbell

達郎氏:

なかなか、鳴かず飛ばずで、ずーっとスタジオミュージシャン続けておりましたけれども。
1967年に待望のヒットが出まして、それから順風満帆になってまいります。

プロデューサーでアレンジャーのアルデローリーと組みまして、キャピトルから出しました、この1曲が全米62位とスマッシュ・ヒットですけどもカントリーチャートでかなり上がりまして、その後68年に再チャートインしまして、今度は39位というですね・・・

このへんから、だんだんグレン・キャンベルが有名になってまいります。

すばらしい演奏と、すばらしい歌
1967年の「Gentle On My Mind」

♪ Gentle On My Mind/Glen Campbell

この曲、僕が高校1年のとき、FENで毎晩深夜にかかっておりましてですね。
この曲を聞くと、その頃の中間テストとかですね、そういうものを思い出してしまいますけれども。

◎By The Time I Get To Phoenix/Glen Campbell

達郎氏:

同じ年にですね、この次にヒットしました、このシングルがグレン・キャンベルの名声をぐっと上げることになります。

このときにコンビを組みましたジミー・ウェッブ。
ソングライターのジミー・ウェッブとコンビを組みまして放ちましたこの曲は1967年の最優秀楽曲賞、それからグレン・キャンベル自身は男性ボーカル賞。

それからアルバム賞も受賞いたします。

1967年、シングルとしては26位というスマッシュ・ヒットだったんですけども、見事にグラミー・ソング・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。

♪ By The Time I Get To Phoenix/Glen Campbell

◎Wichita Lineman/Glen Campbell

達郎氏:

この時代のグレン・キャンベルを聴くということは、ジミー・ウェッブの作品を聴くということとイコールでありました。

ジミー・ウェッブの最全盛期とグレン・キャンベルの、そうした歌唱力が相まって大ヒットが生まれてまいります。
1968年、全米3位にしてミリオン・セラー
代表作「Wichita Lineman」

♪ Wichita Lineman/Glen Campbell

Lineman・・電話線の保守をしている人の歌でございますけれども。

とっても、なんて言いましょうかね・・
哀愁に満ちた歌でございます。
孤独な・・・電話線の・・一人でですね車を走って、そうした回線チェックをする。
電話線の保守をする・・・歌でありまして。

独特の哀愁がありますが。

◎Galveston/Glen Campbell 

達郎氏:

キャピトルでスターになりますと、たいへんでありまして。
67年にはアルバム3枚
68年には4枚

69年になりますと、ライブを含めて5枚を出しておりまして。
ビーチボーイズみたいに、やっぱり、どんどん、どんどん出さされるんですね。
キャピトルはおすいう会社でございますけれども。

お次の曲は、年明けて69年、これ全米4位で、これもミリオン・セラーになりました。

今度はガルベストンというテキサス南部のですね島内都市と言いましょうか、そこを題材にした「ガルベストン」

♪ Galveston/Glen Campbell

”まだ海風が吹いているのが 耳に残っている
彼女の黒い目が 輝いているのが 目に浮かぶ
僕がガルベストンを出た時は
彼女は21才だった

彼女が 海辺に立っているのが 目に浮かぶ
海を見ながら立っているのが

僕のことを まだ待っていてくれるのだろうか
昔よく走った浜で”

~ CM ~

◎来週 

達郎氏:

もう1週やんないとダメかなぁ・・
やっぱりグレン・キャンベルのギターだけのインストとかですね。
そういうのもかけたいなと。

来週、ちょっと無理ですけど。
来週は新年度なので。

ちょっと研究してみたいと思います。
勉強させて頂きます。

◎リスナーからのお便り(北九州市のO.Sさん) 

『秋ですね。
今日の夕食は秋刀魚です。
大根おろしにかぼすをかけて食べます。

今日の秋刀魚は特売で朝早くにスーパーに行って買って、一尾108円でしたが、いつもだったら200円近くするので、秋刀魚も最近高くなったので毎日のメニューがたいへんです。
野菜も高くて。』

達郎氏:

確かに、秋刀魚高いです。
私も先週、秋刀魚頂きましたが。
昔はほんとに秋刀魚・・

だんだん高級魚になりつつあります。
えぇ・・どうなるでしょう。

◎Where’s The Playground Susie/Glen Campbell 

達郎氏:

これ僕、大好きな曲であります。
これもジミー・ウェッブの作品ですが。

ジミー・ウェッブは、ほんとに、いわゆるブロークン・ラブ・ソングと言いましょうかですね、恋が成就しない、そういう歌がたいへんに多い。

特にこの時代はそうなんで・・
それが高校生だった自分には強烈にアピールしまして。

この曲、その中でもすごく好きな1曲でありまして。
「Where’s The Playground Susie」という曲で。

”とうとう おしまいだ
僕達は、これまで、そこらじゅうに散らかったおもちゃ
答えの見つからなかったパズル
ダーリン あれは何のゲームだったんだい?

