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『伊藤広規、青山純のラジカントロプス2.0』(2013年4月15日OA)

『伊藤広規、青山純のラジカントロプス2.0』(2013年4月15日OA)

2013年4月15日にラジオ日本でオンエアされた伊藤広規さんと青山純さんのお話、なかなか聴く時間がなかったのですが、ようやく聴くことができました。

お二人が選ぶ山下達郎さんの楽曲、5曲※にまつわるお話や、達郎さんとの出会い、ライブでのアクシデントなど、楽しい話題ばかり。
達郎さんトリビュートバンドとしてカバーバンドをやらせて頂いている私にとって、貴重なお話でした。


SPARKLE 
メリー・ゴー・ラウンド 
FUTARI 
THE WAR SONG  
プラスティック・ラブ

青山純さんは 2013年(平成25年)12月3日にお亡くなりになりました。享年56才。
あらためまして青山純さんのご冥福をお祈り申し上げます。

このブログでは、オンエアされた放送の一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。

【ゲスト】
ベーシスト :伊藤広規
ドラマー  :青山純

【進行】
放送作家  :植竹公和氏
ラジオ日本 :福田氏

※ 2014年12月20日にBSフジで青山純さんの追悼番組が放送されました。
その内容を文字お越しましたのでご覧ください。

『HIT SONG MAKERS~栄光のJ-POP伝説~』青山純追悼スペシャル

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冒頭

植竹: 

本日のゲストは、ベーシストの伊藤広規さんと、ドラマー青山純さんです。

お二人はですね、山下達郎バンドの黎明期を支えたリズム隊でございます。
70年代後半から80年代、90年代、2000年代・・・
もう達郎サウンドといえば、このお二人。

それでですね、今日はその黎明期の曲をですね、取り上げてリズム隊から見た達郎サウンドのベスト5といったら何ですが、ベストプレーですね、を解説して頂きたいと。
こういうように思っておりますが、福田さん・・

福田:

はい

植竹: 

達郎さんの曲で、どんな曲がすきですか?

福田:

もうなんといっても、クリスマス・イブ。
もう、あれ超えるの、たぶん私生きてる時に、クリスマス・イブに聴く曲で、ベタと言われても、もうあれ以上出てこないでしょう。

植竹: 

そこまで言う!

福田:

んん!

植竹: 

確かにね、あれはメロディーズってアルバムに入ってたんですけども。
その時は、全然、ま、アルバムの中の一曲ということで。
ところが、後で代理店の人が、あれに目をつけてて。

けど、僕もあのアルバムの中で、すごくいい曲だと思ったんですけど。
よくまあ目をつけて、例のJR東海でブレイクしましたよね。

もうあの曲はビング・クロスビーのホワイト・クリスマスみたいに毎年、かかるでしょう。
それまで達郎さんというのは、どちらかと言うとマニアックなファンに支持されてた。
それが、あの曲によって、凄く一般大衆に拡がったきっかけになった曲なんですけども。

さ、その曲は今回、含まれているか、どうかでしょうね!

はい! それではですね今回は、伊藤広規さん、青山純さんをお呼びしまして、リズム隊からみたベストプレー集をお送りしたいと思います。

それでは、伊藤広規さん、青山純さん、この後登場です。

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スタジオミュージシャンのお仕事 ~B’z、プリンセス プリンセス ~

植竹: 

はい、それではご紹介しましょう。

ベーシストの伊藤広規さんと、ドラマーの青山純さんです。
宜しくお願いします。

伊藤広規:

宜しくお願いします。

青山純:

宜しくお願いします。こんばんは!

植竹: 

お二人は山下達郎さんの黎明期を支えたリズム隊。
ま、音楽ファンには有名でございます。
今回はリズム隊の目線から達郎サウンドを語って頂くという。

お二人に5曲選んで頂きまして。
自画自賛(笑)
達郎リズム隊、ベスト5を今日は・・・
ベスト5というか、順位を付けないで、とにかく5つ無理やり選んで頂きました。

こちらラジオニッポンでございますけども、旧ラジオ関東って言ったんですけども、いらしたことあります?

伊藤広規:

ラジオ関東は来たかどうか・・
その下のサウンド・シティというスタジオにはしょっちゅう行ってましたね。

植竹: 

それは達郎さんの・・・

伊藤広規:

もあるし、いろんな人のレコーディングです。

植竹: 

達郎さんで、何の曲を演ったかって記憶はないですか?

伊藤広規:

・・・何だったかは、ちょっと・・定かじゃないんですけども。

植竹: 

お二人はね、もうとにかく、青山さん!

青山純:

はい。

植竹: 

スタジオ仕事って、数えてどのくらいやってます?

青山純:

数えたことないですけど・・・

植竹: 

2000くらいやってますか?

青山純:

2000以上はやってますね、たぶん。

植竹: 

そうすると訳わかんないですよね?

青山純:

わかんない!

伊藤広規:

さっぱり(笑)

植竹: 

いやもう、とにかく80年代、90年代から、ずっとですね・・・
“えっ あの曲は?”みたいな。
実は、青山さん、伊藤さんが演ってた、なんてのがある訳ですよね。

青山純:

ありますね。

植竹: 

例えば、青山さん、どんな曲・・・
青山さん、叩いてた曲ってあるんですか?

青山純:

え、まぁ・・・
もう言っちゃってもいいと思うんですけども。

あの・・まぁ・・B’z
B’zの前半から中盤、アルバム「ルーズ」とか、そのへんまでは僕が演ってますし。

実は僕プリンセス プリンセス・・だったんですね。
プリプリは僕なんです、実は影武者として。

植竹: 

あのドラム?

青山純:

そう。

植竹: 

言っていいんですか?

青山純:

言っていいんです、それはもう。
もういんです。

植竹: 

伊藤さんは?

伊藤広規:

B’sも2,3曲演りました。
プリプリも1,2曲演りました。

植竹: 

なんかモンキーズの影武者みたいですね(笑)

伊藤広規:

そうそう、そんな感じ(笑)
あとはねぇ・・マッチとかトシちゃんとか・・

青山純:

アイドル歌謡も演ってましたね。

植竹: 

達郎さんのハイティーン・ブギとか

青山純:

もちろん、あれも演ってます。
ギンギラギンにさりげなくとか・・
広規だよね?

伊藤広規:

はい!

植竹:

私、放送作家で、トップテンでマッチと一緒に仕事してましたよ。
あ、そうですか・・・

といいうようなですね、歌謡曲からポップス、大人の音楽までですね、もう何でもやってらっしゃいますけども。

お二人のお名前って・・

植竹:

これ、奇しくも青山純、伊藤広規って、「あ、い」
あ行が並んでアレですけど。

青山純さんってご本名なんですって?

