山下達郎さん サンデーソングブック 2017年12月3日『山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー』
12/3にオンエアされたサンソン25周年のトークライブ。
どうぞこれからもすばらしい音楽を届けてくださいね、達郎さん!
ということで、このブログではオンエアのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
古賀涼子さん:
こんにちは。
東京FM 古賀涼子です。
この時間は東京FMをキーステーションに全国38局をネットして特別番組
『山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー』をお送りします。
このあと2時からのサンデーソングブック本編とあわせて、今日は豪華2本立て、TATSURO WORLDをお楽しみください。
毎週日曜日、午後2時から放送中のサンデーソングブックは、1992年10月に「サタデーソングブック」として放送をスタートしました。
日本、いえ、世界でも唯一のオールディーズ専門プログラムとして最高の選曲と最高の音質でお届けしている番組です。
この10月で、めでたく放送25周年を迎えました。
5日前の11月28日、火曜日
東京半蔵門にあるTOKYOFMホールで、放送25周年を記念したアコースティック・ライブ &トークショーを行いました。
25周年ということで、リスナー250名様をご招待。
ラジオらしく、暖かな一夜となりました。
この時間はトークショーの部分を中心にお届けします。
番組後半にはサプライズもありますよ!
どうぞ、お聴き逃しなく。
~ CM ~
♪
◎25周年を迎えて
古賀涼子さん:
『山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー』に、ようこそお越しくださいました!
私は、本日の司会進行を務めさせていただきます、東京FMの古賀涼子です。
さあ、今夜はサンデーソングブックの放送25周年を記念して、一夜限りのスペシャルなアコースティック・ライブをお届けいたします。
放送25周年を記念して行う、こちらのイベントなんですが、サンソンらしく、皆様よくお判りだと思いますけれども、ご応募はすべて、今回ハガキのみとさせて頂きました。
その応募の数・・・なんと今回
1万5千です!
そして今日、会場にお越しの皆様、その中から選ばれた250人です!
ご自身で拍手をぜひ、してください!
おめでとうございます!
それでは、ここで本日の主役、お呼びいたしましょう。
サンデーソングブックで25年間、パーソナリティを続けていらっしゃる、山下達郎さんです!
もう達郎さん、ほんとに皆様、今か、今かと待ちかねていらっしゃいました。
達郎氏:
でも随分、いらっしゃるのが、みなさん早かったですね。
モニターで見てますと。
よっぽど暇なのかな、みたいな(笑)
そういうこと言っちゃいけませんね、はい。
古賀涼子さん:
では、ここからまず達郎さんとトークショーということで、お話をいろいろと伺って参りたいと思いますが。
達郎氏:
お手柔らかに、ひとつ。
古賀涼子さん:
放送開始から25周年ということで、25年、率直に今、どのように受け止めていらっしゃいますか?
達郎氏:
ふははは(笑)
狐につままれたような・・
あのぉ・・・自分のレギュラーって、3年以上続いたことがないんですよ。
古賀涼子さん:
はい。
達郎氏:
番組が出てる間にアルバムが出ないってジンクスがあって。
長いこと、20代、30代・・
この番組が始まって、ようやくそのジンクスがとれましたけど。
でも、まぁ、6,7年に1枚くらいなので(笑)
正直言って、嘘みたいですね。
25年、なんか信じられないですけど。
でも、おかげさまで、それがJFN38局という大きなネットの中で25年続けられたので、ほんとにそれは、全国ネットですので。
ありがたいことで、ございます。
いつもご清聴・・・ご清聴じゃない(笑)
いつも、御ひいき頂きまして、ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いします(笑)って、初めからこれですね(笑)
◎語り口
古賀涼子さん:
達郎さん、このサンデーソングブックをスタートされたのは、39才・・
達郎氏:
そうです。40才前ですね。
古賀涼子さん:
どうでしょう・・その頃のご自身の語り口と、今の語り口って、やっぱりだいぶ変わってきたなって、なんて感じはありますか?
達郎氏:
んと、その頃はね、あのぉ・・変な言い方ですけど、
自分で安定してる頃ですけど。
まだ20代、30代のころの、今、レギュラー持ってた番組を聴くと、恥ずかしくて聴けませんね(笑)
なんか・・・
なんか、いきがってるっていうか(笑)
あと、世の中恨んでるっていうかね(笑)
この25年で、そんなには変わらないんですけど、自分で言うのもなんですけど、落ち着き出てきたかなとか、少しはね。
この年になって、落ち着き出てきたって、かないませんね(笑)
ほんとにね(笑)
◎ちょっとした放送局レベル
古賀涼子さん:
「最高の選曲と最高の音質」ということで、放送届けてくださっていますよね。
達郎さん、「棚からひとつかみ」・・・「棚つか」
これは、実際に達郎さんが、ほんとうに棚からつかんでらっしゃるんですって?
