山下達郎さん サンデーソングブック 気になる一言 ピックアップ
放送ではリスナの様々な質問に対して山下達郎氏からコメントがありました。
2009年4月19日から12月27日の放送を対象に、いくつかピックアップしてみました。
さあ、今年もいよいよ、あと2日間。
来年のツアーが楽しみです。
ちなみに、
2009年4月19日から12月27日は、こちら
2010年1月17日から06月27日は、こちら
2010年7月4日から12月12日は、こちら
2011年1月23日から6月26日はこちら
2011年7月10日から12月25日はこちら
2012年1月1日から6月24日はこちら
2012年7月8日から12月30日は、こちら
2013年1月1日から6月30日は、こちら
2013年7月1日から12月31日は、こちら
2014年1月1日から6月30日は、こちら
2014年7月1日から12月31日は、こちら
2015年1月1日から6月30日は、こちら
2015年7月1日から12月31日は、こちら
2016年1月10日から6月19日は、こちら
2016年7月3日から12月25日は、こちら
2017年1月8日から6月4日は、こちら
2017年7月2日から12月31日は、こちら
2018年1月7日から6月24日は、こちら
2018年7月1日から12月30日は、こちら
それでは、どうぞ。
Q,PAを途中でデジタルからアナログに戻したということですが、具体的にはどのような違いがあるのですか?(2009年5月24日)
達郎氏 :
観客の方には、そんなにメチャクチャ違いがないと思います。
解像度がデジタルのほうがいいとか、そういうことはあります。
アナログのほうが、全体的に混ざるので、そっちのほうが迫力がある、というような、そういうことなんですが、問題は「こちら」の方で、私歌ってる人間は正面のセンターでやっているのでPAが会場から跳ね返るところがモロくるんですね。
それが、デジタルは位相があまりにも良すぎるのと、ものすごくピークがあるのでレコーディングと同じ問題で、シャウトしたりすると、それが跳ね返りが強すぎて、僕は「持っていかれる」という言葉を使いますけど、人間の体っていうのは自分の声の大きさを耳で判断していますので、それがPAとかライブの場合そのバランスが崩れます。
それが普通に歌っているようにモニターを作れればいいんですけどデジタルの場合はその「跳ね返り」が強すぎるので、自分ではものすごく声出しているつもりでも体がそれに反応して、帰りの音が強いので「おまえはでっかい音を出しすぎている」っていう具合に体が反応しますとどうなるかといいますと、ひっくり返るんです。声が。
力を入れてるつもりでも、体が力を抜いてしまうので、それが例えば「上ずる」とか「ひっくり返る」とかいう結果になって”あの人声がすごい苦しいんじゃないか”とか”声がでなくなったんじゃないか”とかいう具合に解釈されるとたまらないので(笑)いろいろと検討したんですけれど、結局やっぱりデジタルのPAだと、それが100%解決できない。
昔から何十年もやってる我々みたいな世代の人間は、いままでのアナログの音の跳ねっ返りで体の調整をしてきた人間なんで、それがいきなりデジタルになりますと、どうしようにない(笑)。
それで、20本やって新潟で全部アナログに切り替えたということでございます。
なかなか6年もライブをやっていませんと、いきなり浦島太郎状態で、目の前の物がみんな変わってしまってですね。
実際に私の世代の多くの人たちは、いまだにアナログPAでやっております。
あと、「イヤモニ」といいまして、僕らは「ころがし」といましてモニタースピーカーでやってるんですが、イヤホンでモニターをする人たちはデジタルでも別に、イヤホンですから関係無いのでデジタルにしてる方が多いと思います。
デジタルの方が再現性がある、といいますでしょうか、1回音が決まると、セッティングが決まるとボタンひとつでリコールできますので、そっちの方が、やる人には楽だという。アナログはいちいちその都度やらなきゃなんないので大変だと。
いろんな長所短所ありますが、私は当分デジタルでPAやる気はありません。
”イヤモニ”というのも僕は、インナーイヤーのヘッドホンやると頭痛くなってくるのでできませんので、そういう肉体的な問題もあります。
ちょっと長くなりましたが。
Q,ステージに置いてあるゴジラのフィギュアは何の意味があるのですか?(2009年6月7日)
達郎氏 :もう、あれは20年前からですねステージに置いてある。何の意味もありません。
私が好きだから置いてあるのですが。
あのぉ ビニール製のですねラジコンの、はじめ動いてたんですが、最近壊れて動きません。
