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山下達郎さん サンデーソングブック2025年1月5日『新春放談(ゲスト:宮治淳一)』(#1682)

サンデーソングブック山下達郎サンデーソングブック 
サンデーソングブック

福岡市内のお天気は、曇り。
明け方の気温がグンと下がってきました。

知らないことはないというお二人の会話。

ということで、このブログでは毎週日曜日 午後2時からTokyo FMをキーステーションにオンエアされている山下達郎さんのサンデーソングブックの一部を文字お越ししています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

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冒頭

達郎氏:

皆さん、新年明けましておめでとうございます。
山下達郎です。毎週日曜日午後2時からの55分間、私、山下達郎がお送りいたします。楽天カードサンデーソングブックの時間であります。

東京エフエムをキーステーションといたしまして、今年もJFL全国38局ネットでお届けしてまいります。

昨年は色々とありがとうございました。
本年も何卒よろしくお願いします。

昨年はちょっと年末、それから夏頃 風邪をひきまいてですね
ライブが延期になってしまっていました。
本当は昨年でツアーが終わる予定でしたけれども、3本ほど持ち越しました。

今週、1月9日・10日、大宮ソニックシティホール。
昨年の11月の振り替え公演となります。
おかげさまで風邪も治りましたので、 お待ち申し上げております。

さて、山下達郎サンデーソングブック。
新年は、 もうすっかりおなじみになりました宮治淳一さんをゲストに新春放談。
もう宮治さんとの新春放談は、もうこれで6回目を数えます。
あっという間でございます。

宮治さんは今年古希を迎えられますが、いよいよ忙しくなっていると。
サラリーマン時代より忙しさが増しているという、そういう感じで・・
結構なことでございます。

で、彼のまたマニアックなシングルをたくさん持ってきていただきまして、今週・来週2週間、サンデーソングブックならではのですね、濃いプログラム。
コレクター道の奥深さというものを満喫していただこうと思います。
お正月の日曜日の午後のひととき、めちゃくちゃマニアックな世界でご堪能いただければと思います。

山下達郎サンデーソングブック
本日も最高に濃い選曲と、最高の音質でお届けをいたしたいと思います。
それでは早速始めます。

~ CM ~

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野球で言えば1回の裏が始まったという感じですね

達郎氏:

明けましておめでとうございます。

宮治さん:

おめでとうございます。

達郎氏:

最近、なんか色々なところで宮治さんの名前が出てきますね。
なんかリタイアしてないっていう感じですね。

宮治さん:

いや、リタイヤどころか、なんか次のフェーズに入ってしまったというか・・

達郎氏:

もう古希を迎えるって、ますます・・・来年?

宮治さん:

今年70です。
野球で言えば1回の裏が始まったという感じですね(笑)。

達郎氏:

あれ? 2つしか違わないのね(笑)

宮治さん:

だから昭和30年の8月生まれなんで、2年半ぐらいしか違わないですね。

宮治さん:

そうですね。

東京オリンピックの時は6年生ですよね。

達郎氏:

そう、早生まれだからね。僕ね。
でももう変わりゃしませんよ(笑)この年になったら(笑)

ラジオ100年

達郎氏:

FM茅ヶ崎?

宮治さん:

茅ヶ崎FM、ハイ。

達郎氏:

順調に推移してるんですって?

宮治さん:

順調に1年に3ヶ月経ちましたね。

達郎氏:

生でやってらっしゃいます?

宮治さん:

月・火・金とやってますね。
もう風邪もひけないという。

達郎氏:

どうしたんでしょう?(笑)

それで、だってラジオ日本もやってるでしょ?
すごいですね、レギュラーは4本。

宮治さん:

レギュラー4本で週に5日です。
どうしたんでしょう・・・

達郎氏:

すごいなぁ~!

