山下達郎さん サンデーソングブック 2011年06月12日『棚から一つかみ』
長崎は、明け方から大雨洪水警報が出され、一日中激しい雨が降っています。
今日のサンソンで今年のライブツアーは大規模にやると言われてましたが、果たして九州地方は如何に?
そして、ライブハウスツアーは、どのように?
7月の告知待ちです。
このブログでは、山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
もう、あの震災から3カ月が経ちました。
まだまだ、避難所で不自由な生活してらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますが、少しづつ復興に向けて動き出したというところもありますし、行政が追い付かなくて、なかなか赤十字の義援金も思う様に届いてないという。
いろいろなところで、いびつな事がありますが。
現場のお役所仕事といいますが・・・一生懸命やってる方が沢山いらっしゃいます。
一刻も早く・・・
各方面のですね、支援の手が的確に、迅速に、差し伸べられることを陰ながらお祈りしつつ、今日も番組をやらあせて頂きます。
私はニューアルバム、8月10日に発売になることが決定いたしました。
『Ray of hope』希望の光というタイトルの一枚でございます。
いよいよ今週からミックスダウンでございます。
大詰めに入って参りました。
来週はマスタリング
うまく運べばいいんですが。
昨年の9月に発売の予定がですね、ツアーが迫ってしまいまして、期日までできない。
だいたい私はですね、一日あれば一日、ひと月あればひと月、10年あれば10年、最後の一分一秒まで、あがくという悪い性格でございまして。
あがいたからといって、それが、あがけば、あがく程良くなるというモノでもないんですが。
判っていても、止められないという因果な性格でございます。
相変わらず、あがいておりますが、それでも、いよいよミックスダウン、あと数曲残すのみになって参りました。
えぇ・・・来週、うぅ・・・・
さ来週ですね、”工場行きました”と報告できれば、8月10日めでたく発売という事になります。
6年ぶりのアルバムになりますので、各方面の皆様からお便りを頂いております。
ありがとうございます。
えぇ・・・ご紹介しつつ
んな訳で、ほんとのクライマックスでございますので、スタジオに缶詰でございます。
番組の方は、そういう訳で、ここ数週間、ずーっとレギュラープログラムでお届けしております。
皆様から頂いたお便りに助けられつつ、山下達郎のレコード棚からアトランダムに今日はいろいろとお聴きを頂きます。
徳島県鳴門市の超常連、K.Aさん。
『アルバム発売決定、おめでとうございます。
嬉しくてすぐに手帳に書き込みました。
アマゾンで予約もしました。
夏は苦手ですので、今年は楽しみながら待てそうです。』
茅ヶ崎市の超常連K.Nさんは新星堂の予約券を貼っ付けて下さいました。
ありがとうございます。
たくさん、そういうお便りを、頂きます。
頑張って、完成に向けて、もうひと頑張りしたいと思っております。
雨の季節になっておりました。
早い梅雨入り、早い梅雨明けのようでございます。
南の方は、大雨がまた激しいようで。
東京も降ったり、晴れたり、降ったり、晴れたり
なかなか蒸し暑い毎日でございます。
夜半にぐっと冷え込むような時もありますので、寒暖の差が激しい季節の変わり目でございます。
風邪等、皆さんお体にくれぐれもお気を付け下さい。
今日も日曜日の午後のひと時、素敵なオールディーズソングでお楽しみを頂きます。
山下達郎ジャックスカード、サンデーソングブック
本日もレギュラープログラム「棚から一つかみ」
今日も最高の選曲と最高の音質でお届けを致します。
雨の季節なので、来週は、そういう訳で山下家の雨のリクエスト特集なんてのを計画しておりますが。
たいして数は無いものの全部はかけられませんので、少し前倒しで。
今日はこの曲を。
金沢市のH.Yさん。
『夫と無農薬の米作りをしています。
田植えを終えて、今朝は恵みの雨』
きれいな字のお便りでございます。