達郎氏:
そうです。はい。
古賀涼子さん:
どれくらい・・こう・・
お家、スタジオ・・
達郎氏:
アナログLPが2万で。
シングル盤が2万で。
CDがちょっとで・・
6万ちょっとですね。
古賀涼子さん:
6万枚?
これはもう、たぶんちょっとした放送局レベルと思うんですが。
達郎氏:
そのへんの放送局より、持ってます(笑)
古賀涼子さん:
そんな中で、どういう風な順番で並んでいて・・・
達郎氏:
基本的にはね、「A to Z」です。
洋楽は「A to Z」です。
邦楽は「あいうえお」です。
たくさん持ってるやつ? は別に仕切りがあって。
例えばビーチ・ボーイズとかありますけどね。
そういうようなの、ありますけど、だいたい「A to Z」で。
あと、コンピレーションってあるじゃないですか。
いわゆるオムニバス。
そういうのはまた別に、ちゃんとタイトルの「A to Z」で並べてます。
古賀涼子さん:
それは棚に間違えて入れたりして、「あっ!違う!」って気づいた時、「あっ!」ってなったりするんですか?
達郎氏:
それは、非常に最新の注意をもって、やってます(笑)
コンピレーションって、持ってたって、中がなんだか判んなかったら、持ってないのと同じでしょ。
だから、それは何年がかりで、エクセルのデータに全部なってるので。
古賀涼子さん:
え? 達郎さん、ご自身でエクセル入力?
達郎氏:
いやいや、それは業者に頼みました(笑)。
でも「A to Z」で並べたのは自分です。
それはもう2年半かかりましたけど。
だから番組作ってると、やっぱり「ひとつかみ」しても、このくらい出てくるわけですね。
帰ったら、ちゃんと元のとこに戻さないと。
それをこんなとこ置こうもんなら、それは2度と・・・
2度ととは言いませんけど・・
それを、だんだん、だんだん増えてくると、億劫になるでしょ。
だからもう5枚でも、5分でも、ちゃんと入れないと。
それはもう・・
(会場笑)
ふははは(笑)
古賀涼子さん:
若干、失笑も聞こえますけれども(笑)
達郎氏:
でも、みんなね、同じようなこと、やってらっしゃるんですよ。
そうだよな(笑)
俺もこんなになってるもんなぁ、なんて(笑)
そうでしょ?
◎「棚つか」の選曲
古賀涼子さん:
そして、アトランダムと言いつつも、局を選ぶ基準なんですけれども。
どういう風にして、達郎さんは選んでらっしゃるんですか?
達郎氏:
あの・・・
雰囲気です。
棚見て・・・
いつも番組で言ってますけど、レコードが僕を呼んでるんです「オレをかけてくれ」って。
もともと、だから僕の番組は、いわゆるオールディーズの番組というあれなので。
いわゆる古い曲をかけるんですよ。
で、30代にレギュラー持ってた頃は新譜も扱ってたんですけども。
新譜をやろうとすると、やっぱり今でしたらビルボードなり、なんなり、きちっと毎週チェックしてね。
ニューエントリーがどうだとか、アメリカン・トップ40じゃないんですけど・・
ああいうんだと、毎週それに首っ引きになってなきゃなんないので。
まるで株屋みたいに、なっちゃうので。
そうすると、もう自分の仕事が、やっぱり支障が出て来るので。
なので、サンデーソングブックを始めるときには、オールディーズに特化してやることによって、記憶の中だけで出来るっていう・・・
そういうもので、始めたので。
「棚からひとつかみ」っていうのは、だから、そういう自分の記憶の中から引張出してくるんですね。
そういうものです。ハイ。
◎オールディーズ中級
古賀涼子さん:
最初は、達郎さん・・中級のオールディーズ・ファンに向けた番組という風に伺っておりますけれども。
例えばですね、こんなおハガキ、今日頂いております。
東京都品川区Y.Yさんから。
『サンソン25周年、おめでとうございます。
初めてラジオの達郎さんを聴いた時は、私にとって、あまりにもマニアックすぎて、ラジオ講座でもつけたかな?と思ったほどです。
それが今や、毎週日曜日は、私の憩いのひとときです。
どうぞ、これからも最上の音楽を聴かせてください。』
達郎氏:
教育の賜物ですね、それはね(笑)
古賀涼子さん:
やっぱり最初はマニアックすぎたと感じる方も、いらっしゃるようなんですが。
達郎氏:
当然でしょうね。
古賀涼子さん:
中級って、達郎さんにとっては、どれくらいの・・
達郎氏:
ビートルズはかけません。基本的には。
誰でも知ってるから。
だから、いわゆるポピュラーミュージックが好きな方、で、