宮治さん:

最初はですね、やれる人がいないということで、茅ヶ崎FMの時はですね。
じゃあ最初はしょうがないから私もやりますよ。
で、いまだに続いてるというですね。

RFのね、名盤アワー、ラジオ日本です。
とにかく、あのナイターオフで半年頼むと、それがもう11年ですからね。

達郎氏:

っはははは(笑)
すごいなぁ~
私だって、あれですよ。レギュラー3年以上持ったことなかったのが、今やもう30何年だ。33年か。

宮治さん:

33年!
NHKは?

達郎氏:

NHK3年ですよ。

宮治さん:

もっとやってたような気がしますね。

達郎氏:

NHKってそんなに長くやらせてくれないんですよ。
決まりだそうです。

宮治さん:

なるほどね。警察署長の人はもう3年で変わるみたいな、税務署でも。

達郎氏:

でもみんなそういう人たちは栄転しますからね。

宮治さん:

NHKの場合って栄転ってあるんですかね?

達郎氏:

理事とかあるんじゃないですか。
でも、でも番組でしゃべってる人は関係ないですよ。
志の輔さんみたいなね、そういう方だったらありますけどね。
タモリさんとかね。
FMですからね(笑)。
FMなくなっちゃうんですからね。

宮治さん:

今年ですね、ラジオ100年ですからね。
なくしちゃまずいでしょ。
僕はラジオはですね、メディアのね、第一次産業だと思ってるんですよ。
やっぱりお米ないと困りますよね。

達郎氏:

やっぱりその、ラジコができてから、あとネットで聞けるようになってから、やっぱりラジオが昔の要するにポテンシャルを戻しつつありますからね。

宮治さん:

若い人はみんな聞かないなんて言いますけど。

達郎氏:

それは全然違いますよ。

宮治さん:

聞いてますよね? 聞いてる人は。

達郎氏:

この番組だって17歳とかね。

宮治さん:

高校生?
始まった時は世の中にいない人が?

達郎氏:

そうですよ!
それがなんかクエスチョンマークとか、リクエストしてくるんですからね。

だから結局これの、これのおかげですよね。
それからスポティファイとか、ああいうね、それを流してるユーチューブとか。

宮治さん:

自分にとってみれば新曲ですよね。
その人にとっては、これなんだって言ったら、たまたま60年ぐらい前に録音された曲だっていうことが後で分かる。

達郎氏:

もう横倒しになってるんですよ。完全にね。

宮治さん:

面白い世の中だと僕は思いますけどね。

達郎氏:

そうですよね。
いや、だからあのね、そこペシミスティックになることもない。

宮治さん:

私もそう思います。
だからね、ラジオもね、新しく101年目以降またね、発展していくメディアではないかなと、私は勝手に思ってますけどね。

達郎氏:

私が中学の時は明治100年っていうね・・・

宮治さん:

ありましたね!
68年・・・

宮治さん:

3月29日がね、そうなんですよ。NHKが第一声を出してから。

達郎氏:

1925年!
うちの親父の生まれた年(笑)

宮治さん:

昭和1年! 

達郎氏:

関係ないんですけど話してますけど(笑)

宮治さん:

いいんです。
お正月はね!

棚から大発見

達郎氏:

だけど宮治さんは最近はだからなんかこう色々と、あの旅をなさってる様子じゃないですか。

宮治さん:

旅もいいですよね!

達郎氏:

昔から旅好きだよね?

宮治さん:

それほどでもないですけどね。
でもまあまあ行く方じゃないんですかね?

達郎氏:

フットワーク軽いじゃないですか。
ロンドンとか。

宮治さん:

海外はもうちょっとね・・・円安でしょ?
あんまり行く気がしないですよね。

達郎氏;

でも、でも結構買ってるでしょ。

宮治さん:

というかね、今日と来週のもののうち、1,2枚ですよ、買ったのは。
これは全部棚から大発見っていう。

達郎氏:

要するに整理してるわけですね!