一番ゴジラのフィギュアはですね、すごく好きでですね、家飾ってあるので、ついでにコンサートのお伴に、連れてきております。これからも、居ると思います。何の意味もありません。私の趣味です。
Q,ツアー中は、なにかとハプニングがつきものだと思いますが、放送できる範囲で語っていただくと,楽しいのでは?(2009年6月7日)
達郎氏 :
楽しく無いんですよ(笑)。ハプニングは無ければ無いでこしたことはないですが。
私自身のハプニングといいますと、3回ほどあります。
3月1日、その時ですね、今、TBSで放送してますニュースのテーマソングを書いておりまして、前の日、デモテープ作っておりまして、ちょっと、夜更かしをしてしまった影響で、翌日3月1日、いつものように出るんですが、歌い始めるとですね、エヘン虫というハイトーンがひっかって、なかなか出ないんですよ。
30分くらい続きまして、これは大変だなと思いましたが、そのうちに治ってきて、最後は事なきを得ましたが、一時、ヒヤットしました。
エヘン虫は。50本中、それ1回だけですが、歌詞が飛ぶことが、2度ほどありました。
新潟でフォーエバーマインの歌詞が飛びましてですね、(笑)それは、もう1回やりました。
あとは、サンプラザでラビアンローズが1回飛びまして、そのぐらいですね。あとは概ね順調だったと。
その他にも、まあ、お客さんのハプニングとしましては、まぁ ストロボたく、たちの悪い人がいますんで、そういう、あれが居ましたが、そういうのは、あんまり面白い話では無いので、一応。
Q,ライブで高気圧ガールのバックコーラスで”ハーッ”と溜息が出たのは、まりやさんが裏で参加していたのでしょうか? 3人のコーラスが”ハーッ”っと言ってなかったので。(2009年6月7日)
達郎氏 :居る訳ないじゃん(笑)。あれはオリジナルのレコーディングに入っている溜息をサンプリングして、それをキーボード・プレーヤーがやっているんです。
Q,ステージ衣装は達郎さんご自身がお選びになったのですか?(2009年6月7日)
達郎氏 : 違います。スタイリストです。
Q,ラブランド・アイランド等の終わりの方に拡声器をお使いになるのはなぜですか?(2009年6月7日)
達郎氏 :単なる気分です。シャレです(笑)
Q,ステージで、何故ペットボトルで水を飲まなかったのですか?(2009年6月7日)
達郎氏 :ペットボトルだと、むせることがあります、上を向いて飲むので。だから、必ずコップから水を飲まないと、量が調節できないのでペットボトルでは飲みません。
Q,ツアーに使用していたギターアンプですが、達郎さんといえば「マッチレス」だと思っていましたが、今回はなぜツインリバーブを使ったのでしょうか?(2009年6月14日)
達郎氏 :マッチレスが壊れたんです。だからフェンダーのツインリバーブに戻したんです。マッチレス、もう駄目なんですよね。良かったんですよね。今、僕の、今回のライブで手伝ってくれたギターテクニシャンが作ってくれたアンプを新しく導入する予定で、今、出来るのを待っています。
◎ 2009年6月28日 「モータウン特集・アーカイブス第2回目」
達郎氏 :
今日の最後はこの一曲。69年も押し迫っていよいよ70年代になろうという時に、一つのグループがモータウンからデビュー致します。これがモータウンの70年代の方向を決定づけていくことになります。
マイケル・ジャクソンがリードボーカルをておっております、ジャクソン・ファイブ。
マイケル・ジャクソンが1959年生まれ。まさにモータウンが生まれた年に生まれた人でございまして、それも何かの歴史の因縁、さらに、さらに私の番組で、本日このモータウン特集で、この曲が最後にかかることに、私はさらに大きな因縁を感じてしまいました。
マイケル・ジャクソンは誰もが認めるアーティストでありましたけれども、マービンゲイ同様にアメリカ芸能会の地獄で燃え尽きてしまいました。ご冥福をお祈りしつつジャクソン・ファイブ、1970年初頭を飾りましたデビューヒットにしてミリオンセラー「I Want You Back」邦題「帰ってほしいの」。
Q,ツアーではいていたジーンズはどこのメーカですか?(2009年7月19日)
達郎氏 :私は、昔からエドウィン一筋です!!今はいているのは503のGG
Q,私は職場の人間関係がいやになり、会社を辞めたくなりました。達郎さんは現在の職業がいやになり辞めたくなったことはありましたか?(2009年7月19日)
達郎氏 :
よく、こういうような内容、特にお若い方からお便りをいただきますが、上司とトラブルになったら徹底的に話し合うしかないです。こうやって逃げていたらダメです。
どんなに罵倒しあいでも、結局は人間は言葉でしかコミュニケーションができないので、言葉でつきつめていって妥協点を見つけるしかありません!!