今僕らは砂場にいるけれど
遊園地はどこにあるんだろうスージー
君ならよく知ってるはずだと思うんだけどな

遊園地はどこなんだい?スージー
僕がいなくても大丈夫かい?

回転木馬は ここでおしまい
一度か二度回って 僕らはここで降りるんだよ

ところで まだ君は 今ひとつ僕を怪しんでるね
でも 僕なしで君が乗れるメリーゴーラウンドはないよ
僕が手を貸しているから
君一人じゃ 無理だろうな

遊園地はどこなんだい?スージー
僕がいなくても大丈夫かい?”

♪ Where’s The Playground Susie

◎True Grit/Glen Campbell 

達郎氏:

映画に出演します、1969年のことですけども。
「True Grit」勇気ある追跡という。
ジョン・ウェイン主演の映画に出ます。

この主題歌を歌いました。
全米35位というヒット曲になりました。

♪ True Grit/Glen Campbell

◎Try A Little Kindness/Glen Campbell

達郎氏:

これに続くヒット。
同じく1969年
でも、ほんとに、あのぉ・・
丁寧な歌い方をする人ですね。
ギターも丁寧な弾き方をする人ですけども。

♪ Try A Little Kindness/Glen Campbell

◎Adios/Glen Campbell

達郎氏:

このあとはだんだん、カントリー系のものとリズム・アンド・ブルース系のものが分かれてきますので。

日本では、ほんとに、だんだんカントリー系のものが入ってこなくなって・・70年代でありますけれども。
アメリカでは変わらず、人気が出ておりますが。

今日はもうほんとに、60年代で終わりでございますが(笑)
「It’s Only Make Believe」まで行きませんでしたが。

あとはボビー・ジェントリーの「All I Have To Do Is Dream」とかですね、あと「Honey Come Back」かけられませんでしたね(笑)

もう1週やりましょうかね。

グレン・キャンベルは2010年超える頃にアルツハイマーと診断されまして。
それから長い闘病生活を・・
でも、その間にも作品を出し続けるという。
活発な活動をしました。

2011年に「Ghost on the Canvas」という、これが遺作になるだろうと思われていたのが、何と今年ですね、最後のアルバムを出しまして。

昨年にレコーディングしたというアルバムですけれども。
でも、ほんとにすばらしい歌を聴かせてくれます。

「Adios」というタイトルで、これのアルバムの最後に入っている曲を最後におかけしましょう。

言うまでもなくジミー・ウェッブの作品でございます。

「Adios」
これが一番最後だという、何ともですね・・

”家を出たのが17のとき
カリフォルニアの海辺の街で 君と暮らすため

バーで毎晩マルガリータを飲んだ
カリフォルニアの海辺の街
別に後悔はしていないさ

陰気な顔をやめよう
アディオス アディオス
僕達は結局うまくいかなかったよ
でも、いい線いってたよな

アディオス”

別れの歌でありますけれど。

というわけで、最近チャック・ベリーにしろグレン・キャンベルにしろ、遺作を出して、旅立つというですね・・

すごい人生で、いいなぁ。
僕も・・たいなって思う今日このごろであります(笑)

グレン・キャンベル 
心より冥福お祈りします。

今年出しました遺作「Adios」からタイトルソング「Adios」
グレン・キャンベル。

♪ Adios/Glen Campbell

今週のオンエア曲

14:06 REBORN/山下達郎
14:12 Turn Around, Look At Me/Glen Campbell
14:17 Gentle On My Mind/Glen Campbell
14:21 By The Time I Get To Phoenix/Glen Campbell
14:25 Wichita Lineman/Glen Campbell
14:29 Galveston/Glen Campbell
14:36 Where’s The Playground Susie/Glen Campbell
14:39 True Grit/Glen Campbell
14:43 Try A Little Kindness/Glen Campbell
14:47 Adios/Glen Campbell

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