TOP40を日常的に聴いて育った方、
だけど、TOTOとか、そういうんんじゃない、もうちょっと奥にいったもの。
マイケル・ジャクソンより、もうちょっと奥に行ったもの。
モータウンって言ってもミリオンセラーじゃないもの。
そういう・・・言ってみればTOP10ヒットじゃなくて、20位、30位とか40位とか・・
そのくらいのものですね。
それが「中級」って言いますけど。
だから、誰も知らないものじゃないです。
ご存じの方は、当然ご存知ですし。
そういうのご存知の方は、「まぁ、こんな程度のものだろうな」っていうような番組ですね。
ハイ。
(会場(笑))
あくまで、啓蒙主義的な意味なので。
そういうのを、例えば5年、10年聴いてらっしゃると、だんだんこう・・あの・・脈絡が判ってくるんですよね。
スタンド・バイ・ミーの後ろにあるものとか。
ビートルズの後ろにあるものとか。
そういうものが見えてくると、音楽の幅が広がるっていうか。
音楽は聴覚の部分なので、耳から入ってくることによって、それが例えば自分が反応する音とか、そういうものが、だんだん判ってくるんですよね。
そういうものの、ひとつの傾向っていうか・・
でも僕の番組だけ聴けば、全部判るわけじゃないです。
例えば伊藤政則さんみたいな番組を、ずーっと聴いたら、おんなじような感じで、違うジャンルの堪能ができますから、そういうのがたくさんあると、それこそ音楽の幅が広がるという。
それで初めて幅になるんですよね。
◎「最高の音質」
古賀涼子さん:
そしてもうひとつ、「最高の音質」っていうところも、達郎さんは、ほんとに大切になさっていると思うんですが。
例えば、今、ハイレゾのような最新技術もありますけども。
達郎さんにとっての「最高の音質」っていうのは、どういうことを最高っておっしゃるんですか?
達郎氏:
「最高の選曲と最高の音質」って、あれキャッチフレーズっていうか、ハッタリですからね(笑)
古賀涼子さん:
ハッタリですか(笑)
達郎氏:
「見せ金」ですから(笑)
「最高の選曲」で「最高の音質」かどうかは、リスナーの方が判断されるしかないんですけど。
そもそも、いわゆるオールディーズをかけてた92,3年の時に、60年代、へたすりゃ50年代の音楽をかけるわけで。
オーディオ的には非常に進化した時代だったので。
それに使うときに、例えば、当時の・・あの・・・一世風靡してる音楽、例えばTMネットワークとか、ドリームズ・カム・トゥルーとか、そういうようなものが出てきた時代です。
そういう時代に、例えばチャック・ベリーとかね、バディー・ホリーとかエディ・コクランとか、そういう50年代の音楽は、はっきり言って、やっぱりショボいんですよ。
音圧的にね。
録音の趣旨も全然違うので。
それを、だから売ってるCDとかでかけたら、もう全く相手にならない。
やっぱり、その時僕の前が木村拓哉さんで、後ろがドリカムだったんですよね。
その間に挟まれて、オールディーズ番組とか、これは困ったなと思って。
それで、自分でリミッターとかEQとか買い込んできて、それをレコードからEQして、コンプかけて、オンエアに見合う音圧に上げてやるっていうかな・・
そういうことを、やってたんですけど。
それが、そのうちにデジタル化して、今プロツールスっていう便利なもんがあるんで、そこまで来たんですよ。
で、まぁ「最高の音質」って、オーディオ評論家が言うような意味じゃなくて、ラジオで聴いた時の音圧感っていうのが、あるんですよね。
で、ラジオっていうのは、FMにしろ、AMしろ狭いんです、帯域が。
電波に乗っけるね。
その中での、圧縮された音の迫力っていうのがね、あって。
例えば4千万のステレオセットで聴くのが最高の音かっていうと、全然そんなことなくて。
今だったら、スマホで聴いたって、みんな要するに、いい音楽だなって、聴こえるのは、そういうファクターなんですよ。
だから僕らも昔は、こんなちっちゃなトランジスターラジオで聴いていてもね、カセット・ウォークマンで、こうやってスピーカーてちっちゃなやつで聴いても、いい音楽だって感じたのは何かっていうと、それが、僕のいう意味では「いい音」っていう。
ロックだから、ガッツっていうか、音の迫力っていうか・・
そういうものの・・口で説明するのは難しいんですけども。
グッとくる、その・・ものですかね。
それが「最高の音質」というものですね。
◎ハガキへのこだわり
古賀涼子さん:
