山下達郎さん サンデーソングブック 2011年02月06日「特集 ドゥワップ」
【改定01】
せっかくですので、達郎氏の曲に関する解説を全てテキスト化して追記しました(2010/2/18)。
長崎は、晴れてたんですが、ぼんやりとした天気。
街は「長崎ランタンフェスティバル 2月3日(木)~2月17日(木)」が開催中です。
夜に唐人屋敷付近を歩くと、暖かく灯った多くのランタンによって、いつもの街とは違う世界へと変わっています。すごくきれいです。
「このお祭りは、長崎在住の華僑の人々が、中国の旧正月(春節)を祝うための行事として始めたもので、もともと「春節祭」として長崎新地中華街を中心に行なわれていましたが、平成6年から規模を拡大し、長崎の冬を彩る一大風物詩となりました。
期間中は、長崎新地中華街はもとより、浜市・観光通りアーケードなどの市内中心部に、約1万5千個にも及ぶランタン(中国提灯)が飾られ、湊公園をはじめ各会場には、大型オブジェが所狭しと飾られます。」※
※ 長崎ランタンフェスティバル ホームページ
さて、サンソンは「特集 ドゥワップ」。
これが達郎氏の原点なんですね。
一曲、一曲の解説は、達郎氏自信の詳細な調査データに基づいているようです。
貴重なデータだと思います。
◎ 冒頭
達郎氏:
この1週間の東京は、前の1週間と比べて、ちょっと寒さが、ちょっとだけ緩くなったかな、という感じでございますが。
それでも全国は、色んな事が起こります。
今はインフルエンザのピークだそうでございます。
特に20代、30代の方が、凄く流行しているという。
特に宮崎県は鳥インフルに重ねて火山の爆発で、弱り目に祟り目という、何もして差し上げられませんけれども、どうぞお大事に皆さん。
インフルエンザ、鳥インフル、病気もありますし、火山のお騒がせもあります。
そんな中で冬でございますけど、体お気を付け、くれぐれも御自愛くださいませ。
番組の方は、張り切って色々と参りたいと思いますが。
私、先週は久しぶりに、ちょっとだけ休みでございましたけども、休みになりますと、何か、飯食いに行こう、飲みに行こうという、そういう誘いがですね、フラフラとついつい飲み会、飯会が続いております。
ちょっと飲み過ぎ、食べ過ぎの傾向があります(笑)
それに加えて一昨日は、2月4日は私誕生日でございます。
ついに、58歳になってしまいました。
サンデーソングブック始めた頃は、まだ30代でございましたが、早いものですねぇ、20年なんて、あっという間ですね。ほんとに。
今年で19年。
もうそろそろ、還暦が見えてきたという。
昔は節分の豆というのは、”なんだこんなもん”って、だんだん年をとってきますと、節分の豆の数が多くてですね、やっと食べてる、お腹がもたれるという、そういう事もありますけれども。
そんな事言ってもしょうがないので、頑張って今週もやってみたいと思います。
で、誕生日なので、たまにはちょっと、自分の好きなプログラムをやってみようかなと。
久しぶりにドゥ・ワップ特集。
ドゥ・ワップミュージック、今から半世紀前、50年前に一世を風靡した音楽スタイルでございます。
いわゆるコーラスの音楽でございますが。
ロックンロール時代のボーカルグル―プの音楽ですが、私が世界で一番好きな音楽スタイルでございます、ドゥ・ワップ。
一生懸命、いろんなレコード、コレクションしておりますので、今日は、そうしたコレクションから、選りすぐりでオリジナルシングルから、板おこしでお聴きを頂きたいと思います。
久しぶりのドゥ・ワップ特集、楽しんで頂ければ幸いです。
日曜日の午後のひと時、今日も素敵なオールディーズソング、今日はドゥ・ワップでお楽しみ頂きたいと思います。
最高の選曲と、今日は古い音楽ですので、最高の音質とは言えないかもしれませんけど、それでもドゥ・ワップにしては、こんな良い音で、というような具合に努力をして、頑張ってデジタル・プロセッシングをして参りました。
誕生日ですので、バースデーカード、バースデープレゼント、たくさんの方々からお送りを頂きました。
ありがとうございます。この場を借りて御礼を申し上げます。
3月9日に、私、ニューシングルが発売になります。
「愛してるって言えなくたって 」
もうお馴染になりました、毎週日曜日、TBS系の夜9時からの日曜劇場「冬のサクラ」。
草剛さんと今井美樹さん主演のドラマの主題歌でオンエアされております。
今日もまだ、テレビサイズバージョンでお聴きを頂きますが、来週はレコードのバージョンが上がって来ると思います。
来週はフルサイズの正式のイシューでお聴きを頂けると思いますが、今日はまだテレビサイズでご勘弁ください。
