山下達郎さん サンデーソングブック 2014年11月16日『竹内まりや「Variety」ミニ特集』
随分寒くなりました。
長崎も朝晩がキリッと冷え込んできました。
今日のサンソンでオンエアされた曲には青山純ドラム&伊藤広規ベースの曲が沢山ありましたが、聴いてて心地よいリズムです。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
11月も、早いもので中盤でございます。
だいぶ、東京も涼しくなって参りまして、もう寒い感じが出てまいりまして。
20度は、もうそろそろ超えることはないと・・
最低気温が一桁に、なって、きつつあります。
全国的にそんな感じで、北海道は雪が降っているというですね。
そういうような、あれでございます。
冬、遠からず!
という感じでございます。
季節の変わり目でございます。
お風邪、皆様、くれぐれもお気をつけ下さい。
私、竹内まりやのライブ、全国コンサートツアー、いよいよ今週から始まります。
リハーサルもファイナルでございまして、いよいよ纏めに入って、曲順決めまして、やっております。
バンドの纏まりも順調に進んでおります。
なかなか演奏難易度が高い曲が多いので、結構みんな大変でございますが。
頑張ってやっております。
いよいよ今週の末、11月22日から、広島のグリーンアリーナ皮切りにしまして、全国6箇所、9公演。
竹内まりや、三十数年ぶりの全国コンサートツアーでございます。
ライブが4年ぶりになります。
私のライブ以上に、切符が取れないと、お叱りのお便りが沢山頂いておりますが。
公演数が少ないので、そういうことになりましたが。
でも、取れてる方は、3公演、4公演行けるという、そういう方もいらっしゃいます。
ほんとにこれは、くじ運でございましてですね。
私達には、どうにもなりませんがですね(笑)
いらっしゃる皆様、お待ち申し上げております。
いよいよツアーが始まります。
でも、私のマニアックツアー終わってから、まだ一月ちょっとしか経ってないのに、もう遥か昔のことのように、思えます。
えぇ、さて、今秋の11月19日でございますが。
竹内まりや、1984年にムーンレーベルへ移籍しまして出しました第1段アルバム「Variety」
こっから路線が変更するわけですけれども。
「Variety」30周年を迎えましたので、今秋の19日、11月19日、Variety -30th Anniversary Editionが発売になります。
ニューデジタル・リマスター、そしてボーナストラック付きで発売になります。
7月に私の「BIG WAVE」、やはり1984年の作品ですが、それを出しました
。それと同じパターンでございまして、「BIG WAVE」に続きまして「Variety -30th Anniversary Edition」
ですので、今週は、せっかく発売日の前なのでですね、このVariety -30th Anniversary Edition・・・7月に「BIG WAVE」の特集をやったのと同じように、ミニ特集でお届けしたいと思います。
全曲、全バージョン、フルではかけられませんけれども、つまみ食い。
今日はお聴きを頂きたいと思います。
久しぶりのコンサートツアーの前哨戦としましてVariety -30th Anniversary Editionの特集でございます。
日曜日の午後のひととき、今日は竹内まりやの、お馴染みの作品のリマスターバージョンでお楽しみを頂きたいと思います。
で、11月19日、私の毎年恒例の「クリスマス・イブ」、そろそろ街で流れてて、この前デパートへ買い物行きましたら、「クリスマス・イブ」思いっきりかかりまして。
そうすと、なんとなく、こう、コソコソしてしまう自分(笑)
そういうアレでございますが(笑)
今年31年目を迎えました「クリスマス・イブ」。
昨年30th Anniversary Editionで、「メロディーズ」とそれから「クリスマス・イブ」のCDシングルもですね、出まして・・
それで、もう打ち止めかと思いきやですね、今年は11月の末から、この「クリスマス・イブ」をテーマに扱った映画が公開されます。
映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』
これのテーマソングとして使われておりまして。
私、これの映画の音楽監修もしております。
来週は、それの特集をしたいと思いますが。
なので、今年は2014年バージョンという・・
また、リニューアルして(笑)
この映画に収録されております、私の「Have yourself a merry little christmas」と竹内まりや「クリスマス・ソング」のメドレー・・・サンデーソングブックでは年末の夫婦放談でよくお聴きを頂いておりますが。
それを、くっつけましてですね、クリスマス・イブのCDシングル、2014年バージョン。