さあ、そしてこのサンデーソングブック、ハガキにずーっとこだわってらっしゃいますよね。
達郎氏:
あの・・
スタッフがいないんです。
ここで今やってます、この人が山岸さんです。
有名な(笑)
(会場拍手)
この人がディレクターで、この人のアシスタントで30の子がひとりいて。
あと技術の20代の人がひとりいて。
この3人だけなんです、スタッフ。
あとはプロデューサーの上田くんってのがいますけど。
この人は現場には携わらないので。
その人間だけでやっているので。
えと・・・僕自身が、あの、基本的には全ての便りに、チェックしてやってるので。
これが仮にメールにすると、10倍くらいになるんですよね、量が。
とてもだから僕のキャパシティ、オーバーフローしちゃうんです。
で、そうなると、もう何人が人員増やして、振り分けていくしかないんですよ。
だから、そうすと、やっぱりそこに、主観・・・中間にいる人達の主観が入ってくる。
それが嫌なだけなの。
だからハガキのレベルでいけば、僕のキャパシティで処理できるので、量を。
そういう、非常に消極的ですけど、積極的ですね(笑)。
◎ファン層
古賀涼子さん:
ほんとに、これだけ多くのハガキが届くラジオ番組っていうのも、今となってはかなり珍しいと思うんですが。
今、実は若い世代、10代や20代の方からのおハガキが増えていると、いう事でですね。
東京都町田市のB,Mさん、21才の方からです。
『なかなかまわりに同世代のファンがいないので、大学でお勧めしまくっています。
自分が生まれるずっと前から歌ってて下さってると思うと、本当に同じ時代に生まれて良かったと思います。』
(会場 拍手)
達郎さん、生まれてきてくれてありがとう、歌って下さってて、ありがとうと。
達郎氏:
21ってことはですよ、何年生まれになるんだ?
えと・・
古賀涼子さん:
Bさん、いらっしゃってますか?今日
あっ! いらっしゃいました!
前から2列目の方ですね。
達郎氏:
何年お生まれですか?
・・・
95年
そいうことは、僕と何年・・・
もうやめような(笑)
古賀涼子さん:
若い世代の方々にも、確実にリスナーの層、ファンの方の層が拡大しているっていうこと、やはり実感されますか?
達郎氏:
ご両親の影響が大きいんじゃないでしょうかね。
で、あとは日本は戦後70年大きな騒乱がなかったので。
もし太平洋戦争がなかったら・・・
例えば、明治・大正時代の文化がある程度、やっぱりその・・流れてきてる可能性はあったんですけど。
あそこで日本が戦争で負けて、文化も全部リセットされちゃったんで、新しい文化としてのね、あれが生まれたんですよ。
ですので、そこから70年経ってるので。
全ての文化がそういうわけでは、ないんだろうけども。
まあ・・・自分が20,21で感じていた、要するに例えば歌でも音楽でも、何でもいいんですけど、そういう価値観っていうのは、そんなに変わらないんですよね。
で、それをやっぱり、その・・装飾品というか、その・・着せ替え人形みたいにしてリサクルしていくってのが、商業音楽の世界なので。
そういうトレンドっていうものが、実はロックン・ロールが、やっぱり50年以上続いているので。
そういう基礎が、あんまり変わってないっていうんですか・・
アメリカもまた戦争で変ったんですよね。
いわゆるスイングジャズからモダンジャズになって、ロックン・ロールが出て来るっては、やっぱり第2次大戦がなければ、全く違った展開になってるんで。
それとおんなじですね。
ほんとにストレンジっていうか(笑)
ああいう夏フェスなんかに行っても、お若い方がそれなりに反応して下さって。
なんか35年前にいてほしかったなって(笑)
それだったら、もうちょっと、こんなに世の中恨まなくても良かったのに(笑)
そういう(笑)
◎継続のコツ
古賀涼子さん:
そして番組が25年間続いている理由、達郎さんが冒頭で「狐につままれたような」という風におっしゃってはいましたけれども。
東京都武蔵野市のN.Yさんから。
『サンソン25周年、心からお祝い申し上げます。
達郎さんの何かを継続していく上のコツというか、大事にしている事があったら、教えていただけませんか。
私が今まで続いたのは、幼稚園から中学生まで日記を書いていたことくらいです。』
達郎氏:
僕、日記のジンクスがあってね、日記を書くと女の子にフラれるから、もう書かない(笑)
古賀涼子さん:
えぇ?? そうなんですか?