青山純:

本名ですよ。

植竹:

なんかちょっと女性の名前・・・みたいですね。

伊藤広規:

そういう人もいましたよね(笑)

植竹:

アダルトビデオの女優に・・・(笑)

伊藤広規:

いたんですよ(笑)
昔(笑)

青山純:

それはね、青山純っていうアダルトビデオの同姓同名の女の人が昔いたらしんですけど。
そのビデオはみたことないんですけど。

伊藤広規:

ククク(笑)

青山純:

あのぉ、雑誌に書いてあったのが、「某有名ドラマー、なにがしを想像して、なになにをしないで下さい」ってみたいなのが書いてあって。

植竹:

ハハハ(笑)

伊藤広規:

書いてあったね。

青山純:

ディレクターが僕のこと好きだったと思うんですよ、たぶん。
それで青山純って名前にしたんじゃないですかね。

植竹:

伊藤広規って名前も珍しい名前ですね。

伊藤広規:

伊藤はいっぱいいますけどね。

植竹:

広規って名前は・・・

伊藤広規:

最近流行ってますけど。
なんか、あっちこっちで。
友達のせがれも「コーキ」って名前付けちゃうし。
なんでそばに居るのに、つけるの、なんて・・・
多いですね。

植竹:

ベーシストの伊藤広規さんからとった訳じゃなくて?

伊藤広規:

いやぁ、漢字が違うんですけどね。

植竹:

お二人には、もう、もちろん達郎さんのツアーで、僕は拝見しているんですが、最近では御茶ノ水のディスクユニオンの方で去年(※2012年)の12月9日に『A*I』のアルバム、お二人のね・・・

トークショーがありまして、その時おじゃまさせて頂いて。
伊藤さんがですね、声が古舘伊知郎に似ているんで、ビックリしたんですよ。

言われることないですか?

伊藤広規:

いや、ないですね・・・

植竹:

ベーシストって、やっぱり声が低いんだなって思って。

伊藤広規:

いやぁ、別に全然・・・なんか、こう緊張してるんですよ。 

植竹:

それよりずっと前にネルソンプロジェクト、スイートベイジルで、六本木の。
一度拝見させて頂きました。

伊藤広規:

あっ、そうですか。

SPARKLE  ~FOR YOU~

植竹:

とにかく、このお二人・・・
ポップな達郎さんのアルバムやってらっしゃるんですけども、もうヘビメタファンが聴いても驚くような、バズーカ砲的なリズム隊!
これは世界級だと思っております。

その二人にですね、今日は達郎さんの・・・リズム隊からみたベスト5をご紹介して頂きたいんですが。

まずは、1曲めは「スパークル」
これは「FOR YOU」1982年1月21日にアルバムが出ました。
そのA面の一曲目でございまして。

これはもライブでは、必ず、頭に演られますけども。

伊藤広規:

お約束(笑)

植竹:

お約束ですね(笑)
これをやんないと・・・
これを、やんないケースってありますか?

伊藤広規:

いや、ま、ありましたけども・・・

青山純:

ありましたよ。

伊藤広規:

2曲目か3曲目にもってきたりして。 

植竹:

青山さん、別の曲って何ですか?

青山純:

「アトムの子」から始まったライブもありましたね。

♪~ジャン・ジャン・ジャン ジャン・ジャン・ジャンって。

植竹:

口ドラムでありがとうございます!

伊藤広規:

あと、ポケット・ミュージックから始まったのもあったね。
それは、良かったですね、一曲目・・・。

植竹:

そういう入り方もありますよね・・・。
まあ、ただ、定番はスパークル。

伊藤広規:

スパークルですね。

植竹:

これ、かっこいいアレなんですけども。
どうなんですか、ライブの一曲目って緊張します?

伊藤広規:

気持いいですよ、非常に。
始まった! イェーイって感じですよね。

青山純:

こっから3時間半が始まるんだあって・・

植竹:

やっぱりドラムの方が労働量多いですから(笑)・・

青山純:

いやぁ、多いですよ(笑)

植竹:

どうですか、伊藤さん、このベースの聞きどころって、やっぱり・・・

伊藤広規:

聞きどころは、聞いた通り、たまにしか弾かないところがツボですよね。

植竹:

何ですか?
その”たまにしか”って(笑)

伊藤広規:

♪~デデン! デ ツデデン
しか弾いてないですからね。

植竹:

なるほど、なるほど。
ただよく聞くと専門用語でグリッサンドって言うんですか・・・
音を切らないでグーッって、移ってますよね。

伊藤広規:

あぁ・・そういえばそうですね(笑)

植竹:

あれが結構、ツボです!

伊藤広規:

ああ、そうですか!
オクターブで一緒にずらすんで、あんまり聴かないなぁみたいな。

植竹:

伊藤さん、そんなにこう、派手に目立とう、目立とうってするタイプのベースじゃないんですけど、このスパークルに関しては、このグーッと、ね、音が移動するところが非常にかっこいいですよね。

伊藤広規:

そうですね、やっぱりニュアンスいい感じで。
数多くはしてないんですけども、いい感じで弾くのが得意です(笑)。

植竹:

青山さん、このツボというか、ドラムのどこを聴いて頂きたいという感じですか、スパークルでは。

青山純:

あのぉ・・・これ、もともとKISSのデトロイト・ロック・シティという曲がありまして。
そこをちょっと、パクってるっていうか・・・

元になってるのは、そうだよね?広規、ね。

伊藤広規:

そうそう、三つ巴なんですよ。
最初イントロ、ナイトフライトってのがあるでしょ。

♪~テレレ・チャン チャン チャン !って。

あれっぽいので入って、それで

♪~ジャジャ~ンってのはデトロイト・ロック・シティで。

ベースの

♪~デデン! デッ

ってのは、ケニーバーク(Keni Burke)っていう人がいまして、その人が割りとそういうパターンでやってたので。
これは変わってて面白いなって。

植竹:

ケニーバーク(Keni Burke)って、どんな方?

青山純:

ブリティッシュ・ソウルの人ですね。

植竹:

NITE FLYTE (ナイト・フライト) ってブリティッシュ系でしたっけ?

青山純:

あれはマイアミ、マイアミです。
♪~IF You want itって

植竹:

おりあえず、まず聴いてみましょう。

♪ SPARKLE

植竹:

今聴いてビックリ!
これ、ドンカマ使ってない!

ドンカマっていうと、分かりやすく言うと、どんなものですかね?

伊藤広規:

リズムボックスって言うんですかね。

植竹:

それを聴きながら、リズムを合わせていくっていうのが定番ですよね?

伊藤広規:

結構、そういう感じでしたね。
スタジオ録音はだいたいそういう感じで。

植竹:

そうですよね!
それを、これは使ってない。

伊藤広規:

ノリがなんか、イマイチ自由にならないんで、やめようって事にしたんです。

植竹:

これはちょっと・・達郎ファンのベース、ドラム、特に好きな人、ビックリな話ですね。

伊藤広規:

まだね、最初の方だったし。
後半は別に、リズムボックス入ってても、それを自由自在に慣れるようになったんだけど。

最初の頃はまだ縛られるのがイヤな時代で。

植竹:

目茶苦茶、正確に聴こえるんですけどね。

伊藤広規:

いやぁ、ない方が正確に聞こえますよ。

青山純:

そうそう!

