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山下達郎さん サンデーソングブック 2020年06月21日『服部克久さん追悼 with 山下家』(#1445)

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山下達郎さん サンデーソングブック 2020年06月21日『服部克久さん追悼 with 山下家』(#1445)

長崎市内、気温は高くなりましたが、カラッとして気持ちの良い一日でした。

今日のサンソン、服部先生のストリングスを意識して聴くことができました!
アレンジャーってすごいですね!

ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

◎ 冒頭

達郎氏:

2か月半ぶりにスタジオへ戻って参りました。

4スタでございますけれども・・・
東京FM8階の、4スタでございますが・・

久しぶりでございます(笑)
隠遁生活からシャバへ帰ってきたというですね(笑)

調子がでません(笑)

こういう状況でございますので、申し上げたいことが、毎週毎週、山のようにありましてですね。

でも、頭で、そんなに、いつまでしゃべってもしょうがないという・・
ものなんですが。

えぇ・・制限が解除になりました。
自粛制限が解除になりました。

昨日、一昨日あたりのニュースをみておりますと。
居酒屋さんでありますとかですね・・
それからライブハウスはお客が10人。

ソーシャルディスタンス守ると、10人しか入らないという(笑)

ホテル、温泉旅館、それから漫才のライブ、野球というですね・・
各方面で、恐る恐る、自粛解除という感じで、ありますが。

それでもですね、現場の人々は皆、一所懸命であります。

お客さんは、みんな明るいですね。

だからといって、決して野放図じゃないという。
市井の人々の健全さというのをですね、痛感いたします。

我々の音楽関係もですね、がんばらなくてはと、気持ちを新たにいたしますが。

自粛解除になったとはいいますもののですね。
油断は禁物でございまして。

ブラジルなんかは、感染者が100万と超えたという・・
そういうようなものも、ありますので。

世界的には、まだまだですね、感染拡大しているという、状況ですので。

日本もくれぐれも皆さん、引き続き感染拡大には、お気をつけくださいませ。

で、私、スタジオにに戻ってきまして・・
あいかわらず、たくさんお便りも頂いております。

今日は夏至でございます。

夏至で父の日という・・
イギリスでは6月21日というのは、一年中で最も昼の長い日として知られておりますけども。

パリでは、最も短い夜と考えられている日でございます(笑)

スタジオに戻って参りましてですね、どうしようかという・・
ずーっと、ここの2月半ですね、ひたすらライブ・ソースでお届けしてまいりましたが。

ちょっと今日は、スタジオに戻ってきましたので。
音の問題とかですね、いろいろ構成の問題とか・・
スタッフ4人ですね、もう1回、確認をしておりますので。

ちょっと様子見でございます。

今日は、ライブソースをちょっとお休みにしまして。
だからといって、棚からひとつかみという感じでもないので。

先週、私申し上げましたけれども。
服部克久さんが、お亡くなりになりまして・・
近いうちに、特集をさせていただくと、申し上げたんですけど。

この「近いうちに」という私のセリフがですね、なかなか信用できないという・・
口ばっかりで・・そういうアレなので。

それで、メディアを拝見しますと、あまり服部さんのですね、そういうところに触れるメディアがありませんので。

それでは、私、気が早いんですけれども、服部克久さんの追悼プログラムをですね、本日はやらせていただこうと思います。

私、山下達郎と、それから竹内まりやさんと、この二人のやつで55分十分に埋まりますので。
それでも55分足りないので。

今日はですね、『服部克久さん追悼 with 山下家』

私と竹内まりやの作品で、服部克久さんにお願いしてるものですね、色々とですね、ピックアップして、今日はお聴きををいただきたいと思います。

相変わらず、お便りたくさん頂いておりますのでですね。
そちらの方も、はさみつつ・・・

久しぶりのスタジオでございます(笑)

梅雨ですが、なんか変な梅雨でございます。

関東はずっと雨がちなんですけれども・・・
沖縄は、梅雨明けと言ってるのに、雨が降っておりましてですね。

不思議なところでございますけれども。

でも、こうしたウイルス騒ぎとは別に、夏は少しずつ近づいてくるという・・
今年は海水浴場がですね、中止のところが多いという・・
色々なことがありますけど。

そういうことを申し上げておりますと、まったくもう・・時間が足りませんので(笑)