それができないので、今の政治みたいなことになってます。
私なんか、この職業34年やってますけど、何百回となく辞めたくなりましたけど、それでも何とかやっております。
若い時から、こんな逃げてはいけません。
これ、すごく気になったお便りなので、ちょっと古いんですけどご紹介しました。
Q,今までアニメ映画の主題歌をやらなかったのは、何かこだわりがあったのでしょうか?それともアニメの仕事の依頼が無かったのでしょうか?(2009年7月26日)
達郎氏 : 何度かありましたが、スケジュールが折り合いませんでした。
Q,それと達郎さんが今までの人生の中で一番好きなアニメ映画はなんですか?ディズニーですか、ジブリですか、やっぱり手塚アニメでしょうか?(2009年7月26日)
達郎氏 : うぅ~ん、やはり幼少の記憶には勝てませんで、1本といったら「ピノキオ」ですね。
Q,この秋、いよいよビートルズのリマスター版が登場しますが、達郎さんなら、どのような購入のされ方をしますか?(2009年7月26日)
(1)ボックスセットで
(2)バラでまとめて
(3)バラで好きなものだけ
(4)ボックスでもバラでも両方
(5)誰かがくれるのを寝て待つ
達郎氏 : 私、ステレオ版はバラでまとめて買いますが、モノラル、初期のビートルズはモノラルの方が本道なので、モノラルはボックスで揃えようと思っております。それで予約してあります。
全然関係無いですけど、最近ドラゴンクエストを予約したら来ないんですよ、ぜんぜん。
発売してから何日経っても来なくてですね、突然、「品物の都合がつきません」とかそういうのが来まして「キャンセルするときはこちらへどうぞ」と。ふざけるなっ!どことは言いませんが、キャンセルしてまだ買ってません。
Q,「僕らの夏の夢」の映画用の5.1Chサラウンドミックスはやはり映画館でしか聴けないのでしょうか?(2009年8月2日)
達郎氏 : そうです。だってCDツートラックですもの。ただ、DVDは5.1サラウンドで発売されますので、お家のホームシアターとかですと、5.1で聴けます。
私はですね、最近はコンピューターのUSBにつなぐ、”リアル5.1サラウンドヘッドホン”っていうのがありまして、これを使うと一応ですね、劇場のサラウンドと同じような感じでバランスもとって聴けますのでですね、エバンゲリオンなんかはコンピュータの液晶を少し大きくしまして、それでUSBにつないで聴いております。
意外とその気になれます。割と安く手に入りますので、うん千円のヘッドホンでございますが、意外といっちょ前の音しております。
Q,オン・ザ・ストリート・コーナー、1、2、3やシーズンズ・グリーティングス、おやすみロージー、ラビアンローズなどで、楽器で言えばベースにあたる低い声を出すところで使っているエフェクターの名前とメーカーを教えてください。(2009年8月2日)
達郎氏 : 私の一人アカペラ、オン・ザ・ストリート・コーナー、シーズンズ・グリーティングス、おやすみロージー、ああいうもののベースのパートはエフェクターとか一切使っておりません。自分の声だけでございます。
一人アカペラでエフェクター、回転変えるとか、そういうことは一切しておりません。
掛け値なしの、普通のちゃんとした発声の声を多重録音して作っているものでございます。
Q,達郎さんが初めてエレキを弾いたのはレスポールタイプですか? ストラトキャスタータイプですか?(2009年8月9日)
達郎氏 : 私、中学の時、エレキを初めて持ったのは、グヤトーンです、日本製の。