宮治さん:

僕の金曜日にやってる、あのアナログのドーナツ盤しかかけない番組なんですけど、そのためにはずっと聴くわけですよ。それもB面も含めて。
そうすると、なんでこれがあんだ?って。
で、それがね、この番組の1年に1回、2回のこれに反映もされてるんで。

達郎氏:

なんでこれがあるんだって、聴いてない?

宮治さん:

あること自体はわかんないですよ。
でね、なぜこれを買ったんだろうって推理するのも面白いんですよ。
そうすると、あ、作家がこれだから買ったのか。

達郎氏:

一応買ったら全部こうやって書いてきますよ。

宮治さん:

それすごいなと思うんですよ。
それができればなんとかなるっていう。
ちゃんと書いてあるもんね。えらいなと思うんですね。

達郎氏:

っふふふ(笑)
いやしょうがない、それは勤め人だから。

宮治さん:

でもね、本当に老後の楽しみが増えて良かったです。

今年も変なのばっかり持ってきていただきました

達郎氏:

今年も本当にこれ、変なのばっかり持ってきていただきました。
面白いです。

宮治さん:

おそらくね、そういうふうなことなんだろうと思いながらですね、その反応を聞きたかったと。

達郎氏:

何からいきますか?

宮治さん:

ティーボーンズ
これは、ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズのイントロにもなってるような、ボーカルグループとして・・
結局インストでヒット2曲しちゃったもんで、そのまま行くのかなと思ったんですけど、さすがにもうインストじゃないだろうなと思ったんですよね。
でも曲書いてるのはレイノルズとフランミルトンともう1人なんで。

達郎氏:

来日した時、結構歌ってましたよね。

宮治さん:

来日した時、歌ったんですか?

達郎氏:

歌ってる!それ僕、見に行った友達が言ってたんで。
歌うんだ、あいつらって。

宮治さん:

でもそのままハミルトン、ジョー・フランクになっちゃう。

達郎氏:

アストロノーツも歌、歌うでしょ?

宮治さん:

もともとあの人たちっていうのは僕はR&Bボーカルグループかと思ってました。

達郎氏:

スプートニクスも歌ってるでしょ。
スプートニクスすごいうまいんですよ。歌。
テレビで生っていうか、テレビでやってた時に・・・

宮治さん:

シャドウズだって歌上手そうですよね。

達郎氏:

そうですよね。「Don’t Make My Baby Blue」とか

宮治さん:

ベンチャーズがですね、あんまり歌わないのは(笑)

達郎氏:

何枚出してもダメなんですよね(笑)

宮治さん:

1966年の9月に出てですね、ジョー・サラセーノ(Joe Saraceno)プロデュースですから、まあベンチャーズと一緒ですね。

達郎氏:

でも結構うまいですね。
途中、走る人が・・あれハミルトンですかね。

宮治さん:

そうだと思いますね。
で、アレンジがNick De Caroなんですね。
ということで聴いてみましょう、ザ・ティーボーンズ。1966年9月に出ております、ザ・ティーボーンズで「Fare Thee Well」

♪ Fare Thee Well / The T-Bones

達郎氏:

なんかR&Bしてますね、これね。

宮治さん:

なんか一生懸命やってるって感じがしますよね。

達郎氏:

でもドラマーは多分スタジオミュージシャンだよね、これね。

宮治さん:

そうですね・・・うん、かもしれないですね。
でも彼らインストバンドですから、本来やってもいいんですよ。

達郎氏:

でもあれでしょ? 「NO MATTER WHAT SHAPE」とか全部あれスタジオですよ。

宮治さん:

悲しいですよね。

達郎氏:

ギターは多分自分でやってる。

乗っけからこれですね。すごいですね。

宮治さん:

すごいですね。
2025年のサンデーソングブックの1曲目!

達郎氏:

ティーボーンズのボーカルっていうですね。

これ、僕昔から探してたんですよ「Jay Traynor」

達郎氏:

じゃあ私はですね・・・
ジェイ・トレイナー(Jay Traynor)

Jay and the Americansの初代のリード・ボーカルの人。

宮治さん:

1曲録音してすぐ辞めちゃった人?