今日もお聴きを頂きます、3月9日発売、山下達郎ニューシングル「愛してるって言えなくたって」。
◎ 誕生日記念 (追記)
山下達郎がお送りしておりますジャックスカード・サンデーソングブック。
という訳で、誕生日記念?(笑)
今日はドゥワップ特集でお楽しみ頂きたいと思います。
ほんとに、久しぶりのドゥ・ワップ特集でございます。
このサンデーソングブックを昔からお聴きを頂いているリスナーの皆さまでしたら、すっかりお馴染でございますが。
1950年代から60年代にかけてロックンロールのボーカルグループのスタイルでございます、ドゥ・ワップ。
ストリートミュージックからスタート致しましたが、バックコーラスが「ドゥー・ワー」と言ってるのでドゥ・ワップというものでございますが。
僕の一番好きな音楽の形式であります。
昔から好きで沢山レコード買ってきました。
今日は、その自分のレコード棚から、いろいろと選りすぐってお聴きを頂きたいと思います。
大阪府堺市のS.Mさん、「万歳! ドゥ・ワップ特集」。
高崎市のF.Yさん、「今度の日曜日のドゥ・ワップ特集、ほんとに楽しみにしています」。
他、たくさんお便り頂いています。
リクエストも頂いておりますが、今日は、ちょっとオタクな感じで。
いつもこういう事やってるとですね、何か大変なんですが、たまにはいいんじゃないかと。
誕生日ですので。
誕生日というのを言い訳にしたドゥ・ワップ特集。
えぇ、今日はですね、そういう訳で全てオリジナル・シングルの板起こしと呼ばれます、オリジナル。シングルからデジタル。プロセッシングしてお聴きを頂きます。
あのぉ、どっちにしろ、今日お聴きを頂くような曲はですねCD出てると言っても、全部ブートまがいの板起こし、同じような板起こしですので、同じ板起こしだったら、私んちでやった方が、全然良い音しますので。
少々スクラッチ多かったりしますが、そのへんはご容赦頂きたいと思います。
モノラルのカートリッジ、買ってきました(笑)。
それで、行ってみたいと思います。
今日は割と、ホワイト・ドゥ・ワップが多めです。
◎ Rick And The Masters (追記)
とにかく、最近好きな、良く聴いてるヤツを選んで、あのぉ、私のライブで、いつもお客さん、”客入れ”って言いますが、開演前の30分、40分にかかってるドゥ・ワップの曲。
みんな自分の家から持ってきた曲ですが。
それの中から、いいヤツ選んできました。
まずは、フィラデルフィアのホワイト・ドゥ・ワップです。
白人4人組。
”Rick And The Masters”というグループの1963年に出しましたシングル。
この人達は4枚のシングル出ておりますが。
1959年のディザイアーズというグループのヒット曲
”Let It Please Be You ”
ドゥ・ワップの世界では有名な曲ですが、このディザイアーズのカバーなんですが、このカバーが、ひょっとしたらオリジナルに引けを取らない出来だという。
キャメオ・レーベルでの1963年の”Rick And The Masters”Let It Please Be You
”Rick And The Masters”白人4人組のドゥ・ワップグループ。
フィラデルフィアのボーカルグループでございますが、1963年のシングル”Let It Please Be You ”、ザ・ディザイアーズのカバーでございます。
◎ The Four Buddies (追記)
ドゥ・ワップというのはブルースと同じようにロックンロールの創世期の音楽でありますけれども、後に活躍する人達が、こうしたドゥ・ワップグループから出身で、後に作曲家になったり、アレンジャーになったりですね、それからシンガーになったり、プロデューサーになったり、色々な枝分かれをしていきます。
そういうような人達がですね、若かりし頃のサウンドが沢山残っております。
そんなうちの一つ。
”The Four Buddies”という。
Four Buddiesといいますとですね、ボルチモア出身の府ループが有名ですけど、これは、それと同名グループでありまして、ワシントンDCの出身。
リードボーカル、作曲、編曲をやっておりますのが、あのバン・マッコイでございます。
バン・マッコイといいますとですね、スターライターズというグループで、家族のグループで名前が知られておりますが、もっと後のレコーディングでございます。
1964年。
ですから、もうバン・マッコイ、作曲家とかで活動始めてた時代でありますが、まだ、ドゥ・ワップに色気があったんですね。