といううわけで日曜日の午後のひととき、本日久しぶりにスタジオに戻って、サンデーソングブックお届けします。

『服部克久さん追悼 with 山下家』

銘打ちまして、今日はお届けします。
服部さんの素晴らしいオーケストレーションをご堪能いただければと思います。

~ CM ~

◎ けんかをやめて 

♪ けんかをやめて/竹内まりや

達郎氏:

人生で特に、アレンジメントはですね6万曲に及ぶという・・・
そういう方なので。
そんな55分で何もできませんので。

私と竹内まりやさんの関係した作品に特化してですね、今日はお届けをしたいと思います。

人それぞれ、服部さんの思い出は、たくさんあると思いますけれども。
私の、そした作品と、それから色々とですね、お付き合いさせて頂いた思い出挟みながら今日は・・・

服部さんと私たちが、ご一緒させて頂いたお仕事ですね、偲んでみたいと思っております。

私にとって、先生と呼ぶ方は、数人しか人生でおりません。
自分の子供の学校の先生は別にしましたですね。

服部さんは、そして数少ない先生とお呼びする方でございまして。

これから服部先生とお呼びしようと思いますが。

先週も申し上げましたけれども。
私が、初めて服部先生と仕事をさせて頂いたのは1978年、ただいま、お聴きを頂いております竹内まりやのアルバム「リクエスト」のストリングス・アレンジをお願い致しました。

一番最初のセッションが、この「けんかをやめて」でございました。

以来、33年・・
色々な形で助けていただきました。

それのとっかかりでございます。

色々と、お話をしていきたいと思いますけれども。

服部先生のですね、僕と竹内まりやの作品に関しましては、普通はこうしたポピュラー・ミュージックのストリングス編成ってのは6422と言いまして・・

ファースト・バイオリン 6人
セカンド・バイオリン 4人
ビオラ、チェロが、それぞれ2人、という・・

6422という、これが一般的なんですけれど、日本では。

彼の場合には、それよりも大編成で、ストリングスをレコーディングします。
あくまで我々の場合だけですけれども。

他は知りません。

ですので、非常にゴージャスな響きになります。
この「けんかをやめて」なんか典型的でありますけれども。

「けんかをやめて」のレコーディングで、もう1曲レコーディングしましたのが、「駅」でありまして。
これも1987年のアルバム「リクエスト」に収めました。
こちらの方が、ストリングスが途中から出てきますので、そこの、さわりをお聴きいただきつつ。

◎ 駅

♪ 駅/竹内まりや

達郎氏:

この曲で一番覚えてるのは、間奏がですね、はじめ服部先生がおこしになられた間奏はですね、メロディーをなぞる形だったんですけど。

現場で服部先生が、メロディじゃなくてなんか違うフレーズに・・・
15分ぐらいちょうだいって。

15分で、この間奏、書かれまして(笑)
それが、すごくよく記憶に残っております。

◎ 服部克久さん 

達郎氏:

服部克久さん、1936年、昭和11年のお生まれであります。

皆さま、よくご承知の通り、お父様が服部良一さんでございます。
高校を卒業しまして、パリの国立音楽院コンセルヴァトワール、そこに留学なさいました。

1958年に卒業されて、日本に戻って参りました。
時あたかもですね、テレビの勃興期でございます。

そっからテレビの中でのですね、色々と音楽に関わっていくんですけれども。

当時は、もう歌謡曲全盛でありまして。
いわゆる歌謡作曲家という人たちなんです・・
歌謡曲のヒット曲たくさん出してたんですけども。

絶対的な編曲家不足でありまして。

特にですね、服部先生がですね、クラシックなアカデミックな編曲をする方って、とても少なかったんですけども。

でもクラシックはクラシックのヘゲモニーってのがありまして。
クラシックのアカデミズムと、それからポピュラーミュージックの、そうしたものとです橋渡しと言いましょうか・・・

