山下達郎さん サンデーソングブック 2014年11月9日『山下達郎が他人に提供した曲で棚つか』
長崎は日曜日、午前中は曇り空でしたが、午後から青空が見えてきました。
今日のサンソン、珍しい曲揃いで堪能しました。
楽曲の演奏者、スタジオミュージシャンはそうそうたるメンバーばかり。
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
えぇ・・・立冬を過ぎまして、暦の上では冬に入って、だいぶ涼しくなって参りました。
今日は、全国的に雨の予報がほとんどでございますが。
先週も、なんか雨だと・・でも東京は雨降りませんでしたがですね。
なんかこう、あてにはならないんでしょうが。
一応、だいぶ、涼しくはなって参りました。
季節の変わり目でございます。
お風邪には、みなさん、くれぐれもお気をつけ下さい。
私、竹内まりやさんの、22日から始まりますツアーのリハーサル、いよいよ佳境に入って参りました!
譜面書きに追われております。
さすがに、ちょっとくたびれたという感じが致しますが。
まぁ、今週のリハーサルから譜面書きから・・具体的な選曲、曲順決め、というようなものに入って参ります。
一所懸命、リハーサルに精を出す今日このごろでございます。
で、番組の方はですね、先週は、私の昔、他人に提供した曲とかですね、そういうようなものを絡めつつ、棚からひとつかみでお送りしまして。
今週は、いよいよボブ・クルーの追悼で棚つか、Vol.3へ行こうと思ったんですが、先週、私がかけましたですね、昔、他人に提供した作品が、すごくなんか、反響がですね、たくさんお便り頂きまして(笑)
”もっと聴かせろ”という。
そういいますと、最近そういう事をあまりやってないという気がしますのでですね。
ボブ・クルーは、ゆっくり、じっくり、ディープなので、いつでもできますので。
じゃ先週の続きでですね、今日は『山下達郎が他人に提供した曲で棚つか』をやろうと。
ほとんど、70年代から80年代の頭の作品がほとんどですけれども。
久しぶりに、そういのをやってみようと。
私のファンクラブでですね、山下達郎作品集というCDが出ております。
2000年代の頭に出したものなんですが。
そのときは、主にCD化、その時点でされてないものを主として、扱ったんですけども。
それからもう10年以上経ちまして、その頃にCD化されていた、私の昔の楽曲、他人に提供していた、作曲家として他人に提供していた楽曲を入れた、そうしたご当人たちの復刻CDが、見事にほとんど全部廃盤になって。
そういうものも、ありますので。
じゃ、今日はそういう、むかーし私がですね作曲家として提供した曲を、いろいろと聴いていただこうと。
『山下達郎が提供した曲で棚からひとつかみ』って長ったらしいタイトルでございます。
ボブ・クルー、ちょっと一休みでございます。
今日は、そういう邦楽中心でございますので。
いろいろと面白い企画も、ご用意してございます。
今日は、珍しい全部邦楽で、邦楽Originでお聴きを頂きます山下達郎サンデーソングブック。
本日も、日曜の午後のひととき、ちょっと涼しくなって参りましたが・・
日曜の午後のひととき、私のむかーし、他人に提供した曲で、少しほっこりして頂きたいと思います(笑)
本日も最高の選曲と最高の音質でお届けを致します山下達郎サンデーソングブック。
で、今日はついでですので、ビッグウェーブのジグソーパズルの応募頂きました発表なども、間でさせて頂きます。
さて、イディナ・メンゼル・・
今をときめく、アナ雪のあの人でございます。
レット・イット・ゴーでございますけどもね・・・
この方のクリスマス・アルバムというのが、今週の水曜日、11月12日にワーナー・ミュージック・ジャパンから発売になります。
イディナ・メンゼルの『SNOW WISHES』
『雪に願いを』という・・・
えぇ・・クリスマス・アルバムでございます。
ここに、なんとですね、日本だけのボーナストラックで、私の『クリスマス・イブ』が入っております。
90年代の頭くらいにですね、逆カバー・ブームってのがありまして。
日本の楽曲を、向こうの人がですね、歌うというのがですね、随分流行ったもんでございまして。
そのほとんどが、なんか安直なですね、アレンジ・・
そういうようなもので。
だいたい、こういう洋楽に、こうして日本の曲を入れるというのも結構ありますが。
”またかよ”っていう、正直そういう気持、したんですけども。
なんとですね! プロデューサーがウォルター・アファナシェフでありましてですね。
さすがに、超一流の人なので、ちゃんとしたアレンジで、ちゃんとした歌唱です!
