NHK-FM 今日は一日“山下達郎”三昧 2011年9月19日(その2)
長崎は良い天気です。
秋晴れで空が美しい!
さて、9月19日(月)お昼12時15分からNHK-FMでオンエアされた「今日は一日“山下達郎”三昧」。
ここでは(その2)として19:20~20:10頃までの「レアなライブ音源」コーナーをご紹介しましょう。
プラスチック・ラブの「Joyじゃないヤツ」について達郎氏のコメント
達郎氏:
『Joyに入ってるプラスチック・ラブではないヤツ。
86年の7月30日、中野のサンプラザのライブです。
この時のライブはたぶんJoy 2作っても収録される事はないので。』
「この時」の意味は一体?
joy2の収録範囲は、どの時期からなんでしょうね。ちょい気になります。
個人的には青山純さんのドラムが聴きたいので。
それでは、誤字脱字はご容赦くださいませ。
(その1)はこちら
(その3)はこちら
(その4)はこちら
(その5)はこちら
出演:山下達郎 黒崎めぐみアナウンサー 平田毅(NHKアナウンス室 専任局長)
ゲスト:松尾 潔
黒崎めぐみ:
お昼の0時15分から生放送でお送りしております「今日は一日“山下達郎”三昧」
アナウンサーの黒崎めぐみです。
ここからは夜10時45分まで一気に行きたいと思います。
私の目の前にご本人がいらっしゃいます!
まず、御挨拶どうぞ。
達郎氏:
山下達郎です。
引き続き、宜しくお願いします。
まだ3時間もあるんですね。
黒崎めぐみ:
ここまで、64曲流したと思います。
達郎氏:
64曲!(笑)
数えれるのって3~4曲くらいですよね(笑)
黒崎めぐみ:
そして、達郎さんのお隣には・・・
松尾 潔:
お耳汚しですけれどもね。
私、達郎さんの、暴言等の・・・・
何て言うんですか、こういうの?
制止弁って言うんでしょうか?
として、やって参りました松尾潔です。
達郎氏:
抑止力です(笑)
黒崎めぐみ:
コアなお話を期待してるファンの皆さんもたくさんいらっしゃると思いますので。
達郎氏:
コアすぎです。
松尾 潔:
コア過ぎる。
怖すぎる。
ハイ。ハイ。ハイ。
◎ 俗に我々「Joyじゃないヤツ」
黒崎めぐみ:
この時間はリクエストがたくさんあったんですけど、ライブの音源とか、せっかく達郎さんがいらっしゃるんだから、レアな音を聴きたいという・・・。
松尾 潔:
そうですよね!
黒崎めぐみ:
たくさんあったんです。
さきほど、スタジオで歌って下さったら”この歌も歌って”っていう声もあったりして。
松尾 潔:
リクエストしちゃって、いいんだっていう感じで!
達郎氏:
要求すれば、何でもやるって思ってるでしょ。
そうは、いかないんですよね。
松尾 潔:
いや、いや、いや・・・(笑)
30分前の達郎さん、もうちょっと寛容でしたよ(笑)。
生歌に関して!
達郎氏:
望んでも、与えられない場合もあるんです(笑)
黒崎めぐみ:
今回は音源をお持ち下さったので、その中からいくつかご紹介したいと思います。
達郎氏:
せっかくなので。
今まで、かかって無い曲で。
でも、ライブだから、かかっててもいいですよね!
松尾 潔:
もちろん!もちろんです。
達郎氏:
新旧取り混ぜ、いろいろと。
黒崎めぐみ:
まず、どの曲を・・・
達郎氏:
まずですね、Joyっていうライブアルバムが、私のライブアルバムでは割と知られてるヤツなんですが。
もう22年ほど経ってしまってて。
松尾 潔:
あぁ・・そんなになりますか・・・
達郎氏:
Joy 2ってのを出したいんですが、なかなか思うに任せないんですが。
Joyの中に入ってる曲が沢山あるんですが、違うバージョンもあるんですよね。
俗に我々「Joyじゃないヤツ」って言ってるんですけど。
松尾 潔:
ハハハハ(笑)
黒崎めぐみ:
“joyじゃないバージョンも聴きたい”というリクエストも、ありますものね!