ちなみにベスト5っていうかね、これ、ぱーっと見てクリックと一緒に演ったっていう覚えがあるのは、ないですね。

伊藤広規:

そうだね、全部ないね。

青山純:

全部・・・
これは、メリーゴーラウンドも全部、ドンカマなしですね。

植竹:

今日は、凄い・・あの・・深いとこに入ってきます。
嬉しいですね、こういう話が聴けると。

そうですか。
僕、てっきり聴きながらやってるのかと思ってた。

逆にそれだと、逆に正確にならない。

伊藤広規:

そう。
なんか、どっかでね精算しちゃったりして。
つじつま合わせようとしてる、なんか作為が見えちゃって。
イマイチなんですよね。

植竹:

FOR YOUのアルバムの中では割と最初の方に録った曲ですか。

青山純:

そうですね。

伊藤広規:

ほとんどもうリズム・ボックスは・・・
最初の2,3小節だけして、すぐ切っちゃって、あとはそのまま自分らのノリで、という事が多かったような。

植竹:

スパークルに関しては何回くらいで録りました?

青山純:

何回かなぁ?

伊藤広規:

3,4回は録らないよね。

植竹:

たった?

青山純:

そんなもん。

伊藤広規:

3,4回くらいですね。

青山純:

First Take is The BEST!なんで!

植竹:

スパークルは、もう絶対何回も演られて・・
誰かがちょっと、とちったりで・・

伊藤広規:

誰か、とちっても別に関係ないんでね。
そこだけ直しちゃえばいいという。
全体のノリがよければもう、それでOKで。

ロス行った時も、この曲は何回か演ったんですよ。

青山純:

あ、そうそう!

伊藤広規:

何回も録った曲で、結局一番最初に録ったコレが。

植竹:

これは、ロスで録ったんですか?

青山純:

違う、違う、違う!

伊藤広規:

こっちで録ったヤツですね。
ロスでも一応録ってみたって感じで。

植竹:

そうなんですか。

青山純:

SONYスタジオですね。

植竹:

日本で録ったものを生かしたんですか。

伊藤広規:

そうです、結局。

植竹:

贅沢な時代ですね!

伊藤広規:

いやぁ、録り方贅沢だよね、いつも。

植竹:

この時に使用しているベースは、伊藤さん、なんていうベースなんですか?

伊藤広規:

フェンダーのジャズベースです。

植竹:

これはフェンダーのジャズベースですか・・
もう、あのぉ・・伊藤さんと言えばマーシャルのベース・・
1992 Super Bass

伊藤広規:

銘柄は何でもいいんですけど、あの三段積みが好きで。

植竹:

青山さん、その時ドラムは?

青山純:

この時はまだパールの・・
パール社のエキスポートかな。
ファイバーのセットでしたね、黄色い。

植竹:

そのへんは、ちゃんと覚えてるんですか、やっぱり。

青山純:

覚えてますよ。
そのうち25才くらいになったあたりからソナーに変わるんですけどね、ドラムが。

植竹:

ドイツ製の。

青山純:

そうですよ。

山下達郎さんとの出会い

植竹:

なんだか凄い番組になってきましたけども。
うれしいです。

なんかね、お二人が、まずそもそもですね、達郎さんにお会いしたきっかけって何なんですか?

伊藤広規:

えーと、まずは・・・
ちょうど何か関東の、関東在住のドラムとベースを探してるという話がありまして。

それで村上秀一さん、それから吉田美奈子さんと丁度その頃一緒に演る機会があって。
その二人から紹介で。

植竹:

その前はポンタさんでしたか?ドラムは。

青山純:

そうです、そうです。
ポンタさん、岡沢章さん。

植竹:

「関東で」ていうのは何なんですか。

伊藤広規:

田中くんと上原’ユカリ’裕さんが演ってたんですけども。

植竹:

田中章弘さん

伊藤広規:

はい。
そこらへんは良くわかんないんですけども。
関東で、何か固めたい、みたいな。

青山純:

こだわりがある人なので、山下さんは。

植竹:

江戸前の・・・

青山純:

そうそう、山手でも下町でもいいんですけど、とりあえず東京の人間で自分のバンドは固めたい、みたいな意向があったみたいですよ。

植竹:

あとで話が出ますが、青山さんは東京でも山手。世田谷。

青山純:

山手です。
ボンボンです(笑)

植竹:

伊藤さんが下町。
シャキシャキ!

伊藤広規:

そうです。

植竹:

で、とにかく江戸前で作りたいという山下さんのアレで。
どこでお会いしたんですか?

伊藤広規:

最初会ったのは・・・

青山純:

原宿のラフォーレ。
美奈子さんが媒酌人というか(笑)

植竹:

美奈子さんもいたんですか?

青山純:

いましたよ。

植竹:

ど、どいう感じだったんですか。

青山純:

とりあえず達郎氏が来て、こんにちは、どうのこうのって・・・話で。
「君たちはどんな音楽を聴いてるんだ」って話になって。

植竹:

あっ、その前に、ごめんなさい。
伊藤さんと青山さんってお知り合いだったんですか?

伊藤広規:

その時はもう知ってました。

青山純:

もう知ってました。

植竹:

それで確か、パレフランスですよね、喫茶店。
今あるのかなぁ

青山純:

もう、ないんじゃないですかね。

植竹:

それは年代で言うと70年代後半ですか。

青山純:

一番最後の方じゃないですかね、70年代の。

伊藤広規:

78,9年とか、かなぁ・・・

植竹:

もちろんその前に、伊藤さん、青山さんは達郎さんの存在は知ってたわけですよね。

伊藤広規:

もちろん知ってました。

植竹:

シュガーベイブの頃から知ってるんでか。

伊藤広規:

シュガーベイブはあまりよく聴いてなかったんですよ。

植竹:

青山さんは?

青山純:

あのぉ・・・ちょうどFENラジオかなんかで、広規の車かなんかに乗ってる時に、WIND LADYがかかって、曲が。

日本人でも、こんなに素晴らしいシンガーっていうかアーティストがいるんだなって思ってたんですね。
それが初めて聴いた時ですね。

僕もシュガーベイブは後の方になって、逆に後になってから、あ、なるほどダウンタウンって、こういう曲があるんだって。

植竹:

あれはファーストアルバムのベースはWill LeeでドラムはAllan Schwartzbergの、あのかっこいいヤツですよね。

青山純:

そうそう、ソロアルバムですよね。
Allan SchwartzbergのWINDY LADY すっごい、めちゃくちゃスゴイですよ!

植竹:

ドラムのAllan Schwartzbergのパワーな感じって・・

伊藤広規:

すごいですよね。

植竹:

青山さん、ちょっと感じるものありますよね。

青山純:

結構、影響受けましたね。
あのアルバムを聴いて。
ニューヨークサイド。

植竹:

すいません、あっちこっち飛んで。
で、お会いしました、まず第一印象どんな感じですか、達郎さんの。

青山純:

いやぁ、やっぱ”キング・オブ・オタク”だなって感じ(笑)
しましたよね。

伊藤広規:

あと・・すごくね、こう・・
なんていうの・・
思ったよりも気さくな感じで、
いろいろ話せた感じかな。

植竹:

当時、どちらかと言うと、シュガーの頃かな、とんがってるイメージがあったんですよ。

伊藤広規:

なんか、そういうのは全然感じなくて。
面倒見がよさそうだなっていう感じがしました。

植竹:

青山さん、オタクっぽいっていうのは、どういう事ですか。
音楽的な話ですか・・

青山純:

音楽的な話をしてて・・・
すごいマニアックで、ブルー・アイド・ソウルにこだわってるとか、自分は黒人のアカペラとか、そういうのをやってるとか。

そういう話を、そこの現場でいろいろ話を聞いてると、この人はマニアっていうか音楽漬けの人だなぁってことを感じたっていうかね。

植竹:

伊藤さんより1才上ですよね。

伊藤広規:

そうです。

植竹:

青山さんより4才上で・・

青山純:

そうかな?