達郎氏:
中学の頃に(笑)
古賀涼子さん:
ちなみに今まで何回くらい日記書いたことがおありなんですか?
達郎氏:
いやぁ・・それ、2回ほどですけど。
その度にフラれたので、もう日記は書くまいって、10代の時にね。
くだらなくて、すいませんけども。
えと、何でしたっけ?
そうそう、そうそう・・・
古賀涼子さん:
ずっと続けて行く上で、コツですね。
継続していく上でのコツ。
達郎氏:
好きじゃなきゃ、無理ですよね。
好きほど、ものの何とかですけれど。
あの、義務とか、そういうんだと物事続かないですから。
それに巡り会えるか、会えないかってのは、努力とかとは、また違う問題なので。
自分が果たして、それが好きかっていうことも、その実際のコンテンツがメディアにあってみて気付かされるっていうか・・
あとは第三者。
例えば昔でしたら、四書五経とか論語とかそういうもの、3つ、4つから叩き込まれるんですね。
バイオリンでも、ピアノでも、もうとにかく厳しい先生に3つ、4つから「コラ―ッ」って言われて。
それが10年、20年蓄積して、自分の意思を持って主体性でやるときに、先生に感謝するっていう、そういう循環になってるんで。
そういうものを、例えば自分の力だけで発見するってのは、とっても難しい事なんですよね。
だから、そのための友達であり、先生であり。
先達であり・・
いかにそういうところのネットワークっていうか、自分にとっての出会いっていうのを大事に出来るかとか、そういう事に関して真面目に捉えられる方、あんまり・・
言葉で言うと陳腐になっちゃうんですけど。
そういうような事じゃないかと思いますけどね。
◎サンソンのこれから
古賀涼子さん:
サンソン、これから今後、やりたい特集だったり、やりたいテーマ、達郎さんの中では、どんなことがありますか?
達郎氏:
ほんとはね、あの・・そういう例えばソングライターとか、特定の人のヒストリーとか。
もうちょっと掘り下げた、実際の音を使って掘り下げたようなことを、やりたいんですけど。
ミュージシャンと二足のわらじを履いてますので。
ここの7,8年は、全く思うようにできませんけど(笑)
もうちょっと、あれして・・
変な言い方ですけど、少し暇になったら(笑)
また・・・
どっちにしてもね、あの・・・
要するに、あの・・・
変態なんですよ、この番組。え。
古賀涼子さん:
変態っておっしゃいました?(笑)
達郎氏:
そうですよ(笑)
来週、ここのトークライブの部分が1時からオンエアされると思いますけれども。
2時からドゥワップ特集ですからね。
(会場 (笑))
何なんだって(笑)
でも、自分がミュージシャンなんでドゥワップ特集とかいっても許されるんですけど。
これ、普通のDJがやったら、冗談じゃないって言われるんですけど・・
それは役得っていうか。
傲慢さを撒き散らしてやっているようなものなので。
それでも、1億3千万のためにやっているのではなくて、マニアックな人っていうか、耳の肥えた人、そういう人が喜んでもらえる、そういうような目的意識がありますので。
だから、ある種の啓蒙主義ですね。
◎「生でそんな事聞いてどうする」
古賀涼子さん:
ほんとに、達郎さんの手間と暇と愛が込められているサンデーソングブックですけれども。
ではですね、ここで会場に起こしの方々からの質問をですね、達郎さんにぶつけていきたいと思います。
「生でそんな事聞いてどうする」コーナー!
あるようで、ないような幻のコーナー「そんな事聞いてどうする」を、このトークイベントでも再現させていただこうと思います。
達郎氏:
そんなの、やったことないっすよ、僕。
ファンクラブだって、そんなのないっすよ。
古賀涼子さん:
達郎さん、「そんな事聞いてどうする」と思っても、心の中に留めて・・・
達郎氏:
何でも聞いてください、別に・・・
古賀涼子さん:
ほんとですか?