達郎氏:

いや、「She Cried」とかあの辺全部やってます。
一連の初期のヒット曲が全部歌ってる人。

宮治さん:

Jay Black じゃない人?

達郎氏:

Jay Blackは芸名ですね。
本名ジェイ・トレイナー(Jay Traynor)っていうんですけど。
この人がソロになって、えと、ボブ・クリュー(Bob Crewe)とゲイリー・ナイト(Gary Knight)の共作の曲で、プロデュースがデニス・ランバート(Dennis Lambert)というですね。なんか豪華な。
これ、僕昔から探してたんですよ。

宮治さん:

分かってたわけですね、存在は。

達郎氏:

で、ボブ・クリュー集めてた時に、これ集め・・高いの。めちゃくちゃ。

宮治さん:

なんで?売れてないんですね。

達郎氏:

ノーザンソウル(Northern Soul)。

わかりました。大体高いとNorthern Soul・・

達郎氏:

Northern Soulで暴騰しちゃったの。
ボッロボロのやつが1枚あって。
それでそれで聴いてたんだけど、どうしてもやっぱりもうちょっと・・
まあ、ようやく少しお手頃な値段で手に入れたんで。
だけど今回、宮治君の、そのお皿をいただいて、あれしたら値札結構高いものがついてるじゃないですか。
100ドルとか。

宮治さん:

あれはもう清水寺でした。

達郎氏:

あと、あのバック・トゥ・ザ・ロックの値段表、あれも結構高かったでしょ?
3500円以上は買わないっておっしゃってたじゃないですか(笑)

宮治さん:

これはね、ストーリーがあるんですよ。
これはあのね、あの遺品を形見分けさせてくれたの・・神谷さんの(神谷誠一氏)。
後ほど・・

達郎氏:

このジェイ・トレイナー、えと、60・・・ちょっと待ってね。

宮治さん:

1966年ですか?

達郎氏:

1966年。

宮治さん:

1966年にはもうソロになっちゃったんですか?

達郎氏:

なってます。
2代目に変わってます。

宮治さん:

あ、それでなんかハッシャバイ(Hushabye)の頃は違うジェイさんなんですね?

達郎氏:

そうです。それでまあ、初代の・・初代でいい声してるんです。
これ、これ、僕すごい好きなんですけど。
あのいかにもボブ・クルーって。
でもボブ・クルー、ゲイリー・ナイトとコンビなかなか珍しいんですよ、作曲コンビで。あのゲイリー・ナイトはあれですね、あのバケーションとか作ってる人で。
ジーン・アレンとゲイリー・ナイトって、このコンビでたくさん作ってますけど。
あの・・一応珍しい。

それでDennis Earle Lambertっていうのはあの、味噌で。
この頃だからまだモータウンをやってたというようなやつなんですけど。
いいんですよ。もう曲よければ。

1966年、ジェイ・トレイナー「アップ・アンド・オーバー」

♪ Up And Over / Jay Traynor

達郎氏:

ジェイ・トレイナー 1966年「アップ・アンド・オーバー」

宮治さん:

いい曲ですね!

達郎氏:

ニューヨーク前としたトラックですね。
それがなんでノーザンなんだっていう説もあります。
イタリア系の人なので、やっぱり私の好きな声。

ビーチ・ボーイが書いてくれた曲 Graham Boney

達郎氏:

次、何に行きますか?

宮治さん:

じゃあ、これで行きましょう。
グラハム・ボニー。
グラハム・ボニーなんていう人はですね、全然知らなかったんですが、たまたま色々な人からいろんなことを教えてもらったんです。

達郎氏:

有名な人です?

