山下達郎さん サンデーソングブック 2020年1月5日(#1421)『新春放談 with 宮治淳一さん』
長崎市内は、日曜日は朝からよい天気です。日中は寒さも和らぎました。
今日のサンソン、宮治淳一さんゲストの新春放談でした。
オールディーズの話には、ついていけません(笑)
ということで、このブログでは山下達郎さんのサンデーソングブックのほんの一部をテキスト化しています。
誤字脱字は、ご容赦くださいませ。
◎ 冒頭
達郎氏:
みなさん新年あけましておめでとうございます。
山下達郎です。
サンデーソングブック、2020年がスタートいたします。
今年も、何卒よろしくお願い申し上げます。
旧年中は、いろいろお世話になりました。
今年も、いろいろとがんばって番組、つづけていきたいと思います。
さて、私のサンデーソングブック、28年目を迎えております。
そのうちの20年近く、新春放談という形で大瀧詠一さんとですね、お正月、番組をですね展開してまいりましたけれども(笑)
久しぶりに新春放談、復活することになりました。
昨年の7月に、私、風邪ひいたときにピンチヒッターお願いしました宮治淳一さん。
ワーナーのストラテジック、オールディーズ関係のコンピレーションをたくさん出してる方ですけれども。
今回また、Warner Pop Rock Nuggets Vol. 11、12を12月4日に発売になりまして。
それのお話しを今週はまず中心に据えまして、今週、来週、2週間。
久しぶりに、9年ぶりの新春放談でございます。
宮治淳一さんお迎えしまして、昔と同じようにですね、カルトな、オタクな話をですね、展開してまいりたいと思います。
サンデーソングブック恒例、新春第一弾に新春放談、9年ぶりに再開いたします。
どうぞご期待ください。
で、めずらしいことにですね、昔の新春放談は12月に収録だったんですけれど。
今回は直前の収録でございますので。
意外とリアルタイム・・なにがリアルタイムかわかりませんが(笑)
そういう形で、いろいろとお話しをしていきたいと思います。
新春、第一弾、サンデーソングブック。
日曜日の午後のひととき、今日は、すごくカルトなオールディーズの話でお楽しみいただきたいと思います。
~ CM ~
♪ Orange Blossom Special(夢のオレンジ号)/The Spotnicks
◎ 9年ぶり
達郎氏:
あけましておめでとうございます。
宮治さん:
あけましておめでとうございます。
でも、ほんとに新春ですから、なかなかいいですね(笑)
達郎氏:
あのぉ、めずらしいパターンで。
年が明けてから録っているという。
宮治さん:
そうそうそう!
達郎氏:
直前で録っている!
宮治さん:
だから「今年」って言えるんですよね。
年末、どうしても「今年」っていうと・・
達郎氏:
そうなんですよ。
テレビのバラエティみたいになっちゃうんですよ。
宮治さん:
そうそうそう(笑)
達郎氏:
なん、しらじらしくね。
振袖なんか着てね。
正月のふりをしろ、という(笑)
しかし、おもしろいもので、9年ぶりの新春放談なんです。
宮治さん:
結構、休んでましたね。
達郎氏:
休んでました。
2011年の正月の大瀧さんとが最後なんです。
それまで、だから、およそ・・27年?
やってたんですけどね。
83年からやりましたから。
宮治さん:
なんか、いろんなところに間借りしながらやってたって話・・
達郎氏:
そう。
えと・・
84、85、86とやって、それNHKで・・
そのあと、佐野くんとこいったり、萩原くんとこ行ったりして。
それで93年の正月にサンデーソングブックになったんで。
そこから、ずーっと。
宮治さん:
すごいですね。
いろんなところに行きながら、ずーっと続けて。
達郎氏:
大瀧さんがパブリックな場に登場するのは、ほんとにそれだけだったので。
宮治さん:
ですよね、考えてみれば。
達郎氏:
1年経って、まだ生きてるって・・そういうね・・
宮治さん:
まさに生存確認番組ですね。
達郎氏:
ほんとに。
大瀧さんが亡くなってから、もう、そういうことはないと思ったんだけど。
おかげさまで去年の夏にですね、風邪ひいて休んだときにピンチヒッターやっていただきましてですね。
その後の2週間、Pop Rock Nuggetsの特集をしたおかげで、それがご好評をいただきましてですね、リスナーの方に。
宮治さん:
ありがたい話でございますねぇ。
達郎氏:
それじゃぁ、宮治さんだったら新春放談もできるんじゃないかと。
宮治さん:
けっこうマニアックな話になっちゃいますけどね。
達郎氏:
関係ないですよ!