答えてくださいね(笑)
では参ります!
東京都板橋区 K.Tさん。
『サンソン25周年の中での三大ニュースを教えてください』
達郎氏:
三大ニュース・・・
難しいなぁ・・
三大ニュースね・・
えと・・・
何といっても、3.11ですよね。
二日前に起こったんで。
それが結局無しになったでしょ。
あれが一番大きかったです。
自分の都合で、例えば風邪ひいてなくなったとか、そういう事が一度もないんですよ。
穴あけたことないので。
あれがやっぱりトップですね。
三大ニュースね・・・
えーと・・そーねぇ
これ結構、三大ニュースの一つかもしれない。
古賀涼子さん:
今日ですか?
達郎氏:
ええ。
そうだなぁ・・・
あとは、アレだな。
賞もらったじゃない。
放送文化基金賞?
古賀涼子さん:
ご自身が受けた賞ですね(笑)
達郎氏:
スイマセン(笑)
古賀涼子さん:
ディレクターにヘルプ求めてどうすすんですか(笑)
達郎氏:
あれは、結構光栄な賞で。
そんなもんかな・・
そんな事聞いてどうすんでしょうね(笑)ほんとにね(笑)
古賀涼子さん:
次参ります(笑)
東京都町田市のH.Kさん。
『25年の間で番組をやめようと思ったことは、何回ありましたか。』
すいません、これ辞めたいと思ったことがある前提での質問なんですけれども(笑)
達郎氏:
はい、ありません。
(会場 拍手)
ミュージシャンやめようと思ったことありますけど(笑)
番組やめようと思ったことありません(笑)
息抜きですもん、これ(笑)
(会場 (笑))
道楽ですから、これ僕の。
サンソンはあなたにとって何ですかって、「道楽」です。
古賀涼子さん:
今日は、そんな「道楽」に、こんなに250人の方がたくさん起こし頂きましてね(笑)
ありがたいことです。
達郎氏:
全くほんとに(笑)
でもタダですから。
(会場(笑))
古賀涼子さん:
それをおっしゃいますか、達郎さん(笑)
達郎氏:
こういう洒落が通じなくなってんです、最近(笑)
古賀涼子さん:
続いては、愛知県名古屋市のA.Aさん。
達郎氏:
今、おっしゃってるヤツは、全部今日いらっしゃってる方の?
古賀涼子さん:
そうです。
いらっしゃってる方です。
達郎氏:
おそろしいねぇ(笑)
古賀涼子さん:
Aさんは愛知から起こしくださってるということで。
Aさん、いらっしゃいますか?
いらっしゃいました!
ありがとうございます。
達郎氏:
たいへんですね(笑)
古賀涼子さん:
Aさんの質問はですね、達郎さんにこのハガキをお渡しして・・
達郎氏:
囲んであるとこね。
「字の大きさはこれで宜しいでしょうか」って質問?
・・・
小せぇ!
(会場 (笑))
もうちょっと大きく書いてください(笑)
今日、明るいからいいですけど。
「字の大きさはこれで宜しいでしょうか」
それは読めます。
A.Aさんね、ハイ。
何だよ、これ(笑)
視力検査か(笑)
古賀涼子さん:
続いては東京都足立区のO.Yさんとお読みするのでしょうか。
『僕はパン職人です。
ドーナツソングはありますが、パンが出て来る歌はないですか?
ラジオからパンの歌が流れてきたら、仕事がはかどりそうです。
達郎さんはパンが好きですか』
達郎氏:
僕は、いわゆる街のパン屋の息子なので。
いわゆるお菓子屋ですよね、街の。
なので、そういう歌、何で作らないかというと、かりん糖とか臭い嗅ぐのもダメだし・・
古賀涼子さん:
エッ?!