当時、レスポールやストラトなど、そんなものサラリーマンの初任給が数万円だった時に30万円とかしますから、触れることすらできません。
レプリカモデルも無い時代ですから、テスコとかグヤトーンとか日本製のギターをみんな初めて弾きました。
そのうちにYAMAHAのギターというのが出てきまして、そういう時代でございました。
Q,高2の息子ですが、将来、スタジオエンジニアになりたいようなのですが、かなり特殊な業界で、なりたくたも、なれるものではないと思います。
でも少しでも可能性があるとしたら、どのような勉強や学校、学科、サークル、つてを目指せばよいのでしょうか?達郎さんの弟子にしてもらうのが、一番手っ取り早いと思いますが、冗談です。(2009年8月16日)
達郎氏 :エンジニアになりたい人は、専門学校がありますが、一つのサディスションとして、なるべく大きなスタジオに行くことをお奨めします。僕らが使っているスタジオ、例えば、サウンド・インとかですね、たくさんスタジオがあるスタジオ、プライベートスタジオでちっちゃいスタジオよりも、大きなスタジオの方が、色々な仕事がありますので、そっちの方が、仕事を覚える幅が広がりますので、将来、できます。
昔レコード会社に就職して、録音課というところに就職しましてですね、レコード会社のスタジオで修行するのが一番良かったんですけど、今はもうとにかくレコード会社が不況で、みんなスタジオ手放してしまいましたので、独立の録音スタジオが、大きいところがたくさんありますので、そういうところに行かれるたら如何でしょうか。
Q,22年前、地方に住んでいた私は、東京の友達に遊びにおいでと言われ、東京見学に行きました。夜、六本木のクラブみたいなところにカラオケがあり、それで不思議なピーチパイを歌ったら、そこにいた知らないおじさんから千円を頂きました。達郎さん、まりやさん、はじめてもらったチップはいつごろですか?(2009年8月30日)
まりやさん:チップ貰ったことないかもしれない。
達郎氏 : オレ、あるよ!!
まりやさん: ある??
達郎氏 : 杉本きよしさんっていうギターのね、六本木ピットインに行ったら、お前歌えって言われて、一曲歌ったらね、鳥の巣みたいな頭したね、ま、お水のおばさんだけどね、”よかったわよ”って、おひねりくれた。
まりやさん: へえ?ほんとに?
達郎氏 : へへへ・・・、昔の話だけどね。
Q,シュガーベイブ時代に、様々なアーティストのバッキングコーラスの仕事をされていますが、その中でも印象に残っている仕事はなんでしたか?(2009年9月20日)
達郎氏 :私は20代、1970年代は、コーラスのスタジオミュージシャンをやっておりましたので、ほんとにたくさん、いろいろな人をやっておりますが、そのコーラスの仕事がたくさん舞い込んでくるような一番最初のきっかけは、ユーミンです。
ユーミンのミスリムというセカンドアルバムのコーラスをやらしてもらいましてですね、そこから”コバルトアワー””14番目の月”という3枚やりました。
そのあとの”流線型”とか、そういうとこで何曲かやらしてもらってます。
このユーミンのレコーディングに参加させてもらったお陰で、そうした当時のニューミュージックなんていう言葉も出始めましたが、日本のフォークとロック、そうしたスタジオ仕事をずいぶんやりました。
クレジットが入ってないものまで含めますと、割と有名なところですと山田パンダさんの”風の街”とか、あとかぐや姫の伊勢正三さんがつくった風のファースト、セカンド、それから丸山圭子さんとか、そういうところはクレジットが書かれてなかったりしますが、そういう処も含めまして、あとはティン・パン・アレイ系とか。細野さんとか、大瀧詠一さんとか、そういうとこはずいぶんやりました。