宮治さん:

ま、多少ですね。
イギリスなんですけど、どちらかというとドイツで人気があって、ドイツでレコードが出てるんですよ。ドイツで出てる方が多いんですよ、曲数としては。
アメリカでも2、3枚出てるんですが。
その彼がですね、BRUCE & TERRYの「Thank You Baby」をやってるんですよ。

でね、まあ、よくあるカバーかなと思ったら、そのイギリス盤のレーベルを見るとですね、Bruce Johnstonのプロデュースなんですよ。
アレンジもそうなんですよ。
なので、ひょっとすると1967年、これ、1967年の1月に出てるんですけど。
ビーチ・ボーイズ人気があって・・・

達郎氏:

ペット・サウンズのツアーの時、前のツアー、1966年ですからね。

宮治さん:

ちょろっとアルバイトをしたのか・・・

達郎氏:

そうでしょうね。

宮治さん:

このドイツ盤を見ると「A BEACHBOY WRITES FOR」って書いてあるんですよ。
で、ビーチ・ボーイズとは言えないんですけども・・
あるビーチ・ボーイが書いてくれた曲。

達郎氏:

アレンジは誰がやってるんですか?

宮治さん:

アレンジはですね、Bruce JohnstonとArthur Greensiadeという・・・
こっちがイギリス側のアレンジャーだと思うんですけど。
だから、これはアメリカじゃなくてイギリス録音なんじゃないですかね。

達郎氏:

それは、そういう音してますよね。

宮治さん:

あ、そうですか!!
なんせ曲がいいんで聴けると思います。

グラハム・ボニーで「サンキュー・ベイビー」

♪ Thank You Baby / Graham Bonney

プロが来てるので安心して任せられる

達郎氏:

そういえば、風邪ひいてあれした時、あの、またお願いしちゃおうかなと思ってましたけど、なんとか雨傘番組で乗り切れました。
すいません。

宮治さん:

雨傘番組を作ってたっていうのは素晴らしいですね。

達郎氏:

作らされるんです(笑)

宮治さん:

ちょっと見直さなきゃいけないなと私も思いました。

達郎氏:

何が起こっても、山岸君のですね・・・

宮治さん:

季節感のない番組を作るんですよね?

達郎氏:

そうです(笑)
でも、なんかエマージェンシー特集とかね。
この間はね、病気の特集とかね、なんかあんまりね縁起でも、ないからね(笑)

宮治さん:

でも、まぁ普通、病気ぐらいですよね。やめちゃうっていうのは。

達郎氏:

あのぉあれですよ。
宮治君に頼んだ時だけですよ。他の人にお願いしたの。

宮治さん:

あれが唯一でしたっけ?

達郎氏:

そうですよ。

宮治さん:

あ、そうですか。

達郎氏:

だから、なんとか間に入って、できた時とか。
だから完全に、完全に、だから中止になったのは、あの、3.11、3.11時だけですよ。
あの、1週間だけですよね。

宮治さん:

ああ、あの時はもう他の番組も全部そうですよね。

達郎氏:

えと、プロが来てるので安心して任せられる(笑)

オリジナルプレスじゃなくてリイシューで買うんですよ

達郎氏:

じゃあ、私の方に行きますか。
これ、これもね、前から欲しかったんですけど。
これね、最近それでね、あのオリジナルプレスじゃなくてリイシューで買うんですよ。
で、なぜかというとオリジナルプレスがあまりにも高いので。
で、リプロ、リイシューの方が逆に音がいいと。

宮治さん:

そういうこともあるんですか?

達郎氏:

あります。

だから、特に60年代よりは70年代のカッティングマシンが良くなってるんで。
変な話ですけど、例えばサディスティック・ミカ・バンドとかね。
ああいう、大体1967、8年から1974、5年のところって、あの、カッティングマシンがすごく発達する時なんで。

で、1971、2年にプレスしたやつを1975、6年にリリースすると、カッティングマシンが良くなってるんで音が良くなってる。

そういうのって結構狙い目でね。
だから、今ほら、あの、マトリックスが、若いとか・・・
ああいうのね、実はね、それほど・・だからといって、オーディオ的に優れているかとは言えないんです。必ずしもね。

で、まあ、それとは別の問題で。
とにかく、あまりにインディだと(笑)

宮治さん:

でもそのインディものがリイシューされるっていうのは、やっぱりあれですか?
やっぱり人気が出てきたんで・・・
 
達郎氏:

そういう、だからほら、あのエレベーターミュージックじゃないけど、掘り起こすっていうね、そういう。
で、そういうので時々引っかかっちゃうのがあって(笑)。

これね、アーマー・ゴメスっていうんですけどね。

宮治さん:

アーマー・ゴメス?