こんなはずじゃ無かったんですけどね(笑)
ほんとに有難いことでございます。
今年もリニューアルして、ま、限定でございますが2014年バージョン、限定バージョンで発売することになりました。
これも11月19日でございますので。
いよいよ、11月も後半に入って参りましたが。
今年初のサンソンで「クリスマス・イブ」オンエアさせて頂きたいと思います。
調布市のH.Rさんから、お便りを頂きました。
『都内で郵便局長をしております、H.Rと申します。
手紙、葉書文化の継承者としても感謝いたしております。
日本郵政は達郎さんに感謝状を送っても宜しいかも、と思っております。
11月18日は結婚式挙げて25周年』
奥様のFさんと、結婚記念日。
ありがたいお便り・・
♪ クリスマス・イブ/山下達郎
~ CM ~
♪ もう一度/竹内まりや
◎もう一度/竹内まりや
達郎氏:
バラエティの一曲目、お聴きを頂きましたのは「もう一度」というですね。
1984年の4月25日に、このバラエティ、アルバム発売されましたが。
その先行シングルとしまして4月10日に出た、シングル盤でございます。
このアルバムの中では、従ってシングルでしたのでですね、一番最後にレコーディングされた曲であります。
当時のTBS系のドラマ「くれない族の反乱」、ヒットしたドラマでございます。
「くれない族」というのが、言葉が流行語にもなりました。
それのテーマソングでございます。
「もう一度」
当時の私のレコーディング・セクションとしては典型的な、青山純ドラム、伊藤広規ベース、難波弘之ピアノ、そして私のギター類、それから雑用もろもろというですね。
でまぁ、バックグラウンド・ボーカルも一人でコーラスやっております。
多重で。
お聴きを頂けば判りますように、ここんとこずーっと、ボブ・クルーの追悼特集やっておりますのでですね、すぐお判りになると思いますが、完全にフォーシーズンズのパターンでございます。
ま、フォーシーズンズにトーケンズとハプニングスに、ちょっと胡椒ふりかけてですね。
それでビーチ・ボーイズの匂いをちょっと振り撒いて・・・
いずれにせよ60年代のボーカルグループ・マターでございます。
ここんとこボブ・クルーの特集やっておりますのでですね、そういった女性シンガーのバックに、そういう、こういった男性シンガーのボーカルが入るという。
ボブ・クルー得意のパターン、そういうような匂いもございます。
◎プラスティック・ラブ/竹内まりや
♪ プラスティック・ラブ/竹内まりや
達郎氏:
竹内まりや「バラエティ」、アナログ盤A面2曲めに入っております「プラスティック・ラブ」
これは逆に、この「バラエティ」のレコーディングで一番最初にレコーディングした作品であります。
これも青山純ドラム、伊藤広規ベースでございますが、キーボードが中西康晴さん、エレクトリック・ピアノ。
そして、私のエレキギターと雑用諸々と。
ストリングスとブラスが入って、割りと厚めのものでございますが。
これも、色々なところで、インタビューそれから取材で、本人も言っておりますが、元々は竹内まりや、1978年、RCAでデビュー致しましたが。
その時は、どっちかというとシンガーとしてのスタンスが大きい・・・
デビュー曲もセカンドヒットも加藤和彦さん作曲ですし、「セプテンバー」というお馴染みの曲は林哲司さん、最大ヒットの「不思議なピーチパイ」も加藤和彦さん。
そうした、まぁ、作曲家に曲を頼んで、シンガーとして活動していたんですけど。
2年ちょっとやって、ちょっとそうした活動形態にくたびれたというのもありまして、1回休業しましてですね。
その間に、私と結婚しまして。
で、まぁ、私が作ったムーンレーベルというところに移籍をしまして、その1段が「バラエティ」という作品でございます。
「バラエティ」を作るにあたって、あおれまでの路線を踏襲させるということで、最初は考えておりましたので、そうした作曲家の人に何曲か頼んで、私が何曲か書いて、本人も何曲か書いて。
というような事を考えておりましたですね・・
しばらく2年近く休業しておりました。
その間に人に曲を書く仕事ってのが・・・河合奈保子さんの「けんかをやめて」とか中山美穂さんの「色・ホワイトブレンド」とか、そういったアイドル歌謡に、逆に自分が曲を提供するということをやっておりました。
それをやっているうちに自分の曲も、なんとなく書き溜めておりましてですね。
ま、このアルバムの準備が始まった時に、彼女が自分の曲、聴いて欲しいと持ってきました。
で、一番最初に僕が聴いたのが、この「プラスティック・ラブ」でございます。
これが(笑)、あまりにも良くて(笑)
ぶっ飛びましてですね。
その後、聴かせてもらった曲がもう、片っ端からいい曲なので。
これだったら本人が全曲一人でいけるかなと。
それが、このバラエティというアルバムの、そもそものコンセプトの始まりでございました。
当時の音楽状況としましては、すごくリスキーなですね。