大瀧さんのときなんて、だって55分で4曲くらいしか、かかりませんでしたからね。
成瀬巳喜男とか、そんな話ばっかりでしたから。
彼の1年の基調報告・・
それよりはもうちょっとですね・・
宮治さん:
それよりかは(笑)
達郎氏:
宮治さんは、ラジオ日本で今レギュラーやってらっしゃって。
日曜日の夕方なんですよね。
宮治さん:
そうです。
達郎氏:
だから日曜日はコールデン・オールディーズ・タイムと言われて。
宮治さん:
ですか!
ありがたいですね。
達郎氏:
今、ネットで聴けるから。
全国の人がね、宮治さんが聴いたあの曲を、こっちでもかけてくれって。
ばかやろう、向こうで聴け、みたいなね(笑)
宮治さん:
そんなのあるんですか?
達郎氏:
ありますよ。
ハガキ、来ますよ。
宮治さん:
すごいですね。
ラジコ様様ですね。
達郎氏:
若い人が増えて。
宮治さん:
わかります。
確かにそうです。
達郎氏:
だいたい宮治くんの番組と僕んとことピーターバラカンさんの番組と・・・
宮治さん:
日曜日です、全部!
達郎氏:
それにクリス松村さんがいて。
それがまた結構濃いいのやってるから。
AORの帝王ですからね。
なかなか充実した日本のラジオ文化となったもんです。
宮治さん:
2時のサンデーソングブックを皮切りに、日曜日は皆さんからラジオが手放せないと(笑)
♪ スアヴェシート/マロ
♪ Never Let Him Go/Jody Miller
♪ Suspicions/Bettye LaVette
◎ シングル盤とカッティング
達郎氏:
TOP40のシングルを全部・・
宮治さん:
アメリカからね。
達郎氏:
取り寄せてたんですね。
ちょうどディスコメイトレコードに就職したころでしょ?
宮治さん:
4月から、やっと定期的に給料をもらえるようになってですね。
今までの貧困な生活から、ちょっとこう・・ね(笑)
レコード指数が上がったときで(笑)
で、シングルって当時日本で売ってないんですよ。
アメリカ盤のシングルって。
タワーが3年後くらいにできて、やっと、なんか小さいコーナーができたくらいで。
なので、やっぱその前の年にアメリカに初めて行って、シングル盤いっぱい買ってきたんですよ。
そしたら、やっぱり音圧が違うっていうか。
そのとき200円くらいで買えたんですよ。
達郎氏:
78年がドルが180円くらいですから、円高でね。
宮治さん:
そ!
だから、1ドルちょっとのものを買っても200円くらいなんです。
日本、その当時700円くらいしてたんですよ。
600円とか700円とか・・
達郎氏:
そうですね。
宮治さん:
なーんだよと!
いうことで、これからは就職したら、40位に入ったものは全部買おうと。
ということでこの「Suspicions/Bettye LaVette」に出会ったわけですよ。
達郎氏:
そすと、日本盤も買ってたわけでしょ?
シングル盤。
宮治さん:
日本でしか出ないやつはね。
だけど、やっぱり音圧がね・・・
ちがうので。
達郎氏:
カッティングがぜんぜん違うんですよ。
宮治さん:
カッティングの問題なんですね・・・
達郎氏:
カッティングです。
マスターは同じだけど。
昔のエンジニアの人に聞いたことがあるんですよ。
歌謡曲がとにかく全然音圧がないじゃないですか。
内沼映二さんっていうね、あの方、麻丘めぐみやってらして「芽ばえ」ってあるんですけど。
「芽ばえ」って、あれ一応フィルスペクターもんで、ドン・ドドン・パって始まるんですけども。
トン・トトン・ピン
なんですよ(笑)
なんでこんなに音がしょぼいって・・
昔はリミッターがなかったんですって。
リミッターをマスターにかける発想がなかった。
宮治さん:
あの当時すら、まだないんですか?
達郎氏:
トータルコンプという発想が、絶対に許されないんですって。
宮治さん:
許されない!?
達郎氏:
原音に忠実っていうね。
宮治さん:
あらら・・・
達郎氏:
で、カッティング技術がまだ確立してないんで。
深く切るっていうことができなかったんだって。
いろいろなこと、内沼さん、おっしゃってらして・・
ぼく、ほらRCAだったから、そういう話、たくさん教えてもらったんですね。
◎ アナログ
達郎氏:
今またアナログがね・・ブームなんですって。
宮治さん:
らしいっすねぇ・・
そうとう出てますよね。
こんな人まで出すの?みたいなね(笑)
悪いけど。
っははは(笑)
達郎氏:
っははは(笑)
なんかね、僕がね、CDになった時に、CDの悪口をさんざん言ったらね、やれガラパゴスだの、シーラカンスだの・・
さんざん言われてきて。
宮治さん:
っくくくく(笑)
達郎氏:
今さらね、アナログだって。
宮治さん:
どうしたんですかね、それが急にね・・
達郎氏:
世界的な傾向でしょ、ファッションですよ。どーせ。
宮治さん:
半分以上はそれですよね。
でも実際に悪くはないでしょ、音は。
達郎氏:
いやぁ・・・・
僕、2010年以後、やっぱ向こうでアナログ結構・・
120グラム・・とかありとあらゆるもの買いましたけど。
オリジナルバージョン超えてるもの、1枚もないですよ!!