達郎氏:

ベトナム人らしいんですよ。
で、ベトナムからアメリカへ渡って、炭鉱オフで働いて、その後ラスベガスでバンドを作ってって。アクセントっていうバンドらしいですよ(笑)
それで、それでニューヨーク行ったんだけど、全然目が出なくてラスベガスに戻って。
で、やっぱりクラブバンドでやってるらしい人なんです。

宮治さん:

そういうような人はレコード出せるんですか。

達郎氏:

だからまあ、要するにレコード出したかったんですよね。インディですね。
ストリームっていうレーベルで出てますけど。
ちょっと待ってね、何年の? 1982年。
これいいんですよ、結構(笑)
でも、あってもオリジナル盤あってもめちゃくちゃ高いという。

で、いわゆる地下のものに近い・・・

宮治さん:

肌触りというか・・・

達郎氏:

そんなような感じなので、いい曲なので。
これもだから欲しかったんですけど、リイシューで出たんで買ったという。
もうリイシューでもウェルカム!
聴ければウェルカムで。
アーマー・ゴメス、1982年と言われております「フィーリング・アップタイム」

♪  Feeling Uptight / Armour Gomez

達郎氏:

アーマー・ゴメス
これ日本でかけてるの?、自分だけだと言いたいところも(笑)
多分、ユーチューブでどっかのコレクターの人がかけてますね、多分ね。

宮治さん:

いい曲じゃないですか。
なんかこう、本当にクラブ前とした、こういうところで、ちょっとね酒でも飲みたいみたいな(笑)

達郎氏:

ハワイの人、なんかこういう声してる人多いじゃないですか。
ベトナム出身だっていうから、多分なんかポリネシア系とか。
適当なこと言う(笑)

宮治さん:

すごいですね、すごい番組になってますね。

買って、分かんないまま入れてある

達郎氏:

いやもう、買うものがなくなるとね、もうね、だんだんこうね、そういうグラハム・ボニーとかね(笑)
どこで買ったんです? そのグラハム・ボニーは。

宮治さん:

グラハム・ボニーはね、「サンキュー・ベイビー」をやってるっていうんで、これはネットで買ったんだと思いますよ。
これは、2024年に買ったもんだと。
それ以外はもうほとんど「棚から大発見」ですね。

達郎氏:

だからその「棚から大発見」はいいんだけど、それ買って置いてあるわけですよね。

宮治さん:

買って、分かんないまま入れてあるっていう。

達郎氏:

例えば、そのパックで300枚とかそういうの買ってた人がいる?。だからかな・・

宮治さん:

しょうがないんですよ。
で、本当に好きなそうなものだけスイスイって聴いた後、あとは中に入っちゃうんですよ。
今私の、シングル盤しか書けない番組のために聴き始めたら、結構いいものもあるなと。で、必ずB面も聴くっていう。

で、昔のものってBもAも今は関係ないですよね。
聴いていいか悪いかしかないんで。

達郎氏:

ドゥワップなんかだとね、A面バラードでB面アップとか、A面アップでB面バラードとか、そういう対比があるからいいんだけど。
こういうね、やつだと、いわゆる「ミドル・オブ・ザ・ロード」だとA、BなんかどっちがAだかBだかわかんないってね。

~ CM ~

Lonnie Donegan なんかいい声してますよね

達郎氏:

次、何行きますか?