好き嫌いはありますけど、非常に素晴らしい出来だと思います!
素直に喜んで、聴かせて頂きました(笑)
11月12日発売、イディナ・メンゼルのクリスマス・アルバム『SNOW WISHES』に収められております、私の「クリスマス・イブ」
もちろん英語の歌詞ですので、作詞はアラン・オデイです。
♪ Christmas Eve/Idina Menzel
~ CM ~
♪ Let’s Dance Baby/The Kingstones & Marie
◎Let’s Dance Baby
達郎氏:
先週、私の曲を、お聴きを頂いたのは、ライトメロウというですねコンピレーションの中から選びましたが。
今日も延長戦なので、そこからまず行ってみたいと思いますが。
『Light Mellow PARADISE』 ユニバーサル編でございますが。
今のユニバーサル、東芝EMIのカタログが入ってきておりますので。
東芝とミックスになっておりますが。
そのなかからザ・キングトーンズ。
1978年のアルバム「RESURRECT」
このアルバムはプロデュース・アレンジが梅垣達志さんで。
それに私が3曲書き下ろしをしました。
1978年のある日ですね、音楽出版社・・契約してた音楽出版社に、ふらっと行きましたらですね、東芝のA&Rの方が
「あっ いいとこにいた! ずっと探してたんです、達郎さんを」
「曲を書いて欲しいんです。キングトーンズのアルバムに曲を書いて欲しいんです」
詩を3曲渡されまして、吉岡治さんの詩が2曲、それからクリス・モズデルさんの詩が1曲。
それが、このレッツ・ダンス・ベイビー、それの内の1曲でございまして。
詩先で書いた曲でございますけどもも、編曲とプロデュースは梅垣達志さんにお任せして。
その1978年のアルバム「RESURRECT」に収録されました。
それが、今お聴きを頂きましたThe Kingstones & Marieという・・この時代はマリエさんという女性ボーカルが一人加わって5人組で活動していたそうでございますが。
The Kingstones & Marieというクレジットでアルバムを出しました。
その中に収められておりますレッツ・ダンス・ベイビー。
同じ年に、私その頃は曲を書く意欲があんまりなかったので・・・
あまり曲がよく書けなかったので、自分のアルバム「GO AHEAD」に、これをセルフカバーで入れたという(笑)。
それが今に至るまでですね、自分のライブでは最長不倒の一曲としてライブでは歌い続けて・・
全く運命というのは皮肉なものでございます。
◎恋人と呼ばれて/黒木真由美
達郎氏:
1970年代は、先週も申し上げましたようにですね、食うために色んな事をやりました。
コーラスのスタジオ・ミュージシャンが主でしたけれども、その他にも編曲、作曲、色々な事をやりましたが。
女性アイドルに曲を書いてたというのが、ほとんどありません。
ほんの数えるほどなんですが。
その数えるほどの女性アイドルに提供した曲というのが、実は生まれて初めて、他人に曲を書くということをオファーされて書いた曲が、その女性アイドルの曲であります。
1975年の話でございますが、黒木真由美さん。
えぇ・・1974年に「スター誕生」でデビューを致しまして。
「感情線」
♪ 乱れている 乱れている 感情線・・・
この人の、ただ1枚のアルバム「12の落書き」という、このアルバムのためにですね、キングレコードのディレクターの人がですね、曲を書いてくれないかと、これは生まれて初めて、そうした・・正式にこうしたシンガーのためにですね、曲を頼まれて書いて、めでたく採用されたという、記念すべき作品でございます。
この曲、すごく自分で気に入っておりましてですね。
1975年のアレなので、シュガーベイブで演奏しております。
上原裕のドラム、寺尾次郎のベースで村松邦男のギター。
僕がアコースティック・ギター弾いて、なんとピアノが矢野顕子さんにお願いして・・
異色のメンツでございますが。
演奏も、曲も、とっても自分では気に入ってる曲でございます。
黒木真由美さん、1975年の「恋人と呼ばれて」
♪ 恋人と呼ばれて/黒木真由美
作詞、喜多條忠さん・・・あの「神田川」の・・大作詞家でございます。
日本作詞家協会、会長!