1回休業して結婚した女性シンガーがですね、全曲私曲で・・なんて言いますかね、再デビューするというのは非常にリスキーだったんですけども、おかげ様でそれが、凄くいい結果を生みまして「バラエティ」というのは今日も聴かれるアルバムになっております。
◎本気でオンリーユー (Let’s Get Married)/竹内まりや
♪ 本気でオンリーユー (Let’s Get Married)/竹内まりや
達郎氏:
いわゆるハチロクものという、得意のパターンでございますが。
この曲は私の一人多重でございます。
伊藤広規ベース以外は、私のドラム、ギター、パーカッション、その他諸々でございます。
イントロのパイプオルガンのウェディングマーチ・・メンデルスゾーン・・
これだけ坂本龍一さんにお願いしました。
当時は、いわゆるサンプリングマシーンが黎明期でございまして・・Emulator
これとパイプオルガンを合わせて・・
何で坂本くんに、これを頼んだかというとですね、丁度同じスタジオの上と下でですね、坂本龍一さんは「音楽図鑑」のレコーディングをやっておりまして。
だから「音楽図鑑」も30周年なんですね、きっとね。
で、こちらは、まりやの「バラエティ」やっておりまして。
毎日一緒だったので(笑)
まりやがですね、じゃ、坂本くんにウェディングマーチ弾いてもらおうと。
それでまぁ・・昔からの知り合いですから、それで、こういう事になったという、わけでございます。
これも随分、結婚の時のテーマでよく使われました。
間奏のテナーサックスはEarnie Watts でございましてロサンゼルスに行ってEarnie Watts のソロ録ってきた・・
こうしたハチロクで一人多重ってのは結構ありますが。
割りと自分では気に入ってるトラックでございます。
「バラエティ」というアルバムは、非常にそういう意味では作家的なアルバムであります。
シンガーソングライターと言うか、どちらかと言うと、作家的な割と曲調が幅広と言いますか、そういうものが・・・
本人が1回やってみたかったと、そういうような物がズラッと並んでおりますが。
◎ONE NIGHT STAND/竹内まりや
♪ ONE NIGHT STAND/竹内まりや
達郎氏:
なんか全然変わってない(笑)30年経ってですね(笑)
なんつっても、11曲で、とても完奏できませんしですね、全曲ご紹介するにも時間が足りません。
1曲飛ばします。A面の最後の「Broken Heart」って、これ結構いい曲なんですけども、今日はちょっと飛ばしまして、B面行ってお知らせ行きたいと思います。
◎アンフィシアターの夜/竹内まりや
達郎氏:
バラエティというこのアルバムは1984年のアルバムでありまして。
アナログのレコーディングの最後の作品です。
85年から、日本のレコーディングは全面的にデジタル化になります。
私「BIG WAVE」と、この「Variety」が私にとってアナログレコードの最後になります。
そういう意味ではアナログの最後の輝きと言いましょうかですね。
そうしたロックン・ロールなグルーブ感というのが十分に出てる1枚だと思います。
オリジナル・アルバムB面の一曲目に入っておりますが、いわゆるロックン・ロール・ソングでございます。
「アンフィシアターの夜」という、彼女が昔、アンフィシアターでキンクスを観て、それが感動して作った歌であります。
青山純ドラム、伊藤広規ベースで、 中西康晴さんのピアノで、私のギター、サイドギター。
リードギターが松浦善博さん。
こうしたサザン風のグルーブを弾かせたら日本で有数のギタリストであります。
ベストメンバーでやっております。
♪ アンフィシアターの夜/竹内まりや
最初に出てるのは、左側に出てるのは私のギターですが、そこから飛び出す、野太いギターは松浦君のレスポール!
素晴らしい音色でございます。
~ CM ~
◎とどかぬ想い/竹内まりや
達郎氏:
B面の2曲目、これは私結構好きな曲であります。
ちょっとブレッドのテイストが入った曲でございます。
これ3人レコーディング。
青山純ドラム、伊藤広規ベース、私がギター、キーボードその他諸々やっております。
♪ とどかぬ想い/竹内まりや
◎マージービートで唄わせて/竹内まりや
達郎氏:
ビートルズファンの竹内まりやさんがマージービートへの思いを込めて、レコーディングを致しました「マージービートで唄わせて」
いきなりブリティッシュになりまして、当時のステレオ感を再現するために、80年代にしては、全然違う経緯で、楽器の経緯で展開しております。
♪ マージービートで唄わせて/竹内まりや
今聴きますとビートルズというよりはジェリー&ザ・ペースメーカーズに近いかなって気がします。
ドラムス上原裕、ベース伊藤広規、オルガンは難波弘之
私のアコギ、エレキ12弦、その他、パーカッション
コーラスが杉真理さん、村田和人さん、伊藤銀次さん、3人!