宮治さん:

やっぱり達郎さんの番組なんだから、テディ・ランダッツォ(Teddy Randazzo)がいいんじゃないかなと、思いましてですね。

「ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ」

達郎氏:

これは LITTLE ANTHONY?

宮治さん:

LITTLE ANTHONY!
1972年になって、パイレコードに移籍したロニー・ドネガンがやってる。
「ロック・アイランド・ ライン」の人ですよ。

達郎氏:

でも多大な影響をね・・
マッカートニーも、それを聴いて始めたとか。ジョンレノンもやってますもんね。

宮治さん:

これB面なんですけど、A面があのリック・スプリングフィールドの「Speak to the sky」なんですね。
で、B面がリトル・アンソニーの「ゲット・オブ・マイ・ライフ」というですね。
どういうその選定の仕方をしてるのかわかんないんですが、おそらく私はこれ何で買ったかというと、リック・スプリングフィールドではなくて、テディ・ランダッツォだから買ったんだけど、聴かずに棚にあったっていうのが今回出てきてですね。

達郎氏:

よかったですよ、それは。
Lonnie Donegan なんかいい声してますよね。

宮治さん:

ちなみにこの「ゲット・オブ・マイ・ライフ」ってテディ・ランダッツォなんですけど、そんなに、カバーしてますか?

達郎氏:

してません、リトル・アンソニーだけです。
これ、リストに加えました。

宮治さん:

あ、そうですか(笑)

達郎氏:

勉強になりました。

宮治さん:

ありがとうございます。それではロニー・ドネガンです。
「ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ」。

♪ Get Out Of My Life / Lonnie Donegan

達郎氏:

ちゃんと作ってますね、これ。

宮治さん:

ロニー・ドネガン「ゲット・マイ・ライフ」、1972年のシングルのB面でしたね。

達郎氏:

買おう!
UK盤買おう!

宮治さん:

安いですよ、これ。
ドネガン探してる人って聞いたことないから(笑)

私すごく気に入ったので今日持ってきました

達郎氏:

しかし、UKモノが続きますね。

じゃあ、私もイーストコーストものでですね。
最近は、いわゆるディーラーって試聴ができるじゃないですか。
あれ、ほんと助かるんですよ。特にドゥワップだと(笑)。

で、そういう試聴するところで引っかかったんですよ、めちゃくちゃこれ。
アンバーズっていうね、ニュージャージーのボーカルグループなんですけど、5枚ほどシングル出してますが、これ素晴らしい!
気に入っちゃってね。去年1、2位を争う!
で、アレンジしてるのがリチャード・Tなんですけど、このアレンジが素晴らしいんですよ。

宮治さん:

リチャード・T、1967年ったら、もうかなり初期の。

達郎氏:

そうですね、リチャード・T結構アレンジやってます。
これは本当にね、あの、私すごく気に入ったので今日持ってきました。
「アンバーズ」、1967年のシングル「アナザー・ラブ」。

♪ Another Love / The Ambers

達郎氏:

今回は特に宮治さんのキャラと私のキャラがよく出てる。

宮治さん:

うん。そうですね。でもこれ、試聴できて買えるっていい時代ですよね。

達郎氏:

あと、あの、試聴できなくてもYoutubeで探して、できるじゃないですか。無駄買いが少なくて済む。

宮治さん:

前はなんかタイトルとレーベルだけで買ったらがっかりっていうのありましたからね(笑)

達郎氏:

いい時代ですね、コスパが良くなりました(笑)
本当に。本当にそう思います(笑)
何を言ってんだ(笑)

横浜ランブラーズ

達郎氏:

次どうしますか?