でもそういうコーラスのスタジオ仕事が来るようになって、一番、きっかけの仕事、それと自分にとって一番印象に残っているのはユーミンのミスリムというアルバムです。”12月の雨”なんて、ありますが。
Q,以前、20代で稼いだお金は全てレコードにつぎ込んだとおっしゃってましたが、プロになる前の収入源は何だったんですか?アルバイトでもしていたのでしょうか?もししていたら、何のアルバイトをしていたか教えてください。(2009年9月27日)
達郎氏 :二十歳前後の時、バンドをやる前は、運送屋のバイトやってました。バンド作ってからはバイトできないので大変でした。入った事務所が給料くれなかったので、ほんとに、飢え死にしそうになりました。
そういうこともありましたですね。稼いだお金を全てレコードにつぎ込んだっていうのはですね、一応、収入の見込みがたった23歳くらいから先の話でございます。
Q,大阪フェスティバルホールが無くなり、厚生年金会館も存亡の危機です。今後大阪でのライブはどこで行われるのでしょうか?(2009年9月27日)
達郎氏 :私に聞かないでください、選択肢そんなに無いんですから。グランキューブですかね。
Q,志ん生さんがお好みですが、現在の噺家で、いいなと思う人は、東京、上方でそれぞれいますか?(2009年9月27日)
達郎氏 :東京だと、昇太さんはよく行きます。昇太さんは生がとってもいいと思います。上方だと米朝さんの息子さん、小米朝あらため米團治さん、あの方上手ですね
Q,芸術の秋といいますが、達郎さんはお気に入りの画家、もしくは家に飾ってある絵画はありますか?
また、あるとしたら、どこで、いくら位で手にしましたか?また美術館等に行かれることはあるのでしょうか?(2009年9月27日)
達郎氏 :美術館は、ほんとに良く参ります。絵は大好きです。どちらかといえば、印象派ですね。
もう、ベタですがモネです。モネは素晴らしい。だけど、モネとかいうクラスになると1点ものなんて全く手が届きませんので、家に飾ってあるのは、だいたい殆ど版画です。
アメリカのモダンアートが好きなので、若いころに「ラウシェンバーグ」のテレピン油の版画をですね貯金全部下ろして買いまして、20代の中盤ですから、大した額ではないんですが、それが今でも家に飾ってあります。
あとはペーター佐藤さんの版画が、何点か、まだご存命の時に譲っていただいたやつが、ほんとに素晴らしい女性の絵の版画なんですけど、それを家に飾ってあります。
むかーし、十数年前に、うちの玄関に、そういう版画ばっかりなので、やっぱり、こういう絵好きの夢っていうのが、一点ものが欲しい、油絵の一点ものとか、そういうのが人生で一点、一回欲しいなと、誰でも思うんですが、私も十数年前に、そういうことを思ったことがありまして、特に「マーク・ロスコ」っていう画家がものすごく好きで、20代のときにマーク・ロスコのカタログっていうのを見ましてですね、ちっちゃいんですけど、月賦で買えるかなって、その時40過ぎてましたんで、で、知り合いの画商にその話をしましたら、「バカ」って言われまして、「エッ ゼロが二つ違うんだ」、それ以来、一点ものを購入しようというのは、すっかり、あきらめて今では、版画でやっております。
あとはポスターですね。フィルモアのポスターとか、そういうんでしたら手が届きますので。しかし、絵というのはなんであんなに高いんでしょうね
Q,達郎さんのサインは自分で考えたのですか?