植竹:

で、なんかお二人と「君たちはどんな音楽が好きなのか」というような話になって、ちょっと達郎さんがドン引きしたという話がありますが(笑)
それはどういう話でしょうか。

伊藤広規:

それは、フランク・ザッパとラリー・グラハムが好きだと言ったら、それだけ言ったんだよ。
「エッ?」って。

青山純:

僕はジェネシスのコピーバンドやってましたみたいなことで、高校生の時に。

植竹:

なのに、やっぱりザッパあたりが引っかかったんですか?

青山純:

そうですね。

伊藤広規:

そうみたいですね。
こいつは普通じゃないと思ったんじゃない?

植竹:

それでどうしてメンバーに・・・
ちょっとドン引きしたのに(笑)

伊藤広規:

まぁ一緒にピットインで演ったりして、ポンタセッションの時に。
それで、何かいい感じだったんですね。

植竹:

まずなんか、リハーサルっていうか音合せみたいなのはあったんですか?

青山純:

原宿のパレフランスでの結末というのは「じゃ、とにかく一回一緒に音を出してみようじゃないか」っていう話になって。
赤坂のフェイルグリーンという忘れもしないスタジオで・・・

狭いちっちゃいスタジオに難波さんとギターの椎名さんが来て、僕と広規と4リズムで、達郎さんが一緒にやるということになった訳なんですよ。

で、それで譜面がどんどん出てくる訳なんですよね。

で、ことごとく皆、僕も広規も好きだったんで、そういうのが。
クリアしていった訳ですよ。
それが、驚いたらしくて。

植竹:

それは達郎さんの曲ですか。

伊藤広規:

そう。

青山純:

ぞうです、そうです!

植竹:

事前に音源は渡されてたんですか?

伊藤広規:

全然

青山純:

いや全然。

植竹:

もう知ってた?だいたい。

伊藤広規:

いや・・・知りません。

植竹:

エ~っ!!

伊藤広規:

パターン簡単なんで、そのまま演ってればいい感じで。

植竹:

事前準備とか(笑)
聴いたことはないんですか(笑)

伊藤広規:

だいたいワンパターンなんで。
すぐ出来ちゃうようなヤツばっかりだもんね。

植竹:

そんな事はないと思うんですけど(笑)
それでやってみたら・・・

伊藤広規:

なんか今までと違って、どのジャンル、どの形でも出来るっていうんで、相当気に入れられたみたいな。

植竹:

バラードもやってみた・・

伊藤広規:

バラードもね・・・なにしろ達っつぁんのバラード「潮騒」とか、あれいい曲だよねぇってさんざん言ってて・・・
「あんた達、変わった人ですね」って(笑)。

いつも、叩けばもう、演奏するのはファンクばっかり、その頃バキバキやってたんで。
それで好きなのがバラード?とか言われちゃって。

青山純:

「あんたいくつだ」って言われたことがあって。
“21です”とか言って。
「どうしてこんな曲叩けんだ!」とか言われて。

あの、♪ ジン・チ・チ・クカッ・・・ドンドン

好きだったんで。
自然に普通に刻んで。

植竹:

今の潮騒ですか?

青山純:

違います。今のは「マンデーブルー」で、ハチロクのヤツですね。

メリー・ゴー・ラウンド ~MELODIES~

植竹:

それでは2曲目行きましょうか。
次はメリー・ゴー・ラウンド。
これはメロディーズに入っていますね。

これ1983年6月8日に発売されたメロディーズのB面の一曲目ですが、まずは聴きましょうか。

♪ メリー・ゴー・ラウンド

これは青山さん、どのへんが自分としては・・

青山純:

もうこれは、もう・・・
何て言うんですかね、ファンク?
で、コード・プログレッションがアイズレー・ブラザーズみたいな。

それで広規のこの、ブチ叩いてるファンクなベース。
まずアタマから来るっていう。

伊藤広規:

ファンクでこの音聴いたことないよね。

青山純:

ない、ない、ない・・・

植竹:

これはだって・・・

青山純:

重戦車が動き出してる感じ!が一番聞きどころかな。

植竹:

ライブでもう、スパークルもいいけど、こっからいってもいいかなみたいな。
これ、伊藤さんどうですかベースの聞きどころというか。

伊藤広規:

いやぁ、気持ちいいですね!
とてもそれや、非常に!

植竹:

今、おっしゃってましたけど、初めの頃歌が入ってなくて。

伊藤広規:

え、リズムだけから作った曲なんですよ。
「頑張ってメロディー作って来るから」って(笑)

ただ、さすがメロディーメーカーだなって思った。

植竹:

ちょっと私のですね・・・お二人が来るってことでベースとドラムのお二人のファンの方からアンケートを色々聞いてですね。
こういう質問があったんです。

『メリーゴーラウンドのドラムは一切クラッシュ・シンバルがなくて、唯一後半にカウベルが鳴ってますが』

これ合ってます?

青山純:

いやいや、クラッシュ・シンバル、入ってますよ。
カウベルはあとからダビングしたと思うんですけど。僕がね。

植竹:

すいません、これ間違いです(笑)
私の友達で小林君というベーシストがですね、JOYのライブのCDでメリーゴーラウンドのベース・ソロの前に、ブーンって音が入る。これはペダルでしょうか?って(笑)

伊藤広規:

ソロの前にブーン・・・?
間違って踏んだのかな、それ。

ブーンはやった覚えがないけど・・
したのかも、しんないけども・・

んん、判りません!すいません!

植竹:

とんでもないです。
メリーゴーラウンドでございましたけれども。

山下達郎さんのメンバーへの指示内容は?

植竹:

山下達郎さんって、そもそも吹奏楽でドラムを叩いて・・だったんで・・
青山さん、ドラムに対してめちゃくちゃ注文厳しいとか、どうなんですか。

青山純:

譜面をもらって、タイトルまだついてないM1とかM2とか書いてあって。
その横に・・・彼の音楽っていうのは様式美って言われてますけども、今のメリーゴーラウンドだったら・・・

♪ ダーッダーッダ・ツ・ダ テ
  ダーッダーッダ ダダタ タンタン

ドラムが

♪ ドンツ・チャン ドンツ・チャン

もう一貫して黒人の音楽をなぞるような、ほんとにそのままで。
ベードラが、1,2,3,4を踏んで、スネアが2拍、4拍で、ハイハットが8分で、ブツ・ブツみたいな。

そのパターンが譜面の横にちょこっと書いてあるんですよ。
基本パターンということで。
それを参考にして、あとは一切細かいことは書いてないんですよ。

コードの移り変わりを書いてあって、ダル・セーニョしてダ・カーポしてとか。
あとは構成だけをみてればいいんで。

メリーゴーラウンドに関しては、ほんとに広規の

♪ ダーッダーッダ・ツ・ダ テ
  ダーッダーッダ ツタ タンタンタン

もう、これで決まりですよね。

ドラム的に言えば、ほんとに単純に

♪ ドンツ・チャン ドンツ・チャン
ドドトンとか入れない。

もうほんとにシンプルです。

植竹:

あれですか、例えばプリプロとかで作ってきたりってないんですか?