苫小牧市のS.Y君、15歳
『6月の1,2,3定期テストのため、あまり長々と書けません。というか勉強しないといけないので書けません』
一生懸命、勉強して下さい。
この季節の雨の曲。
もともとは1978年の私のアルバム「GO AHEAD!」に収録されていましたが、2000年代に入りましてから映画の主題歌として使われましたので、歌い直してリミックス致しまして、2003年にシングルカット致しました。
その後2005年の私のアルバム「SONORITE」に収録しました。
ちょいと、変わり種の私の曲です。
ファンの皆様には、お馴染
今日の最初は、「2000トンの雨」
◎ リスナーからのお便り(豊橋市のN.Yさん)
達郎氏:
毎週下さいます。ありがとうございます。
『水田に稲苗の緑色が鮮やかに写っています。
この時期の、もうひとつの楽しみは、夜の蛍鑑賞です。
川面の灯りは、まるで天の川のようです。』
達郎氏:
えぇ・・・いい・・場所ですね。
東京では、とても、椿山荘かなんか行ってホタル狩り見るくらいしか能がありません。
そんな蛍が天の川になってるようなところ、一回見てみたいものです。
また下さい。
◎ リスナーからのお便り(愛知県岡崎市のK.Yさん)
達郎氏:
この方10代の頃から、ずーっと長いことですね、番組にお便り下さっております。
だいぶ成長して、大人になられました。
『私が務めている小学校で5月31日、運動会がありました。
私は中学年の旗振りのリズムダンスの指揮をしました。
達郎さんのIBMのCMで入場し…』
達郎氏:
私のCM全集からやったんですね、すごい!(笑)
『まりやさんの”毎日がスペシャル”とキンキキッズの”ジェットコースター・ロマンス”でリズムダンスをし、達郎さんの”ザウス湾岸スキーヤー”で退場しました。
ターコイス、イエロー、オレンジの旗が風になびいて、とても綺麗でした。
ダンスは好評で、子供たちも曲を気に入っていました。
うまくいったので、とても嬉しかったので、御報告させて頂きます。』
恐ろしいお便りですね!
えぇ、洗脳に近いという(笑)
どんどん、やって下さい!
引き続き宜しくお願い申し上げます(笑)
◎ 高額物件のレコード
達郎氏:
先週、高額物件のレコードの話をしまして。
2千ポンドだの、3千ポンドだの、そういうようなお話を、あせて頂きましたがですね、そしたらこんなお便りが来ました。
岩手県北上市のT.Sさん
『今まで購入されたレコードの中で一番高額の物は、どなたの何と言う曲で、お値段はいくらのレコードでしたでしょうか。
奥様にバレるとヤバイ金額のものを購入した事はありますでしょうか。
教えてください。
ゴスペル特集、とてもよかったです。』
達郎氏:
北上市は、いかがでしたでしょうかね。
大丈夫ですかね。
私は、そんなに高いレコードは買わないようにしております。
オークションは、殆ど手を出しませんが、。
今まで一番、買った高いレコードというのはですね、私が20代の頃は高いレコードというと100ドルアイテムといいます。
まだ、ドルが300円くらいした時代なので、100ドルですから3万円くらいですね。
その頃はアルバムが2千円ちょっと、2500円位でしかたかね、そんな時代ですから、やはり、その10倍以上の値段で、ほんとに高い。
ロネッツのアルバムとかですね、そういうのが100ドルアイテム。
ですから、今、3千ポンドとか、そんなものじゃありませんけど(笑)。
その当時、30代の中頃ですが、ビーチボーイズのですね、キャピトルレコードでラジオプログラム用にLPというのが作られておりまして、それをかければ、番組が簡単にできてしまうという、そういうようなアレなんですが。
ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンがゲストで出た時のアルバム、市販品では無くて報道局用に配るアルバムですけれども、その中に「蛍の光」がですね、ビーチボーイズのアカペラの「蛍の光」。