そういうところで、服部先生というのは、すごく重要な役割を果たされまして。

ですので、作曲家であるとか、編曲家であるとか、色々と呼び名はありますけれども。

あの時代、服部先生がですね、日本の特にポピュラー・ミュージックの、おしゃれなですね、モダニズムとか・・そういうようなものに貢献された業績というのは、本当に大きなものがあります。

我々は、遅れてきた世代ですので。
中学高校の頃は、それこそサウンド・イン・Sとかですね、そういうようなミュージック・フェアとか、そういうようなものの、本当にきれいな、あのストリングスと、それからオーケストレーション、聴こえてました。

それが、服部先生でありまして。

いつか、そういうのも願いしようと思っておりました80年代に、まりやのアルバムでお願いすることになります。

で、味をしめまして。

本来は、ストリングス・アレンジだけっていうのは、ほとんどですね、やってくださらないんですけども。
本当に、良い時期でありまして。

1989年、竹内まりやのシングル「シングル・アゲイン」
これのストリングスお願いしまして。

専門的なことになりますけども、例えばハーモニックスとかですね、それからストリングスのディレイでフィードバックかけるとか・・

そういう指示を、なさるというな、そういうコンテンポラリなアプローチにすごく熱心でありまして。

メカ好きなんですよね!
携帯電話も、とにかく出たらすぐ買う・・・
そういうメカがものすごく、お好きで。

あと強い!

そういうような、ことですね・・
やっぱりそういう音楽家としてのスタンスにも、よく出ておられます。

♪ シングル・アゲイン/竹内まりや

◎ すてきなホリデイ/竹内まりや 

達郎氏:

まりやの場合は、2001年のアルバム「ボナペティ」というのがありますが。
この中に入っておりますクリスマス・ソング「すてきなホリデイ」という・・

ケンタッキーのですね、クリスマス・キャンペーンで作られた曲ですけれども。

これを全面的にオーケストレーションをお願いしまして。

せっかく服部先生の追悼なので、服部先生が全部なさったやつをですね、お聴き頂ければと思います。
竹内まりや2001年のアルバム「ボナペティ」から「すてきなホリデイ」
おなじみでございます。

夏にクリスマス!

♪ すてきなホリデイ/竹内まりや

01年のすてきなホリデイ音を頂いておりますが。

とにかく服部先生の編曲はですね、ラインがきれいなんですね!
美しいライン!

この番組で、昔からよく申し上げておりますけれども。
例えば、いいなと思う、例えばドラマーが全部ハル・ブレインだったとかですね。

そういうようなのと同じで。
聴いて、このアレンジは、とか・・
このグロッケンの音がとか・・

そういうの全部服部先生だったというのが、僕の中高のときのですね、そういう記憶とともに、なりますので。

先ほどの「シングル・アゲイン」のライン、「駅」のライン のメロディーラインが美しいんですけれども。
それはまさに作曲家のセンスがあるアレンジメントなので。

◎最後のタンゴ 

♪ 最後のタンゴ/竹内まりや

達郎氏:

スタジオ・ミュージック全盛の時代に生きた方なので。

スコアを拝見してますとですね、例えばストリングスのアレンジもですね、ビオラから妙なところでチェロに交代するんですね。

「先生、これやるとダイナミックス変わりませんか?」

「うーん、これの方がね、弾きやすいんだよ。」

「でもこれ音が、音量変わるでしょう?」

「音量変わったら、フィーダで直せばいいんだもん」

そういう短時間で仕上げるという合理性をですね、それをいかんなく、そういうところで、一言一言、出てくるんですが(笑)

そういうような想い出がたくさんありますが(笑)

♪ ボーイ・ハント(Live /’04.11.29 オーチャードホール)/竹内まりや

~ CM ~

◎Smoke Gets In Your Eyes 

達郎氏:

80年代の相性があまりにもよかったので。
これは、ストリングスだけでは、もったいないと。

フル・オーケストラでお願いしようと。

で、思いつきましたのが、クリスマス・アルバムでございまして。
1993年に出しました「シーズンズ・グリーティングス」

このなかで、スタンダード・ナンバーをですね、服部先生にお願いしまして。
何曲かレコーディングいたしました。

そのとき、いろいろとお願いをしまして。

なにしろ、私、フランス近代が好きなので。
ラヴェル、ドビュッシーが好きなので。

フランス近代で(笑)