青山純:

ないですね。

植竹:

こんなふうにしてくれとか、ないんだ。

伊藤広規:

その場で。

植竹:

その場ですか。

伊藤広規:

ま、レコーディングの練習みたいのは、ちょっと演った時もあったりして。

植竹:

練習?

伊藤広規:

え。そのレコーディングのパターン決めるんでみたいな。
でも、そういう曲があったり、また、これはその場で、こういうパターンで演ってくれって言われて。

“あいよ~”って感じで(笑)

植竹:

伊藤さん、ベースに対しては、どの程度こう注文っていうか、こうして下さいとかは、どの程度するんですか。

伊藤広規:

ほんとに大雑把な
♪デンデン・デンデン
とか。

♪ テンテンテン・ツ・テン・テンテンテンとか。

植竹:

口で言うんですか?

青山純:

口で、口で。
口で伝えるのが多いですよね。

植竹:

例えば、音色とか、そういう指定とかあるんですか。

伊藤広規:

たまにね、曲によってはピックでやるか指で弾くか、親指で弾くか、その叩く方にするかっていうのは、たまに・・・
「どうしてみようか」って話したりするんですけど。

普通、いつの間にか、これがいいやって思って、それ、自分で勝手に思って決めちゃって。
やったりしてます。

何かあれば、言ってくるだろう、みたいな。

青山純:

あと、これ余談なんですけど。
エンジニアが吉田保さんていう方がいらっしゃって、彼が卓の前で座ると、ドンピシャでその音になるんですよね。

さっき、重戦車って話が出たんですけど、現場のほんとの生音でメリーゴーラウンド聞いた場合は、もっと凄いわけなんですよ。
ライブを聴いた人は、そう思うかもしれないけど。

山下達郎って、夏だ・海だ・山下達郎だって、リゾートのおしゃれな音楽とか言われてるかもしれないんですけども、実は現場は、さっきスパークルがデトロイト・ロック・シティだったとかなんか、そういう話したでしょ。

あのぉ・・ロックのエッセンスがものすごい現場では出てるんですよね。

それで、それを吉田保マジックで録音されると、こういうおしゃれな感じに出来上がってきたと思いますよ。

伊藤広規:

野蛮な感じが出せるところが凄くこう・・
達郎さんの曲っていうのがメジャー・セブンとかなんで、そこでそれなりの音出しちゃうと、なんか軽くなっちゃう。

気持はレッド・ツェッペリンを演奏してる感じ。

植竹:

お二人、伊藤さんと青山さんって、おそらくバンド合戦みたいのでヘビメタの連中と戦って楽勝に勝てますよ(笑)

伊藤広規:

まぁ ハードロック系ですよね。

植竹:

魂はそうですよね(笑)

青山純:

そうですよ!基本は。

FUTARI ~FOR YOU~

植竹:

続きまして、次はいよいよバラード「FUTARI」ですね。
これもFOR YOUに入ってA面の最後。
これ名曲ですけども、このへんは伊藤さん、「FUTARI」に関しては・・・

伊藤広規:

今でもはっきり覚えてるんですけど、ピアノ佐藤博、サックス土岐さん、あとは青山、オレ、達郎、5人で録ったんです。

青山純:

よく覚えてるね。

伊藤広規:

それで、雰囲気すごく良かったの、あの時。
もう始まった時から。

で、途中ね、遅くなるんで、これはリズム・ボックス使えないからって、これ1発録りっていうふうにいって。

“いいんじゃな~い”っていう感じで(笑)

それで、録ったままの雰囲気が出てて、これはすごく良く覚えてます。

植竹:

これ、亡くなった佐藤博さん、もうイントロからピアノ、素晴らしい、これ。
だけど、これもドンカマは使ってない?

伊藤広規:

使ってないです。

植竹:

だけど、このゆっくりさなテンポで、テンポをキープするって、すっごく難しいでしょ。これ。

伊藤広規:

やっぱね、全員グルーブ感あるので、全然問題なく自然と流れて。
ほんとに、もうこの場に参加できて、オレは嬉しいと思った!

植竹:

そういう感覚って、あるんですね。

伊藤広規:

ここで出来るオレは幸せものだなぁと。

植竹:

青山さん、覚えてらっしゃいます?

青山純:

なんとなく。
なーんとなくね。
土岐さんがいたのは、よく覚えていますよ。

これも六本木のソニースタジオだよね。

伊藤広規:

そう。

植竹:

佐藤博さんの印象ってどうですか。青山さん。

青山純:

佐藤さんは、僕達にとっては師匠にあたるので。
あのぉ・・・
独特の・・・
感じを・・・
納得いくまで。

僕達がOKテイクを録ったあとでも、また何べんも何べんもトライしてる姿をずっと見てたんですけど。

植竹:

とても二十歳超えてからピアノをやった人とは思えないですね。

青山純:

思えないですね。

植竹:

それでは聴いて頂きましょう。
山下達郎さんの「FUTARI」です。

♪ FUTARI

植竹:

なんか、聴き入っちゃいましたね・・・

青山純:

聴き入っちゃいますね。

植竹:

このまた、吉田保さんがね、いい・・アレしてますね、これ。
いい音。

伊藤広規:

いやぁ・・・なんかね、びっくりしたね。

植竹:

他人事みたいに(笑)
そういう感覚ってありますでしょ?
いい演奏した時って。

あらためて聴いて自分じゃないんじゃないかって(笑)

伊藤広規:

いいですよね~。
もう、誰だろう?と。

山下達郎バンドについて

植竹:

達郎バンドっていうのは、リハーサルって多いんですか。

伊藤広規:

それはレコーディングに関してですか?
ライブに関してですか?

植竹:

例えばレコーディングに関しては。

伊藤広規:

リハーサルはほとんど無いです。
もうその場で演ってます。
下手すりゃ2回目で録れちゃったりして。

でもそれじゃ満足できないから、あと2回録ろうって。
3テイクとって、選ぶのに3時間かかったりとか。

青山純:

チョイスするのがたいへんで。

植竹:

ライブは長いんですか。

伊藤広規:

ライブのリハーサルは、もう2週間以上、しっかり取る感じ。

植竹:

1日に何時間くらいやるんですか?