達郎氏:
チョコレート、ガム、一切ダメなんです。
初めの三月だけだったんです、パラダイスはね。
古賀涼子さん:
はぁ・・・・
達郎氏:
でもパンね・・
そのうち作っちゃいましょうかね(笑)
近すぎるんですよね、自分にね。
古賀涼子さん:
そして、さいたま市 N.Mさんとお読みするんでしょうか。
『我が社は、大正11年から牛乳瓶にはめる紙キャップを作っています。
今では、ほとんどみかけなくなりましたが、日本で最初に作り始めたので、最後の1枚まで作り続けるつもりです。
達郎さんは、牛乳瓶の紙キャップに何か想い出はありますか?』
(会場(笑))
達郎氏:
そんな事聞いて、どうすんでしょうね(笑)
牛乳瓶のこれ・・電波の無駄みたいな気がするんですけどね(笑)
牛乳瓶の紙キャップって、すごく取りづらいじゃないですか。
爪を切った朝、指で開けようとすると、結構たいへんなんですよ。
でも、そすと何かあれって、紙がこう重なって作られてるんで、こう・・
あれすると、だんだん、だんだんね、ベロベロになってくるわけ(笑)
泣き別れして、ね。
古賀涼子さん:
泣き別れって(笑)
達郎氏:
寄せみたいになってきましたね、これね(笑)
何か、すごい3流芸人が、何かギャグみたいなのして(笑)
それ取って、ベロベロになったのを見ると、何かちょっと寂しさが出てね。
どうやったら理想的な無傷で、それが取れるかっていう・・
そすと、だから小っちゃな細い針を持ってきて・・
そういう・・
ご満足いただけましたでしょうか(笑)
(会場(笑))
古賀涼子さん:
Nさん、また番組宛に、どうなったら切なくならずにキャップを取れるかを是非教えていただければと思います(笑)
達郎氏:
がんばってくださいね。
古賀涼子さん:
そして、東京都墨田区S.Nさん。
『裸眼ですか?コンタクトですか?』
達郎氏:
裸眼です。ハイ。
でも、十分に老眼ですけども。
ハハハハ(笑)
でも、あのぉ・・車は「眼鏡使用」じゃないです。ハイ。
なんだい、そんな事聞いてどうすんだ。
古賀涼子さん:
さて、最後です。
東京都江東区、S.Rさんでしょうか。
『好きな四字熟語はありますか』
達郎氏:
ん~
時々、変わるんですけどね。
「恐惶謹言」とか・・よくないな。
「要求貫徹」とかね(笑)
思いつきですね、それ(笑)
古賀涼子さん:
「死屍累々」とかいかがですか?
達郎氏:
あなた意外とネガティブ・シンキングなんですね(笑)
古賀涼子さん:
さあ、ということで、達郎さんに、いろんな質問をぶつけさせて頂きました。
質問くださった会場の皆様、ありがとうございました。
達郎氏:
このあと、ライブするわけ、これで(笑)
古賀涼子さん:
そうです(笑)
うふうふふ(笑)
達郎氏:
大勢立て直すのに、時間かかりますよ、これ(笑)
声、出なくなっちゃった(笑)
◎会場に来た人に一言
古賀涼子さん:
達郎さん、あらためて会場に来てくださってる方々に一言。
達郎氏:
よく当たりましたね(笑)
ほんとに、なかなかない機会ですけども、別に会ったからと言って、どうっていう事も私からはないんですけども(笑)
短い時間ですけども、お楽しみいただければと思います。
一番遠くから来た人、どちらです?
(客席) 台湾!
それは、出張っていうか、赴任でしょ?
(客席)赴任です!
古賀涼子さん:
あっ! 福岡!
ありがとうございます。
達郎氏:
福岡、すごいですねぇ~
(客席)ミラノから来ました。
古賀涼子さん:
ミラノから!
出張で!
達郎氏:
たいへんですね。
すいませんね、何かプレッシャーかけないでくださいね(笑)
◎アコースティック・ライブ
古賀涼子さん:
はい、ということで達郎さん、スタンバイを・・
『山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー』
続いては最高の選曲と最高のアコースティック・ライブをお楽しみください。
それでは城北トリオ、難波弘之さん、伊藤広規さん、そして達郎さん!
よろしくおねがいします!
◎難波弘之さんと伊藤広規さんからのコメント
難波弘之さん&伊藤広規さん:
こんにちは、難波弘之です。
伊藤広規です。
サンデー・ソングブック、放送25周年、おめでとうございます。
伊藤広規さん:
たまに車乗ってる時に、よく流れて聞いたりもします。
日曜のお昼2時に乗ってるときに「あっ!聞いた声が!聞こえてくる」っていう。
難波弘之さん:
でもあれは面白かったですね。珍盤奇盤とかね。大爆笑!
伊藤広規さん:
もう歳も歳ですし、できるだけ長く出来るように体調だけは整えて、いてほしいと思います。
難波弘之さん:
そういうこと言うと、お前らもって言われそうですね(笑)
伊藤広規さん:
そうそう、そうそう、自分も含めて!