達郎氏:
まずは、プラスチック・ラブ。
竹内まりやのカバーですが。
Joyに入ってるプラスチック・ラブではないヤツ。
えぇと、86年の7月30日、中野のサンプラザのライブです。
この時のライブはたぶんJoy-2作っても収録される事はないので。
なので、話のタネに。
黒崎めぐみ:
“無い”と言いきってらっしゃいます!
あのぉ、リクエストをご紹介します。
そのJoyじゃないバージョンを聴きたいという栃木の32歳
新潟県の女性の方・・・・などからもリクエストが届いております。
達郎氏:
Joyに入ってないので、弱冠Joyより出来が・・・ちょっとだけ落ちる、ということですね。
松尾 潔:
ご本人が仰って”そうですか”って我々も答えずらいですよね(笑)
いや、いや、マニアにはね、そちらの方がたまんないです!
Joyじゃないというところにね!バリューがあるんですよ!
達郎氏:
自分の番組で一回かけた事があるんですよ。
リマスタリングがもっと良くなっているんで(笑)
気は心ですね!
松尾 潔:
今日は、またリマスタリングされたって事ですね!
すばらしい!
黒崎めぐみ:
それでは、Plastic Loveお届けしましょう。
♪ Plastic Love (LIVE VERSION 1986年) / 山下達郎
達郎氏:
ちゃんとミックスダウンしたやつじゃないので。
仮ミックスなので。
松尾 潔:
素晴らしい音質に聴こえましたけどね。
いやぁ・・・ライブ、また聴きたくなったなぁ!
黒崎めぐみ:
この曲、竹内まりやさんも歌ってらして・・・
達郎氏:
彼女の作詞作曲で、彼女のバラエティってアルバムに入ってます。
松尾 潔:
当時、まりやさんのバージョンの中でも、達郎さん美声を披露してらっしゃいますからね。
達郎さんファンにとっては、特殊な位置づけになりかもしれませんね。
達郎氏:
86年のライブなんですよね。
ポケットミュージックというアルバム出した時のライブなんですけど。
その時、2年前にまりやがレコーディングしたんです。
ちょうど育児で全く表に出られない時なので。
“じゃ僕が代わりに歌います”って、そういうMCが前についているんです。
それで、これやったんです。
松尾 潔:
今、僕、勇気を出して言いますけど・・・・
達郎氏:
何ですか?
松尾 潔:
素敵なおのろけでしたね(笑)
黒崎めぐみ:
(笑)
ほんとですよね、才能のあるご夫婦は、こういう事があるんだなって・・・
松尾 潔:
リスナーの何割かの方の意見を代弁したつもりだったんですけども(笑)
すごく頭にきた方もいらっしゃるかもしれません(笑)。
黒崎めぐみ:
では、続いての曲を。
◎ フル・オでラストステップ
達郎氏:
これは、けっこうレアです。
98年の福岡のサンパレスというホールでやったラストステップの演奏盤なんですが。
ラストステップって、ほとんど演奏でやらなくて、僕がアンコールの時に・・・Joyの一番トップに入ってますけども、あれはアンコールで一番最後なんですが。
ギターの弾き語りで、ほとんどやってる曲なんですが、それのフル演奏バージョンってのが、なかなか珍しいかな。
松尾 潔:
なるほど!