それとも、別の人から「こうしなさい」って言われて書いているのですか?(2009年10月3日)
達郎氏 :そんなこと聞いてどうするんだ(笑)。若いころはサインどうしようかって決めるんですよ。
芸能界ですと、ちゃんと大きな事務所がある人ですと、”サイン屋さん”っていうのがいて、ああいうマッチとかですね、キムタクとかああいう人たちは、サイン屋さんっていうのが決めてくれるんですけど、私たちはインディですから、そういうことはありません。
初めは英語で訳のわからないサイン考えたりしたんですけど、どうもダサイと。
そういう時、たまたま事務所で一緒の所属だった山下洋介さんが、漢字のサインを書いてらしたんです。
山下って名字同じなんです。”あっ、これだ”って思って以来、山下さんのサインを真似して自分のサインを考えて以来、ずーっと三十数年使っております。
Q,ちなみに達郎さんのウェストサイズは何センチですか?(2009年10月3日)
達郎氏 :私は、センチ言われても判らないのですが、29インチ※です。それが入らなかったらダイエットします。※2.54cm/inch×29inch=74cm
Q,コンサートの写真を見ると、達郎さんはいつもステージ上で腕時計をしていらっしゃいますが、それはコンサートの進行状況を達郎さん自身が確認するためだったりするのでしょうか? それとも単に衣装の一部なのでしょうか?(2009年10月18日)
達郎氏 :私、若いころから時計ずーっとしてますので、時計がないと不安なんですよ。本番中に時間を見ることは絶対にないです。集中力がそがれますので。
時計が、ギターのフレットを握ってるときに、時計があると、締まるというか、絵になる。絵になるって変ですけど、絵が締まるっていうか、そういう感じですーっとしてます。
Q,先日の放送でアナログ盤をよく聴かれているとのことですが、番組でオンエアしている曲はアナログ盤ってことはないですよね?最近の放送は中音域がよく出ているのは気のせい?(2009年11月8日)
達郎氏 :EQとかプロフェッション変えましたので、音が抜けて聞こえるかなという感じでございますが、アナログは時々使います。
Q,達郎さんのシンガーソングライターこの1枚といえば何でしょうか?(2009年11月8日)
達郎氏 : 1枚って言われたら、キャロルキングミュージックかなぁ、バリーマンサバイバー、ジャクソンブラウンの一枚目、だめだ唸っちゃう
Q,旅行するなら交通手段は電車、船、飛行機のどれが好きですか?(2009年11月15日)
達郎氏 : 圧倒的に飛行機ですね。飛行機すきなので。こないだ広島から鹿児島にローカル線でツアーに行きましたらプロペラ機でございました。楽しかったですね。プロペラ機いいですね。
Q,達郎さんの初めて買った楽器は何ですか? その楽器で初めて弾けた曲は何ですか?(2009年11月15日)
達郎氏 : 初めて買った楽器はウクレレです。ウクレレで初めて弾いた曲は”花はどこへ行った”、いわゆる循環コードというやつで、ウクレレでやったのが最初です。でも楽器自体はドラムの方がもっと先なので、ドラムで最初にやったのは、何かのマーチです。
Q,ステージでピックを後ろに放り投げていますが何故ですか。使っているピックのメーカとかあったら教えてください。(2009年11月22日)
達郎氏 : 最近のピックは1曲弾くとボロボロになってしまうんんで、後ろに投げて新しいピックを使っています。ボンバーなんて曲を弾くと、ピックはボロボロです。フェンダーのピックを使っていたのですが材質が悪いのか、すぐに使えなくなるので、特注で作って使ってます。
Q,達郎さんは、ステージではギターアンプを使わずにPAラインに直接入れているのは本当ですか?どんなエフェクターを使っているのですか?(2009年11月22日)
達郎氏 : ステージに置いているギターアンプは一切鳴らしていません。ギターの出力はPAラインに直接入れています。エフェクタはコーラスとかブースタとか使ってますが、こんな話をしても皆さん興味ないでしょうから、ファンクラブの会報かなんかで紹介しましょうか。
Q,まりやさんに質問です。まりやさんから見て、達郎さんの作られる音楽の魅力(達郎氏:なんだい、それ?)、または達郎さんの音楽に対する姿勢、考え方で魅かれるところはどんなところですか?(2009年12月20日)
まりやさん:なかなか、本質に迫る質問なんですけど、マジで答えると、私は達郎の作曲能力とか演奏能力とか声の魅力とか歌のうまさっていうのは、もちろん凄いと思っているんですけども、それにプラスして編曲能力の高さというか、アレンジって私すっごい難しいと思うんですね。
達郎氏 :アレンジが一番難しいよ、あなた(笑)
まりやさん:だから演奏できる人が必ずしもアレンジできるってわけは無いじゃない?