宮治さん:

次はですね、去年ですね、ラジオ日本の方の番組で、タワーレコード・ヒストリーをやったんですよ。キャピタルの傘下なんですかね。
達郎さんで言えばサンレイズ、タワーですね。

で、あんまり他の知らなかったんですけど、色々聴いてみるとですね、面白いですね。
ということで、タワーレコードの確か5週か6週やっちゃったんですけど、その中でこれはかけられなかったんですけど、時間がなくて。
「横浜ランブラーズ」という・・・

達郎氏:

っはははは(笑)

宮治さん:

よくわかんないんですね。
で、タイトルが
「Yokohama Nights(Happiness)」インストルメンタル。
「Yokohama Nights (Sadness)」ジャパニーズ・アメリカン・ボーカル。
ジャパニーズ・アメリカン、だから日系人がボーカルをやってるという。
マーティ・クーパー(Marty Cooper)って、なんかよく聞きますよね。

達郎氏:

「ピーナッツ・バター」ですよ。The Marathonsの ・・・
「ピーナッツ・バター」書いた書いた人。作曲。

宮治さん:

でもね、この人、そのマーティ・クーパーは70年代入ってからですね、「Hiroshima, Nagasaki」っていう曲を作って歌ってたりとかして、比較的日本に近い存在だったのかもしれません。
あとそれ以外は全く分かりません。

でも全くわかんないのも、まあいいだろうと思いまして。
持ってきたのが・・・

達郎氏:

日本語しゃべってますよね。

宮治さん:

日系人だったらしいんですよね。
The Yokohama Ramblers 「Yokohama Nights (sadness)」

♪ Yokohama Nights (sadness)-vocal / The Yokohama Ramblers

聴いていただきました「横浜ランブラーズ」「横浜ナイツ・オブ・サドネス」でした。
これは珍盤・奇盤コーナーですね。ノリとしてはね。

いわゆるセクシー路線のレコード

達郎氏:

そうすると珍盤・奇盤・・・
何もないんですけど、いわゆるセクシー路線のレコードっていう。

これはまあ、馴染みのレコード屋さんが送ってくれたんですけど。
テリー・バレル(Terry Burrell)という人が歌っております。 「デイビッド(David)」っていう。

これB面なんですけど。このテリー・バレルっていうと、なんかあの、どっちかというとジャズ系のバックグラウンド・ボーカル、とかその辺のバックグラウンド・ボーカルなんだけど。
いわゆるポルノ映画の主題歌を歌ってる。それのサントラのやつがA面なんですよね。
で、それのB面の方がね、なんかちょっといわゆるセクシー路線なんだけど、ちゃんとしてるので。
これを今日は、はい、1971年の「デイビッド」テリー・バレル。

♪ David / Terry Burrell

宮治さん:

すっごい放送ですね。

達郎氏:

っははは(笑)

まあ今の時代でしたら、本当にYoutubeでゴソゴソとやるようなものをですね、全国38局ネットで33年・・・

宮治さん:

これやってるんですか? すごい(笑)

達郎氏:
33年、これやってるんですから(笑)
大瀧さんの時代はもっとすごかったんですからね。

宮治さん:

曲がかかんないんですもんね。

達郎氏:

2曲しかかかんないとかね。

宮治さん:

Youtubeの時代をね、先取りしてるような番組ですね。

達郎氏:

スポンサーさんのおかげです。

~ CM ~

クロージング

達郎氏:

お送りいたしてまいりました「山下達郎サンデーソングブック」
宮治淳一さんゲストに新春放談、パート1でございました。
もうすでに頭がぐるぐる回ってる方もいらっしゃると思いますが、来週もこれに増してですね、お届けしたいと思います。

それでは「山下達郎サンデーソングブック」
来週もセイムタイム、セイムチャンネルでみなさんごきげんよう、さよなら。

今週のオンエア曲

14:11 Fare Thee Well / The T-Bones
14:16 Up And Over / Jay Traynor
14:21 Thank You Baby / Graham Bonney
14:27 Feeling Uptight / Armour Gomez
14:36 Get Out Of My Life / Lonnie Donegan
14:39 Another Love / The Ambers
14:44 Yokohama Nights (sadness)-vocal / The Yokohama Ramblers
14:47 David / Terry Burrell

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