宮治さん:
今の180グラム買うくらいだったら、コンディションのいいオリジナルを・・
達郎氏:
オリジナルがいい。
マスターが劣化してるんで、どうしようもない。
マスターをアナデジした段階で、もうハイ落ちしてるんで。
それを結局、要するにEQかけたり、コンプかけたりしてステロイド状態なわけね。
僕のシュガーベイブのSONGSは90年代の頭くらいに大瀧さんが全部アナデジしていてくれたので。
まだ劣化がそんなに悪くない状態で・・
宮治さん:
テープそのままが、まだへたってない状態で。
達郎氏:
へたってない状態でベストコンディションでアナデジにトランスファーしてくれたんで、今でもハイクオリティなチョスができるんです。
所詮はすべてマスターなんで。
だからCDって80年代はほんとに音が悪いんだけど。
でも、アナログ・マスターはまだ全然劣化してない時代なんで。
それを今、リマスターしたほうが。
CDだって立派なアーカイブなんでね。
そっちの方がね、2018年リマスターとかいうよりもぜんぜんいいですよ。
宮治さん:
マスターとして使えるっていうことですね。
達郎氏:
使えます!!
宮治さん:
へんなEQやってない。
達郎氏:
マイナス14デシ(db)のヘッドマージンが低いんだけど。
でも、マスター自体は悪くないんで。
宮治さん:
あぁ・・・
達郎氏:
そういうことをね、だれも論争しないし。
考えもしないで、やれアナログだ、アナログだ、アナログはCDと違うとか。
ほとんどのシェアはもうスマホで聴いてるんですからね。
宮治さん:
ははは(笑)
そうですよね。
達郎氏:
だから、おかしいですよ!
こういうこと言うとね、またいろいろ言われるんですよね。
宮治さん:
っひひひひ(笑)
♪ I Don’t Wanna Go/The Moments
~ CM ~
♪ ユー・ドント・ニード・ア・ジプシー/ロバート・ジョン
◎来週
達郎氏:
来週も引き続き、いくんですけども。
来週は、もうほんとに宮治さんの、かけたいやつと(笑)
宮治さんの喜びそうなものを持ってきたんで(笑)
宮治さん:
そうですか(笑)
最高ですね(笑)
達郎氏:
完全に大瀧さんの時代のノリに戻っていくというですね(笑)
ちょっとスピードが速すぎたかもしれません、今日は。
宮治さん:
はい。
達郎氏:
久しぶりなので、興奮しておりましてですね(笑)
スプートニクスから始められたというのがですね。
宮治さん:
よかったですねぇ(笑)
達郎氏:
ほんとに、あの、ご冥福をお祈りできてですね・・
Bo Winberg(スプートニクスのメンバー)
今日の最後にですね・・
しっとりしたやつ、いきます?
例えば、ラブ・ハーツとか。
宮治さん:
ラブ・ハーツいいですね。
達郎氏:
あとは、さっきのチェリーパイとか。
宮治さんが、これプロデューサーなんですから、あなたの好きなやつにしてくださいよ。
宮治さん:
じゃ、今日、イギリスもの1曲もかかってないので。
ブリンズリー・シュウォーツ、「エヴァー・シンス・ユーアー・ゴーン」
これを聴いてみたいと思います。
◎ クロージング
達郎氏:
お送りいたして参りました山下達郎サンデーソングブック
新春放談 with 宮治淳一さんで、1週目お届けしました。
ポップ・ロック・ナゲッツ VOL.11、12を中心にですね9年ぶりの新春放談ですので、駆け足が激しすぎかもしれませんけど。
そのうち慣れるというですね・・・感じでございます。
来週は、宮治淳一さんの最近お求めになったシングル、その他ですね。
あとは私の最近手に入れたソース。
昔の大瀧さんとやっていたような感じでですね。
また、よりオタクなですねプログラムでございますけれども。
曲は選りすぐりでございます。
楽しんでいただけると思います。
というわけで2020年。
令和2年でございます。
サンデーソングブック引き続き、よろしくお願いします。
それでは、山下達郎サンデーソングブック、来週もセイム・タイム、セイム・チャンネルでみなさんごきげんよう。
今週のオンエア曲
14:03 Orange Blossom Special(夢のオレンジ号)/The Spotnicks
14:14 スアヴェシート/マロ
14:17 Never Let Him Go/Jody Miller
14:27 Suspicions/Bettye LaVette
14:36 I Don’t Wanna Go/The Moments
14:44 ユー・ドント・ニード・ア・ジプシー/ロバート・ジョン
14:48 エヴァー・シンス・ユーアー・ゴーン/ブリンズリー・シュウォーツ
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