~ CM ~
♪ Drip Drop (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
♪ Close Your Eyes (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
♪ Chapel Of Dreams (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
~ CM ~
◎竹内まりやさんからのメッセージ
まりやさん:
サンデーソングブック25周年、おめでとうございます。
こんにちは、竹内まりやです。
達郎は音楽の作り手であると同時に、すごく音楽を愛する良きリスナーであるわけですけども。
そのリスナーである彼の色んなこう、音楽に対する間口の広さを知る番組であると同時に、彼が音楽を続けられるエネルギー源として、この番組があるというふうに思ってるんですよ。
彼の趣味的な世界を展開できる場ですので。
それをリスナーの方も喜んでいただき、彼自身も嬉しいという、とても素敵な関係の番組だなといつも思って、横から見てます。
今、音楽番組が、例えばこういった時代のこの音楽に対して、こういう知識をもらえる番組とか、正しい音源に基づいた、いろんな分析があったりと・・意外とないと思うんです。
だから音楽リスナーであるところの山下達郎を通して、新たな音楽を知る番組でもあるので。
そのおかげで、たぶん若い人達、リスナーに広がっているなと思ってて。
私達世代の人達が聴き始めた番組だったかもしれないですけど、今はその下の世代というか、お子さん世代の中学生とかから、わりと音楽的な質問が来てるんですね。
だから、そういうのでは、音楽を啓蒙していく番組としても貴重ですし。
彼の音楽作品を紹介する番組としても末永く続いてほしいなと思ってます。
(スタッフ:25年続いた秘訣ってなんだと思いますか?)
やっぱり音楽への真摯な姿勢が感じられるってことと、リスナーの方の生活から生まれる言葉をちゃんと紹介していること、それに対して彼が答えてきたということが、とても大きいと思ってます。
結構、誠実な番組だなと思ってます。
もちろん笑いもありますけど。
(スタッフ:まりやさんにとってのサンソンっていうのは、どういう存在ですか?)
そうですね、私も随分長いこと夫婦放談で、年に2回ですか・・出させていただいているんですけども。
自分の生の声を届ける場所として、一番貴重な場所として、このサンソンがあるってことと、私の音楽活動を紹介する一番最初の場になるような、そんな番組ですよね。
一緒に音楽を作っていくパートナーの番組でもあるので。
どういうプロセスを経て、例えば自分の作品が今回出来たのかとか、アルバムのレコーディングの状況であるとか、全部わかった上で質問されたり、ハガキに答えたりってことは、全くそれは、わからない場での質問と自ずと違ってきたりするし。
自分が達郎と分かち合ってる部分で、何を紹介すべきかというような事も、自ずと出て来るので。
だいたい台本が無い番組っていうのは、ほとんど無いので。
ほかはだいたい打ち合わせっていうか、段取りがあるんですけど。
夫婦放談の場合は出たとこ勝負という感じなので。
一応この曲とこの曲はかけようかということは相談して決めて。
そのプロセスも含めて楽しいですよね。
どうでもいいような質問に答える私達っていうのも、自分たちで楽しみながらやってますし(笑)
割と音楽の深いところを話したりってこともありますし。
自由にやらせて頂いてます(笑)
(スタッフ:山下家のお話が出て来るのが楽しみにされてる方、多いんですけど)
ほとんど、なんかこうリビングルームで「あれだよね」っていうように喋ってるのの延長線上にあるので。
一応まぁ、公ってことは・・(笑)
心に入れながらやってるんですけど。
勢い、何か普段の会話になっていくので。
それは、それでいいのかな、っていう風に。
それがまたこの番組の夫婦放談の・・何だろう・・
いい部分かなっていうふうに自分では思ってるんですけど。
えぇ、ほんとに達郎さん、25周年おめでとうございます。
いい番組を作ってきましたね(笑)っていう感じがしますけども。
30周年になったら夫婦放談のトークライブでもやりましょうかね(笑)
ぜひよろしくおねがいします。
これからも頑張っていい番組にして下さい。
竹内まりやでした。
◎エンディング
古賀涼子さん:
『山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー』
11月28日に行われた放送25周年記念のイベントの模様をお届しました。
♪
オンエア曲
13:34 Drip Drop (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
13:37 Close Your Eyes (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
13:41 Chapel Of Dreams (Live / 2017.11.28. TOKYO FMホール)/山下達郎
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