いわゆる、フル・オケは珍しいと。
達郎氏:
そうです。
で、いわゆるPAアウトなので。
音質の方はご勘弁頂きたいと思います。
結構出来が、そんな悪くないので。
松尾 潔:
これまた、何故に98年の福岡では・・・
達郎氏:
これはですね、博多出身の松尾さんがよくご存知の、某放送局の有名、名物ディレクターという方が還暦をお迎えになって。
松尾 潔:
なるほど、それで。
達郎氏:
その時のライブです。
その方の還暦をお祝いするライブというのがありましてですね。
松尾 潔:
私ごとながら、僕、福岡出身でして。
福岡サンパレスっていうのは、生まれて初めて日本人アーティストのライブを観た会場なんですね。
達郎さんじゃなくて浜田省吾さんなんですけど(笑)
浜田省吾さんの曲を達郎さんカバーされてたりというご縁もあるんですけどね。
なんのフォローにもなってないな(笑)
黒崎めぐみ:
フルバージョンはライブで聴いたこと無い方、いっぱいいらっしゃるって事ですか?
達郎氏:
たぶん、そうですね・・・
これをね、演奏ちゃんとやったのって、全国ツアーで90年以後、一回も無いと思います。
シュガーベイブのソングスってCDをオリジナルマスターで初めてCD化して94年に東京でライブやったんですね。その時には、それでやりましたけど。
その他は演奏付きのラストステップはね、90年以後は無いですね。
黒崎めぐみ:
私はそれ聴いている。94年。
達郎氏:
そうですか!
黒崎めぐみ:
はい!
シュガーベイブのコンサート行ってますから。
松尾 潔:
うぉ~
黒崎めぐみ:
ちょっと、こう、松尾さんの前で誇らしい気分になれたかも(笑)
松尾 潔:
僕行ってないんですよね~
達郎氏:
そんなの、ここで自慢してどうすんですか!(笑)
あぁた方。
黒崎めぐみ:
ラジオお聴きの皆さん、お待たせしました。
98年のライブでのLast Step です
♪ Last Step (LIVE VERSION 1998年) / 山下達郎
黒崎めぐみ:
ラストステップ!
素敵ですね!
達郎氏:
ありがとうございます(笑)
松尾 潔:
いやぁ、その場に居たかったなぁ
黒崎めぐみ:
凄く贅沢なライブだったんですよね。
達郎氏:
その日がね、初めて佐橋君がバンドで参加して。
松尾 潔:
ギタリストの佐橋さんですね。
達郎氏:
98年にコージーってアルバムが出たんですけど、それでようやく6年ぶりくらいにツアーが再開できたんですね。
松尾 潔:
そういう意味でも、今の達郎さんのバンドサウンドのある種の起点になってるような。
達郎氏:
そうですね。はい。
黒崎めぐみ:
それが98年だったんですか?
松尾 潔:
達郎さんの二・二六事件ってことですね。
達郎氏:
ふふふふ(笑)
かなり・・・ま、いいや(笑)
松尾 潔:
何ですか!
思いのたけ、全部語って下さいよ、今日は!
達郎氏:
このあいだの、アレですよ。
メロウなじゃんけんの続きみたいになってきましたからね(笑)
松尾 潔:
良くない!良くない!
それは良くないです!
達郎氏:
松尾くんね、ひっぱるの好きなんですよ、とにかく。
もう、早くかけようよ!(笑)
黒崎めぐみ:
でも、今日は、とっておきのお話をお二人にして頂きたいと思っておりますので、是非、ここでしか語れない話・・・
達郎氏:
まだ先長いんですから(笑)
ゆっくりいきましょう。
黒崎めぐみ:
せっかくですから、珍しい音源をお持ちいただいたので、もう少しお聴きいただきたいなと思うんですけれども。
◎ What’s Goin’ On
達郎氏:
えぇと、じゃぁ、お次はですね・・・
僕、時々なんですけど、アコースティック・ライブってのをやってまして。
難波弘之と伊藤広規と僕と3人で。
アコースティックギターとピアノとベースの3人のライブってのを、よくやってるんです。
予算が、あんまり使えない時とか(笑)
ツアーって、やっぱり結構たいへんなので。
この次にお聴きを頂くのは、ファンクラブやっておりまして、ファンクラブ10周年迎えた時のが・・・
2003年だったんですけど。
その時に10周年記念のライブっていうのをツアーで全国やったんですけど。
予算の関係で3人でアコースティックでやったんです(笑)
松尾 潔:
その代わり、会場は数百人収容ってとこだったんですけどね。
黒崎めぐみ:
だからほんとに、限定されて、行きたくても行けなかったファンの方がたくさんいらっしゃるんですよね。
達郎氏:
その時は完全にファンクラブ限定だったので。
ファンクラブの方の、いらっしゃりたいっていう方を、予め募って、それに合わせて会場をね設定したという、そういうアレなので。
東京は、ですから五日とか六日とか、たくさんあるのに、広島なんかは、ちっちゃいライブハウスでやりましたから。
地方の方の方が、かえって得したなって感じかな!