◎作品集Vol.2
達郎氏:
先ほど申し上げましたが、ファンクラブで私のこうした他人に提供した曲をまとめた作品集というのを通販でリリースしておりますが。
2004年に、これを作りました時は、主にCD化されていない作品を中心に入れまして。
この黒木真由美さんなんかも、アルバムがリイシューされていたんですけども、残念ながら今は廃盤なので。
もうすぐ、近いうちに作品集のVol.2というのを作ろうと思いましたが、その時に、まぁ入れてみたいと思っております。
作品集Vol.2の予告編みたいな、今日はプログラムでございますけれども。
◎恋の NON STOP ツーリング・ロード/近藤真彦
達郎氏:
なんですが、そういう作品集を編纂するときにですね、どうやっても入れることが許可されない作品ってのがあります。
何曲かありまして・・・
どうせだったら、そういうレアものを今日はかけてみようちうですね。
近藤マッチ!
近藤真彦さん、私、「ハイティーン・ブギ」書いておりますけども。
この近藤マッチが1981年、レコード大賞新人賞受賞曲「ギンギラギンにさりげなく」のシングルのB面、これを私が書いておりまして(笑)
これシングルのB面なので、まずCD化になることは、まずない!
・・なんですが、ジャニース事務所っていうのは、そうした作品をコンピレーションに入れることに、ものすごくうるさいところでですね。
たぶん無理なので。
放送だけでも聴いて頂きたいと思います。
81年に書きました。
ロックン・ロール・ソングで、あかるーい、多愛のないロックン・ロール・ソングですけれども。
バックは、青山純、伊藤広規・・・
私、北島健二
固いところが努めておりますので、グルーブあります(笑)
♪ 恋の NON STOP ツーリング・ロード/近藤真彦
これ、久しぶりに聴きましたけれども、フェード・アウトなんですね、これ。
当時のアイドル歌謡はエンディング付きがマストだったのに!
これ、抵抗したんですね、きっと(笑)
「ヤダ」って・・ふふ(笑)
これバックコーラス、エポの声が聴こえますね。
エポと僕と二人でやってるのかなぁ・・・
ピアノがですね、これ難波君じゃないんですよね。
この時、難波君いなかったんです。それだけは覚えてるんですけど。
誰が弾いたか、覚えてない・・
不詳・・ピアノ不詳
Unknown!
オールディーズっぽいですね、いいですね(笑)
◎ドリーミング・ラブ/中原理恵
達郎氏:
この曲も、とっても好きな曲。
時々、番組でかけたことがあります。
中原理恵さん。
のセカンド・アルバム「KILLING ME」
「東京ららばい」が大ヒットした時に発売された・・
中原理恵さん、ファーストもセカンドも僕、2曲づつ書いておりますけれども。
これ、その中でも一番好きなお気に入りの曲です。
セカンド・アルバム「KILLING ME」に入っております「ドリーミング・ラブ」という。
ドラム村上ポンタ、ベース岡沢章、キーボードが坂本龍一、ギターが松木恒秀、私エレキシタールとか、あとコーラスやっております。
作詞吉田美奈子、作曲山下達郎
中原理恵さん、1978年のアルバム「KILLING ME」から「ドリーミング・ラブ」
♪ ドリーミング・ラブ/中原理恵
編曲も私です、もちろん。
こうした歌謡曲、近藤マッチ、黒木真由美さん、中原理恵さん、こういうヤツはですね、アルバムを出しても、いわゆる演奏のパーソネルっていのは書かれないのが、当時の歌謡曲の普通の姿でありまして。
なかなか、こうパーソネルが明らかにならない、というアレですが。
ま、作品集のVol.2に入れた時は、そういう細かい事もクレジットしてみよう、なんて思っております。
~ CM ~
◎来週
達郎氏:
来週は「Variety」30周年記念、Variety -30th Anniversary Editionの発売でございますので、「Variety特集」て行ってみたいと思います。
ほんとは竹内まりやさんゲストだといいんですけど、ツアー前なので、ちょいとスケジュールが立て込んでおります。
私が代わって「Variety」の解説をしたいと思います。
本人の解説はCDに入ってございますので。
◎Up On His Luck/Linda Carriere
達郎氏:
この次にお聴きを頂きますのは、細野晴臣さんがプロデュースした外国人の、アメリカの白人女性シンガーのですね、作品なんですが。
結局、リリースされずに終わりまして。