達郎氏 :ポピュラーミュージックの7割はアレンジですからね。
まりやさん:だから、これだってアレンジを見つけてくれる事は凄いというのと、それ以前の問題なんだけど、一音楽リスナーとして音楽を愛してるっていう、そのスタンスが私は、凄く尊敬できると思ってね。
達郎氏 :”よいしょ”してもしょうがないからね
まりやさん:別に、そういう”のろけ”でも何でもないんですけど、一応リスナーとして幅広く聴くからこそ自分の音楽の幅も広がるわけでしょ?
達郎氏 :でも、だいぶ幅せまくなりましたよね。若いころに比べると。
まりやさん:でも、ジャンルに拘らないじゃない? いいか、良くないか、そういう感じじゃない。その幅の広さが、凄いフレキシブルだなって。
達郎氏 :音楽には”いい”も”悪い”も無かりけりって
まりやさん:でも、一リスナーとしての音楽の喜び方を忘れるとさ、変にプロに徹して作らなきゃって感じだけど、聴くことの喜びって絶対忘れてないじゃない?
達郎氏 :僕らが生きた時代っていうか十代は音楽が文化の中で一番力を持っていた時代なので、音楽が音楽の未で成立させるためには、どうしたらいいかって事を皆真剣に考えたね。
音楽って、もともとどちらかって言うと、付帯芸術っていうか、踊りのバックとか、芝居のバックとか、映画のバックとかメディアミックスと呼ばれる、ま、クロスオーバーっていうか、”そういうもの”っていうか、あと、お食事しながら後ろでね、やるとか、そういうものだったんだけど、音楽だけが主役になった。今また、それが、そういう位置に戻りつつある。
だから、埼玉スーパーアリーナとかでね観に行くと、スクリーンでっかいのがあって、ダンサーがたくさんいて、一体音楽を聴いているのか、ダンスを観てるのか、判んない訳ね。
ああいう大量動員で、東京ドームとか、そういう風になればなるほど、音楽で一体あるのか、MTBしかり、
だから、そういう事になったんで、僕らが生きた時代はホント音楽だけで成立させるっていう事を、凄く一生懸命考えた時代なので、だから音楽しか興味が無いんだよ(笑)。
まりやさん:音楽しか興味が無いっていうのは、凄い、良い方に転んだなって思ってます。
達郎氏 :良い方に(笑) 転び方ですね、ライク・ア・ローリング・ストーンズ、何だよそれ(笑)
Q,達郎さん、まりやさんが今読んでいる本がありましたら、教えてください。(2009年12月20日)
まりやさん:須賀敦子さんという方の、イタリアを舞台にした小説とかエッセイを読んでいて「トリエステの坂道(新潮文庫・白水Uブックス) 」とかいうのを最近読んでいます。
達郎氏 :俺、フランク・シナトラの評伝本。
まりやさん:それまでは、レコーディングスタジオの、読んでたね。なんだっけ?
達郎氏 :TEMPLES of SOUND
まりやさん:ミュージシャンの人達って、みんな、あれ読んでるよね。
達郎氏 :あれは、凄い。今年読んだ中で一番面白かったね。血沸き肉踊る。
今、フランク・シナトラの読んでるんだけど、最近ちょっと、フランク・シナトラにハマってるんだ。
まりやさん:あ、そうなの?
達郎氏 :ん。で、フランク・シナトラぐらいアレンジャーにうるさかった人はいない。
あの人、非常にアレンジと曲をね、慎重に選ぶ。
まりやさん:ネルソン・リドルを・・
達郎氏 :ネルソン・リドルを発掘してきた、実質的に発掘したのはフランク・シナトラなんですって。
最近知ったんですけどね。ようやく、フランク・シナトラまでたどり着きました。
Q,お二人の結婚記念日はいつですか?(2009年12月20日)
まりやさん:4月6日です。
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