クリスマスアルバムに入っているんですけれども、そのクリスマスアルバムのオフィシャルなバージョンはデニス・ウィルソンのナレーションが入っているんですが、そのナレーションが入っていない、まっさらのアカペラの「蛍の光」が入っていて。
しかもブライアン・ウィルソンのインタビュー付きという、これは、凄く高いアルバムです。
それを仙台のレコード屋で7万6千円だったですね。
45分考えてですね、うぅ~んと
それは買いました。
でも、結局それ以後、20何年経ってますけど、それ以後一度もお目にかかった事がありませんので、それはほんとに清水の舞台というか、特別ですが。
やっぱり、アルバム一万円とか、考えてしまう、いまだに。
やっぱり、貧乏人のせがれなので(笑)考えてしまいますが(笑)
でも、先週3千ポンドでしたっけ、お聴きを頂きましたが、そんなもんじゃ、ありません。
物凄いのは、本当に物凄いんですがね。
今日ちょっと、かけようかなと持ってきたサザンソウルのアレですが。
そう言えば、これも高かったなという。
調べましたら、これ、やはり3千ポンドでした。
・Tears Stained Face / Don Varner
◎ リスナーからのお便り(船橋市のM.Aさん)
『毎週ほんとうに、楽しみに毎週聴かせて頂いいます。
棚つかで毎週聴いていますが、もっともっとマニアックにディープに濃い選曲でお願いします。
でも、久しぶりにソングライター特集も聴きたいです。
いろいろ、わがままばかりで、すいません。
宜しくお願いします。
一つお聞きしたいことがあります。
ヘッドアレンジとは、どのような意味なのでしょうか。
ある人が、達郎さんのコメントの中で”Fou youまでは達郎さんはヘッドアレンジでされていた”と、旨のコメントが、意味が理解できずにいます。
よろしく、詳しく教えてください。』
達郎氏:
ヘッドアレンジというのは、譜面を使わないアレンジの事です。
ですからバンドなんかでですね、いわゆる、口から口へ、口移しってヤツですね。
口伝えでやるのがヘッドアレンジと言います。
その場の思いつきとか、そういうのも取り混ぜて。
それに比して、いわゆるオーケストレーションと言いましょうか、ちゃんと書き譜で、”こうやって弾け”とか”こうやって叩け”とかいう事を指示してやるのが、オーケストレーションといいます。
ストリングスなんかは、ヘッドアレンジができませんので。
ブラスなんかは、今のDon Varnerのヤツなんかは、たぶん現場で考えてやってるんだと、思います。
僕は、今でもヘッドアレンジです。基本的には。
バンドの、フォー・リズムなり、ファイブ・リズムなりの、ある程度のコード譜とかアウトラインは持っていきますが、細かいところは、今でもヘッドアレンジでやってます。
昔からそうです。
むしろ、あのぉ、ポンタとか、岡沢さんとか、松木さんとか、スタジオミュージシャンの人達はヘッドアレンジを嫌がりますのでですね、そういう時代には譜面書いて、やっておりました。
バンドに近い、シュガーベイブ時代ですとか、ライドオンタイム、フォー・ユー、あの時代は、ほとんどバンドでございますので、コード譜以外は全部口伝えという事で、やってきました。
今でも、そうです。
そういったスタジオミュージシャンよりも、もうちょっとパーソナルなメンバーがやりやすい、という事でありますね。
◎ ライブツアー
達郎氏:
8月10日のアルバム発売に続きまして、年末からはツアーが始まります。
今回はツアーは大規模ツアーでございまして、詳しい日程は、7月に入りましたらインフォメーション致しますが、いろいろとご質問も頂いております。
◎ リスナーからのお便り(山口市のI.Iさん)
達郎氏:
こういう御時世で、私、CMのあとに、毎週毎週、なんかこう、少しづつ、政治向きの事とかですね、そうした事、コメント申し上げると、リアクションが返って参りますが。
『5月の終わりから福島県の行政支援のために出かけていた妻が10日ぶりに我が家に帰ってきました。
その間は、当然の事ながら、家事一切は私のところにまわってきました。
この妻の支援活動の一端と被災地で頑張ってる妻の事を思い浮かべながら、なんとか10日間乗り切りました。