リンダ・カリエールという女性シンガーが歌っておりますけれども。
これを細野さんがプロデュースし、私、それから佐藤博さん、吉田美奈子さん、それから細野さんご自身、矢野顕子さん・・・そういった作家に曲を発注しましてですね、それをジェームス・レーガンというニューヨークタイムズの記者の人が歌詞を付けて、全10曲入りのアルバムとして発売される予定でしたけれども、結局発売がお蔵入りになりまして、今になるも、陽の目を見ておりません。
僕も自分の作品集で紹介しようと思って、何回か打診したんですけども。
このシンガーの人が、このアルバムのリリースを頑なに拒んでいるという、そういうような情報で・・・
結局、これは永遠にたぶん出ることはないと思います。
これのアルバムのためにに僕が書いた「ラブ・セレブレーション」という曲が78年の「GO AHEAD」に入れておりますが、このアルバム自体は77年に制作されておりまして。
ここに僕は2曲書いております。
1曲は「ラブ・セレブレーション」、「GO AHEAD」に入っておりますアレでございますけども、もう1曲「Up On His Luck」というこのアルバムのA面の1曲目に収められております。
今日は、これをお聴きを頂きましょう。
久しぶりにかけますが。
これかかるの、僕の番組だけだと思いますが(笑)
ま、話のたねで。
♪ Up On His Luck/Linda Carriere
プロデューサーは細野晴臣さん、私の曲でございますが。
演奏してるのは、林立夫さんのドラムで、細野晴臣さんのベース、佐藤博さんのキーボード。
これ多分自分でギター弾いてると思います。
ギター、パーカッション、ソリーナ、バイブ、その他雑用は私がやっております。
サックスソロは村岡健さんでございました。
だから、これはレアです。
◎大瀧詠一さん『Best Always』
達郎氏:
今日は、このへんで。
機会がありましたら、コーラス編とかアレンジ編とか、そういうのやってみたいと思いますがですね(笑)
えぇ、さて、メディアでいろいろと、もう出ておりますけれども。
大瀧詠一さんのベストアルバムが12月3日にリリースになります。
『Best Always』という2枚組のCDのベスト集でございますが。
今までの、大瀧さんのカタログは、ほとんどシングルバージョンがCD化、きちっとされた形でですねCD化されておりませんのでですね。
今回の『Best Always』は、シングル・バージョンを主に収録されました。
昔、大瀧さんが、新春放談で仰っていたように、アルバムはそうやってやるけれどもシングルは別にまとめてやるんだと。
それが、思いが叶わぬういちにですね、亡くなってしまいましたので。
故人の意思を継ぐ形で、12月3日、大瀧詠一『Best Always』
ベストアルバムでございますが、発売になります。
これの目玉は何と言いましても「夢で逢えたら」を大瀧詠一さんが自信で歌っているテイクが発見されました。
「夢で逢えたら」は、もともと吉田美奈子さんが1976年のアルバム「フラッパー」が初出ですが、翌年シリア・ポールさんの「夢で逢えたら」、これは大瀧さん自信がプロデュースしたアルバムですが、77年のこのアルバムのトラックに大瀧詠一さんが、歌を載っけたものでございますが。
歌は80年代に録られたと、いわれております。
が、詳細は不明でございます。
80年代に録られたことは確かなようです。
それを大瀧さん自信がミックスしまして、マスターが残っておりましたのが発見されまして、これが今回のボーナストラックの目玉として・・・なります。
本邦初のオンエアさせて頂きます。
大瀧詠一さん、12月3日発売のベストアルバム『Best Always』から「夢で逢えたら」。
♪ 夢で逢えたら/大滝詠一
今週のオンエア曲
14:05 Christmas Eve/Idina Menzel
14:10 Let’s Dance Baby/The Kingstones & Marie
14:17 恋人と呼ばれて/黒木真由美
14:23 恋の NON STOP ツーリング・ロード/近藤真彦
14:28 ドリーミング・ラブ/中原理恵
14:38 Up On His Luck/Linda Carriere
14:44 夢で逢えたら/大滝詠一
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