伊藤広規:

まぁ、6時間くらいかな。

植竹:

例えば、そういうのって事前に自宅で(笑)練習していくってことないんですか。

伊藤広規:

レコーディングでもやったし、それでライブ、一緒にやってから長いんで、始まればすぐ出来ちゃう。

一応録音、録って、必ず。で、家で聴いて感じをチェックすることは、それはもう、しますけども。
練習の音をチェックするくらいですかね。

植竹:

青山さんもそうですか。

青山純:

そうですね。

伊藤広規:

昔、最初の頃は”ああしようぜ、こうしようぜ”って、”こうやったら面白いんじゃない”とか、色々策練ったりして。

ノリのニュアンスとか、そいうのを昔は結構厳密にやってましたね。
だんだんそれが、もうなんか・・
あとはテキトーって(笑)
こんな感じ~みたいな(笑)

最初は跳ねてみようとか、跳ねないでやってみようとか、最初何年かはずっと、それでやって。

そのうち、跳ねる、跳ねない・・
ん~テキトーって(笑)

植竹:

つまり、ある日からもう達郎さんは、こういうもの求めてるって、だいたい判ってきちゃうんですかね。

伊藤広規:

そうですね、もうなんか、こういい感じってのはもう、曲からも呼ばれるし、自分で思う所を勝手にやってると、それがマッチしてるんで。

たまたまいい感じになってる。

ドラム&ベース それぞれのこだわり

植竹:

伊藤さんのベースでお馴染みの、あのバンダナをベースに巻いてらっしゃいますけども。
あれは、何ですか・・
立川談志師匠がよくバンダナをしてましたけども(笑)

伊藤広規:

ストラトキャスター持ってまして。
それ友達の家に貸した時に、ある日そのストラトの頭に赤いバンダナが巻いてあって。
“あっ可愛いな”って思って。

それから巻くことになったんです。

植竹:

もうね、それは伊藤さんといえば、バンダナをベースに巻いてるみたいな感じが。

伊藤広規:

あれは一発で一目惚れしちゃって。

植竹:

たくさんバンダナ持ってらっしゃる?

伊藤広規:

最近、いろいろチャリティーでバンダナ発売してるし。
1枚2千円以上ということで。
ライブのたびに、いつもお客さんに買ってもらってます。

植竹:

青山さんは、そういう「こだわり」ってあるんですか。

青山純:

あんまりないですね、僕は。

伊藤広規:

5月5日の時は、鯉のぼりが立ってたりしてたけどね。

植竹:

こだわりあるじゃないですか(笑)

伊藤広規:

それ、スタッフが勝手に鯉のぼり立てちゃって(笑)

植竹:

ドラムって、ペダル使いますから、靴のこだわりは・・

青山純:

ある、ある、ある、ある!!
今は、何でもいいんですけど、若い頃は六本木の「大中」ってところがあって、今はもうないですけど。

カンフーシューズがなんか、ペラペラのね。
それで、流行ったんですよ。
スティーブ・ガッドが、それみたいなの履いてるって、そんな流れから、ポンタさんや、渡嘉敷さんがカンフーシューズ履いて叩くみたいのが流行って。

だけどもう、やってるうちにカンフーシューズだと結構疲れるんですよ。

植竹:

じかに当たるから。

青山純:

そう、じかに当たるって感じで。
裸足に近い感覚なので。
それよりも、僕はもうちょっと靴底のソールのところが、厚い・・
だからレーシングシューズみたいな、適度に滑ってくれて適度に止まる感じ。

そういうのが一番良かったんですけどね。

植竹:

今は例えば、ナイキじゃないとダメだとか、そういうのはあるんですか。

青山純:

いや、別に今はないですが。

植竹:

運動靴みたいなものですか。

青山純:

そうですね。

植竹:

伊藤さんは別に靴は、ないですか(笑)

伊藤広規:

履きやすければ、何でも(笑)

ツアー中のアクシデント

植竹:

お二人、もう完璧な演奏なされてるんですけども。
とはいえ、人間です。
ツアー中にですね大失敗したことってないですか(笑)

伊藤広規:

ありますよ。

植竹:

小失敗でもいいでんすが。
伊藤さん、ちょっとプロの過ちをちょっと教えて頂けませんか。

青山純:

違うキーから入っちゃったってのが、広規が。

伊藤広規:

あるある。

植竹:

なんの曲?

伊藤広規:

「ドーナッツソング」みたいな曲とか、後ろバックやりながらしゃべる時があるじゃないですか。達郎さんが喋りながら、うしろバッキングで・・

MCしてる時に、その曲のキーと全然違うキーで入って。

なんか向こうの方が騒がしいけど、どうしたんだろうなって。
あっ!ちがうじゃん、キー!って。

まだ喋ってるうちに、グングングンって変えて。
戻った戻った!これでOKみたいな。
間に合った~って。

それとあと、「メリーゴーラウンド」のイントロで忘れもしない、あの札幌の厚生年金。

♪ ドラッ・ダ・ウーン ダーッダーッダ ダッダ

って入るんですよ。
その、

♪ ドラッ、ダ

っていう、すぐウラのやつを外しちゃったんですよ。

二人で3つづくくらい、互い違いに音出して。
“止め―止め―”ってなった事が一回あって。

植竹:

止めたんですか?

伊藤広規:

止めました。
多少のズレはなんとかなっちゃうんですが、あそこまでずれちゃうと、もう立て直しのしようがないんで。
二人で3つづつ音出して、止めて。

植竹:

二日酔いだったんじゃないですか(笑)

伊藤広規:

いや、ぜんぜん!たまたま!
♪ ドラッ、ダ・ウーン の
♪ ドラッ、ダ を外しちゃって。

“止め―”って

植竹:

青山さんはあります?

青山純:

僕も、それが一番印象に・・
「メリーゴーラウンド」のアタマを失敗したっていう。
それ以外は、そんなに・・
個人的にはチョコチョコとあったかもしれないけども。

大ウケして、アタマが合わなくて。
深々とお客さんに頭下げたんだけど、オレは悪くない!オレは悪くない!広規が悪いんだって指さして、ステージで本番中に。

”広規だ!広規だ!”って言って。

♪ ダ・ト・チ ダ・ト・ダ・・

みたいな。

伊藤広規:

3つくらい違って。

♪ ウーン ド・ダ・デ・・・

あぁダメだぁみたいな。

山下達郎が山下達郎の前座をやる?

植竹:

もっと単純に、遅刻していらしたとか、そういうのあるんですか。

伊藤広規:

それはありましたね。
福山っていうところで・・・

青山純:

今はもう、伝説ですよ(笑)

伊藤広規:

福山の公演の時に、三軒茶屋の家で4時に起きたんです。夕方の。

植竹:

えっ?何時から公演なんですか?

伊藤広規:

6時半ですね。

植竹:

福山って・・・

伊藤広規:

広島のちょっと手前のとこですか。

植竹:

どうなったんですか?

伊藤広規:

4時に起きたけどね・・・
“まてよ~0.3秒 海外逃亡”って考えたんだけど、今はできるだけのことをやろうと思って、すぐ電話して。

そしたら5時発の羽田発ありますので、それに乗って下さいって。
それが、たまたま間に合って、5分前。

飛行機、止めてる人がいて、偶然。
で、向こうに着いたのは、もう6時なんですけど、そこからタクシーで1時間半かかるんで、始まったのは7時半からになってしまったんですけども。

青山純:

で、山下達郎が山下達郎の前座をやるっていう。

伊藤広規:

一人で。

植竹:

一人で?
ギター一本?