こんなモロのドゥ・ワップの作品が残っております。
もうドゥ・ワップの時代は過ぎていこうとしている時代に、まだこうやってるという。
バン・マッコイ、こういうボーカルグループが好きな証拠であります。
1964年、インペリアル・レーベルから発売されました、”The Four Buddies”I Want To Be The Boy You Love
ようするに、”貴方に愛される男の子に僕はなりたい”という歌でございます。
作詞・作曲、編曲、そしてリード・ボーカル、バン・マッコイ。
”The Four Buddies”I Want To Be The Boy You Love
1964年のシングルです。
ここから10年ちょっとで”ハッスル”にいっちゃうんですから、いかに60年代から70年代の音楽のスピードが速いかという事がお分り頂けると思いますが。
僕、このシングル、ほんとに好きでですね。
でもこれが、バン・マッコイの作品だっていうのが判りましたけど、バン・マッコイがグループだとまでは、判りませんでした。
最近、資料が豊富になってきまして、昔は全然知りませんでした。
”そうだったのね”という感じでございます。
◎ The Serenaders (追記)
バンマッコイに続きましては、今度はジョージ・カー。
後にニュージャージーを代表する大プロデューサー、作曲家になりますが。
ジョージ・カーはソロ・アルバムを何枚か出しております。
自分でも歌うことの好きな人なんですが。
ジョージ・カーの初期のレコーディング。
1957年のボーカルグループでございますが、”The Serenaders”。
この人達も何枚かシングル出しておりますが、これもほんとに、あのぉ素晴らしいドゥ・ワップソングであります。
リードボーカル、もちろんジョージ・カー。
”The Serenaders”1957年、MGMレーベルからの1曲、「Never Let Me Go 」。
ジョージ・カー引きいる”The Serenaders”
勿論、ニュージャージーのボーカルグループでございますが、4人組の黒人ボーカルグループ。
”The Serenaders”名義で6枚、シングル出ておりますが、これはファーストシングル。
元々、チョックというマイナーレーベルで出たものがMGMが買いましてですね、1957年に発売されました。
勿論、ヒットにはなっておりませんが。
ジョージ・カーの声がしておりますね。
大好きです。
◎ The Harptones (追記)
さて、ドゥ・ワップという音楽は50年代、60年代、かなりの数のレコードが出されました。
ま、言ってみれば、今のラップ・ヒップホップのようなストリートカルチャーの音楽ですので、ストリートから出ましたので。
特にアカペラで、楽器が無ければですね、どこでも演奏できますので。
地下鉄の階段とか、それこそ、文字通りストリートの角でやるというような、そいうグループがたくさんありました。
タレントコンテストで優勝しますと、レコード・デビューを出来るといいましょうか。
ま、今のヒップホップ、ラップと何も変わらないんですが。
そうしたストリートグループの草分けと言われたグループがニューヨークの”The Harptones”というドゥ・ワップヒストリーで必ず最初に出てくるグループでございますが。
”The Harptones”はその後も、活動をずっと続けておりましてですね、リードボーカルのウィン・フィールド・スコット、それから曲を書いているラオール・シタという、この人、僕大好きで、僕もオン・ザ・ストリート・コーナーで何曲かやっておりますけれども。
盛りを過ぎて70年代、80年代になっても活動をしておりましてですね、そういう時代に出した作品も素晴らしいものが多いんですが、今日はThe Harptonesの1982年に出されましたアルバム、CBSから発売されました「Love Needs」という、これは、ほんとに名盤で凄く良く聴いたアルバムですけれども。
この中でも、とりわけ僕が好きな一曲、The Harptonesの名曲を沢山書いておりますラオール・シタの良い曲です、”I’m So In Love With You ”という一曲。
ステレオで、どうぞ。
The Harptones、1982年のアルバム「Love Needs」から”I’m So In Love With You ”でございました。
◎ The Paramounts (追記)
お知らせの前にもう一曲、いってみましょうかね。
今度はまた、ホワイト・ドゥ・ワップ。