松尾 潔:
そうだと思いますね。
レア度でいえばね!
でもステージの上に3人しかいらっしゃらないっていう、それ故の面白いっていうのがありましたね。
ファンからすると。
達郎さんが、ま、ギターであったり鍵盤であったり。
たまには、そこにパーカッションであったり、一曲の中でも三つぐらいチェンジされるんじゃないでしょうかね。
ある種、曲芸をみてるような、ところもありましたね。
黒崎めぐみ:
次から次へと楽器を変えていくいく感じが・・・
松尾 潔:
そうなんですよ。
達郎氏:
これは2003年3月21日のライブなんですが。
実は、これは、あのぉ・・
一週間前に湾岸戦争が始まったんですよ。
松尾 潔:
そうでしたね・・・
達郎氏:
湾岸戦争がスタートして、この曲、急遽入れたんです。
今から8年前の話ですけれど。
始めには、そういうMCをしつつ。
もともとこの曲は1972年、1年?
マービンゲイの、あまりにも有名なWhat’s Goin’ Onって曲なんですけど。
この曲が、それから30年近く経って、そのメッセージ性がまだ有効だということの非常に・・・
松尾 潔:
達郎さんがお若い時の、ご自身が長髪というだけでね、咎められたりしたっていう、そういうプライベートなお話も交えながら演奏されたのが印象的でしたね・・・
達郎氏:
で、3人ライブなので、ドラムがいないので、ドラムのループをテープでかけながら演奏してるという、ちょっと変わり種の演奏なんですけど。
難波君のキーボードがとっても素晴らしいので、それをお聴きを頂ければと思います。
黒崎めぐみ:
アメリカ同時多発テロ、9.11から2年経った2003年3月21日のライブから。
♪ What’s Goin’ On (LIVE VERSION 2003年) / 山下達郎
黒崎めぐみ:
2003年3月21のライブから「What’s Goin’ On 」
アコースティック、格好いいですね!
達郎氏:
ありがとうございます(笑)
さっき僕、湾岸戦争って、適当な事言いましたけど、イラク戦争ですね。
松尾 潔:
イラクに侵攻したのが3月20日、くしくもライブの前日だったっていう事ですね。
黒崎めぐみ:
急遽決めて、こんなカッコよくきまるんですね!
ま、当たり前か・・・
達郎氏:
一回やったかなぁ・・・・
記憶が定かじゃない。
黒崎めぐみ:
3人だけで、こと音を作ってらしたと。
贅沢な空間ですよね。
達郎氏:
また機会があれば。
黒崎めぐみ:
是非是非、聴きたいという声が全国から聴こえてくる感じがいたします。
松尾 潔:
現場にいた人間としてはね、3月20日にアメリカを中心とする・・イラクに侵攻したっていう、その状態で達郎さんのファンクラブのイベントに行ってね・・・
正直、なんか・・・たいへんな事になってるのに・・
そういう時って、ちょっとある種の罪悪感っていうとへんだけども、自分だけが楽しいポップミュージック聴いてていいんだろうか、みたいな・・
それに、音で解決してくれたっていう、そういう想いで聴いていましたね。
黒崎めぐみ:
そういう事も思いだされました?