それで、当時はですね、服部先生は、ほんとに忙しくて。

服部家の家訓というのがありまして。
「来た仕事は、断るな」

ですので、殺人的なスケジュールで・・
ですので、そうなりますと行列を作ってる状態なので。

服部先生のご自宅にですね、押しかけまして。

私だけのために時間をください!!
ふふふふ(笑)

それで、しょーがねーなと(笑)
4日、5日・・・
打ち合わせをさせて頂きまして。

で、それで最初にですねレコーディングしましたのが、「Smoke Gets In Your Eyes」

そのレコーディングの・・あれ一発録りですので。
当然、歌も仮歌ですけれども、入れなきゃなんないので。

それで、一番最初に始めるときにですね・・

服部先生が一言、おっしゃったのが・・
「お前の好きなフランス近代にしてやったぞ」
って(笑)

イントロが、ビオラとチェロの掛け合いで始まるというですね・・
こーれ、非常にですね・・
すごい(笑)

今日はライブ・バージョンでお聴きをいただきます。

♪ Smoke Gets In Your Eyes(Live /’19.01.18 新宿LOFT)/山下達郎

◎ある日・・ 

達郎氏:

ある日、ある楽器のダビングで、いつも呼ぶ方がですね、風邪ひいて来られなくなりまして。

若いミュージシャンが来たんですね。
女性の。

その方がですね、
「先生、これは、こうですか? これは、こうですか?」

そういうアレをしてると、だんだんと機嫌よくなくて(笑)

「パッとやって、パッと出来なきゃ、ダメだ!」っていうわけですね。

だんだんと機嫌悪くなってきて(笑)
私、横にいてですね、

その後の一言が、すごく印象に残ってるんですけどね・・

「勉強は、学校でやれ!」

やっぱり、その・・パッと座って、パッとできないとダメだと。
すごくそういうところはですね、シビアな方でありまして。

考えさせられました。

♪ ずっと一緒さ(おうちカラオケ Take Out)/山下達郎

今週のオンエア曲

14:06 けんかをやめて/竹内まりや
14:11 駅/竹内まりや
14:17 シングル・アゲイン/竹内まりや
14:21 すてきなホリデイ/竹内まりや
14:24 最後のタンゴ/竹内まりや
14:30 ボーイ・ハント(Live /’04.11.29 オーチャードホール)/竹内まりや
14:38 Smoke Gets In Your Eyes(Live /’19.01.18 新宿LOFT)/山下達郎
14:44 ずっと一緒さ(おうちカラオケ Take Out)/山下達郎

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コメント

  1. SMO より:

    こんにちは。はじめまして。
    以前からちょくちょくオンエアの復習や、聴けなかった時期の内容を読ませていただいていました。今日まで見落としていてびっくりしたのが、同じ九州の方だということです。今頃気が付いてすみません(笑)私は宮崎県です。豪雨にはくれぐれもご注意ください。
    今日のオンエアまで、ライヴ特集の連続で、実はオールディーズにそれほど愛のない自分には夢のような3か月でした。毎回「My sugar babe」のライヴバージョンをリクエストしていたのですが撃沈でした(笑)好きな曲の中で唯一ライヴ音源を持っていないものなので期待していましたが、やはり厳しいですね。
    それではまたのぞかせていただきます。失礼します。

  2. 9thNUTS より:

    SMO さん、コメントありがとうございます。
    管理人の9thNUTSです。

    私も九州(長崎県、長崎市)に住んでおります。
    九州地方は毎年毎年、大雨で被害が出ているので、「大雨」ときくと心配してしまいます。
    番組へのリクエストハガキですが、採用されるのはほんとに難しそうですね!
    かくいう私・・・まだリクエストハガキを書いたことがございません!
    このブログを書いてると、すでに「ハガキ書いたつもり」になってます(笑)

    これからも、お時間あるときにブログにお立ち寄りください。
    よろしくお願い申し上げます。