ドゥ・ワップ。グループっていうのは、何度も申し上げますように、ストリート・ミュージックでありましてですね、もう、すぐ録音してインディで出しますので、同名グループっていうのが、沢山ありまして。
特定がなかなか、しずらいのですが、最近資料がだんだん揃ってきて、少しづつそういうのが明らかになってきましたが。
これからお聴きを頂きますのは”The Paramounts”というホワイト・ドゥ・ワップ・グループですが、”The Paramounts”という名前だけで、3つも4つもあるんですが。
このグループはブロンクスの、ニューヨークはブロンクスの出身の5人組の白人ボーカルグループのようです。
4枚か5枚、シングル出てると思われますが、まだ僕、5枚のうち4枚しか持ってないので、その4枚は全てこのグループのものですが、もう一枚が確認できませんが(笑)。
ま、そんな事はどうでも良いんですが(笑)。
とっても綺麗なファルセットのリードの人でありましてですね、これからお聴きを頂きます1963年、ローリーレーベルから発売されました「Just To Be With You 」。
1959年のパッションというホワイトのボーカルグループのカバーなんですが、それよりもこちらの方が出気が良い。素晴らしいハーモニーが堪能できます。
いかにもホワイト・ドゥ・ワップ然としたですね、1963年”The Paramounts”ローリーレーベルからの「Just To Be With You 」
”The Paramounts”
典型的なニューヨークの白人ドゥ・ワップのサウンドしておりますが。
オリジナルは、ザ・パッションズの1959年、全米69位まで上がりました「Just To Be With You 」のカバーでございます。
”The Paramounts”でございました。
◎ ニューシングル カップリング
達郎氏:
ニューシングル、3月9日発売「愛してるって言えなくたって」。
カップリングは高気圧ガールだと先週申し上げました。
なんで、いきなり高気圧ガールなのかと。
いったら、2月から始まりましたアサヒのSlatという缶チューハイのCMソングのタイアップでございまして、それに高気圧ガールが使われておりますのでですね。
高気圧ガールのスタジオバージョン、1983年のシングルなので、それでも良かったんですけど、まぁ、せっかくだからライブバージョンにしようかと。
一昨年、2008年から2009年のツアーで二十数年ぶりに高気圧ガールをライブのステージにかけましたが、そのライブレコ―ディングがありますので、今回はcoupled with “高気圧ガール 09 ライブバージョン”でございます。
それも”早くかけろ”とリクエストカードを頂いておりますが、ちょっと待ってください(笑)
まだ、お皿が出てきて来ないので(笑)
ゆっくり、どこのライブか、それも、まぁ、あの、もうちょっと持たせて、意地悪しちゃおうかなと。
そういう感じでございます。フフフフ(笑)
私、ちょっとだけ休みだったんですが、今週から、また曲書きに入って、また引き続きアルバムのレコーディングでございますので、このドゥ・ワップ特集、こうしたやつはですね、実は以外と時間と手間がかかります。
最近は、資料が凄く多くなってきましてですね、簡単にできるかなと軽い気持ちで始めたんですけども。
最近ネットが発達してますので、ネットでも、いろいろ、こうデータが出てるんですけども、結構いいかげんなんですよね。
結局また、自分の持ってる資料に戻らなきゃならないので、確認作業が、いったい、どこまでホントで、どこまでウソなのかという、そんな事やってたうちに、一週間経ってしまいまして結構くたびれました(笑)。
なので、来週、さ来週あたりは、また「棚つか+リクエスト」に戻ってやりたいと思います。
忙しくなってきますと、皆様のお便りが頼りでございます。
リクエスト、お便り、たくさんお待ち申しあげております。
◎夫婦放談 番外編 2/27
達郎氏:
でですね、昨年の末に竹内まりやさんゲストに夫婦放談を行ったときにですね、ちょうどその時が、ライブとライブの間でしたので終了後でしたら、なんか、色々お話できたんですが。
そういう事ができないので、まぁ、年が明けたら打ち上げでもやってみようかという、そういう様な事を申し上げた記憶がございますので、2月の27日、今月のお終いにですね、竹内まりやさんゲストにお招きしまして、夫婦放談番外編、夫婦放談打ち上げ編、的な事でいってみたいと思っております。
竹内まりやさん、また来てもらいますので、そちらの方にもお便り、何卒宜しくお願い申し上げます。
また、プレゼントかなんか用意したいと思っております。
あらっ、鉛筆おっこっちゃった!