松尾 潔:
う~ん、思い出しましたね・・
その”よみうりホール”っていうところだったんですけれどもね。
黒崎めぐみ:
そういう事ありますよね。
ライブに行くと、その時の自分に戻り、その時の世の中の動きも思いだし・・・
松尾 潔:
そのわりにはね、さっき達郎さんが湾岸戦争って言われたら”そうですね”って言っちゃったんですけどね(笑)
いい加減だな!
達郎氏:
生の弱みですね。
松尾 潔:
生放送って証明になりましたね。これね(笑)!
黒崎めぐみ:
そこからあとも、色んなことがありすぎる世の中っていうことも確かにあるのでね・・・
達郎氏:
まだこれから何があるか判りませんからね。
一生懸命生きないとダメですよ。
◎ 寝てても歌える
黒崎めぐみ:
はい!・・・ほんと、そう思います。
そして、レア音源、まだ聴きたいという声、たくさんあります。
続いてどうしましょう?
達郎氏:
いろいろとご要望、お望みもございましょうが、せっかくですので、いろんなものを聴いて頂こうと。
せっかくNHKなので。
松尾 潔:
望むところでございます!
ほんと。
達郎氏:
で、今度はですね、さっきご紹介した難波くん、難波弘之さん。
キーボードプレーヤーですが。
僕、35年くらい付き合いがあるんですが、ずっと今でも僕のライブ、一緒にやってもらってますが。
彼のミュージシャンとしての25周年の記念のライブっていうのが、2001年にあったんです。
ですから、今年、彼は35周年なんですね!
25周年記念のライブは、なんとですね、色んなボーカリストを呼んで、彼が要するに、自分の仲良しのグループで、そういう人達のバックでやろうという。
それこそ、ZABADAKのボーカルの人とか、金子マリさんとか、DIAMOND YUKAIさんとか。
それのゲストで出たんです。
2001年の11月21日、AIR EASTなんですが、渋谷の。
そこで僕、実はね・・・
ソウルとか言ってるけど、中高の時は、ブリティッシュ・ロックだったんですね。
松尾 潔:
時代的に、そういう情報が一番多かったんじゃないですか。
達郎氏:
ブリティッシュロックからアメリカへいって、ジェームス・ブラウンで、そこから崩れちゃったんですけど。
なので、中学の時にはブリティッシュロック一辺倒で育ってるんです。
なので難波君ってのも、ブリティッシュロックでキースエマーソンとかね。
それでビリープ・レストンに会って、そっちにちょっと興味が出て、リズム&ブルースに少し入っちゃうんだけど。
せっかくそういう人達でやるので、ちょっとブリティッシュロックやってみようかなって。
これから聴いて頂く曲はMoody Bluesっていうグループの60年代の・・・
80年代にかけて、凄く息の長いグループなんですけどMoody Bluesの一番初期の
「Days of Future Passed」っていう一日の朝から夜までの一日をシンフォニィと一緒に表現するっていう有名なアルバムで。
そのラストに入ってる「Nights In White Satin」っていう「サテンの夜」っていうね「白いサテンの夜」っていう。そういう歌があるんですが、これ、僕凄い好きなんですよね!
これを、今日は持ってきました。
これは自分のレギュラー番組でも一回くらいしかかけたことがないので。
松尾 潔:
一応、主役は達郎さんではなくて・・・
達郎氏:
ハイ。
松尾 潔:
あくまで難波さん
達郎氏:
なんですけど、彼は歌好きなので、こういう企画で、こういうものを僕に歌わせてくれたので。
僕、一回人前で歌ってみたかっただけなんですけど(笑)
松尾 潔:
面白いですよね、それは!
難波さんっていうのは、ほんとに・・・補足させて頂きますけど、ほんとに、ご人脈もご人徳もある方で、僕も大変尊敬しているんですけども。
やっぱり達郎さんと難波さんの組み合わせっていうのは、日本のポップミュージックの奇跡的な邂逅(かいこう)のひとつだと思いますけどね
黒崎めぐみ:
一回人前で歌ってみたかったっていう事は、初めて人前で歌ったということ・・・
達郎氏:
もちろんそうです。
シュガーベイブの時は、死ぬほど聴いてたので寝てても歌えるんですよね。
黒崎めぐみ:
寝てても歌える・・・(笑)
松尾 潔:
いいですね、今のフレーズね!