青山純:

ピアノとエレピ弾いて。

植竹:

青山さんは、そういうのないんですか。遅刻・・・

青山純:

オレは、遅刻はないですね。

植竹:

伊藤さんは一回だけですか。

伊藤広規:

そうですね。
細かい遅刻はなんだかんだとありましたけども、だいたい大勢に影響ないっていう感じで。
大勢に影響あったのは、それが・・・

植竹:

全く来れなかったっていう訳じゃなくて。
ギリギリ。

伊藤広規:

寸前ですよ。

青山純:

で、そのライブがね、終わって・・・
広規がお客様の目の前に出て行って、土下座してたんですよ。

ところが、お客さんは楽しめたわけですよ。
達郎ライブ行って、オマケがついたから。

そのあとインターネット上では”伊藤さん、最高!”とか、そういう話になってて(笑)
達郎さんが「全く、もー! ふざんけんな」みたいな(笑)感じになって。

植竹:

伊藤さん、遅刻はたまにした方が・・(笑)

伊藤広規:

いやぁ、もうね、遅刻はやっぱりよくないですよね。
基本的に。
でもね、そういうことがあるお陰で全部前乗りで。

たまに前乗りないと”まだまだ余談許さないよね”って脅かして(笑)
普通、逆ですよね。

ライブ中 楽器のアクシデント

植竹:

たとえばライブの時って青山さん、ドラムのスネアとか破けたとか、そういうことはないでしょ?

青山純:

ありますよ。
大昔、舘ひろしのバックをやってる時に・・

植竹:

舘ひろし! 「泣かないで」

青山純:

「泣かないで」の出る前に。
ベードラが、バスドラムがペダルが、ビーターがべリッって入って。
抜けなくなっちゃった、みたいになって。

で、たまたまその時、前座のアマチュア・バンドがいたんですよ。
それで、急遽そのドラムセットをチェンジして。
あれいなかったらアウトでしたよ。

それぐらいかな。

あと、スネアが破れたとか、そんなことはないですね。

伊藤広規:

ハットが一回壊れたことあったよ。
そしたら大道具さんがね、機転きかせて直してくれた。

植竹:

さすがに、ドラムって予備は持ってこないですよね。

青山純:

オレは持ってないですね。
スネアの予備とか、ペダルの予備とかは持っていきますけども。
足回りとね・・・

伊藤広規:

最近はカーボンの予備は、一応持って歩いてるよね。

植竹:

伊藤さんはベースって、ツアーの時に何本持っていくんですか。

伊藤広規:

一応、もう一本、用意してくれてるんで。
それで。

植竹:

ベースの弦切れたことってあるんですか?

伊藤広規:

あります。
サンプラの時にね、2本切れた!
ソロ弾いてる時に1本切れて、まぁ3本でなんとかなると思ってたら、もう1本切れて。

ソロだから音程関係ないし・・みたいな感じで(笑)
もう全然関係ないですね、ソロの時は。

植竹:

それ、通したんですか?

伊藤広規:

一応、もう・・・
最低1本張ってあれば、なんとかなっちゃいますもんね。
全部切れちゃったら、もうアウトですよ(笑)

植竹:

もう凄い・・
ドラマー、ベーシストになりたい人が聞いてるんで・・
ベースの弦ってどれくらいおきに変えるもんですか。

青山純:

変えないよ~ この人は(笑)
オレも変えないけどね大概、ドラムヘッドは。

伊藤広規:

最近はでも、半年、1年では変えてるかな。

植竹:

結構じゃないですか!それ(笑)

伊藤広規:

でもね、音がこもったりした場合は変える。

植竹:

割と大雑把に・・

伊藤広規:

大雑把、なるだけ変えない。
コンディション、すごく変わっちゃうんですよね。
弦変えると。

いい時もあれば、悪い時もあるんで、悪い時はすぐ変えちゃう。

植竹:

参考になりますね。
それぐらい、大きく考えていいってことですね。

伊藤広規:

そうですね。

THE WAR SONG ~JOY~

植竹:

さ、続きまして「THE WAR SONG」
これはライブ盤です。
1989年11月1日に発売されたJOYからですね。

WAR SONG、これは・・
青山さん、聞きどころは。

青山純:

これはもう、とりあえず重戦車が・・・
まさにそうですね。

伊藤広規:

途中のSEの音が凄いんですよ。
SEの音が、上から下まで、たっぷりあって。

そのあと、うちら演奏する音、狭いんだけど・・
エイッって根性で、それに負けないプレーをしてるところが、これは聞きどころですね。

植竹:

じゃ、これは正に今、青山さんおっしゃいました重戦車・・
なんかアフリカ部族の太鼓みたいにも聴こえるんですけど。

いい意味でワイルドの。
あれ、スネアは1本で叩いてますか?

青山純:

1本ですよ(笑)

植竹:

2本で、叩いてる箇所はないですか?

青山純:

たまに、タムと一緒にスネアを叩く場合がありますけども、このWAR SONGに関しては、あんまり記憶にはないですね。

植竹:

はい、それでは聴いてみましょう。

♪ THE WAR SONG

すごい、ド迫力でございますけれども。

プラスティック・ラブ ~JOY~

植竹:

続きまして、プラスティック・ラブ。
これもライブ盤ですね。
1989年11月1日発売されたJOYです。
JOYからの曲でございますけども。

これは竹内まりやさんの曲ですよね。

伊藤広規:

そうです。

青山純:

そうです。

植竹:

これは、アレンジ的には同じですか。

伊藤広規:

同じです。

青山純:

同じだよ確か。
キーが違うんだよね。

伊藤広規:

キーも結局ね、同じになったの。

植竹:

これは、青山さん、どのへんを・・
ドラマーとしては聴いていただきたいですか。

青山純:

これは、片手16で、チキチキ・チキチキ刻みながら・・
下が「移民の歌」っていうか

♪~ドントト タトン・ト ドントト タトン・トってね。

ツェッペリンは、ほんとは

♪~ドントトタトン ドンドド タトン

なんだけど。

達郎さんがレコーディングの時に
『青ちゃん、こういうの出来るかなぁ』って。
『片手・・右手は16じゃなくて、両手でチキチキ・チキチキやりながらでいいから』
ったら、僕が『えっ、こう?』って片手でチキチキ・チキチキできちゃったんで。

それで足が『移民の歌』って言われて。
「あっ わかった!』とか言って
♪~ドントト タトン・ト ドントト タトン・ト

『OK,OK,OK じゃそれでいこう!』
みたいな感じになったんですよね。

植竹:

伊藤さん、これは・・
どうですか、ベーシストとしては。

伊藤広規:

いやぁ 気持ちいいリズムですね。非常に。

植竹:

これは竹内まりやさんの曲なんですけども、非常に達郎さんっぽいですよね。

伊藤広規:

そうですね、アレンジは達郎さんなので・・・
『移民の歌』じゃなくて、これはどっちかというと、ミニー・リパートンの・・・なんとかって曲の感じにしようって言ったら、なんか『移民の歌』っぽくなっちゃった。

植竹:

「パーフェクト・エンジェル」?
じゃなくて・・・いや、違うな・・

伊藤広規:

♪~ドゥン トゥ ドゥン トゥ ドゥン

っていうパターンなんだけど。
いい曲なんですよ。

それが、

♪ ドン・ドドン ド ドトンになったんです(笑)

植竹:

それでは聴いて頂きましょう。

♪ プラスティック・ラブ

あのぉ、どうですか、この・・・お二人で、ドラマー青山純、伊藤広規ベーシストを、お互いに評価しあうってのもおかしいんですけども。

達郎サウンドにおいて、どういう風にみてらっしゃいますか。
伊藤さん、青山さんのドラムって。

伊藤広規:

・・・いや、もう・・・
バッチリで申し分ありません(笑)

青山純:

左に同じです(笑)。

植竹:

今日はですね、ほんとにもう、イッパイイッパイ。
こんな番組なかったと思うんですけど、おそらく(笑)

青山純:

マニアックな話でしたね。

植竹:

これはもう達郎バンドのファンの方は、今日は大満足でアレだと思うんですけど。

いやぁ盛り上がりましてですね、今日はですね、山下達郎バンドのベース、ドラム、伊藤広規さん、青山純さんでですね、リズム隊からみた名曲、達郎サウンドを分析しましたけれども。

これで話が盛り上がりすぎてイッパイイッパイ。
で、もう次回やりましょう!

次回はですね、いかにして伊藤さん、青山さんがですね、ベーシスト、そしてドラマーになられたか。

そして実は、もちろん達郎サウンドだけじゃなく、2000近く、以上のスタジオをこなしております。

あんな歌謡曲もやってるの?
あんなポップスもやってるの?
ちょっと驚くようなバッキングをやっております、ステジオでですね、レコードの。

レコードの時代からCDの時代まで、そのへんをですね、謎をですね、バッチリ解いていきたいと思いますので、次回もまた青山純さん、伊藤広規さんに出演して頂きます。

宜しくお願いします!

エンディング

伊藤広規:

今夜はベーシスト、伊藤広規と

青山純:

ドラマー、青山純がお送りいたしました。

植竹:

今日はですね・・・

青山純:

盛り上がりましたね。

植竹:

盛り上がってしまいまして。
この分だと、もう1本録らないとどうしようもないだろうと、いうことで。
次回、早々にやらせてください!
お二人に。

青山さんって、息子さんもドラマーなんですって。

青山純:

そうなんですよ!
次男坊の青山英樹っていうのがJAM Projectっていうアニソンのバックバンドでドラム叩いてます。
国際的に活躍してまして、今。

植竹:

で、もう一人・・・
友樹さんも。

青山純:

友樹もやってるみたいですけども・・
友樹のドラムは、そんなに聴いたことないですけども。
しばらくツイン・バスで、ツイン・ペダルじゃなくて、ツイン・ベードラ。

伊藤広規:

ツイン・ペダルじゃなくて、ベードラふたつ。

青山純:

もろ二つ。

植竹:

昔のGSのバニーズみたいな(笑)

青山純:

そうそう!

植竹:

ってことは、家にドラムだらけじゃないですか!

青山純:

そうみたいですよ。

植竹:

今は一緒にお住まいじゃない?

青山純:

じゃない、じゃない、じゃない!

植竹:

すごいですね、ドラマーが3人って!

お知らせ・・がですね。
まず、青山さん、今後の予定、入ってますか、いろいろ。

青山純:

今、ちょうどMISIAの15周年記念、星空のライブ・ヘブンっていうので全国各地を飛び回っておりますので、ま、そちらの方を。

植竹:

7月にはハワイ公演も?

青山純:

あるみたいですね。

植竹:

MISIAさんっていうのは、ドラムを後ろで叩いてて、どうですか。

青山純:

いやぁ、ほんとすごいシンガーですよ!

植竹:

歌、上手いですよね。

青山純:

あの、ちっちゃい体から、なーんであんなにパワフルな声が出てくるのかは不思議なくらいですね。

すごいですよ。
ソウルですよね。

ソウルフルですね。

植竹:

伊藤さんは、実は・・いろいろあるんですね。

伊藤広規:

18日に新橋ZZというライブハウスで伊藤広規セッションで達郎の曲をアマチュアの人と楽しむライブがあります。

植竹:

これ、結構、たまにやるんですよね。

伊藤広規:

たまにやってます。
3,4ヶ月に1回くらいやってます。

植竹:

達郎さんのナンバーを、いわゆるアマチュアの方と一緒に。

伊藤広規:

そうです。
盛り上がるんですよ(笑)、これがすごく!

植竹:

アマチュア・・伊藤さんと一緒に出来るわけ?

伊藤広規:

そうなんです。

植竹:

めちゃ、緊張するでしょ!

伊藤広規:

してるみたいですね(笑)

植竹:

それとか、あと・・・

伊藤広規:

5月3日、4日に大阪フェスで山下達郎公演ですか・・

植竹:

大阪フェスが新しくなって・・・

伊藤広規:

新しくなって、その時だけやるみたいで。

植竹:

伊藤さんと青山さんにお聞きしたいんですけども、青山さんも大阪フェスでやったことありますよね。

青山純:

ありますよ。

植竹:

立川談志さんが大阪フェスで落語会を演った時に、滑走路みたく見えるって言うんですよ、ステージから、客席が。

よくほら、達郎さんもよく言ってます、大阪フェスティバルホールって独特のものがあるみたいな。

カラヤンが持って帰りたいって言ったって話があるんですよ。

伊藤広規:

あー・・・そうですね。

植竹:

ほんと、そんな感じがするんですか?

伊藤広規:

そうですね、横幅があって、お客さん、割りと近い感じで。
なんか、独特な感じがしますね。

青山純:

キャパ、どれくらいあるんだっけ、あそこ。
3000、4000?

植竹:

そして、5月18日に・・

伊藤広規:

神戸チキンジョージで、全国からの山下達郎トリビュートバンドのイベント『伊藤広規セッション日本列島』ってのをやります!

もうね、鹿児島行っても達郎バンド、すごい面白いバンドがあって。
新潟にもあって、北海道にもあって。
いろんなとこに、あるんですよ。

だから、あまりにも面白いんで、ちょっと全員、真ん中に集合させてライブをやりたいなぁと思って。

植竹:

そちらの方にも、是非いらして下さい、皆さん。
ということでですね、今回、達郎サウンドを支えている、黎明期から・・
お二人に、リズム隊という目線でですね、達郎さんの曲を分析して頂きましたが。

もう今日、時間イッパイ、イッパイなったんで、また、やります!
もっと、伊藤さん、青山さんの事、もっとプライベートな音楽をですね、ファンの方に知らしめたいというこで、やりますので!

近々にやります!
宜しくお願いし致します!

今日は、ほんとにありがとうございました。

伊藤広規:

ありがとうございました。

青山純:

ありがとうございました。

END

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青山純
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