◎ リスナからのおたより(新潟県I.Tさん)
『連日の除雪作業で体中が筋肉痛です。
達郎さんも雪国の除雪風景をテレビのニュースで見た事があると思いますが、スノーダンプ、大きなチリとりのような物で、雪を押したり、屋根から降ろしたりします。
これが40年近く前から使用されていますが、この出現により雪国の人手による除雪作業の効率が飛躍的にアップしました。
ところが大雪で、このスノーダンプの在庫が無くなってきています。
プラスチック製の安物は3千円以下。
スチール製は5千円くらい。
アルミの軽量タイプは1万円。
オールチタン製の軽くて丈夫な最高級モデルは2万5千円以上します。
ドゥ・ワップ特集のリクエストは”why do fools fall in love”』
達郎氏:
凄いですね(笑)
この脈絡の無さ!
どこも大変ですね。
なんか、北陸あたりは雪が積もりすぎて、ボランティアを募ってるというか、そういうニュースを見ましたが、お大事に、どうぞ。
東京は逆に、もう何十日と雨が降って無くて、超異常乾燥状態です。
◎ The Vows (追記)
全く、何処の何だか判らないグループだったんですが、最近だんだんはっきりと判ってきましてですね、1962年に発表されたシングルなんですが、女性のリードボーカルなんですが、プロデュースがジョージ・モットーラというウェエスト・コーストのプロデューサーでありますが、ジェシー ベルビンの「Good Night My Love」の作曲者でございますね。
このThe Vowsというグループ、実は俳優のモリス・チェスナットのお父さんがリーダーだったグループだそうであります。
歌っている人はヘレン・シンプソンという女性でありますが、いかにもウエストコースト・ドゥ・ワップ然としたですね、綺麗な曲であります。
1962年の”The Vows”「I Wanna Chance 」
”The Vows”
1962年のシングル「I Wanna Chance 」。
文法的に変なアレですが。
そういう曲でございます。
歌っている、ヘレン・シンプソンの作曲になる一曲でございます。
途中から出てくる、バック・リフのコーラスが、とってもウエスト・コーストっぽい。
◎ なぜドゥ・ワップ特集?
達郎氏:
なぜドゥ・ワップ特集を、やろうかと思いついたか、といいますとですね、先週も申し上げましたが、レコードコレクターズという雑誌で毎年、年の頭に”私の収穫、この一枚”、この一年の収穫の、そういう一枚を出せという。
もう十年以上、そういうのが続いておりまして、私、毎年それに書かせて頂いておりますが、今年は「シームス」というグループの”There’s No Moon Tonight”という一枚なんですが。
これは「カプリス」という、これもドゥ・ワップ・グループですが、1959年の大ヒットソングです。
全米3位まで上がったヒットソングですが、「カプリス」の”There’s A Moon Out Tonight”という有名な曲があるんですが、これのアンサーソングなんですけれども。
今を去ること、三十数年前、1978年に私、ニューヨークに一人で一月半くらい、「クールス」というロックンロールグループのプロデュースといいましょうか、レコーディングで行っておりました所に、ニューヨーク グリニッジビレッジのですね、まぁ、屋台っていいましょうか、ほんとに段ボールにシングルだけ入れて、しかも全部ドゥ・ワップなんですよね。
そいうオヤジがいましてですね。
そこに毎週日曜日、朝から晩まで通って、私の今持ってるコレクションは全部、ほとんど、そこから買ったものばかりです。
しかも、安かったんですね。
全部3ドル、4ドル。
その時にカプリスのオールドタウンの”There’s A Moon Out Tonight”、これ今、ありますが4ドルって書いてありますね。
これを買おうとして、オヤジがですね、”お前、これ持ってるか?”と出してきたのが、シームスという、ストークというド・マイナーレーベルのアレで、それの盤なんですが。
”これは何なんだ”って聞いたら
”お前、これ知らないのか? これはカプリスのアンサーソングなんだ”
って、偉そうに太ったオヤジがですね。
それを売ってくれないで、”これは、売れない!”って。
”来週来れば、リプロ持ってきてやる”
で、リプロを買わされまして(笑)
あせた色なんですよ、このリプロ。
で、このオリジナル盤っていうのを30年間探して、ようやく去年手に入れましてですね。