“寝てても歌える”
達郎氏:
プロンプター無しで歌える。
♪ Nights In White Satin (LIVE VERSION 2001年) / 山下達郎
◎ レコードってミクロコスモス
黒崎めぐみ:
「Nights In White Satin 」2001年11月21日のライブでした。
達郎氏:
これもPAアウトなので、拍手が小さいですけど(笑)
松尾 潔:
実際はもっと盛り上がったっていう事ですね!
おおかた10年前っていうことですね。
達郎氏:
そうです。
もう10年経つんですね・・
黒崎めぐみ:
ほんとに、色んなミュージシャンの方がステージに上がってというライブだったんですよね。
達郎氏:
そうですね。
ほんとに楽しかったです。
ここ10年くらいの中では一番楽しかった。
黒崎めぐみ:
ほんとき気持ちよさそうに歌ってらっしゃる感じも・・
達郎氏:
カラオケ屋くらいでしか、できないじゃないですか、こういうの。
それを、ほんとにブリティッシュロックの上手い人達がたくさんいて、その人達をバックにやらしてもらったら、ほんとに楽しかったですね(笑)
松尾 潔:
達郎さん、ほんとこのアルバムお好きですよね。
達郎氏:
今聴くとね、いろいろあるんですけど。
あの当時は、とにかく耽美的世界っていうのかな。
一人っ子が、夜中にひとりでヘッドホン付けて聴くには最高の・・
松尾 潔:
妄想込で・・・
達郎氏:
そうですね。
ミクロコスモスが・・・
レコードってほら、こんな小っちゃなお皿の中に無限の世界が広がってるアレじゃないですか。
黒崎めぐみ:
最後の曲ですよね、これ。
達郎氏:
そうです。
このあと、オーケストラがガイーンって、詩の朗読があって、それで終わるんですけどね。
今度、お聴きになって(笑)
黒崎めぐみ:
語る、達郎さんのお顔がとても嬉しそうだったのが、如何にお好きかっていう事が、とてもよく判ります。
松尾 潔:
僕は達郎さんに教えて頂いて”へ~、ふ~ん”なんて言ったら、次にお会いした時に”これ聴きなさい”って渡されましたけど(笑)
達郎氏:
そうやって押しつけるのが悪い癖なんです(笑)
松尾 潔:
確かにヘッドホンで聴いていますと”そうか、達郎少年はこうやって思いをはせてたんだなぁ”っていうのは追体験できましたね。
音楽って、そういうのが出来るから面白いですよね。
黒崎めぐみ:
自分が聴きながら”少年だった達郎さんは、こんな風に聴いたのかな”とか・・・
松尾 潔:
少年だった達郎さんを思い出すっていうのも、考えてみれば、ちょっと気持ち悪い行為なんですけどね(笑)
達郎氏:
だから夫婦だったら、そうなるんだろうって・・・
黒崎めぐみ:
さっき発言も聴いてらしたと思うんですけど、すんなりと思い浮かんだんですよね?
お二人が夫婦だったらって。
達郎氏:
それはイジリネタですよ(笑)
東京の人間は、そういうの好きなので。
これ全国放送なのでね、ちょっとキツイ事言ったりするとね”なんて冷たいの”とかね・・・
東京の池袋で生まれ育ったね・・・
池袋の人は”そうだ、そうだ”って、池袋の人は怒んないんです。
だからNHKで、こうやって全国にいくと”なんてキツイ言い方をする人なんだろう”とか(笑)
黒崎めぐみ:
メッセージをお寄せくださった方はお二人が夫婦だとしたら深夜番組が出来るんじゃないかというような、メッセージでしたから。
達郎氏:
話が好きだって事は重要な事だよね。
言葉で・・・こう、何ていうのかな・・・
コミュニケーションをとるという努力をするていうんですか?