全員、1953,4年くらの・・銀次は除くと、他のメンバー全員53,4年生まれ。
なので、この世代はもう完全にブリティッシュ・ビートは基礎教養でございまして。
難波君もバリバリのブリティッシュ派でありますし、私もそれなりに聴いておりました。
こうした雰囲気は、みんな得意であります。
楽しいレコーディングです(笑)
◎ ボーナストラック
達郎氏:
とか言って、時間がきてしまいました。
まだ3曲残っております。
えぇ・・・どうしようかな(笑)
最後に何をかけようか(笑)
ボーナストラックの話をしなきゃいけないですね。
ボーナストラックはですね、7トラック入っておりますが。
1番の目玉は、後に中森明菜さんのアルバム『CRIMSON』に収録されます「赤のエナメル」という・・
ほんとはこの「バラエティ」の時にレコーディングされたトラックなんですけれども、結局収録されませんでですね。
それで後に中森明菜さんに提供した曲になりましたが。
この時のレコーディングトラックが残っております。
ほとんど仮歌ですけれども。
リズム隊の基礎しか入ってない、アレですけど、未発表のテイク。
「赤のエナメル」の未発表テイク。
それから、このバラエティを出した直後にですね、「プラスティック・ラブ」の12インチバージョンを作りました。
当時はクラブミックスというのが非常に流行っておりまして、それでロングバージョンでございますね。
それを二日かけて、一生懸命マスターミックスってのをやりましてですね。
右にも左にも12インチミックスなんて作ったこと、これだけなんですが。
「プラスティック・ラブ」の12インチ、エクステンデッド・クラブミックスと銘打ちまして、12インチを出しました。
これのカップリングが「プラスティック・ラブ」のリミックスでありまして。
このアルバムに入ってるオリジナルバージョンよりちょっと楽器を減らしてディスコ向けにですね、ちょっと音圧を挙げて入れました。
この2トラックを「バラエティ」のボーナストラックとして収録することが出来ました。
この他はカラオケです。
この続きは、是非とも本チャンのCDでですね、本人のライナーノーツをご覧になりつつお聴きを頂ければと思います。
◎来週
達郎氏:
で、来週なんですが、今週の土曜日11月22日からですね、ここんとこずーっと申し上げております映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』
相葉雅紀さん、榮倉奈々さん、ハン・ヒョジュさん、生田斗真さん、主演の私の「クリスマス・イブ」をテーマに執筆されました中村航さんの小説『デビクロくんの恋と魔法』、これをもとにしまして映画化されました。
監督、犬童一心さん。
私、これの音楽監修をやっております。
選曲をしております。
60年代のオールディーズポップスを散りばめておりましてですね。
まるでサンデーソングブックのような選曲でございますが。
せっかく封切りになったばかりなので、来週は『デビクロくんの恋と魔法』で私が選曲した曲をずらっとお聴きを頂きたいと思います。
結構ベタな選曲なんですけれども。
最新リマスターなので、いい音でお聴きを頂けると思います。
普通のサンソンの「棚つか」に近いものでございますが(笑)
来週は『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』封切り記念、音楽監修者の特集でございます。
劇中歌特集 60’sポップの他は私と竹内まりやのクリスマス・ソングで散りばめられております。
お楽しみに。
というわけで今日はバラエティのミニ特集でございましたが。
一番、アルバムのラストに収められております曲で、今日は・・ご清聴ありがとうございました。
♪ シェットランドに頬をうずめて/竹内まりや
今週のオンエア曲
14:06 クリスマス・イブ/山下達郎
14:10 もう一度/竹内まりや
14:16 プラスティック・ラブ/竹内まりや
14:21 本気でオンリーユー (Let’s Get Married)/竹内まりや
14:25 ONE NIGHT STAND/竹内まりや
14:28 アンフィシアターの夜/竹内まりや
14:35 とどかぬ想い/竹内まりや
14:38 マージービートで唄わせて/竹内まりや
14:43 シェットランドに頬をうずめて/竹内まりや
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