なので、その話をしましたら、超常連の方が”聴かせろ”と。
たくさん、いらっしゃいまして。
さいたま市のI.Hさん、中野区のO.Tさん、北九州市のS.Yさん、新潟県のT.Kさん、茨城県のN.Sさん、北九州市のN.Nさん。
皆さん、シームスの”There’s No Moon Tonight”、これを聴かせろ、と。
お聴かせします。
◎ アンサーソング
でも、これカプリスの元を聴かないとですね、シャレにも何にもなんないので、まずはカプリスの1959年のヒットソング”There’s A Moon Out Tonight”の一節だけ。
てなわけで、カプリスの”There’s A Moon Out Tonight”は、こうしたドゥ・ワップのスタンダードナンバーとして大変有名な曲です。
このアンサーソング、ヒット曲に対するアンサーソング。
ヒット曲をもじったアンサーソングですが、このカプリスのアンサーソングはシームスというグループがやっております、”There’s No Moon Tonight”
”今夜は月が無い”(笑)
1964年のシングルなんですが、実はこれ、幽霊グループでありまして、やってるのはボブ・フェルドマン、ジェリーゴールド・ステイン、リチャード・ゴッタランという、この3人組はプロデューサー・チームであります。
ソングライター・プロデューサーチーム。
最も有名なのがエンジェルスのマイ・ボーイフレンズ・バック。
それから彼ら自身がストレンジ・ラブズというグループでアイ・ウォント・キャンディーという曲を1965年にヒット出しております。
その後もずーっと70年代まで、ずーっと続いて、リチャード・ゴッタランとい人はロバート・ゴードンとかですね、その後のマドンナで有名なサイアーというレーベルの設立にも深く関わっております。
この人達が、でっち上げた1964年のシングルでございます。
勿論、全然ヒットしません。
しかも、これB面であります。
A面は、ちょっとフォーシーズンズがかった、そういう曲でございます。
なにしろ(笑)、30年探してですね、あの時のオヤジがですね、これ持ってきて”You don’t know this ?
・・・とか言って、”お前、これしらねーのか?”って、あの得意満面のですね。
25歳の少年は、凄く傷つきました。
今から、考えると、とっても懐かしい想い出であります。
ようやく手に入れました。
”There’s No Moon Tonight”、ザ・シームス!
今日は、このへんで(笑)
ドゥ・ワップ特集、また機会がありましたら。
やっぱ、時間の余裕が無いと、密度が保てませんので(笑)
そういう時はドゥ・ワップで「棚から一つかみ」になります(笑)
ろくなデータはご紹介できません。
また機会があれば!
今日の最後は、せっかくドゥ・ワップ特集なので、私のオン・ザ・ストリート・コーナーで締めたいと思います。
オン・ザ・ストリート・コーナー4はいつになったら作れるんでしょうね(笑)
還暦までに作りたいと思っているんですが。
1999年のオン・ザ・ストリート・コーナー3から、ダブスというニューヨークを代表するドゥ・ワップグループの代表作。
私の大好きなこ曲で、今日はお開き。
ドゥ・ワップ特集、ご清聴、ありがとうございました。
山下達郎、オンスト3から
”Don’t Ask Me To Be Lonely ”
今週のオンエア曲
14:05 愛してるって言えなくたって (TV Size) 山下達郎
14:11 Let It Please Be You / Rick And The Masters
14:15 I Want To Be The Boy You Love / The Four Buddies
14:19 Never Let Me Go / The Serenaders
14:23 I’m So In Love With You / The Harptones
14:27 Just To Be With You / The Paramounts
14:36 I Wanna Chance / The Vows
14:41 There’s A Moon Out Tonight / The Capris
14:44 There’s No Moon Tonight / The Themes
14:46 Don’t Ask Me To Be Lonely / 山下達郎
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