・・言い訳してるわけじゃないですよ(笑)
それに、僕みたいに15も年上の人とね付きあってくれる人なんて、なかなか居ないですから(笑)
◎ 何言ってんですか、あぁた!
松尾 潔:
僕ね・・・ちょっと話変えますよ!(笑)
いろんなミュージシャンの方と・・・
僕もプロデューサーやってるのでお付き合いあるんですけども、やっぱり言葉にするのが苦手だから音に想いを託してるっていう方もたくさんいらっしゃるんですけども。
そういった方々が沢山いらっしゃるっていうか多勢を占めるってとこにあると、達郎さんのように、音楽的にも饒舌でいらっしゃるんだけれども、実際文字通り、マイクに向かった時にこれだけキッチリと論理化された言葉が出てくる方っていうミュージシャンは、ほんと珍しいですね。
達郎氏:
それはだから、売れなかったからなんですよ。
下積みが長いんです。
昔は、雑誌取材とか地方局行ったら、まず聞かれるのは”あなたはどういう音楽なんですか?”って。
結局日本のロックとかフォークの歴史ってのは、言葉でもって説明できない人は知的じゃないっていう解釈だったわけですよ。
ほんとに、松尾さんが言ったみたいに、口数の少ないね物静かな少年が作る音楽だって、別にアレなんだけど。
そういう自分の音楽を言葉で表現できない、評論家的な意味での表現でいない人は自分の音楽に対して思想性が低いと。
70年代ってそういうのが長く続いたので。
だから文字で音楽を評論し、文字で評価し、聴く音よりも文字の情報が先に来て”これを聴かないヤツは”って。
要するに音楽雑誌とか、そういうのがあったんですね。
今はもうちょっとそれよりも、直観的な解釈ってのが割と適合できる時代になったから。
よくなったと思いますよ。
松尾 潔:
音が雄弁であれば、実生活では饒舌じゃなくても大丈夫っていう人が、少しづつ増えているのかもしれませんけれども。
やっぱり、僕も含めて、例えば今の40代くらいの人とかは達郎さんの音楽と、達郎さんのお話、この二つが何か互いを裏打ちし合う関係で、どんどん達郎っていう泥沼に・・・・
達郎氏:
何言ってんですか、あぁた(笑)
松尾 潔:
褒めてるつもりなんですけど、すいません表現ラフで(笑)
黒崎めぐみ:
達郎さんが来られるまでは、皆さん、あのぉ・・・
達郎氏:
泥沼?(笑)
松尾 潔:
クククク(笑)
黒崎めぐみ:
“お話を楽しみにしております”っていうメッセージをたくさん届いておりますので(笑)
達郎氏:
ミドルネームを”泥沼”にしよう(笑)
松尾 潔:
(笑)
黒崎めぐみ:
レアな音源をご紹介して下さっているんですが、松尾さんは、ここで一旦お休みいただいて。
このコーナーの最後はどうしましょうか?
達郎氏:
この先のコーナーで、僕が曲を提供してた方がいらっしゃるんですけど、その方々からコメントを頂いているというコーナーがあります。
その中に鈴木雅之さんがいらっしゃるんですが。
鈴木君には80年代にアルバムを一枚関わって、その時3曲、提供したのがあるんですけど。
その中でも凄く気に入ってるのが「Guilty 」って曲でね。
それを自分で歌ってるバージョンってのがあって。
これ、デモなんですけど。
だからミックスが若干違います。当たり前なんですけど(笑)
仮歌を・・・ほんとの仮歌じゃないんですけど、メロディーを変えたいのでもう一回歌ったヤツがあるんですよね。話すとクドイんですけど。
自分で歌ってるGuilty です。
♪ Guilty (DEMO VERSION) / 山下達郎
~ まだまだ続く・・・
(その3)はこちら
コメント