とりあえず、我が家には以前の日常が戻りましたが、被災地に平穏な日常が戻るのは、いつになるのでしょうか』
達郎氏:
皆さん、ほんとに、支援されてるんですね。
超常連の方のお便りからも、そういうの、ひしひしと伝わって参りますが。
I.Iさん、6月13日がお誕生日。
めでたく、還暦をお迎えになります。
おめでとうございます。
◎ リスナーからのお便り(神奈川県相模原市のK.Nさん)
『現在、Hは大學4年になり、就職活動の真っ最中です。
今年は、東日本大震災があり、条件最悪です。
でも、こつこつ頑張っている姿をみると、何とかやりたい仕事に就けたらいいなと思い、でも本人の意思に任せ、黙って応援するのみです。
これもまた人生、なんとかなるなる、です』
達郎氏:
皆さん、大変ですけど、一緒に頑張りましょう、ほんとに、お嬢さんおめでとうございます。
一年、二年遅れても、人生あれですから、ゆっくりやりましょう。
◎ リスナーからのお便り(岩手県北上市のF.Tさん)
『私は6月20日から三重県四日市市のF.Tとなります。
3月11日以後、というより4月7日の余震のため、私が働いていたラインが完全停止になりました。
ここで働いていた300人が新ラインの研修という名目で出向になったのです。
地震以後、会社には数えるほどしか、行ってません。
主に後片づけです。
完全停止が発表された後の作業は、明らかに気が抜けたように見えました。
番組は毎週聴いていたのですが、地震直後の興奮が冷めたのか、ハガキを書く気力が無くなってしまいました。
録音した番組が聴き直せるようになったのも最近です。
へそ曲がりの方から”お前とは頑張りたくない”という手紙には、手を打って”その通り”と大笑いさせてもらいました。
達郎氏:
そういうお便りがありましたね(笑)
『私も地震には負けてられませんので、ちょっと行ってきます。
ニューアルバムたのしみにしています。』
達郎氏:
ほんとに、大変でございます。
“お前とは頑張りたくない”っていいですね。
すごいシャレが必要なんです。こういう時代はね。
ですから、あんまり、深刻に考えてばっかりもアレですけれども、深刻に考えるべき人が深刻に考えてないから、そういう事に。
ですから、大前研一さんのセリフでは無いですけれど、国家とかですね、政府とか、行政機構とかですね、法律とかは個人守ってくれませんので。
自分の身は自分で守るという。
そういう事で皆でがんばっていくという。
それでいいんだと思います。
みんなで頑張るっていうのは、そういう意味だという具合に、僕は考えております。
個人個人がお互いに、市井の人間同士が頑張るという、そういう事ですね。
話が長くなって(笑)
すぐ話が長くなる、良くない!
最近ちょっと、人と会ってないので(笑)
人恋しかったりして、しょうがいですね(笑)
◎ エンディング
達郎氏:
来週はそういう訳で、先週も告知致しましたが、山下家の雨のリクエスト特集でございます。
私と竹内まりやさんの雨の歌、皆様からのリクエスト頂きつつ、進めてまいりたいと思います。
来週はプレゼントの告知を致します。
今日は、本当はやろうと思ったんですが、時間が無くなってしまいました(笑)
3月9日に発売になりました”愛してるって言えなくたって “
これのアナログ盤ができましたので、アナログ盤をプレゼントしようと思っております。
なので、今日の最後は”愛してるって言えなくたって “
今週のオンエア曲
14:05 2000トンの雨 / 山下達郎
14:09 I Say A Little Prayer / Aretha Franklin
14:14 Love (Can Make You Happy) / Mercy
14:21 Tears Stained Face / Don Varner
14:27 Do I Love You? / Frank Wilson
14:40 If I Had (One Gold Piece) / The Prophets
14:44 愛してるって言えなくたって / 山下達郎
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